新世紀エヴァンゲリオンZ   作:カチドキホッパー

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なかなか遅くて申し訳ないです
仕事が…
さてさて、ちょいちょい無茶苦茶な文章かもしれませんがご容赦をば


33話 終極地獄血戦カルヴァリーベース

 ジン、改め碇シンジが光の国へ旅立ち10日が経過していた。

 ヴンダーでは最終決戦の義準備が着々と進められていた。

 副長であるリツコは多忙な業務の合間を縫ってとある部屋を訪れていた。

 そこは純白のカプセルが幾重にも積み重ねられた部屋であり、墓場のような神殿のような趣を感じさせる。

 そこの一角に真紅の外套と帽子を被る親友の姿を見つけ歩み寄る。

 

「ミサトがいるならここだと思ったわ。

 いつもここだもの、でも仕方ないわよね。

 だってここはリョウちゃんの残した部屋だもの。

 館長室のプレート、ここに張り替えようかしら?」

 

「加持は関係ないわ。

 いい加減で自己矛盾なあいつは、あの時自分の身勝手でこの世から消えたの。

 だから、アイツが残したこの船の本来の運用目的がインパクトで滅びゆく動植物の遺伝子の補完だったとしても、私はそのためには使わない。

 ネルフ殲滅、インパクト阻止が最重要目的よ。

 故にaaaヴンダーは最後の瞬間まで、命を繋ぐ船ではなく命を守る戦闘艦として運用します。」

 

 この世界では加持リョウジは故人となっていた。

 リリスとマーク6の戦闘の末に引き起こされたサードインパクトにより開かれたガフの扉を封じる人柱として、自らと引き換えに世界を救った。

 

「それは使命?

 あなたの個人的な復讐ではなくて?

 情動で動くと碌なことにならない、貴方の経験よミサト」

 

 リツコの言葉には共に戦火を潜り抜けてきたと言う経験の裏打ちがあるだけに言い返せずに苦虫を噛み潰したような表情のミサト。

 

「…相変わらずきついわね。」

 

「ミサトを甘やかすと碌なことにならない。

 私の経験よ。」

 

 故にリツコは誓う。

 今度こそ、ニアサードインパクトのような過ちは起こさせないと。

 2度と親友だけに罪は被らせないことを。

 

 そして2日後、風雲急を告げる艦内放送がミサトから行われた。

 

『総員に告げる。

 現在移動要塞と化したネルフ本部が黒き月を伴い南極へ移動している状況を確認した。

 これより30分後に、ネルフは殲滅を目的とした大和作戦を実行することから、現作業を20分以内に終了させ所定の運用位置へ移動せよ。

 これまでの全ての業に、決着をつけます。』

 

 そして30分後に衛星軌道上から大気圏を通過し高度10000キロまで到達したヴンダー。

 その直下には白色の結界が貼られていた。

 

「これが原罪で穢れた生命を拒む、エル結界の上空…

 その上を、祝福も受けずに人類が通過しているのはリョウちゃんの残したアンチエルシステムとこの船のおかげね。」

 

 リツコは科学者として、状況を分析しつつ感傷に浸っていた。

 どこまでも静寂が包み込む空間をいく翼を持つ戦艦。

 間も無く南極の直近に到達する最中、突然の衝撃がヴンダーを襲う。

 そして、その衝撃は漆黒に染まる同型艦からの砲撃によるものだった。

 

「あれは!

 まさか秘匿されていた同型艦があったのか⁈

 そうでなければ説明がつかないか…

 そしてこの仕掛け方…冬月副司令ね。」

 

 リツコの分析を裏付けるように、二番艦の中では冬月コウゾウがヴンダーを見据えていた。

 

「これも儀式に必要な手順でね。

 今しばらく碇のわがままに付き合ってもらおう。」

 

 そして激しい撃ち合いの最中、とうとう潜航ポイントは到達し結界を打ち抜きながら潜り込むヴンダー。

 しかし行きはよいよい、とは行かない。

 圧倒的な物量のエヴァインフィニティの海に突っ込むこととなった。

 それを追いかけてくる二番艦、そして行手を阻むかのように三番艦が現れる。

 

「ちっ!

 挟撃されたか!

 前方に突っ込め!

 上昇時に下からかちあげて、反転の後に目標三番艦と当艦を入れ替える!

 まだ、エヴァを使うわけには行かないのよ。」

 

 そしてミサトの指示通り潜り抜けたヴンダーを、新たな敵が待ち受ける。

 シンジを襲った骸骨の頭部をもつエヴァの大群だ。

 

「っ!

 躊躇できないわね、リツコ!

 エヴァ各機発進!

 アスカが機動準備中の13号機のコアに停止信号プラグを打ち込めば全て終わるわ!

 マリ、サポート頼んだわよ!」

 

 そして射出されるエヴァ2号機と8号機。

 2号機は先の戦闘で失われた半身を鎧で補強したような姿、8号機は腕に特殊なガントレットを装着し、背部に2号機の武装を牽引していた。

 そして2号機が搭載ミサイルや8号機から供給される武装で迫り来る骸骨エヴァこと7号機を次々破壊していく。

 しかしやってくる大量のエヴァを捌くのは、至難の業だ。

 そして、物量に物をいわせ、渦巻きさながらなドリルのような陣形で突貫してくる。

 

 これは…武器でなんとかなるレベルじゃないわ!

 

 武人としてのアスカが冷静に判断する。

 ならば

 

「コネメガネ!

 ぶっつけ本番であれを試すわよ!」

 

 わずかな言葉、しかしその言葉だけでマリは自ずとやるべきことを理解する。

 

 そして激突する二陣営のエヴァ、質と量の戦いの軍配は…

 

 

ヴィレに上がる。

 

 

 そして浮かび上がるネルフ本部の地表部分にたどり着いた二機の姿は新たな輝きを放ち、己の名と共に勝鬨をあげる。

 

 エヴァセカンド・デルタサムライマスター!

 

 エヴァエイト・デルタライズドラゴン!

 

 

 2号機は全身装甲の武将のような鎧、その手には大質量の大砲が握られる。

 8号機には龍のような鋭角な装甲とガントレットの変形した大型の爪、翼、尻尾が装備されていた。

 目標まで後わずか!

 だが、目の前には円形の機械にエヴァの腕を取りつけた醜悪な敵が多数待ち構えていた。

 

「姫!

 ここはあっしが引き受けるよ!

 早く13号機を!」

 

 マリに敵の相手を託して、アスカはネルフ本部の最深部へ乗り込む。

 そこには十字架に貼り付けられた13号機が眠りについていた。

 その中心部に露出するコアへ、停止信号プラグを打ち込むアスカ。

 しかし、

 

「なに、このフィールド⁈

 13号機は固有のフィールドを持たないはずじゃ?

 まさか、2号機がこいつにビビってるっての?」

 

 しかし現実は思案しても変わらない、ならば!

 

「はっ!

 切り札はあたしだって持ってんのよ!

 コード反転!

 裏コード777!」

 

 そして今、アスカの眼帯が剥がされ、青く十字に輝く瞳があらわになる。

 そして目の中から棒が飛び出す。

 それは封印柱、封じるものは禁忌の存在。

 この世界における第九の使徒の力を宿すアスカは、禁忌すら己が力として振るおうとしていた。

 自らがこの後に存在が許されなくなったとしても。

 そして封印が解かれると同時にエヴァがエネルギー体へと変化していく。

 停止信号プラグは光を放つ十字の槍へと変わる。

 それを振り下ろさんとした時、

 

「まっていたぞ、この時を。」

 

 起動した13号機がエネルギー体となった2号機の首を瞬時にはねる。

 そしてその2号機のエントリープラグが抜き取られ13号機の右手の上に転がされる。

 そこからアスカは引き摺り出された。

 全ての元凶となる男、碇ゲンドウに胸ぐらを掴まれ持ち上げられる。

 

「…2号機パイロットご苦労だった。

 君の役目は使徒を私の元まで連れてくることだったからな。

 しかし、君自身はいらない。

 私の理想の依代となるのは、オリジナルの君だ。

 君の意思が私の計画の邪魔になっては困るのだよ、ではな。」

 

 そしてアスカの左目から赤きコアが迫り出してくる。

 アスカは頭に絶叫しているが、左目に損傷はない。

 そしてゲンドウはヴンダーへ向かう。

 アスカはマリの足元へ転がされた。

 

「姫⁈

 エヴァは?

 13号機はどうなったの⁈」

 

「やら、れた!

 あたしの中にいた使徒が、持ってかれたわ!」

 

 何を企む、ゲンドウくん?

 

 マリは思考を止め、残りの敵を片付けてアスカを拾いヴンダーへ飛び立つ。

 

 ヴンダーはピンチを迎えていた。

 エヴァ射出後に、秘匿されていた最後の存在である四番艦に船体を貫かれ身動きが取れずにいた。

 そして他の敵艦と共鳴し、新たなロンギヌスの槍を生成してしまっていた。

 大きく全体が揺れると、環境前には主機として封印していた初号機を抱える13号機が浮遊していた。

 

「甲板上に侵入者!」

 

 オペレータの声に全員が甲板を見る。

 そこに佇むのは碇ゲンドウ。

 あわてて全員が外へ出る。

 

「ご無沙汰です、碇司令。」

 

 ミサトが口火を切る。

 

「ご苦労だったな、葛城大佐。

 計画通りこの船と初号機は私が使わせてもらう。

 そして第九の使徒もな。

 2号機パイロットなら生きてはいる、もう一機のエヴァの足元に置いてきた。

 いずれ死ぬのだ、ならば最後まで君たちと共に生かすのは私なりの慈悲だよ。」

 

 そう言った瞬間、ゲンドウの頭部が弾け飛びゆっくりと倒れた。

 全員が振り返るとリツコの拳銃から硝煙が上がっていた。

 

「目的遂行に躊躇するな、あなたの教えですよ。」

 

 しかしゲンドウは立ち上がる、人を捨てたが故に。

 

「…君か。

 別の世界から来た初号機パイロットから聞いていないのか?

 私は自らの体の理を書き換えている、無駄なことはやめたまえ。

 君たちと議論する気はない。

 葛城大佐には物事の本質が、赤城くんには幸せな形が見えていない。

 故に、私のなすべきことの意味など理解できないだろう。

 ではな。」

 

 そして浮遊しエヴァの口中に入ろうとするゲンドウ。

 しかしそれを呼び止める声があった。

 

「父さん!」

 

 隔離されていたはずのシンジが出てきていたのだ。

 シンジは思案する。

 聞きたいことがある、だが何を?

 葛藤する間にゲンドウは13号機をシン化させ、セカンドインパクトの爆心地たるカルヴァリーベースへと落下していく。

 全てを無に帰す、ただそれだけのために。

 

 甲板上にアスカを連れた8号機が戻る。

 医務官たちに治療を受けるアスカを横に幹部たちが話し合いを始めた。

 

「マリ,あの中でエヴァを追える?」

 

 ミサトに聞かれるもやれやれと首を振るマリ。

 

「ダメだにゃ、あの先はマイナス宇宙に繋がってる。

 虚構の世界だからなぁ、今の8号機じゃいけないにゃ」

 

 全員が俯く。

 しかし敵は手を休める気はないらしい。

 エヴァ・オップファータイプこと元マークナインが8号機を襲う。

 

「にゃろう!

 艦長、こいつは任せな!

 Zとシンジくんが来るまでの時間は稼ぐよ!」

 

 そして空中戦が始まる。

 ヴンダーを鎮めようとする多数の7号機へ主砲で応戦するように指示を出すミサト。

 

『みんな踏ん張って!

 Zとシンジくんは絶対来るわ!

 だからそれまでは!』

 

 そして艦のクルー達が動き出す。

 皆が信じているのだ、シンジとZが帰ってくることを。

 しかし例外もある。

 それは、この世界のシンジだった。

 自身の現状、父親のこと、別世界の自分。

 ストレスの極致であったシンジの心の声は現実の音となってクルー達は伝わる。

 

「っ、なんでだよ!

 あいつも僕なんだろ、ならあいつもこの世界の邪魔者なんだろ!

 それに、アイツは父さんに勝てなかったんだ、きても勝てるわけないよ!

 いや、僕と同一人物ならきっと逃げ出してる!」

 

 そう叫ぶシンジの胸ぐらを掴んだのはアスカだった。

 

「ピーピーやかましいのよ、ガキシンジ!

 確かにあいつもあんたと同じよ!

 この世界を滅ぼしかけたニアサーを起こしたあんたとね。

 あいつはこの世界に来た時、なんの罪もないのにアンタと同じ人間ってだけでこの艦の人間に殺されかけたわ!

 でもアイツはアンタみたいにただ喚くだけじゃなかった。

 戦って、大罪人のレッテルの中でもみんなの信頼を勝ち得たのよ!

 だからみんなあいつが来ることを信じてるの。

 あんたにあってあいつにあるものがその差なのよ!

 だから、誰も最後まであいつが来ることを諦めないの!」

 

 しかし無情にも主砲の一騎が破壊される。

 ダメか…

 そして二機の7号機が甲板にたどり着く。

 だがアスカは睨みつけるのを辞めない。

 いや、アスカだけではない。

 全てのクルーがそうしていた。

 そして心の中で皆が彼の名を呼ぶ。

 その声は、願いは新たな光を呼び覚ます。

 

 まさにその手をクルーに伸ばしていた7号機とその横にいた7号機が消滅する。

 青白い光によって。

 

 その光の中に立つ一人の男の背中を見て、アスカは溢れる涙を誤魔化すように悪態をつく。

 

「バカ、遅いのよ。

 ヒーロー気取り?」

 

 そんな悪態も男は背中越しの笑顔で返す。

 

「ごめんよ、遅くなって。

 でもみんなの心の声が僕を呼んだんだ、だから間に合ったんだ。」

 

 そこには新たな青いスパークレンズを構えたシンジが光の国から帰還していた。

 そして変身することなく、スパークレンスの銃撃だけで迫り来る7号機全てを破壊していった。

 

 一旦の危機はシンジが全て薙ぎ払った。

 しかし、静寂を破るように背後から拍手の音が響き渡る。

 突然の意識外からの音に、振り返った全ての人間が凍りつく。

 

「いやはや、あれだけのエヴァを全て倒すとは。

 やはり立ちはだかるのか、碇シンジ。

 いや、ウルトラマンZ。」

 

 そこにいたのはいるはずのない人物。

 ミサトの口が開く。

 

「そんな、加持、なの?」

 

 そこにいたのは黒いスーツを着た加持リョウジが立っていた。

 ありえない、なぜなら加持はサードインパクトを止める人柱となっていたはずなのだから。

 

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