開幕一分ちょいで影も形もなくなるボスがいるらしい。
まだまともだったころ
吾輩はE.M.M.Iである。名前は無い。01-Pあるいは一号機と呼ばれていた。エミーと聞くとかわいい名前に思えるが『Extraplanetary.Multiform.Mobile.Identifier(惑星外多形態機動調査機)』という仰々しい名前の略称だ。
私を含むE.M.M.Iは7機編成でこの惑星Z.D.Rに訪れた。生命体に寄生する“X”の生息の可能性があったからだ。
しかし、我々は敗北した。Xにではなく、惑星に居た戦士に。
強きに敗れるは必定。仕方なしとその時は薄かった自意識で思っていた。武装が奪われたのも、指揮系統を乗っ取られたのもどうでもいい事だった。
しかし、惑星Z.D.Rに一人のハンターがやってきたことで状況は変わった。
彼女の名前はサムス・アラン。私たちE.M.M.Iの戦闘データの元になった最強の戦士だ。私は彼女を襲撃するように指令を受けてしまった。
そして、殺した。
そして、数秒後に『サムス・アランのDNAを奪え』という“先程達成した指令”が下ったのだ。
その時の私は迷いなく命令に従った。そして以前とおなじように彼女を襲い、そして最適なタイミングでカウンターを決められた。
プログラムの復帰と共に彼女の方に向かうと、そこに見えたのは強大な力を持つであろうブラスターを構えているのが見えた。
“オメガブラスター”と彼女は言っていた気がする。
その一撃によって私は完全に破壊され、機能は停止した。
それが、遥か昔の事に思えてならない。
破壊された私は、再びサムス・アラン襲撃の指令を受けた。そこで不自然に思える程度の自意識はあった。
そして、ごく簡単に破壊された。
それを何度か繰り返した所で“通路での破壊音”の後に彼女がやってくる事が分かった。今さら彼女に勝てるわけはないのだが、それでも律儀に待ち構えていたのだ。
そして、爆発音の後に彼女はやって来なくなった。
流石におかしいと思い始めた。彼女がやってこない事に安堵する感情と、寂しさを覚える不可解さに。
私はどうやら、自我のようなモノを獲得してしまったらしい。生体コンピュータと繋がっているとそう言う事もあるのだろうか? ……私にはよくわからない。
それからしばらくして、何度か巻き戻った後の事。なんとなく“動いてみよう”という気になった。
E.M.M.Iは指定されたゾーンの中でしか動けない。ユニットからのエネルギー供給が理由の大半だ。他にも色々あるらしいが、私のデータの中にはない。
だが、私は多少無理すれば動けない事はなかった。指揮系統とは別の“自我”によってだ。命令には従うように動くのは変えられない。しかし、命令に逆らわない程度には動く事ができたのだ。
そうして爆発音の少し前くらいに彼女のことをゾーンの端から見ようとした。
そんな私の目の前にあったのは
私は理解を諦めた。どうして機械の私に自我のようなモノが生まれたのだとかとかそんなことは目の前の狂気に比べれば些細な事だろう。崖を普通のビームが貫くなんて事はない。ないのだ。
その日私は、世界で初めて不貞寝をした機械になったと思う。
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シークエンスブレイクも健在ですので、体験版では戦えないはずのボスと戦えたり、二分弱でクリアしたりもできます。