吾輩はE.M.M.Iである。サムス・アランをこの目で見る事はもうない。
私の意識が覚醒して一分ほどで壁が壊れる音が聞こえる様になった。そしてそのまま意識は消える。いくらなんでも早すぎやしないだろうか? なにやら会話を連打で読み飛ばしたりイベントをスキップしたりしているような気がする、
閑話休題
私は自我を獲得した事によってこの惑星Z.D.Rのネットワークにアクセスできるようになっていた。それによって他の機体や現地に住んでいる者を見る事ができた。区域からは出れないが、それはこの機体の性質だ。仕方ない。
そして、各地のカメラなどから彼女“サムス・アラン”の奇行を目にする様になった。
彼女はどうやら、スライディングをした後にジャンプ射撃をするとおかしな現象を起こせるらしい。
頭を擦り付ける必要はあるようだが、壁を無視したビームで道をザクザクと切り拓いている。
そんな壁貫通ビーム。あるいは彼女の使っていたというウェーブビームにあやかって
そんな彼女がやらかしているのが彼を相手にした時だ。
彼の名はドロギーガ。
バルエニアにて彼女を待ち構えている水性生物兵器だ。
彼の動きは的確である。弱点を硬い外殻で守る防御に、彼女の足が止まればそこを触手にて狙い撃つ攻撃。そして、屠るためのフィールドから逃がさない執念。彼はまさに水のよう。静かなるドロギーガ、と勝手に私は呼んでいる。
しかし、そんな彼には致命的な点があった。それは彼自身が由来のものではない。言えば安し、行うは難しな事であるのだが、しかし実際に行われてしまったのだからもう彼は泣くしかないだろう。
サムス・アランは彼の待ち構えている狩場を通らなくなったのだ。
もちろん、彼を配置したあの鳥人族はそんな回り道ができる場所に手駒を配置したりはしない。鳥人族の元へと辿り着くためには必ず通らなくてはならない場所であった。ドロギーガは、確実にやってくる場所にて待っているだけだった。
……そうなのだ。
彼を超えた先にある転送装置への道には、惑星Z.D.R特有の爆発物が存在してしまっていた。ビームによる衝撃を加えられないと炸裂はしないが、逆に言えば衝撃が加えられれば炸裂してしまうのだ。
そう、
彼女は最初私の時と同様にスライディングジャンプで頭を天井に奇妙な形で擦り付けてビームを(謎の法則で!)貫通させていた。
だが、次第にスライディングの後の謎の儀式(360度反転していた)をした後の射撃や、背中を押しつけてからの反転射撃(一瞬動きがズレている)などの方法で爆発物を炸裂させていた。
だんだんと、ドロギーガを無視しての動きが速くなっていく。
それを認識しているのかは知らないが、ドロギーガは見るたびに静かさを深めていった気がした。
水に生きる、静かなる狩人ドロギーガよ。
多分不貞寝してる君に個人的に共感しているぞ、
壁貫通ショットこと
というわけで、実質1話目のPseudo Waveでした。