『何を…言っているんだ?
あなたも、ウルトラマンだろう?』
突如現れたゾーフィと呼ばれたウルトラマン。
彼は立ち去ろうとした際にZに気づき、悲しそうに呟いたのだ。
『君も人間が好きになってしまった…ウルトラマンなのか。』と
ゾフィーとは違う、そこは間違いないと思う。
しかし、自身がウルトラマンではないかのような口ぶりがZは気になっていたのだ。
『…私は、ウルトラマンではないよ。
私はゾーフィ、光の国より遣わされた裁定者…だった。』
そしてゾーフィはZに向き直る。
『かつて私の同胞が、異星人との接触がないにも関わらず生物兵器である怪獣が暴れる地球へ裁定者として降り立った。
彼はあろうことか、か弱い子供の命を守り死んだ人間と融合し、人々を守るために光の国の掟とも戦った。
彼の名はリピア、そして人々から畏敬の念を込めてこう呼ばれていた。
ウルトラマン、と。
私は、掟を破った彼を連れ戻すために地球へ来た。
こことは違う地球だ。
そしてウルトラマンは、自らの命を犠牲にして、地球の生物は守る価値のある存在だと証明した。
故に、私はウルトラマンなどではない。
さて、遅くなったが名を聞こうか、異世界の同胞よ。』
カラータイマーが赤く点滅するZだが、ゾーフィに向き直り自らの誇りを示す。
『私はZ、ウルトラマンZ!
宇宙のどんな命でも守る、宇宙警備隊の一員でこの碇シンジの相棒だ!』
それを聞いたゾーフィは亜空間に向き直ると肩越しにZに語りかける。
『…そうか、どうやら世界が違うからか私たちの生き方は全く違うらしい。
君たちは皆、ウルトラマンと名乗っているのだな。
私は碇ゲンドウと目的を同じにする者。
この星の全ての命を贄に、私はリピアの命を取り戻す。
会えてよかったよ、そしてこれは警告だウルトラマン。
私の道に立ち塞がるな、生きていたいのであればな。
もっとも、この先の未来で君たちが生きていればの話だが。』
そしてゾーフィと入れ違いに、亜空間から骸骨の頭を持ったエヴァがせり出してきた。
その数10機。
当然今のシンジたちには造作もない相手だ。
普段であれば、の話だが。
『ダメだシンジ!
これ以上は力が限界だ。』
Zのその言葉を最後に変身が解け、赤く染まる大地に跪くシンジ。
「そんな、グリッターの負荷がこんなにきついなんて…」
ZETAインフィニティは構想ではあったがあくまで理論上可能な認識であり、実際の運用はこれが初めてだ。
反動までは流石に予測ができない。
しかし、使徒大戦後4ヶ月の眠りにつく負荷を経験したのだ。
むしろこの程度で済むのは奇跡と言えた。
生まれたての子鹿のような足で立とうとするシンジ。
目の前には歯をカチカチと鳴らしながら量産型エヴァが迫る。
アスカと真希波は間に合わない。
「…まだだ、まだ死ねるか!
約束したんだ、絶対帰るって!」
しかし現実は無常だ。
もう一機の量産型エヴァが目の前にいてシンジに手を伸ばす。
万事急須、その言葉が頭をよぎり目を瞑った瞬間
ドォン!
目の前を紫電の光の柱が突き抜け、伸ばそうとしている量産型の手を消し飛ばす。
「…見違えたよシンジくん。
積もる話もあるんだけど、とにかく助けに来たよ!」
そこには黒いジャケットに身を包んだ癖っ毛の男がいた。
優しい雰囲気の中に、決して折れない芯の強さを見せる男。
彼の名は
「マナカ、ケンゴさん…」
そう、ウルトラマントリガーことケンゴがそこに立っていた。
そして、
「あなたが碇シンジさんですね!
ケンゴさんから話は聞いてます!
ある人の頼みで助けに来ました!」
横にある見知らぬ若き青年、黒とオレンジの隊服が昔のケンゴを思い出させる。
「君は…?」
「俺はカナタ、アスミカナタです!
明日を見る、彼方まで!」
漢字説明までしてくれるなんてインパクトツエーな。
ケンゴが場の空気を変える。
「またエヴァが相手なんて、あの時を思い出すね。
話はこいつらを片付けたからだ!
行くよカナタくん!」
そしてケンゴはキーを、カナタはその手に光を集めアイテムを顕現させ腰のケースからカードを引き抜きアイテムに差し込む。
ウルトラマントリガー!マルチタイプ!
ウルトラディメンション!
そして二人はゆっくりと被りを振りながら、天へ己の光を掲げる。
「未来を築く、希望の光!
ウルトラマン、トリガー!」
「輝け、フラッシュ!
デッカー!」
そして立ち上がる二人のウルトラマンは、有象無象のエヴァたちを圧倒的な力で叩き伏せる。
そして最後のエヴァが倒れた時、光となり元の人へと姿を戻す。
そこはふらつきながら近寄るシンジ。
「まさか、カナタ君までウルトラマンだったなんて…
でも、ダイナ先輩じゃなくてデッカー?」
ケンゴが悩む。
「う、うーん。
そこの説明が、僕とティガより変わってて難しいんだけど…
それより僕たちがここへ来た理由を話してもいいかな?」
その言葉にシンジが向き直る。
カナタの肩を借りながらだが。
「僕らはある人から君の救出を頼まれたんだ。
そして伝言を頼まれてる。
Zさんの師匠、ゼロさんからね。」
今年も終わりますね
いろんな人に読んでいただいて感謝です
年内に1話あげれたらいいなと思ってます