千雨魔改造ネタ集   作:千雨魔改造応援団員

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 千雨さん異世界転生のテンプレートかもしれません…。


〇千雨×魔法科高校の劣等生 第1話

 私「長谷川千雨」は、一度死を迎え…そして、生前とは異なる世界で再び命を得た…。

 

 

 

 かつての私は、とある事情から自分の死を乗り越えようとしていた。

 

 不老不死を求めていたわけではない…もしも、予期せぬ事態などによって途半ばで息絶えても、すべてやり終えたと己が認めるまで歩き続けたかったのだ。

 

 非常識な話だが当時なら、人類社会の枠組みから逸脱する覚悟さえあれば、相応の対価をもって、むしろ簡単に不死者(イモータル)の列に加われたのにだ。

 

 今にして思えば愚かとしか言い様がない…得意とする分野の知識や経験などにより開発した、魂の領域に膨大な情報を圧縮保存する技法を実用化し有事に備えながら、依代となる器を用意する前に命を落としたのだから…。

 

 ただし、非業の終焉を迎えた状況において、後悔は微塵もなかった。

 

 柄にもなく、大切に想う男(ひと)を絶体絶命の窮地から身代わりとなって救い…薄れる意識の片隅で、自分を褒め讃えていたのだから…。

 

 

 

 そして、暗闇から浮かび上がるように目覚めると、身は赤子となり、満面の笑みを浮かべる両親に見守られていたのだ。

 

 

 

 魂に刻んだ前世(おもに)が因果の糸を結びつけたのか、私は生前と同じ氏「長谷川」の家に一人娘として加わり、馴れ親しんだ名「千雨」を再び授かった。しかし、物心つく頃に驚くべき世界の相違を知り、時間の遡行などでは無いことを否応なく理解した。

 

 かつて、古くから秘匿されてきた技術であり、人生最初で最後の体験に大きく関わった要因の一つ「魔法」…この世界では、言葉の意義自体が若干異なるものの、約1世紀前に公然の事象となり、科学の知見や分析などによって、体系化された技術へと成り果てていた。

 

 そして、より強力な魔法を求め、世界中で研鑽が重ねられていくなか…魔法師と呼ばれる超常の担い手には、国防の要、戦略兵器として扱われている者さえ現れているのだ。

 

 

 

 生家は魔法師の家系ではあるものの傍流の大外に位置し、父母は魔法で身を立てず、ごく普通の生活を送っている。

 

 だが、持たざる者達との隔絶は、国際的な反魔法師を掲げる組織を生み…比較的に治安が良い日本でさえも幾度かは、殺人を厭わぬ凶悪犯罪の標的となり犠牲となっているのだ、一般人と変わらぬ魔法師が…。

 

 それゆえに私は、再度の死滅を拒む、本能的な生への欲求に突き動かされ、小学生となり外界との接触が増えて以降、なりふりかまわず自衛の手段を求め続けた。

 

 幸いかつての私は、合法、非合法を問わず入手した全情報の最もセキュリティに優れる保管場所として、己の魂を活用していた。

 

 幼い身で手繰れる少ない手札を慎重に投じ、貴金属を生み出し、姿を偽り、他者の意識を捻じ曲げ、手にした資金で、異界の秘奥を再現していく。

 

 小さな異空間を構築し、時間圧縮を最大値としたダイオラマの魔法球を据え付ける。

 

 1年とかからず人の寿命を喰い尽くす刻(とき)の断裂は、真祖の吸血鬼と化して乗り越えた。

 

 過行く長い日々と共に手にするはずだった大切な何かを引き換えにしてなお、いつ襲い来るかわからない理不尽に抗う道を進む。

 

 数分で数十日の猶予を得られる箱庭で、真っ先に取り組んだのは、最も重要な相棒(パートナー)の再現…。

 

 古龍(ドラゴン)の心臓に匹敵する魔力炉心と、かつての恩師を模した仮想人格を持つ人工魂魄を組み込んだ自己増殖型多機能AIを一体化し、仮契約を結ぶ…試みは成功し、無限に等しい魔力の供給源と、ごく普通の中学生を電脳世界の玉座へと導いた稀有な杖を、我が手にもたらした。

 

 如何なる状況でも、生還(しょうり)を勝ち取るために、戦(いくさ)の才、経験、心構えなど足りぬ全てを修練で補う。

 

 剣闘士、侍、騎士、魔法使いなど、これまでに敵味方として接した強者を記録から複製し、真剣勝負で悉く打ち倒すまで、費やすこと数百年…当然ながら、所詮は虚像であるがゆえに不安は拭えず、難度を引き上げ、今日(こんにち)まで苦痛と不甲斐なさにまみれ続けている。

 

 

 

 そんなとうに人から外れた馬鹿な娘に目を欺かれていると知る由もなく、両親は愛情を注ぎ続けてくれた。

 

 魔力で器を編み、成長を取り繕いながら、せめて誇れる子供でありたいと誓う。

 

 学校生活では、優秀な成績を目指しつつ、もう会えない旧友達を見習って、友誼の輪に溶け込み…家庭に戻ると、父をねぎらい、母と家事をこなして、月日を重ねていく…。

 

 

 

 そして私は魔法師の進学先として最難関と言われている、国立魔法大学付属第一高等学校を受験し、合格を果たした。

 

 

 

 天候に恵まれた入学式の日…真新しい制服に身を包み学び舎の門を抜けると、笑顔を浮かべる近い将来の学友達を数人目にする。

 

 

 

 ”今更、高校生か…。”

 

 

 

 不意に湧き上がる郷愁を打ち消し、式典の会場となる講堂に向かおうとした矢先、脳裏に相棒の警告が響いた。

 

 

 

 ”千雨さん、知覚系魔法による走査を感知しました。対抗魔法で処理済みです”

 

 ”ありがとう、ネギ先生”

 

 

 

 時々いるのだ…生まれ持った貴重な能力を、不埒な感情で悪用する覗き魔が…。

 

 やや離れた場所で、きつく瞳を閉じている大柄な男子生徒に目星を付け足早に立ち去る。

 

 親ばか気味の両親が保護者席で待つ晴れ舞台を、汚されたように思えた。

 

 

 

 

 

 

 男子新入生、司波達也は、遠ざかっていく少女の気配を感じつつ、言い知れぬ危機感に襲われていた。

 

 有力師族の子弟を抑えて2位で合格…計測上の想子(サイオン)保有量では、首席合格の妹、深雪を凌駕し、学科の回答には故意に点数を落とした形跡が認められると師匠、九重八雲から警告を受けた監視対象「長谷川千雨」…。

 

 

 

 

 ”精霊の目(エレメンタル・サイト)を、CADを用いず瞬時に迎撃しただと”

 

 

 

 

 やや離れた死角を選び、特殊な知覚の焦点を合わせようとした段階で、瞳に激痛が走った。

 

 殺傷性はなく、妨害用と考えられるが、術式を察知さえできなかった。

 

 

 

 

 ”成績優秀、品行方正、怪しい経歴など無い、傍系の子女だと…ふざけるな” 

 

 

 

 

 入手できた情報では推し量れない秘密が、彼女にはある。

 

 警護対象である最愛の妹と同じ1科生として入学できなかったことを、俺は今にして悔やんだ。

 

 

 

 

 

(続編未定)




(意訳)死にたくないので自己魔改造に極振りしました。ヾ(≧▽≦)ノ

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