「……キラ…」
何故、地球にいる筈のキラがマルキオ導師と一緒にプラントに…?
…しかも怪我を負った状態で…。
治療後なのか、キラの体のあちこちには包帯が巻かれており、顔にはキズバンが貼られている。
一体、地球で何があったんだ…?
そんな疑問を抱いていると、キラを乗せたストレッチャーがクライン邸内へ運ばれていく。
俺達もそれに続くように邸内に入ると、医師がシーゲルさんのところに歩み寄ってくる。
「シーゲル様。仰る通りにここへ運びましたが、彼はどこの部屋で寝かせればよろしいでしょうか?」
医師の問いに、キラをどの部屋に寝かせるかで考えていると……
「あ。それでしたら、良い提案がありますわ♪︎」
そこへ自分の両手をパンと叩いて主張し出すラクス。
…何故か表情が楽しそうに見えるのは気のせいか?
「…で、何故ここなんだいラクス?」
「あらあら。私はとても良いと思いますが…。ダンはお気に召しませんでしたか?」
「いや、そういう訳じゃないが…」
ラクスが提案したキラを安静にさせる場所。
そこは客室ではなく、何故かクライン邸付近の庭で、周りはガラスの壁で覆われ、見渡しも結構良い。
キラの様子を見てみると状態は安定しており、良く眠っている。
「マルキオ導師。何故キラをここに…?」
「それはですね…」
マルキオ導師からの話によると、キラが持っていた認識票の刻銘のみで俺とラクスの関係者だと見抜いたらしい。
しかし、刻銘だけで俺達とキラの関係を知ってここまで運んで来るとは……
もしや、マルキオ導師は本当は超能力者なのか…?
「とりあえず、彼が目を覚ますまでは、このまま安静にさせておこう」
シーゲルさんの言葉に俺とラクスは頷いて答える。
マルキオ導師もしばらくの間はクライン邸に滞在するらしい。
その後は、マルキオ導師を含めた四人で食事を取ったり、ラクスと一緒に導師から地球について色々と話を聞いたり、それ以外に雑談をしながらキラが目を覚ます時を待つ事にした。
あれから少し経ち、遂にコンサートまで明日となった。
昨日のリハーサルの後、スタッフから本番に備えて休むようにという事で、今日はリハーサル無しで、俺はラクスと一緒にクライン邸で休息を取っている。
『ウォン!ウォン!ウォン!』
『ハロ、ハロ!ハロ、ハロ!』
ドルフとハロ達は、俺達と久しぶりに1日中一緒にいられるのが嬉しいのか、かなりはしゃいでいる。
「よし、良い子だ」
「まぁ、どうしてそういうことするの?悪い子ですねグリーンちゃん。そういう子とは遊んであげませんよ?」
俺はドルフ、ラクスはハロ達の相手をしていると……
『テヤンデー』
「あ…ピンクちゃん、いけませんよ。そちらは…」
突然、単独でどこかへ行くピンクハロをラクスが追いかけていく。
俺はドルフに残ったハロ達の相手を任せ、ラクスの後を追いかける。
ピンクハロを追って辿り着いた場所……
その場所は、俺達が用意したキラの寝室だった。
ピンクハロを見ると眠っているキラのベッドの上に乗り、じっとしている。
ラクスがピンクハロを拾い上げると……
「…うぅ……」
「!?」
「あ!おはようございます」
眠っていたキラが、遂に目を覚ました。