シンジはどの姿が一番戦いやすいでございますか?』
忘れた頃にやってきたZのぶっ飛んだ言葉遣い。
それはともかくとして、先日の第15使徒戦で新たにイプシロンエヴァの力を手に入れたZとシンジ、これで全部で5つの強化形態を使えるようになった。
「そうですねぇ、イプシロンエヴァが一番しっくりきます。
やっぱエヴァの力なんで。
それ以外だと…ガンマフューチャーですかね?
フィールドを張る感覚の延長で力を使えるので。
他の形態はあんまり得意じゃないですね、剣技も格闘技も使ったことないので…」
『なるほど…
近接戦闘が苦手な感じなのか。
わかったでございますよ。
そういえばリツコから呼ばれてるんだろ、早く行った方がいいのでは?』
Zに言われて呼び出されたのを思い出して慌ててリツコの研究室に向かう。
「失礼しまーす」
「あら?
思ったより相当早かったわね。
二つほどお願いがあって呼んだのよ。」
リツコのお願い。
なぜだろう、それだけで背筋が震える。
「き、聞くだけ聞いてみます…」
「ふふ、別に取って食おうってわけじゃないわ。
一つ目はエヴァの戦闘訓練、なんだけどあなたはZに変身して戦ってほしいの。
Zにどの形態での戦闘が得意か聞かれたでしょ?
あれは私が頼んだの。
それを踏まえて戦闘訓練を行います。
二つ目が、あなたが変身に使うアイテムをちょっと調べさせて欲しいの。
先日、エヴァの力を使える形態を獲得したことから、逆にウルトラマンの力をエヴァに纏える可能性を感じてね。
Zには了解をもらっているわ。
しばらく預からせて。」
嘘だったらZが何か言ってくるはずだ。
それがないのであれば…
「わかりました。
ハイパーガッツスパークレンスとキー五本です。
終わり次第取りにきます。」
「確かに預かったわ。
もし使徒が出現した場合は司令室で渡すわ。
訓練計画はまたミサトと詰めるから乞うご期待ね。」
そして帰路に着いたシンジ。
過去にしたZとの話を思い出しながら歩いていた。
『ハルキのこと?
ハルキはストレイジっていう部隊の隊員で、初めて出会った時はシンジと同じで一回死んでたんだ。
ハルキは空手をやってたからアルファエッジ、ベータスマッシュとの相性は抜群に良かったな。』
シンジはエヴァでの戦闘を思い出す。
暴走時の取っ組み合いや、ナイフでコアを攻撃する以外したこともない。
残る使徒はあと2体。
『一度誰かに訓練を頼んでみるべきかな?』
頼める相手に心当たりは一つしかなかった。
「ほぉ、それで俺のところに来たのかい?
間違いではないと思うよ?
だが、アスカも軍属だし葛城も戦略自衛隊に出向したこともある。
俺でなくてもいいんじゃないかな?」
梶リョウジ主席監察官。
ミサトの元カレで一番暇そうな男である。
「Zサンとも前に話したことがあるんですけど、梶さんの身のこなしが只者じゃないって言ってたんです。
お願いします、アスカ達を守れるように強くなりたいんです。」
「…なるほど。
わかった、だけど君の性格を考えると自分から相手を殴りに行ったり壊したりするような格闘技を教えても習得まで時間がかかりそうだ。
だから合気道や柔道、受け流したり相手の力を使うものを教えてあげよう。」
かくして訓練が始まったのである。
同時刻、月面
無機質なモノリスが棺桶の前に浮かぶ。
『目覚めの時だ。』
「いよいよ僕の出番というわけだ。
しかし、ゼルエル、アラエルがあんなものたちと混ざり合うなんてね…」
『使徒と異世界の生命の融合…
死海文書にも書かれていない悪夢の事態だ。
間違いなく此度の補完計画はイレギュラー、いや、もはや特異点と言っても過言ではない。
エヴァシリーズの完成を急がねばなるまい。』
そのとき宇宙にヒビが入る。
「どうやら、何かに惹かれているようだね。
また異世界の生命が神話に連なろうとする…
ふふっ、これを阻み自らの種を守るのも生命の書に名を連ねたものの宿命だ。
そうだろ?碇シンジくん?」
1週間後ー
『大変です!
急に月面近くで高エネルギー反応確認!
パターンオレンジ、使徒以外のものです!』
マヤの通信が事態の緊急性を物語っている。
やってくるのがまたギルバリスのような強敵であれば…いつ来るかわからない使徒に対処が難しくなる。
しかし時は戻らない。
ひび割れた空間から虹色のスライムのようなモヤが流れ込んでくる。
そしてそこから一つの隕石が降り注いだ。
『異空間から隕石を確認!
数は1、到着予想箇所は…
本部直上、芦ノ湖です!』
「まずいわね…
エヴァ各機の発信準備急いで!
遠距離に出していいから、隕石がエヴァに被弾するのだけは阻止して!」
そしてエヴァ各機での発信準備にかかる。
そんな中シンジといたゼットの精神体が…目を丸くしていた。
『リツコ…スパークレンスみたいなパーツが操縦桿についてるぞ⁈
ウルトラ聞いてないぜ!」
「言ってないからよ。
これがイプシロンエヴァでエヴァとあなたが融合したことから着想を得て、スパークレンスを解析した結果をもとに作成した新装備。
いわば、エヴァスパークレンスよ。
そこにキーをセットすればエヴァが強化されるわ。
専用のキーを渡しているけどアルファ、ベータ、ガンマは使えるわ。
だけどデルタは無理ね、エネルギー消費が激しいの。
もし上手くいかなかったらシンジくんと変身して戦ってちょうだい。」
んな無茶苦茶な…
でかかった言葉を飲み込んだのは、それが地上への射出タイミングと重なったからに他ならない。
『目標は芦ノ湖へ着水。しかし熱による湖の蒸発見られません!
…これは⁈
赤いコア状の球体を確認、エネルギー増大してます。
ですがパターンオレンジ、使徒とは確認できません!』
着水部分から浮かび上がるのは赤い玉。
周囲のエネルギーを集めながら、今、解き放たれる。
その姿はまさに
世界の終わりを告げる怪獣の王だった。
ギィヤァァァァァ
雄叫びを上げる怪獣に本能的に怯む。
『なんてことだ…これは、キングオブモンスじゃないか!
かつてティガ先輩、ダイナ先輩、ガイア先輩が3人がかりで倒した最強の怪獣!
光線、格闘、あらゆる部門でトップの怪獣だぞ!』
Zの説明でヤバさがわかる一同、しかし
エヴァパイロットたちは不敵に微笑んでいた。
「あら、知らないのZ?
地球には女子3日あわざれば刮目してみよって諺があるのよ。」
「アスカ、それ嘘…
ほんとは男子」
「でも、この間の僕たちとは少し違うってところを見せてあげるよ!」
アルファエッジ!
シンジがリツコから渡されたNERVキーを起動しエヴァスパークレンスに差し込む。
コードアップ!アルファ!
さらにアスカとレイもそれぞれネルフキーを起動してそれぞれ差し込む。
ベータスラッシャー!
コードアップ!ベータ!
ガンマディフェーザー!
コードアップ!ガンマ!
そしてそれぞれが新たな姿のエヴァへと変化していた。
初号機は青いガントレットを中心に動きを阻害しない青いライトアーマーが増え
2号機は甲冑のような装備に2振りの日本刀を街のウェポンラックから取り出し
0号機は紫、青、赤のトリコロールカラーの装甲を追加し、巨大な盾を装備していた、
「ふっ、成功ね。
エヴァのフィールドエネルギーをスパークレンスからNERVキーで制御、さらにキー自体のエネルギーで強化した、その名もZアーマーよ。
怪獣如き、ねじ伏せなさい。」
おそるべし、科学者の意地。
キングオブモンスはまず、2号機に羽を3枚に下ろされ、反撃しようとすると0号機の強化されたフィールドにより跳ね返されてダメージを負う始末だった。
『シンジ、格闘戦苦手なのにこの装備だと意味が!』
心配するZをよそにシンジは落ち着いていた。
「大丈夫だよ、Zさん。」
そしてキングオブモンスが振り下ろした尻尾に初号機が撃ち抜かれる刹那、それをいなし、その勢いを使い怪獣を宙にぶん投げていた。
「あの顔の赤い球が弱点だね、いくぞ!
チャージ、ゼスティウムナイフ!」
初号機のガントレットからゼスティムエネルギーを練りだし、装備したナイフに込める。
するとエネルギーの刀身が伸び、小刀のような形状になる。
そして突き立てるため怪獣へ向けて走り、鼻先へ叩き込み…
そのまま真下に落として、引き裂いた。
両断されかけながらも、まだもがこうとするキングオブモンス、しかし
「シンジだけじゃないのよ。」
アスカが暴れる手足を切り落とした。
そして、内部エネルギーの暴走でキングオブモンスは爆発していった。
『ウルトラすごいぞみんな!
いったいどうしたんだ⁈』
驚いたゼットに聞かれたチルドレンたちは笑いながら答えた。
「Zさんがリツコさんのところにいた間、みんな先生を探して修行したんだ。
僕は梶さんに格闘技を、アスカは冬月副司令に剣道を、綾波はミサトさんに正確な盾の使い方を、ね?」
悪戯成功と言わんばかりの笑顔の3人、それを見てZは
『子供の成長は早いですなぁ。
ウルトラ泣きそうだぜ』
光の戦士、情緒がオカンでした。