機動戦士ガンダムSEED 未来を担う剣   作:Please

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まなざしの先

「キラ。体調の方はどうだ?」

 

「うん。前よりは良くなったと思うよ」

 

 

俺の問いに答えるキラ。その後は雑談をしながらクライン邸の庭からプラントの景色を眺めていると……

 

 

 

 

「間もなく雨の時間です」

 

 

声をかけられた俺とキラは、声の方向に顔を向けると、ドルフとハロを連れて歩み寄ってくるラクスがいる。

 

空を見上げてみると、空が若干曇りがちになっている。

 

 

「中でお茶にしませんか?」

 

「そうだな。ラクスが淹れてくれるお茶は美味しいからね。キラも良いな?」

 

「うん。そうだね」

 

 

ラクスの意見に賛同した俺とキラは、彼女と一緒にクライン邸に戻ってお茶を飲む事にした。

戻る途中ラクスの方を見ると、さっき褒められた事が嬉しかったのか、彼女は少しだけ頬を赤くして微笑んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達がクライン邸に入ってお茶を飲んでいると、雨が凄い勢いで降ってくる。俺は洋菓子を口にしながらお茶を飲み、ラクスは楽しそうにドルフとハロの相手をし、キラもお茶を飲んではいるが、外をずっと見ている。

 

 

 

 

「キラは雨がお好きですか?」

 

 

それが気になったのか、ラクスがキラに声をかける。

 

 

「不思議だな…って思って。なんで僕は…ここに居るんだろうって思って」

 

 

ラクスは更にキラに問いかける。

 

 

「キラはどこに居たいのですか?」

 

「解らない」

 

 

迷っているように返答をするキラに今度は俺が問いかける。

 

 

「ここは好きになれないか?」 

 

「ここに居て…いいのかな?」

 

「私達はもちろん。とお答えしますけど。ねえ、ダン?」

 

「そうだね。友人を追い出す理由もないからな」

 

「…」

 

 

俺達と一緒にお茶を飲んでいたマルキオ導師がキラに話しかける。

 

 

「自分の向かうべき場所、せねばならぬ事、やがて自ずと知れましょう。あなた方はSEEDを持つ者。故に」

 

 

マルキオ導師の言葉を聞いたキラは、少し考えるようにしばらく俯き、そして再び雨が降っている外を見つめる。

 

俺達はしばらくの間、色々な話をしながらお茶の時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく時間が経っても、雨が止む様子がない。

 

俺達は外を眺めながらお茶を飲んでいると、シーゲルさんがやって来てマルキオ導師に話しかける。

 

 

「やはり駄目ですな。導師のシャトルでも、地球へ向かうものは現在全て、発進許可は出せないという事で」

 

 

マルキオ導師はこうして俺達と一緒にお茶を飲んでいるが、本来ならキラをここに連れて来た後すぐに地球に戻る筈だったが、地球へ向かうシャトルだけが出港を禁止されているらしい。

 

それも既に終えているコンサートのリハーサルの時からずっとである。

 

 

 

 

そこへ部屋に設置されたモニターから執事さんが映し出され、客人から通信が来た事をシーゲルさんに伝える。

それを聞いたシーゲルさんが通信に出ると、モニターから女性の姿が映し出される。

 

 

 

 

女性の名前はアイリーン・カバーナ。

シーゲルさんと同じ最高評議会議員でクライン派の一人である。

 

 

 

 

『シーゲル・クライン!我々はザラに欺かれた!』

 

 

凄い剣幕で言うカバーナ議員にシーゲルさんは何があったのか分からないような顔をしている。

カバーナ議員はそんなシーゲルさんには気にせずに話を続ける。

 

 

『発動されたスピットブレイクの目標はパナマではない』

 

 

カバーナ議員の言葉を聞き、俺は心の中で驚愕している。

 

何故ならスピットブレイクの攻撃目標がパナマであり、そこにあるマスドライバーを奪取する事以外は内容を聞いていないからだ。

 

それにザラ委員長の名前が出た事で、何か嫌な予感がしてくる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アラスカだ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだと!?」

 

 

カバーナ議員の言葉に驚きの声を上げるシーゲルさん。

 

どうやら、嫌な予感が的中してしまったようだ…。

 

 

 

 

スピットブレイクの事で頭を悩ませると、何かが割れる音が聞こえ、音の方を見ると、キラがかなり動揺しており、その近くにはキラが飲んでいたと思われるカップが割れている。

 

 

『彼は一息に地球軍本部を壊滅させるつもりなのだ。評議会はそんな事を承認していない!』

 

 

…つまり、ザラ委員長が独断で直前に目標を変更させたという事か…。

 

 

 

 

ラクスはキラの側に寄り、落ち着かせようと背中をさするが、キラはまだ動揺しており、全く落ち着く様子がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カバーナ議員からの通信からしばらく経ち、ようやく雨が上がり、青空が広がっている。

 

 

 

 

俺とラクスはさっきまで動揺していたキラの様子を見る為、あいつがいるテラスまで来ると、キラはプラントの景色を無言で眺めている。

 

そんなキラにラクスは声をかける。

 

 

「キラ?」

 

 

 

 

ラクスの声で振り返るキラだが、その表情は悲しそうで、目からは涙を流している。

 

それを見て俺とラクスが少し驚いていると……

 

 

 

 

「…僕は…行くよ」

 

 

突然そう言い出すキラにラクスがどこへ行くか聞くと、地球に戻るという事らしい。

 

 

「何故?貴方お一人戻ったところで、戦いは終わりませんわ」

 

 

ラクスの言っている事は確かだ。どれだけ戦闘経験のあるベテランでも、その場の戦局を覆す事はできても、全ての戦争を終わらせるにはかなりの時間はかかる。

おそらく、生きている間に終戦に繋げるのは難しいだろう。

 

 

 

 

「でも、ここでただ見ていることも、もう出来ない」

 

 

 

 

何も出来ないって言って、何もしなかったら、もっと何も出来ない。

 

何も変わらない。

 

何も終わらないから。

 

 

 

 

そう語るキラの話を俺とラクスは黙って聞く。

 

確かに、生きている間にやりたい事を全部やっておかないと、それをせずに死んだ後は、後悔しか残らないからな…。

 

 

 

 

「それで、向こうに戻ったら…また俺達ザフトと戦うのか?」

 

 

ヘリオポリスから地球までの俺達の立場を考え、もしもの返答を予想しながらも、俺はキラに今後の事を聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、キラはその質問を首を横に振ってそれを否定して返答した為、俺は少し驚いている。

 

 

「では地球軍と?」

 

 

ザフトと戦う事を否定したキラに今度はラクスが問いかける。

 

ザフトと戦わないとなると、地球軍と戦う以外は答えが残ってない。

 

 

 

 

しかし、キラはラクスの質問にも首を横に振り、口を開く。

 

 

「僕達は、何と戦わなきゃならないのか、少し、分かった気がするから」

 

 

キラの瞳は強い決意が宿っているように見える。俺達ザフトと対立し、迷っていた時とはまるで違う程に…。

 

 

 

 

「…解りました」

 

 

キラの決意を聞き、そう答えたラクスに呼ばれた俺は、キラにすぐに戻ると言ってその場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラの所から離れて10分後、ラクスと“ある相談”をした俺は、執事さんにある物を用意させたラクスと一緒にキラの所に戻る。

 

 

「キラ。お前はこれに着替えろ」

 

「これは…」

 

 

執事さんがキラに手渡したのは、ザフトのエリートが着用する赤服の制服だ。

 

これから俺達は“ある場所”に向かうが、そこへ立ち入る事ができるのはザフトの人間だけだ。

 

 

「あちらに連絡を」

 

 

俺達のやり取りを見ていたラクスは、近くにいる執事さんに声をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラクス・クラインは再び、平和の歌を歌います。と」

 

 

 

 

それぞれの準備を終え、軍服に着替えた俺はラクスと、同じ赤服に着替えたキラと一緒に車に乗り込む。

そして俺の運転で車を走らせ、目的地に向けて出発する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく車を走らせ、到着したのはザフト軍の軍事施設である。

施設に入り、しばらく通路を通っていくと、二人の見張り役の軍人がいる大きな扉にたどり着く。

ラクスが合図を送るように彼らに頷くと、その内の一人がカードキーを扉に設置してある端末に通して扉を開ける。

 

 

「さぁ、どうぞ」

 

 

 

 

ラクスに導かれるまま扉の奥に進むキラ。俺も続くように中に入ると辺りは真っ暗である。

 

 

 

 

…と思った瞬間、突然照明がつき、俺達の目に“あるもの”が写る。

 

 

 

 

それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガンダム!」

 

 

照明に照らされるモビルスーツを見て、キラはかなり驚愕している。

 

 

 

 

ガンダム…

 

キラが向こうにいた時は、ストライクの事をそう呼んでいたのか…。

 

 

 

 

「ちょっと違いますわね」

 

 

驚いているキラにラクスが話しかけるように口を開く。

 

 

「これはZGMF-X10Aフリーダムです。でも、ガンダムの方が強そうでいいですわね♪」

 

 

 

 

モビルスーツの名前をキラに教えた後、楽しそうにガンダムという名前に興味を持つラクス。

 

そんなラクスに続くように、俺はキラにフリーダムの説明をする。

 

 

 

 

「この機体には、俺達ザフトがヘリオポリスで奪取した地球軍の機体の全性能を組み込み、実戦用に開発された最新型のモビルスーツだ」

 

 

俺からフリーダムの説明を聞いたキラがラクスに問いかける。

 

 

「これを、何故僕に?」

 

「今の貴方には必要な力と思いましたの」

 

 

キラの質問にラクスは微笑みながら答える。

 

 

「想いだけでも…力だけでも駄目なのです。だから…キラの願いに、行きたいと望む場所に、これは不要ですか?」

 

 

 

 

確かに、想いを言葉にして伝えても、それを理解しない者は山程いるだろう。

 

しかし、キラなら…このフリーダムを正しい事の為に使ってくれるかもしれない。

 

 

ラクスの言葉を聞いたキラはフリーダムを見た後、再びラクスの方を見る。

 

 

「君は誰?」

 

 

 

 

「私はラクス・クラインですわ、キラ・ヤマト」

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

キラの問いにラクスは笑顔のまま答える。

キラがラクス礼を言うのを確認した俺はキラに声をかける。

 

 

「…急げ。時間がない」

 

「うん。ダンも色々ありがとう。また君と昔みたいに話が出来て楽しかった」

 

「ああ。俺も楽しかった。しっかりやって来い。お前のやるべき事を」

 

 

俺に礼を言って握手を求めるキラに、俺はその手を握って答える。

 

 

 

 

遂にキラとお別れか…。

 

 

 

 

もう少し、色々と話がしたかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何を仰っておられますの?ダンも地球に向かいますのよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「…え?」」

 

 

突然のラクスの発言に俺とキラは唖然とする。

 

すぐに立ち直った俺は、ラクスに理由を聞く。

 

 

 

 

「ラクス。それはどういう事?」

 

「そのままの通りですわ。ダンにはキラと一緒に地球に向かって頂きますわ」

 

 

ラクスの言葉に驚愕しながらも俺はラクスに肝心な事を聞く。

 

 

「でもラクス、モビルスーツはどうするんだ?俺が乗っているソウルは、今はヴェサリウスにあるんだよ?」

 

 

そう。俺が操縦するソウルはヴェサリウスに格納されている為、取りに行くにも時間がかかる。

 

 

 

 

しかし、ラクスは心配無用と言わんばかりの笑顔で俺の問いに答える。

 

 

「それについては、心配はいりませんわ♪︎」

 

 

そう言ってフリーダムの隣の照明が照らされていない場所を見るラクス。

 

俺とキラもそれに続いてフリーダムの隣を見ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗かった場所に照明が照らされ、もう一機のモビルスーツが姿を現す。

 

 

「!」 

 

「もう一機の、ガンダム!」

 

 

驚いている俺とキラに気にする事なく、ラクスはいつものように落ち着いた笑みを見せながらもう一機のモビルスーツの説明をする。

 

 

 

 

「あちらの機体は、ZGMF-X08Aフューチャー。フリーダムと同様に地球軍のモビルスーツのデータを元に開発された機体ですわ」

 

 

 

 

フューチャー。

 

未来という名を由来としたモビルスーツ。

 

この機体の事は俺も知っている。

フリーダムと同じ時期に開発が行われ、実戦に投入される機体だ。

 

 

 

 

…ちなみにこれは噂だが、このフリーダムとフューチャーには俺と、あのジャン・エクシーグが搭乗する予定になっていたらしい。

 

 

 

 

「…でも、俺がキラと一緒に行ったら、ラクスはどうするんだ?万一の事があったら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ以上は言えなかった。

 

 

 

 

何故なら、心配しながら言う俺の唇がラクスの人差し指で止められたからだ。

 

そして彼女は、もう片手の人差し指に自分の唇を付け、しーっという表情を作った後、更に話を続ける。

 

 

「…ダンの眼が、キラの手助けがしたいと仰っているように見えましたから」

 

 

心の中を見抜かれた俺は驚愕する。

 

ラクスはそんな俺に微笑みながら問いかける。

 

 

「ダン。貴方は、どうしたいのですか?ダンの本当の気持ちを聞かせて下さいな」

 

 

 

 

俺はラクスの問いに目を閉じる。

 

 

「俺は…」

 

 

俺が本当に果たしたい事を考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キラと一緒に地球に行くよ。そしてキラが成し遂げたい事を友として見届ける」

 

 

俺の出した答えに満足したようにラクスは優しく微笑みながら俺を見つてから話を切り出す。

 

 

「では、早速準備に取りかかりましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラクスと一旦別れ、パイロットスーツに着替えた俺とキラは、フリーダムとフューチャーの手前で待っている彼女の所へ戻る。

 

 

「ラクス。本当に大丈夫なんだね?」

 

「はい。私も歌いますから。平和の歌を」

 

「…分かった。気を付けてね」

 

「ええ。お二人も…」

 

「色々、助けてくれてありがとう」

 

 

キラの礼を聞いたラクスは俺達の傍に近寄る。

 

 

「私の力を、貴方方と共に…」

 

 

突然ラクスにキラは手の甲、俺は右頬に口付けされる。

 

 

「ぁぁ…」

 

「っ!!」

 

 

キラはパイロットスーツの上から手の甲に口付けされた為、少し驚愕しているが、俺は直接肌に口付けられた為、頬を赤くしながら驚いている。

 

 

「…では、行ってらっしゃいませ」

 

 

同じように頬を赤く染め、俺とキラから離れていくラクスをしばらく見届けた後、キラはフリーダム、俺はフューチャーに乗り込んで準備に取りかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フューチャーのシステムを起動させると、フリーダムに乗っているキラから通信が来る。

 

 

『ダン。この2機、ストライクとソウルの4倍以上のパワーがあるかもしれない』

 

「そうだな。もしかするとこの2機には…“あれ”が組み込まれている可能性があるな」

 

 

フューチャーの発進準備を進めながらコックピットのメインモニターを見ると、入口で扉が閉まるまで微笑みながら俺達に手を振ってくれているラクスの姿が見える。

 

 

 

 

ラクス……

 

 

 

 

また離れる事になるけど、きっと帰って来るよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『誰だ貴様ら!何をしている!』

 

 

機体の発進準備を終えるのと同時に、突然何者かの通信が割り込んでくる。

 

おそらくラクスの関係者以外の者からだろう。

 

 

 

 

「こちらクルーゼ隊所属ダン・ホシノ。スピットブレイクを開始する友軍の援護の為、これから地球に急行する」

 

 

俺は通信にそう返答するが、それは地球にいるキラの仲間の元に向かう事を誤魔化す為だ。

 

俺が時間稼ぎをしている間にフリーダム、フューチャーの頭上のハッチが開かれ、いつでも出撃できるようになっている。

 

 

『待てダン・ホシノ!本部からはそんな報せは聞いていないぞ!』

 

 

軍本部に確認したのか、更に問いかけてくるが、出撃できるようになった以上、もうこいつらの話に付き合う必要はない。

 

俺は無視して通信を切り、キラに通信を繋げる。

 

 

「…行くぞ。準備は良いか?」

 

『うん。いつでも行けるよ、ダン』

 

 

互いの確認を終えた俺達は、それぞれの新たな機体と共に宇宙へ翔び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラントを脱出し、地球に向けて急行していると、前方に巡回中のジン二機の姿が見えてくる。

 

一時的だが、俺はさっきのように通信を繋げ、道を開けてもらったのを確認し、全速力で突破する。

 

 

 

 

しかし、しばらくして軍本部からの連絡を受けたのか、俺達を通したジン二機はこっちに向かって追撃を始め、アサルトライフル・重突撃機銃で撃ってくるが、キラと俺はフリーダムとフューチャーの機動力を生かし、その攻撃を全て回避していく。

 

 

『止めろ!僕達を行かせてくれ!』

 

 

ジン二機の攻撃を回避していると、またしても前方からジンが二機が現れ、俺達を追撃するジン二機と同じようにアサルトライフルで攻撃してくるが、俺達はこれも回避しながら減速せず、そのまま突き進む。

 

 

『ダン!』

 

「ああ。後ろは任せろ!」

 

 

キラの呼び声に答え、攻撃を続ける後方のジン二機に向けてフューチャーのルプスビームライフルを放ち、そのビームはジン二機に見事に命中する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、命中したのはコックピットではなく、アサルトライフルを持つ右腕、メインカメラ搭載の頭部などパイロットに危害が及ばない武装部分である。

 

攻撃手段を失った後方のジン二機は追撃を断念したのか、その場で停止している。

 

キラもフリーダムの腰からラケルタビームサーベルを抜き、前方のジン二機の武装のみを素通りするように斬り裂いて無力化させる。

 

ジンの四機の追撃を振り切り、フリーダムとフューチャーのスラスターを全開にし、地球へ急行する。

 

 

 

 

その最中、地球から上がって来た宇宙往還機のシャトルを見付ける。

 

俺達はそのシャトルを素通りし、地球を目指す。

 

 

 

 

しかし…

 

 

 

 

そのシャトルには、キラと俺の関わりのある人物が乗っている事には気付かなかった。

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