機動戦士ガンダムSEED 未来を担う剣   作:Please

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予想外の帰還

キラと再会した事で、足つきがオーブにいる事がはっきりとした為、俺達は母艦のボズゴロフに戻り、作戦会議を行った後、足つきとの戦闘に備えて準備をしている。

 

そのはずだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在俺は、宇宙往還機である大型スペースシャトルに乗って宇宙へ上がり、プラントに向かっている。

 

何故オーブで足つきを追っている最中の俺がプラントに向かっているのかというと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

オーブ近海 ボズゴロフ艦内作戦室

 

 

「何故足つきがオーブにいたと分かる!確証はあるのか?どうなんだアスラン!?」

 

 

両手で机を強く叩きながら、イザークはアスランに怒鳴るように問い出している。

 

その理由は、キラと再会したあの施設から離れ、母艦に戻った後、作戦会議中に……

 

 

 

 

「足つきはオーブにいる可能性が高い。母艦をオーブ領海の近くまで寄せ、足つきが現れたら出撃して叩く。いつでも出撃できるように準備をしておいてくれ」

 

 

 

 

…と、アスランが言い出した事が原因である。

イザークに問われたアスランは冷静にイザークを見ている。

作戦室内に沈黙が流れるが、それを破るようにアスランが口を開く。

 

 

「…いいから、俺の言った通り作戦を遂行してくれ。足つきはあの国に潜んでいる」

 

 

イザークは少しの間、アスランを睨むが、落ち着いたのかため息をつく。

 

 

「…OK。そこまで言うなら、今回は隊長の指示に従おう。だがもし、この出撃が無意味な結果に終わった場合は…」

 

「クルーゼ隊長に終始報告だな♪」

 

 

アスランに釘をさすように言うイザークに続き、楽しそうに言うディアッカの言葉を聞き、アスランは少しだけ顔を伏せる。

しかしそれは、イザーク達の言われた事を気にしているのではない事はすぐに分かった。おそらくこの先、待ち受けるキラとの戦いを気にしているんだろう。

 

 

 

 

作戦会議が終わり、足つきとの戦闘に備え、準備を進めていると、オペレータが1枚の書類を持って俺に話しかけてくる。

 

 

「ダン・ホシノ。君宛にジブラルタルから報せが来ているぞ」

 

 

オペレータが持ってきたのは、どうやらジブラルタル基地から送られて来た指令書らしい。

その指令書を受け取り、読んでみると、内容はこう書かれている。

 

 

 

 

ダン・ホシノに本国からの特殊任務の要請あり。

 

直ちにプラントに帰投する為、一旦ジブラルタルに急行せよ。

 

ラウ・ル・クルーゼ

 

 

 

 

差出人はクルーゼ隊長のようだ。

 

何故本国が俺を?

とにかく、ジブラルタルに戻って、クルーゼ隊長に会って確かめないと分からんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジブラルタル行きのもう一隻の母艦が到着し、乗艦する俺をアスランとニコルの2人が見送りに来てくれている。

イザークとディアッカは自室にいるのか、この場には来ていない。

まあ、期待はしてないがな。

 

 

「突然クルーゼ隊長から呼び出しとは…どういう事でしょうか?」

 

「さあな。それは直接聞けば分かるさ。それより、油断はするなよ。足つきはともかく、ストライクは俺達と互角に渡り合うほどの強敵だ。気を引き締めて行けよ」

 

「はい。こっちは任せてください」

 

 

ニコルの返事を聞いた後、アスランの方を見ると、不安そうな表情を浮かべていた。俺はそんなアスランの肩に手を置き、勇気付けるように話しかける。

 

 

「アスラン。俺が向こうに行く事でこの先厳しいだろうが、こっちの方を片付けたらすぐ戻る」

 

 

俺の言葉を聞いてアスランは少し驚くが、さっきよりは表情は柔らかくなったようだ。自分の肩に置いている俺の手の上に手を乗せ、少しだけ肩の荷が降りたように笑顔を見せる。

 

 

「…ありがとうな、ダン。こっちは任せてくれ。…無茶はするなよ」

 

「俺より無理してるお前が言えた事か?とはいえ、この先何があるか分からんからな。…そっちも気を付けてな」

 

 

互いに笑みを見せる俺とアスランを近くにいるニコルは笑顔で見ている。

 

 

「じゃあ、行ってくる」

 

「ああ」

 

「ダンも、道中気を付けて」

 

 

俺はアスラン、ニコルの2人と握手を交わした後、もう一隻の母艦に乗艦し、アスラン達は母艦に入るまで笑顔で見送る。

そして俺の乗った母艦は潜水を始め、ジブラルタルに向けて移動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジブラルタル基地

 

母艦が無事ジブラルタルに到着し、現在俺はクルーゼ隊長がおられる隊長専用の部屋の手前まで来ている。

 

 

「ダン・ホシノ、只今到着しました!」

 

「入りたまえ」

 

 

クルーゼ隊長の許可を頂き、部屋に入ると、そこには職務中なのか、クルーゼ隊長がパソコンに目を通している。

クルーゼ隊長はパソコンのキーボードを打っていた手を止め、俺の方を見て口を開く。

 

 

「足つきの追跡中に、いきなり呼び戻してすまないな。だが、どうしても君にしか頼めない任務なのでね」

 

「いえ。ところで、プラントからの特殊任務とは?」

 

「特殊任務というが、それほど難しいものではない。君にある人物の護衛を頼みたいのだよ」

 

 

ある人物?一体誰の事だ?

護衛という事は…シーゲルさんの事か。

 

 

 

 

…それとも、ザラ委員長の方か…。

いくらアスランの父親とはいえ、あの人だけは好きにはなれん。

 

それを察したのか、クルーゼ隊長は笑みを見せて話を戻す。

 

 

「ふふ。気になるのも無理はないが、安心したまえ。

君に護衛してもらいたい人物は……

 

 

 

 

ラクス・クライン嬢だ」

 

 

 

 

「……はい?(今、クルーゼ隊長は何て言った?ラクスの護衛って言ったような…)」

 

 

心の中でそう思っていると、それも察したのか、クルーゼ隊長は再び笑みを見せて話を再開する。

 

 

「ラクス嬢自身が君を指名しているようだ。

近い内に彼女が新曲披露の為、プラントでコンサートを開く予定らしい。君にはそのコンサートの間、彼女の護衛を頼みたい。いきなりですまないが、すぐに準備を整え、プラントに向かってほしい」

 

「…わかりました」

 

 

突然ラクスの護衛を任命され、少し動揺しながらも、俺はすぐにクルーゼ隊長に返事をし、ラクスがいるプラントへ向かう為の準備を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…という訳で、現在こうしてシャトルに乗り、プラントに向かってるという事だ。

 

だが、何故ラクスは俺を指名したのか…

それはプラントで彼女本人に聞くしかないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラント付近の宇宙港に到着し、シャトルから降りると、向こうに数人の護衛に守られながら、嬉しそうな表情で俺に手を振ってくれるラクスの姿が見える。

それを嬉しく思いながらラクスに近付くと、ラクスも俺の方に近付いてくる。

 

 

「お帰りなさいませダン!お待ちしておりましたわ」

 

「ただいまラクス。わざわざ来てくれてありがとう。ここには君だけかい?シーゲルさんは?」

 

「お父様は今、評議会のお仕事でおられませんの。ダンが戻られると聞いて、とても楽しみにしていましたのに…」

 

 

申し訳なさそうに言うラクスに気を遣い、俺は本題に入るように口を開く。

 

 

「クルーゼ隊長からは大体は聞いているけど、新曲のコンサートはいつやるんだい?」

 

「それは戻ってから説明いたしますわ」

 

 

俺の質問にラクスは笑顔で答え、俺のすぐ横まで近付いてくる。

 

 

「さあダン、参りましょうか」

 

「そうだね」

 

 

会話を終えた俺はラクスと一緒に、護衛に護られながら移動用シャトルに乗り、プラントに移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャトルでプラントへ渡り、クライン邸に戻ってきた俺は、彼女と一緒に庭でお茶を飲みながら、近い内に行われるコンサートについて話をしている。

 

 

「クルーゼ隊長から大体は聞いているけど、コンサートはいつから?」

 

「1週間後になりますわね。明後日からコンサート会場で新曲のリハーサルを行いますから、ダンにはそのリハーサルと本番の間、私の護衛をしていただきたいんですの」

 

「それは構わないけど…何故俺なんだい?俺以外にも経験の多い護衛は多数いると思うけど?」

 

「それは…」

 

 

ラクスは口にしていたカップを置き、俺を護衛として呼んだ理由を説明する。

 

 

「どうしても、ダンに私が作詞した新曲をお聞かせしたかったんですの。それに…ダンに守っていただけるなら、私も安心して歌う事ができますわ」

 

 

ラクスの言葉に一瞬だけ驚くが、俺を信頼してくれているラクスに、感謝の気持ちを込めて笑顔を見せる。

 

 

「そうか。そこまで期待されたからには、答えない訳にはいかないね」

 

「ありがとうございますダン。私も貴方と、楽しみになさってる方々に喜んでいただけるように、一生懸命頑張りますわ」

 

 

そう言ってラクスは俺の手の上に自分の手を優しく重ねて微笑む。

 

そんなラクスの手の温もりを感じながら、俺は彼女を守る決意を更に強め、明後日に行われるリハーサルに備える事にした。

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