二人は比企谷くんと同じ中学校に通っていた。その前にも小学生の頃も同じ学校に通っている。
ただ私がいない中学の頃の比企谷くんを二人は知っていて、私は知らない。
今まで聞いてこなかったけどこの際だから聞いてみようと、私は比企谷くんが入院している病院に向かう途中で二人に聞いてみた。
「私はあんまり。同じクラスになった事ないし」
と、なこは言う。
「私は同じクラスになった事あるし多少は話した事あるよ」
真琴がそう言うので比企谷くんがどんな風に中学生活を過ごしてたのかを聞いた。
「ずっと一人で過ごしてた感じかな。私が見た限りではクラスの人と話したりする事は本当になかったと思う。あってもノートとかを集める時に声をかけられてそれに返事するくらいしかね」
確かに比企谷くんは小学生の頃も誰かと一緒にいるとこを見た事がない。私だってその時、学校で一緒に遊んだりとかはしてなかったし。
「私、一回だけ同じ日に日直になった時があってさ、放課後に二人で教室で日誌を書いてたの」
真琴は中学に上がってから急激に身長を伸ばし、バスケで鍛えた体を手に入れていた…そんな真琴一緒にいて落ちない男子はいない。しかも二人きりの空間とかやばいんじゃない!?
「その時に聞いてみたんだよね。比企谷くんていつも一人だけど友達とかいないの?って…」
「うへー真琴、それは流石に…」
「いや、本当にあの時の雰囲気が落ち着かなくてつい…何か話さなきゃってなって…」
真琴の横で引いた表情を見せるなこ。一方で真琴は申し訳なさそうに話を続ける。
「その時に比企谷くんが、友達と呼べるかは怪しいが知り合いはいた。って言ってたんだけどそれって茜だよねってなってさ…聞いてみたらさ…」
少しだけ鼓動が速くなる感じがした。これで私じゃなかったらどうしようって。
「少し間が空いた後に、そう…って」
「はぁ〜」
良かったー!私で良かったー!これで私じゃなけゃかなり凹んでたわ!
「それでその後、比企谷くんの方からあいつ元気にしてんの?って聞いてきて」
え!?本当に!?比企谷くんが私の事気にしてくれたの!?
「そしたら直ぐ、お前が偶にあいつの話するの聞こえて…盗み聞きするつもりはなかったんだけどって慌てた様子がいつもの比企谷くんとは違って少しだけ比企谷くんの印象変わっちゃった」
「…で、その後どうなったの?」
「その後は元気にしてるよーって昨日も通話したし、比企谷くんはそうか…って、そんな話して解散したよ」
「そ、そっか〜比企谷くん、私の事気にしてくれてたんだ〜」
「あからさまに喜んでるわ…」
比企谷くん、昔からそんな感じだったのか。だったら比企谷くんの事を気になってる人はいないよね!ライバル的存在がいないのは幼馴染ポジションからしたら最高にラッキーな展開よ!
「ほら!比企谷くんが待ってるから早く行こ!」
「待ってることはないと思うけどね」
「そんな走らんでもってあー…たくっ転ぶなよー」
あぁ!早く比企谷に会いたい!私ってこんなキャラだったっけ!?
◇◇◇
『そうか…良かった』
その時に見せたほんの少しだけ頬が緩んだ笑顔が印象に残った。
中学に上がってから身長が伸びて…胸も出てきた私は、男子からあまり好ましいとは思えない視線を感じたりしていた。
女子からは偶に、自分の好きな人が私に好意を持ってるからと言う理由で私がその人にわざと誘ってるからと妬まれたりした事がある。
比企谷くんからはそんなものを感じた事がない。
『比企谷くんって茜とはもう会ってないの?』
『…あいつと会う時は決まって両方の母さんがどっちかの家に行ったりする時だけだからな』
『じゃあ今はもう会ってないの?』
『…あぁ』
あからさまに悲しそうな表情をした。
『比企谷くんって…さ、茜のことーー・・・
◇◇◆
・・・ーー二人とも!早く行こーよ!」
結構遠くな場所から茜の声が聞こえてくる。
「茜ー!そんな急がんで比企谷は逃げれないからなー!」
「ふふ…」
比企谷くん、茜に好かれて良かったね。茜みたいに面白い子中々いないよ?
少しだけ、茜のことが羨ましいなって…なんてね?