機動戦士ガンダムSEED 未来を担う剣   作:Please

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再会

ターミナルで整備中のアークエンジェル、クサナギ、エターナル三隻の様子を見ている時、アスランに声をかけられ、その方を向くと、アスランだけでなく、緑のザフト服を纏い、帽子で顔を隠している男が隣にいる。

 

見たところ、年齢は俺とアスランとほぼ同じぐらいで、事故のせいか両足は無いが、周辺が無重力で手刷りの支えもある為、バランスを保っている。

 

 

「…アスラン。そいつは?」

 

「ああ。こいつは…」

 

 

紹介しようとするアスランを男は静かに右手で制して止め、手刷りを利用して一歩分ほど前に出る。

 

アスランは信用しているのか、男に警戒をしている様子はない。

 

俺は念のため、警戒を解かずに男の様子を見る。

 

 

「初めまして。と言うよりは…お久しぶりと言ったところでしょうか?」

 

 

警戒する俺に気にする様子もなく、男は普通に挨拶をしてくる。

 

…だが、この男の声…聞いた事があるような……

 

 

 

 

少し驚く俺の表情を見て察したのか、緑服の男は被っている帽子を取って顔を見せる。

 

俺は男の顔を見て驚愕する。

 

何故なら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ニコル…?」

 

 

男の顔が、オーブでの戦いで戦死したはずのニコルによく似ていたからだ。

 

唖然としている俺に、彼は手刷りを利用しながら近付いてくる。

 

そんな彼に気付き、少し戸惑いながらも声をかける。

 

 

「…本当に、ニコルなのか…?」

 

 

俺の問いに、戦場でできたものか、彼は傷がある顔で優しい笑みを見せながら頷いて答える。

 

 

「俺もエターナルに乗り込んだ時は驚いていたよ。だが、今お前の目の前にいるニコルは、幽霊でも幻でも、別人でもない。間違いなく本人だ」

 

 

アスランの言葉を聞き、今も優しく笑みを見せるニコルを見た俺は、目を閉じて歯を強く噛み締める。

 

 

 

 

「…ユーリさんからお前の事を聞いて…死んだかと思っていた…」

 

「…そうですか。心配をかけしましたね、ダン」

 

 

心に溜めていたものを口に出す俺に、ニコルは俺に近付いて手刷りに置いている手とは逆の手を俺の肩に乗せ、変わらない優しい表情で答える。

 

俺はニコルに問いかけるように語りかける。

 

 

「ニコル。生きていたなら、何故連絡をくれなかった?」

 

「そうだぞ。連絡くらいくれても…」

 

 

俺の質問に便乗するようにニコルに問うアスラン。

 

 

「…それは…」

 

 

ニコルは俺達の問いに答えるために、これまでの経緯の説明を始める。

 

 

 

 

 

話によると、九死に一生を得たのは、キラに討たれる前に現れたスカイグラスパーの不意打ちを受けた事が原因らしい。

 

アスランを助ける為にブリッツで特攻をかけた時、ストライクの背後から突然現れたリューグ大尉の乗るスカイグラスパーのミサイルによる攻撃を受けて後方に下がり、コックピットから少し離れた部分にストライクの攻撃が直撃した為、両足を失う重傷を負いながらも、命を取り留めたという事だ。

 

その後、巡回中のオーブ軍の艦に保護されて治療を受け、しばらくして迎えに来たザフトに引き渡され、ニコルを引き取りに来たのは、バルトフェルド隊長と一緒にここへ来たマーチン・ダコスタという人らしい。

 

宇宙へ上がった後は、色々と準備を進め、エターナル奪取後はラクス達と一緒にプラントを脱出したという事だ。

 

アスランとはプラントを脱出した直後にメインブリッジで再会したらしい。

 

 

 

 

 

「…という事で色々とあって、知らせたくても、連絡する暇がなかったんですが…」

 

 

大体の説明を終えたニコルは少し顔を伏せている。

 

 

 

 

 

「…実を言うと、迷っていたんです」

 

 

ターミナルの窓ガラスに映る自分の姿を見て、話を続けるニコル。

 

 

「こんな変わり果てた姿で…会っていいのか、迷っていたんです」

 

 

辛そうに、そして悲しそうに今の自分を見ながら語るニコル。

 

 

「でも、ラクス様からダンの事を聞いて、一緒に戦う事ができなくても、支援する事くらいならできる。そう思ったから…」

 

 

両足を失い、パイロットとして戦えなくても、それでも自分なりに力になろうとするニコルに、俺は心の中で感謝しながら声をかける。

 

 

「ニコル。たとえ、どんな姿だろうと、俺はお前が生きていてくれて良かった。そうだろう、アスラン」

 

「ああ。そうだな。俺もお前と再会できて嬉しいよ、ニコル」

 

 

俺とアスランの言葉を聞いたニコルは伏せていた顔を上げ、少し驚いた表情で俺達を見る。

 

そして次第に優しい笑みを俺達に見せる。

 

 

「ダン…。アスラン…。二人とも、ありがとうございます」

 

 

ニコルに礼を言われた俺とアスランは、それをニコルと同じように優しいで頷いて答える。

 

その後、俺達は再会できた事を喜び合うように、オーブで俺がザラ隊を離れた後、アスランがオノゴロ島での死闘を終えた後など、自分達が今まで何をしていたのかを色々と語り合った。




大変長らくお待たせしました。
相変わらずの多忙ですが、何とか頑張っています。

ご覧の通り、ニコルをあの絶望的な状況から生存させました。
次は、おそらく“あの艦”が登場するかもです。

それでは次回もお楽しみに。
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