東方短話録   作:puc119

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麦茶へミルクと砂糖を加えてレモンを添えてみました

約7000文字です
それでもよろしければどうぞ




その筋書きを壊して

 

 

「なぁ、どうすれば良いと思う?」

 

 季節は夏。雲一つ無く莫迦みたいに青い空。茹だるような暑さ。

 いつもの縁側でいつも通りお茶を啜っていると、アイツがいつも通りの言葉を落とした。

 

 その落とされた言葉の数はもう何回目かもわからない。良い加減私も鬱陶しくなってきた。いや、最初から鬱陶しいとは思っていたけど。

 

「だからそのまま言えば良いじゃない。好きだって」

「それができないんだよなぁ」

「臆病者」

「おっしゃる通りで……」

 

 はぁ……ホント、成長しない奴だ。

 

 

 ――好きな人がいる。だから想いを伝えたいんだけど、どうすれば良い?

 

 

 そうアイツは私に相談してきた。それからもう、どれほどの時間が経ったのか忘れた。

 なんだって私に相談してきたのかもわからない。私はそんな経験がないから助言なんて何もできない。相談するのなら、私より適した奴はいそうなのに。

 

「霊夢はそう言う経験はないのか?」

「ないわね」

 

 あったところであんたには言わない。言えるわけがない。

 

「う~ん、ホントどうすっかなぁ……」

 

 お茶の入った湯呑を持ち、上を見上げながらアイツは呟いた。どうするも何も、ただ言葉にして伝えれば良いだけでしょうが。

 

「私が代わりに伝える? あんたが好きだってこと」

「いや、それは流石に情けないだろ……」

 

 今だって充分情けないわよ。

 

 

 アイツ曰く、一目惚れだったらしい。

 お祭りの時、人形を操り劇をしていた姿を見てそれからずっと……だそうだ。

 

 一目惚れだなんて随分と安っぽく感じるけれど、本人が言っているのだからそう言うものなんだろう。

 それからはこうやって毎日のように私の所へ来てはどうすれば良いかと私に聞いてくる。そんなこと聞かれても私は知らないって言うのに。

 

「そもそもアリスと話をしたことはあるの?」

「人里で会った時、挨拶はできたぞ」

 

 ああ、その程度なのね……

 あまりの情けなさにため息が出る。もう少し頑張りなさいよ。

 

「さて、そんじゃ帰るとするよ。お茶ありがとな。見とけ、次来るときはアリスさんと一緒に来てやるから」

 

 ずずりと、一気にお茶を飲み干してからアイツが言った。

 一緒にねぇ。声をかける勇気もないくせに、よくそんなことが言えたものだ。

 

「はいはい、一生懸命頑張りなさいな。あと偶にはお賽銭を入れていきないよ」

 

 私がそう声をかけると、アイツは――また今度な。なんて言って帰って行った。

 

 馬鹿で臆病で……何より鈍感なアイツがアリスへ告白できるとは思わない。けれど、もし何かの間違いでアイツが告白し、アリスと一緒になった時私は――素直に祝福できるだろうか。

 

 アイツが口を付けていた湯のみへ自然と視線が移った。そして、なんとなくそれを手に取ってみる。

 

 いやいや、流石にそれはマズい。

 

 そう頭ではわかってはいたけれど、身体は言うことを聞かず、アイツが口を付けていた部分へ目を閉じてから、そっと自分の唇を当ててみた。

 

 

「私、なにやっているんだろ……」

 

 

 激しく後悔する感情が溢れ出し、自責の念に駆られる。

 唇を離し、目を開け上を見上げる。其処には腹立たしいほどに青々とした空が広がっていた。

 

 

「ホントの臆病者は私だ……」

 

 

 そんな独り言は誰にも届くことなく、空へ昇り、直ぐに消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「やっほーアリス。遊びに来たよー」

 

 玄関の扉がノックされ、扉を開けると良い笑顔のアイツがいた。

 とりあえず扉を閉めた。

 

 しかし扉を閉じる直前に足を入れ込まれたらしく、その扉が閉じられることはなかった。受信料を取り立てる奴らだって此処まではしない。やめてください、警察呼びますよ。

 

 言ってもどうせ聞かないだろうから、扉を開け閉めして直実にアイツの足へダメージを与える。帰れ。

 

「ちょっ、ちょっと痛いって。そんな扉をガスガス閉めないで」

 

 帰ってくれないかなぁ。帰ってくれないんだろうなぁ……

 だいたい此処は魔法の森だと言うのに、どうしてただの人間が毎日のように此処へ来ることができるのよ?

 

「何の用?」

 

 できるだけ冷めた視線を向け、全力で帰れアピール。どうせ効果はないだろうけれど、形だけでもやっておかないと私の心がもたない。

 

「ちょっとアリスの顔を見たくなってね」

 

 全力で扉を閉めた。

 

「すごく痛い!」

 

 そりゃあ良かったわね。

 

 

 

 

 

 

 家の前で騒がれても迷惑だから、仕方無しに入れてあげることにした。なんなんだコイツは。

 

「片足がすごく痛いです……」

「じゃあ次はもう一つの足ね」

「やめてください」

 

 来るのを止めれば考えてあげるわ。

 コイツが来た理由はわかっている。どうせ今までと同じ理由だろう。面倒だなぁ……

 

「……それで? 今日はどうだったの?」

 

 アイツが言葉を出す前に此方から声をかける。もう何回このやり取りをしたんだろうか。

 

「おう、何の進展もなかったよ」

 

 でしょうね。わかってた。

 てか、何の進展もないのなら来るな。心の底から迷惑です。

 

「そんなことを言いながらも紅茶を出してくれる優しいアリスさんが、俺は大好きです」

「死ね」

 

 はぁ……なんだって私はこんな奴の恋愛事情に巻き込まれなきゃいけないんだか。どう考えたって私は無関係よね。気がついたら巻き込まれていた。困ったことにもう戻ることはできないらしい。

 

「だからさっさと告白すれば良いじゃない」

「いや、それでフラレたらもう博麗神社へ行けなくなるだろ?」

 

 そりゃあそうでしょうね。そんなに都合良くはいかないのだから。

 かと言って告白するでもなんでもしてもらわないと、私が解放されない。本当に損な役割になってしまった。

 良い迷惑にも程がある。

 

「それにもしフラレたら、俺にはアリスしかいなく……ああ、上海持ち出すのやめてください。わりと簡単に死んじゃうから」

 

 全く……私にはそんな軽口を吐けるくせして、どうして霊夢に言うことができないのよ。

 毎日のように顔を合わせ、一緒にお茶だって飲んでいるのに自分の気持ちは伝えられない。情けないなぁ……

 

「なぁ、アリス。どう告白すればぐっと来る?」

「貴方からどんな告白をされようがぐっと来ない」

 

 コイツ曰く、私にどう告白すれば良いのか霊夢に相談しているらしい。それは霊夢と会うための体の良いただの理由。私にとってはとんでもない迸りだ。

 相談なんてしなくとも、告白なら私は毎日のようにされていると言うのに……まぁ、アレは冗談だろうけれど。

 それと同じ言葉を霊夢へ言ってあげれば良いだけなんだけどなぁ。

 それに私が見る限り霊夢だって……

 

 はぁ、とんだ出来レースだ。これじゃあ物語にすらならない。それが腹立たしかったから、私の思う霊夢の気持ちをコイツに教えてはいない。鈍感なコイツがいけないんだ。

 

「う~ん、ホントどうすりゃあ良いんだろうな」

 

 そうやってアイツがいつも通りの愚痴を落とした時だった。

 ノックもなしに、玄関の扉が開いた。そんなマナーなんて欠片もなく入ってきたのは――

 

「えっ? どうしてあんたが此処に?」

 

 アイツが想いを寄せる相手。博麗の巫女だった。

 

 それはアイツにとって最悪のタイミング。あまりにも出来過ぎた物語。

 

「あ~、え~……や、やぁ霊夢。さっき振り」

 

 引き攣った笑顔でアイツがそんな言葉を落とした。

 

「…………」

 

 扉を閉めることもなく、無言で逃げ出すように帰っていく霊夢。

 どうして霊夢が私の家へ訪れたのかもわからない。けれども、流石にこれは……

 

 

「なぁ……俺はどうすれば良いと思う?」

「知らないわよ」

 

 ため息しか出てこない。全くどうしてこうも間が悪いのか。

 もしこれが物語の一部だとしたら、これほどまでに馬鹿げた話はない。作者の性格を疑う。決まりきった物語へいくら味を付け加えようとも、結末は変わらないのだから。

 無理矢理登場させられた私の感情はどうなると言うのだ。

 

「此処に居ても仕様が無いでしょ? さっさと動き出しなさいよ」

「ああ、そうする。紅茶ありがとうな」

 

 そう言ってアイツもまた扉を閉めることなく私の家を飛び出して行った。

 開いた扉から生暖かい風が吹き込む。

 

 これできっとこの物語は終わる。アイツと霊夢が結ばれることによって。

 ホント、損しかしない役割だ。これなら始めから登場なんてしたくなかった。

 

 そんなことを考えると様々な感情が溢れ出す。

 

 莫迦。鈍感。臆病者。

 人の気持ちも知らないで……

 

 勝手に人を巻き込んでおいて、そのままにされる。

 

 

「……フラレちゃえ」

 

 

 そんな情けない言葉が溢れて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 アリスの家を飛び出し、霊夢を追いかけ追いついたが見事に口を聞いてくれませんでした。取り付く島もありゃしない。どうしろってんだよ。こりゃあ困っちゃうね。

 いや、悪いのは全部俺なんだけどさ。少しばかり関わり過ぎた。

 

「面白いことになってきたわね」

 

 クスクスと意地の悪い笑を浮かべながら、不気味な空間からあの妖怪が姿を現した。

 はぁ……俺にとっては悲劇だが、きっとコイツにとってはただの喜劇なんだろう。正直たまったものじゃない。

 

「どうせお前が霊夢に何かを言ったんだろ?」

 

 霊夢がアリスの家に来るなんてそうそうないこと。だからそうとしか考えられなかった。

 

「さぁ? どうでしょうね」

 

 本当に勘弁して欲しい。こっちはどうすれば良いのか困り果てていると言うのに、余計に面倒なこととなった。二人になんて言えば良いんだよ……

 

「貴方を見ていると、二兎を追った者が何も得られないってことが良くわかるわ」

「二兎を得ることができるのは、二兎を追った奴だけだ」

「追う気があれば。でしょ?」

 

 ……おっしゃる通りで。

 此方としてはどうにか穏便に終わらせたいんだけどなぁ。

 

「ふふっ、それにしても貴方が此処まで悩むなんてねぇ」

 

 クスクス、クスクスと笑を浮かべ続ける紫。楽しそうで何よりだ。

 いや、仕方無いじゃん。俺だってこんなことになるとは思っていなかったんだから。

 

 牙を砕かれ、爪を抜かれ、角を折られ、翼を捥がれ、名を無くした。妖力なんてなく、残ったのは無駄に丈夫な体だけ。どうせ、あの二人は俺をただの人間としか思っていないだろうが。

 

 最初は霊夢だった。今代の博麗の巫女がどんな人物か気になり、此方から声をかけた。今思えばそれが失敗だったんだけどさ。

 なかなかに霊夢の性格が面白いものだったから、ちょくちょく話をするようになった。いつからなのかはわからない。けれども、確かに霊夢から感じられた好意の感情。

 どうしてそうなったのかはわからない。ただ、マズいと思ったときにはもう遅かった。

 

 此処で止まっておけばまだ良かったんだけどなぁ……

 

 できるだけ穏便に、霊夢が傷つかぬように。な~んて考えたのがマズかった。そこからは泥沼の連続。身動きも取れず、ただただ下へ沈んで行った。

 

 まさか、アリスまでがねぇ……

 

 見てくれが優れているわけじゃない。性格だって歪んでいる。そうだと言うのにどうしてだろうか。

 

「もういっそ、私と付き合っていることにしてみては?」

「できるわけないでしょうが。二人に殺されるわ」

 

 ホント、君は楽しそうだね……

 もう逃げちゃおっかな。百年くらい。

 

「もし逃げたら、幻想郷中に貴方のことを言いふらしてあげる」

 

 鬼だ。鬼がいる。

 そんなことしたら霊夢さんとか人間やめそうじゃないか。地の果てまで追ってきそうだ。

 

「じゃあ、どうすりゃ良いんだよ」

「そんなの自分で考えなさいな」

 

 まぁ、結局そうなるわな。

 

 どうすっかなぁ……

 

「そうねぇ……例え貴方がどんな選択をしようとも――」

「応援してくれんの?」

「鼻で笑ってあげるわ」

 

 

 ……良い性格してるね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 紫に言われアリスの家に行った。

 そして、家の中にはアリスとアイツの姿。それを見た瞬間、頭の中が真っ白になって思わず逃げ出した。

 

 どうして? 何故? そんなことばかりが頭の中をグルグルと回る。

 だって……だってアイツは――

 

 アリスの家を飛び出した私をアイツは追いかけてきた。けれども、アイツの顔を見るのが嫌で、その声を聞くのが嫌で私は拒絶した。

 

 家に帰り、暑い夏の日にも関わらず扉を閉め、膝を抱えて座りその膝へ自分の顔を埋めた。

 いつかこうなるってことはわかっていた。けれども、それが突然のこと過ぎて頭がついて来てくれない。アリスは良い奴だ。性格も優しいし、身の回りだってきちんとしている。私よりも、ずっと……

 

 ――だからきっとこれで良いんだ。

 

 自分へそう言い聞かせ、必死に自分を守ろうとした。でもやっぱり心の痛みは消えてはくれない。

 いつか、この痛みが消えてくれる日は来てくれるのかな。

 

 

「おーい、霊夢ー」

 

 家の外からアイツの声がした。

 けれども、外へ出る気にはなれなかった。何をしに来たんだか。私なんて放っておいてくれて良かったのに……

 

「お邪魔しまーす」

 

 今ばかりは本当に邪魔だ。

 

「あー……よお、さっき振り」

「……ええ」

 

 心臓が跳ねる。

 会いたくないって思っていたはずなのに、アイツの声を聞くとやっぱり喜ぶ私がいた。自分でも思う。莫迦だって。

 

「アリスの所へ行かなくて良いの?」

「まぁ、いつでも行けるしな」

 

 そっか。そう言うことなんだ。

 私が考えていたよりもコイツとアリスの距離はずっと近い。それが今日、わかってしまった。

 

 おめでとう――とか言えば良いのかな。祝福する気になんてなれないけれど。

 

「それで……何をしに来たの?」

「何をすれば良いと思う?」

 

 知るか。

 

 私の問いにアイツは困ったような顔をして、いつものように聞いてきた。そんなことを聞かれても私にわかるわけないのに。

 

「……臆病者な俺だけどさ。何も言わないのは流石に不味いと思ったんだ」

 

 そんなアイツの声を聞いて、私はまた顔を埋めた。

 

 この先に続く言葉は簡単に予想することができたから。

 

 

「明日も来る。だから俺の分のお茶用意しといてくれ」

 

 

 そんなアイツの言葉は、私が予想していたものと少し違った。

 だってその言葉はまるで……

 

 

 顔を上げる。

 照れくさそうに笑うアイツの顔。頬を何かが流れた。

 

「うん、待ってる」

 

 アイツの言葉の本当の意味はまだわからない。でも、悪い気分ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

「それで? 私の気持ちに気づかない振りをし続け、結局霊夢を選んだ貴方は、私になんて声をかけてくれるのかしら?」

「えと……アリスさん怒ってます?」

「今直ぐ貴方をぶん殴ってやりたいくらいには」

「ですよねぇ」

 

 今の私は非常に苛立っていた。

 そんな私の前によくもまぁ、顔を出せたものだと思う。

 

 霊夢とコイツの間でどんな話をしたのかは知らない。けれどもコイツと霊夢がどんな関係になったかのは、コイツが私の家へ訪れその顔を見たときにはわかった。

 

 はぁ……ホント損な役割だ。

 良いことなんて何もない。

 

「いや、でもアリスのことも嫌いじゃないよ?」

「それ以上続けないで。泣くぞ」

「あっ、はい。すみません」

 

 これで私とコイツの関係は終わり。

 わかっていたことではあるけれど、いざその場面となるとやっぱり辛いものがる。上手くいってくれないね。どんでん返しくらい用意しておいてくれても良いのに。

 

 私はコイツのことが好きだ。

 それは嘘偽りない本心。

 

 コイツが私のことをどう思っていたのかはわからない。でも、コイツと一緒に過ごした時間は悪くなかった。

 

「……馬鹿ね」

「お、おっしゃる通りで」

 

 自分に向けたはずの言葉に、アイツはそう返した。それが少し面白くて、クスクスと笑った。おどおどビクビクとして非常に情けないアイツの姿。

 

 重症だ。

 そんな姿を見ても全く嫌いになるとは思えないのだから。

 

 もしこうなってしまう前に、私が気持ちを伝えていたらどうなっていたんだろうか? “もし”なんて言うことは存在しないけれども、そんなことばかりを考えてしまう。

 だって、こんな結末はどうしても嫌だったから。

 

 

「ああ、もう!」

「え、えと、どうされました?」

 

 何故、敬語?

 いや、そんなこと今はどうでも良い。

 

 この物語を誰が考えたのか知らない。でも私はこんな物語を認めない。無理矢理登場させられ、無理矢理悲劇を演じさせられた。巫山戯んな。

 

 此処まで我慢した。もう十分だと思う。そろそろ私の好きに動かせてもらう。

 

 それはただの八つ当たり。物語を考えた奴なんていない。こうなってしまったのは全て自分が原因。そんなことくらいわかっている。

 それでも、気に食わないものは気に食わない。

 

 

「私は貴方が好き」

 

 

 それはあまりにも遅すぎた告白。

 

「えっ……ああ、うん。ありがとう」

「だから諦めたくはないの」

 

 霊夢は人間だ。たった数十年で寿命を迎えてしまう儚い存在。

 

 でも私は違う。そしてコイツも――

 

「いや、そんなことを言われてもだな」

 

 ただの人間だと思っていた。けれども違ったらしい。それなら私にだってまだチャンスはある。褒めらるような考えじゃないことくらいわかっている。

 

 

「今のうちに言っておくわ。霊夢が天寿を全うした後でも良いから……私と一緒に暮らしなさい」

 

 

 本当は今直ぐにでも、一緒になりたい。

 でも、霊夢の気持ちが痛いほどにわかっていたからそこだけは我慢した。

 

「はい? い、いや、それは不味くないか? それに霊夢だって許してくれない気がする」

 

 滅茶苦茶なことを言っていることくらいわかっている。

 でも、これ以上我慢するつもりはない。

 

「それは貴方が説得しなさいよ。それくらいの責任は取ってくれても良いんじゃない?」

「簡単に言ってくれるけど、何を言われるのやら……」

 

 そんなこと知るか。

 

「はぁ、わかったよ」

 

 そう言ってアイツは諦めたように笑った。

 うん、それで良い。

 

 この物語の結末に納得なんてしていない。

 だからせめて最後くらいは自分の良いように書き換えるんだ。

 

 それくらいは許して欲しいかな。

 

 

「強引だね、君は」

「それくらいが素敵でしょ?」

「おっしゃる通りで」

 

 何が面白いのかわからないけれど、そう言って二人で笑った。

 

 

 100年後もこうやって笑っていられたら嬉しいな。

 

 






色々と混ぜすぎましたね


読了ありがとうございました
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