仮面ライダーカジノ   作:楓/雪那

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最後のは自分がめちゃくちゃやりたくて書いた蛇足みたいなもんです。


第十話:亡霊の謀略

「うぐ…がぁっ!……ははっ」

 

 

ファントムの地下研究所にて、ジェイルファントムこと財部焔は手術台の上で手術を受けていた。

ブリゲードの新たなライダー・グラディウスに惨敗した彼だが、実のところグラディウスに負けたのはそこまで重要ではない。

妹がジェイルファントムを意識してガンメタ装備を出してくるのは予想していたからだ。

 

 

「むしろ一度は超えてもらわなきゃ困るんだよ……あの1号機が量産型の基準になるんだからな…」

 

 

体を起こして手術前に脱ぎ捨てていたシャツを羽織りながら、自分の手術をしていた般若の面をつけた男に語りかける。

手術室には焔と般若面しかおらず、ガラス窓を一枚挟んだ先の研究室にはゴーストマスクがファントムとグラディウスの戦いを再生していたモニターを凝視していた。

 

 

「ふむ……ならば我々も出撃した方がいいか?いくら君の腕が立つといっても3対1は厳しいだろう?」

「いや、きついのはそうだが、まだあんた達の出番じゃない。もう少しだけ引っ張ってからだ」

「カジノと竜胆の強化フォームが完成するまで……か」

「アイデアを出したのは俺だが、形にするのは凪だからな。机上の空論相手に設定するよりも実際の完成品から調整した方が結果的に楽になる…それまでは俺一人でやれるさ」

 

 

般若面相手に楽しげに笑う焔は、研究室の中央に鎮座した機械にいつも変身に使用しているカードを挿しこみ、データを流し込む。

その機械はカジノや竜胆が使っているカジノドライバーに酷使しているが、りーぶコインを投入するスロットが無く、代わりに側面にカードの差込口が存在している。

 

 

「……我々のリーダーは君だ。故に俺は君の方針に従う。……だが君がすべてを背負う必要はない。必要ならば迷わず我々に指示を出してくれ」

「……ええ、助かりますよ」

 

 

口調は変わらないながらも心配する般若面のセリフに、焔の表情が普段の愉快そうな笑みではなく困ったような笑みになる。

 

 

「そうそう、焔さんは無茶しすぎ。私たちにも頼るべき」

「君が我々に罪悪感を抱いているのはずっと前から理解している。だが今ここにいるのは我々の勝手だ。今の我々に申し訳なくなる必要はない」

「そう言われると別の申し訳なさが来るんですけどね…」

「なら戦わせて。グラディウスは、私が狩る」

「いーや、それはダメだ。帯刀正道の相手を任せるって約束は破らないが、まだ時期じゃない」

「ちっ…」

 

 

焔を気遣いつつもさりげなくグラディウスの始末を要求するゴーストマスクに焔は思わず苦笑する。

そしてすぐにいつもの不敵な笑みに表情を切り替える。

 

 

「誰にも邪魔はさせねぇ…樹にも、ドミネイターにも…」

 

 

 


 

 

 

「うぉらあぁ!!」

「ヒヒン!?」

 

 

市街地の中心に響く二つの叫び声。

片方は己を鼓舞する雄叫び、もう片方は痛みを訴える絶叫。

雄叫びを上げている騎士――正道が変身した仮面ライダーグラディウスはソードモードのアサルトアームズでユニコーン・ドラクマを何度も斬りつける。

大きくふっ飛ばされたユニコーン・ドラクマは頭部の角を前に向け、グラディウス目掛けて一直線に突進する。

 

 

「ブルルヒイイイン!!」

「てめぇにそれしかないのは知ってんだよ!」

『OK! Soulful Lethal Impact!』

 

 

アサルトアームズにエネルギーをチャージし、迫りくるユニコーンへと振りかぶる。

青い剣閃がユニコーンの上半身と下半身を泣き別れにして、消滅させる。

その直後、グラディウスの無防備な背中を狙った羽根手裏剣が襲い掛かる。

だがそれに気づいていたグラディウスは振り返りつつ、アサルトアームズで叩き落していく。

そして攻撃が治まった瞬間を狙ってアサルトアームズを攻撃してきた敵、ハーピー・ドラクマへと投擲する。

 

 

「そらよっ!」

「クルルル!?」

 

 

ぶれずに飛んだアサルトアームズはハーピーの左翼に突き刺さり、宙を飛んでいたハーピーの飛行が不安定になる。

フラフラと落下していくハーピーにとどめを刺すために、グラディウスはG-デバイスのをタップして、レバーを一回倒す。

 

 

「消し飛びやがれぇ!」

『OK! Panishment Crash!』

 

 

電撃を纏った右ストレートがハーピーの顔面にめり込み、絶叫も上げられずにハーピーも消滅する。

するとグラディウスが戦っていた市街地の風景が変化し、建物もなにもない屋内になる。

彼がいる場所はブリゲードのトレーニングルームだ。

ここで過去にカジノたちが戦ったドラクマたちをデータとして復活させ、ライダーシステムの調整のために再戦させている。

データのみかつトレーニングルーム内でしか存在できないホログラムだが、変身者が受けたダメージはしっかり反映され、先の戦闘のように風景も変えられるため実際の戦闘と同じイメージを掴むことができる。

 

 

「お疲れ様、帯刀さん。お水どーぞ!」

「ありがとう、凪さん。調整はどんな感じになってるんだ?」

「もーバッチリよ!いつでも問題なく出撃できるように済んでるから!」

 

 

満面の笑みとサムズアップで答える凪に正道も同じくサムズアップで返す。

先日のケルベロス・ドラクマとジェイルファントムとの戦闘は不完全な状態でありながら勝利を収めたため、メイン変身者となった正道に合わせた微調整を済ませたグラディウスはまさしく一騎当千の戦力となるだろう。

とはいえまだ満足できるような状態ではない。

この1号機をベースに量産型グラディウスを大量生産するための計画書は未完成、カジノと竜胆の強化アイテムも設計図こそできてはいるがグラディウスの実装を優先していたため形にはなっていない。

 

 

「やることは山積みだけど、やるっきゃないよね~」

「そうだな、俺にも手伝えることがあるなら言ってくれ」

「もちのろんよ!大事な一号機だもん!たくさんデータ取ってもらわないとね!」

 

 

ラボのデスクに戻り、大量の資料をファイルに閉じる作業をし始めながら正道と会話をする凪の表情は以前より晴れやかなものだ。

ここ最近はドラクマを撃破することはできても、ジェイルファントムという難敵には苦渋を舐めさせられていたため、明確な結果を残せたのが彼女にとっては嬉しかった。

凪がグラディウスに関する資料をファイルにまとめ、次の資料を整理しようと手を伸ばした時、別の人物の手が先に目当てのファイルを取り上げる。

 

 

「霧島!お前怪我は大丈夫なのか!?」

「大丈夫、とまでは行かないけどな。病棟と本部の中なら無理のない範囲で動いていいって先生から許可は下りたよ」

「…ほんとに無理しないでくださいよ?雅ちゃんなんか『問題なく歩けますから』って無許可で抜け出してそのまま樹に夜這いしに行こうって企んでましたからね?」

「行動力バケモンかよあいつ…」

「信じがたいけど平常運転なんだろうな…」

 

 

怪我人だったはずの雅の奇行を聞いて軽く引く正道と霧島だが、事実平常運転である。

ちなみに当然、樹には怒られたし霞にも説教された。

その様子を見て暢気に笑いながら雅の肩を持った焔も説教された。

 

 

「ところで、二人はいつからため口になったんだ?」

「「えっ!?」」

「………ほう?」

 

 

何気ない質問をしたら動揺した正道と凪を見て、霧島は一人合点がいったように小さくうなずく。

実際、ため口にしないかと提案を持ちかけてきたのは凪の方からで、同い年の正道に自分はため口で向こうは敬語なのがどうにも違和感があったからだ。

しかしこの前のグラディウスデビュー戦からお互いに意識しているようで、その結果普段は普通に話せるが第三者から突かれると動揺してしまうようになった。

 

 

「なるほどなるほど、二人とも今日は休みにしな」

「何がなるほどで急に休みになるんだ!?」

「森川隊長から二人にちゃんと休憩を取るよう言ってくれって頼まれてるんだよ。それに樹君からもな」

 

 

これは霧島の出まかせではなく、実際に正道たちのオーバーワークを心配した樹たちからの要望だ。

その読みは正しく、この二人は時間さえあれば自己研鑽やシステムの調整を始めてしまうため、誰かが止めないと倒れかねない。

 

 

「ファイルの整理なら俺がやっておくから。ほら、行った行った」

 

 

そう言いながら霧島は二人の背中を押し、無理やりラボから追い出す。

そして缶コーヒーを飲みながら薄く笑う。

 

 

「……甘っ」

 

 

 

 


 

 

 

 

場所は変わって『Fortuna』。

本日は定休日であり入り口には『CLOSED』の看板がかけられている。

そんな『Fortuna』の店内では4人の人物がPCの画面を見ていた。

一人は店長である樹、一人はその樹の婚約者である雅、一人は樹の妹である霞、そして最後の一人がいつもはここにいないハット帽をかぶった男性だ。

 

 

「どうだ大翔、ここまでの映像でなんか分かったことはあったか?」

「悪いが、動画だけだとさっぱりだな」

 

 

帽子の男性の名は倉敷 大翔(くらしき ひろと)。私立探偵として活動している樹と雅の幼なじみであり、二人が仮面ライダーであることを知っている人物だ。

4人が見ているのは今までのカジノとジェイルファントムとの戦闘の記録だ。

 

 

「やっぱり音声だけじゃ特定には至らないよな~」

「ああ、それに間違いなくボイスチェンジャーも使ってる。正直これだけじゃ見つけるのはほぼ無理だ」

「んー…でもこの声、どっかで聞いた気がするんだよねー…」

「本当ですか、霞ちゃん?」

 

 

そう呟いたのは指を頬にそえて考え込んでいる霞だ。

ここにいる者たちは霞の耳の良さを知っており、霞本人も吹奏楽部で役立てているからそれなりに耳での記憶力には自信がある。

そんな彼女が聞き覚えがあると感じたなら、恐らく本当に聞いたことがあるのだろうが、変成器のためか思い出そうとしても出てこない。

 

 

「ふむ…霞ちゃんが聞き覚えがあるというなら、高校の関係者か、あるいは店の客…それも常連、といったところか?」

「……疑いたくはないけど、可能性としては考慮しなければならないよな…」

「ドラグマにされた被害者から共通点を見つけることはできませんか?」

「いい観点だが、それはすでにやってるぜ。共通点もあった…一応な」

 

 

雅が大翔に質問し、その答えとして数枚の紙をテーブルの上に広げる。

その紙には一枚一枚にある人間の顔写真と経歴が詳細に記されている。

うち一枚はドッグ・ドラクマに変化させられた正道の父・正吾もいた。

 

 

「ドッグ、バット、コブラ、スパイダー…今までお前たちが相手をした『新型』って呼んでるやつは4種類しかいないが、いずれも『児童を対象にした犯罪容疑がかかっている』…いや、かけられたって言うべきだな」

 

 

バット・ドラクマの変身者の男は違法薬物を所持していたようで、さらにそのドラッグを使って未成年相手に性犯罪をしていた。

コブラ・ドラクマの変身者の女は三人の児童をネグレクトしていたという記述がある。

スパイダー・ドラクマの変身者の男に至っては幼い子供を誘拐し、その臓器を売っていたらしい。

正吾については言わずもがな、ネグレクトである。

 

 

「ろくでもない…なんて言葉では言い切れませんね、これは…」

「『かけられた』って言い直したのは、あのパチンコ屋の戦闘のあとに身辺調査をした結果、明らかになったからだ。ドラクマの被害者にならなかったらほとんどが捕まることはなかっただろうな。特にスパイダーは一時的な休暇としてこの街に来ていたらしい。不謹慎な言い方だが、殺されたからこそ足がついたってことだ」

 

 

あのドラクマたちが死ぬことになると知らなかったとはいえ、手をかけてしまった事実から樹は眉を顰める。

その様子を見て雅が声をかける。

 

 

「樹様のお気持ちは分かります。ですがあのまま放置していればドラグマとしても、人間としてもより多くの被害者が出ていたのは想像に難くないです」

「分かってるよ、仮面ライダーとして戦ったのは間違いじゃない。でも、きっと救えた命でもあったはずなんだ。甘いって思われるだろうけど、生きていたら更生するチャンスはあった。それを潰したのは俺たちだってことは受け止めなきゃいけないんだ」

「樹様…ええ、そうですね」

「…話が逸れたから戻させてもらうが、他にも目に見えてない被害者がかなりいる。それも手掛かりになると俺は考えてる」

「目に見えてない被害者?」

 

 

今度は霞が頭に疑問符を浮かべるが、すぐに大翔はさっきとは別の紙を取り出す。

こちらもさっきのものと同様に、顔写真と経歴が書かれたものだ。

 

 

「ここ二週間以内で戸津部市内で消息不明になって未だに帰ってこない人物のリストだ。うち数人は家の中から異臭や子供の泣き声が止まないことに違和感を感じた近隣住民の通報で行方不明になったことが判明し、調査の結果いなくなる前から育児放棄をしていたことが分かった。それ以外の数人も児童ポルノや痴漢をしていた証拠が家の中で発見された…こっちはファントムがわざと残した可能性が高いと俺は思ってる」

 

 

わざとらしいからな、と付け加えてコーヒーを啜る。

少しの間大翔以外の三人は資料を見比べて自分たちの考えを整理し、やがて樹が最初に口を開く。

 

 

「ファントムは警察に目をつけられてない犯罪者、それも子供を被害者にしてる人を狙ってる…ってことだよな?」

「行方不明の人間との関係はまだ推測の域だが、まあそうだろうな」

「それでもおかしくない?警察の人たちや雅ちゃんの家の人たちがパトロールしてて気づかなかったのに、こんなたくさん見つけるなんてできないと思うけど…」

「家の者たちは繁華街など揉め事が起きやすい場所を中心的に見回ってもらっているので、住宅街への目が甘いのは確かですが…だとしても不自然ですね。かなり裏世界に通じている人物なのでしょうか?」

「情報収集に関してはドミネイターが仕入れてるんじゃないか?個人でそこまでの情報を手に入れられるなんて同業者でもまずいないぜ?」

「俺もそこは大翔と同意見だ。でもファントムの人物像が一致しないんだ」

 

 

樹から見てファントムという人間は常に人を小馬鹿にしたような、人を食ったような態度をした愉快犯、あるいは自分の興味のままに動き他者を気にかけないマッドサイエンティストのような人物だと思っていた。

しかし大翔の調査結果から推測できるファントムという人間はまるで子供を傷つけるものを許さない正義感あふれる人物のようにも見える。

二つの全く異なる人物像が嚙み合わず、より手掛かりが遠ざかってるように思えてくるのだ。

 

「…俺の中だと教師が正体なんじゃないかと思う。霞ちゃん、ここ二週間で学校で変わったことはなかったか?新しい教師が赴任したとか、逆にいなくなったとか…」

「新しく来た人はいないけど…そういえばバレー部の顧問が変わったってクラスの子が言ってたよ。なんか前の顧問が急に異動になったって」

「そうか、まあまだ証拠不十分だからな…もう少し情報がないとどうしようもない。引き続き俺の方で調べておくさ」

「ああ、任せた大翔」

 

 

大翔はハット帽を整えて資料をカバンにしまい、店を出て行った。

直後、樹のスマホから着信音が鳴る。

相手は凪からだ。

 

「もしもし、姉ちゃん?」

「樹!新型のドラクマが現れたの!アーケードの付近で帯刀さんが戦ってる!」

「新型…!分かった、すぐ向かう!」

 

 

会話を傍らで聞いていた雅も事態をすぐに把握し、ヘルメットを二個用意し片方を樹に手渡す。

それを受け取った樹は地下ラボに隠していたカジノストライカーを呼び出し、後部座席に雅を乗せて現場へと急行した。

 

 

 


 

 

 

 

戦場と化したアーケード入り口では正道が変身したグラディウスと2体のドラクマが戦っていた。

両手に曲刀を携えたカマキリ型の怪人、マンティス・ドラクマと肥大化した左腕から鋭い針を生やしているスズメハチ型の怪人、ホーネット・ドラグマが休むことなく攻め立てている様子は一見するとグラディウスが不利なように見えるが、防御特化のカウンターメイルとなっているグラディウスに有効打を与えられていないため、ドラグマ側が有利というわけではない。

正道がこのフォームを選んだのはドラグマの敵意を自分に引きつけ周囲の一般人が逃げるための時間稼ぎが理由であり、実際はいつでも反撃することができる。

 

二体の攻撃をアサルトアームズで抑えながら周囲を見渡し、避難が完了したことを確認する正道。

さらにグラディウスの後方から黄金の銃弾が飛来し、マンティスとホーネットに炸裂する。

 

「樹!雅!」

 

振り返るとカジノストライカーを操縦する樹に雅が片手で捕まりもう片方の手でカジノブラスターを構えていた。

2人はヘルメットを脱ぎ捨てカジノドライバーとリーヴコインを構える。

 

 

「いくぞ雅!」

「ええ!」」

「「変身!」」

 

『OK! That's sure! Raise Up! Earth Baccarat!』

『承認完了!開幕!舞鶴花札!』

 

 

樹はカジノ・アースバカラフォームに、雅は竜胆・舞鶴花札式へとそれぞれ変身し、自分たちの武器を手にしてグラディウスの横に並ぶ。

 

 

「苦戦していたようですが、下がっても大丈夫ですよ?」

「人巻き込まねえために耐えてたんだよ!苦戦してねぇ!」

「はいはい、二人とも喧嘩しない!」

 

 

状況を理解していながら正道を煽る雅と簡単に挑発に乗る正道を樹が苦笑しながら止め、先陣を切る。

アースマグナムでマンティス・ドラクマを牽制しつつホーネット・ドラクマに回し蹴りをする。

ダッシュの速度が加わった重い蹴りをホーネット・ドラクマは巨大な左腕を盾にすることでガードする。

その腕にカジノはアースマグナムの銃口を押し付け、トリガーを引きまくる。

絶えず撃ち続けられる黄金の銃弾を防ぐために自由な右手で左腕を支えて必死に耐えるホーネット。

しかしその行動こそカジノが狙っていたものであり、隙だらけの左脚にローキックをかまされる。

 

 

「ギイイ!?」

「はいそこ」

 

 

よりにもよって脛を蹴られバランスを崩したホーネット。

それと同時にカジノは銃口を左腕から額にずらし、数発の弾丸をお見舞いする。

冷静かつ的確に急所を狙っていくカジノの背後にマンティス・ドラクマが自前の曲刀を振り下ろそうとする。

 

 

「やらせるとお思いで?」

 

 

その攻撃を防いだのは薙刀モードの光華槍弓を構えた竜胆だ。

マンティス・ドラクマを押し返しつつ素早く逆袈裟斬りを食らわせる。

その攻撃速度は決して早くはないが、武術として極まった連撃の前にマンティス・ドラクマの雑な攻撃では一太刀も浴びせられず綺麗にいなされる。

 

一方カジノと戦っているホーネット・ドラクマは背中の翅を使いカジノの攻撃から抜け出し、さらにどこからか取り出したボウガンに左腕の針を装填するという遠距離戦に変えていた。

制空権を確保したホーネット・ドラクマはさっきのお返しと言わんばかりにボウガンで攻撃する。

カジノはそれを難なく回避するが、地面に突き刺さった針がジュクジュクと融解しているのに気づく。

 

 

「蜂だからあるとは思ってたけど…やっぱ毒だよな」

 

 

どうにかできないこともないが、ちょっと面倒だなと樹は内心で愚痴る。

飛行能力のある敵はストームルーレットで対応できるが、遠距離武器が有無と機動力で勝る竜胆が相手をして方がスムーズだからだ。

ここで竜胆と変わってもいいのだが、現在彼女はマンティス相手に優勢なためわざわざ変わってもらうのも気が引ける。

 

 

『OK! Soulful Lethal Blast!』

 

 

そう考えていた時、背後から電子音声が鳴ると同時にホーネットの右の翅をレーザーが撃ち抜いた。

何事かと振り向くとシューティングメイルに変身したグラディウスがアサルトアームズ・ライフルモードで2度目のレーザーを射出し、もう片方の翅を撃ち抜いてホーネット・ドラクマを地上へと撃墜していた。

 

 

「何悩んでんだ?撃ち落とせばいいだけだろ?」

「そうだけど、簡単にできることじゃないんだよなぁ…」

 

 

正道の意見は尤もなのだが、アースマグナムの弾速とホーネット・ドラクマの機動力では躱されると思っていたため、樹は厄介だと感じていた。

しかしグラディウスのレーザーはアースマグナム以上の速さでブレなく撃ち抜けるのだ。

今回はホーネット・ドラクマがカジノに集中していたこともあるが、離れた上空の動き回る相手を大型ライフルで速射するのは簡単にできることではない。

それを気づかれずにやってのけた上に当然だろと言わんばかりのグラディウスに樹はちょっとだけ引いていた。

だが問題は解決したので気を取り直してとどめを刺そうとする。

アースマグナムとアサルトアームズをホーネットに向けたその時、戦場に新たな雄叫びが響き渡った。

 

 

「ぐぎゃああああああ!!」

「っ!新手か!?」

 

 

雄叫びが聞こえた方角を見ると、新たな異形が飛来してきた。

猿のような頭にライオンの胴、蝙蝠の翼と蠍の尾を有した異形だ。

 

 

「新型じゃない…?」

「何でもいい!ドラクマなら倒すだけだろ!」

 

 

新たな怪人、マンティコア・ドラクマの登場に疑問を抱くカジノだが、そんなことは知ったこっちゃないとグラディウスは一蹴する。

新型よりも獣のような唸り声を上げるマンティコア・ドラクマはライオンのように前傾姿勢になり、蠍の尾で二人の胴体を貫こうとする。

本体の倍以上の長さの尾は疾風の速さで打ち出され、手始めにカジノの首を撥ねようとする。

 

 

「危ねっ!」

 

 

高速で迫る尾の軌道をアースマグナムの射撃で逸らすことで回避するカジノ。

距離があったため辛うじて避けられたが、もしもう少し近くにいたら、あるいはあの尾を隠した状態で近接戦をしていたら、今頃頭がなくなっていただろう。

今までのドラクマより強敵と感じたカジノはホルダーからリーヴコインを一枚取り出し、ベルトに挿入する。

 

 

『OK! All In! Ending Time! Storm Golden Slash!』

 

「速さが自慢ならこっちも速さだ」

 

 

選んだのは機動力の優れたストームルーレットフォーム。

武器をアースマグナムからストームダガーに変え、マンティコア・ドラクマ目掛けて疾走する。

毒の尾での突き刺しや薙ぎ払い、叩きつけで迎撃しようとするマンティコア・ドラクマだが、カジノは攻撃の時の風の音を聞き分けることで行動を予測する。

突き刺しを横へ転がって避け、横薙ぎはスライディングで潜り抜け、叩きつけはストームダガーで切り捨てて失敗させる。

一度も攻撃を当てられず肉薄されたマンティコアは獅子の爪で反撃しようとするが、嵐のような連続攻撃で振り下ろす前に弾き返されひたすら切り裂かれる。

墜落の衝撃から復帰したホーネット・ドラクマがボウガンで援護しようとするが、

 

 

「お前は俺が仕留める!」

 

 

バスターメイルに切り替えたグラディウスが斬りかかってきたことで、狙いがぶれる。

グラディウスの奇襲、カウンターメイルよりも身軽な近接装甲、ボウガンを持っているという3つの要因で反撃すらできなくなるホーネット・ドラクマ。

 

さらにマンティス・ドラクマも桃源麻雀式に変わった竜胆を止められずにいた。

堅実に役を成立させダメージコインを稼ぐ竜胆の勢いは次第に増していき、最初から翻弄されていたマンティス・ドラクマでは逆転の目などすでにない。

 

 

「これでダブルリーチ。樹様たちもそろそろ終わりそうですし、私も決めさせてもらいましょう」

「こいつでケリつけてやる!」

「これでとどめ、幕引きの時間だ」

 

 

『OK! Soulful Lethal Impact!』

『承認!必殺上々!桃源 黄金斬!』

『OK! All In! Ending Time! Storm Golden Slash!』

 

 

グラディウスの電撃を纏った剣閃がホーネット・ドラクマを真っ二つに切り裂き、竜胆の桜吹雪を伴った剣舞がマンティス・ドラクマを切り刻む。

そしてカジノのストームダガーが巻き起こした竜巻がマンティコアを拘束し、上空に打ち上げる。

竜巻の中で襲い来る無数の風の刃によってマンティコアは背中の翼を失い、真下から跳んできたカジノに切り捨てられ墜落し爆散した。

遅れて着地したカジノはマンティス・ドラクマとホーネット・ドラクマの爆発跡から中身である人間が出てこないことからまた人を殺めたと心を痛めるが、とりあえずマンティコア・ドラクマに変えられた人を救出しようと近寄る。

 

 

 

しかし焼け跡の中心で倒れる人物の姿を見て硬直してしまう。

 

 

 

 

 

「…ここはどこだ……俺は一体―――あんた誰だ?」

 

「―――――大翔…?」

 

 

 

 

 

なぜなら今倒した怪人は先ほど別れたばかりの親友だったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

樹・雅「「ガンバライジング!」」

 

樹「ついにカジノと竜胆がガンバライジングに参戦だ!」

 

雅「私たちの愛の力を見せましょう、樹様!」

 

 

仮面ライダーカジノ・アースバカラフォーム

仮面ライダー竜胆・舞鶴花札式

仮面ライダー五十嵐

参戦!

 

 

樹「3枚のカードでチームを結成!」

 

雅「狙いを定めて必殺技です!」

 

樹「第一弾はウェポンリンクイベント!」

 

雅「同じ武器のライダーをパワーアップです!」

 

チーム・ガン

仮面ライダーカジノ・アースバカラフォーム

仮面ライダーバース(後藤)

仮面ライダースナイプ・シューティングゲーマーLv2

ロボライダー

仮面ライダーギーツ・フィーバーマグナムフォーム

仮面ライダードライブ・タイプフォーミュラ

 

 

チーム・ソード

仮面ライダー竜胆・舞鶴花札式

仮面ライダーファイズ・アクセルフォーム

仮面ライダー迅・バーニングファルコン

仮面ライダー斬月・メロンアームズ

仮面ライダーNEW電王・ストライクフォーム

仮面ライダーブレイズ・タテガミ氷獣戦記

 

 

樹・雅「「フィーバーラッシュ1弾!」」

 

樹「お店でガンバライダーカードを貰おう!」

 




ガンバライジングのcmめっちゃ出来がいいから好きだったんですよね。
なのでガンバライジングが稼働し続けてる世界線ってことで。
ライジングは終わっちゃったけどガンバレジェンズのcmはこれからに期待。

ライジングは一作につき6段あるので本編の展開に合わせてまた出すかもです。
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