当初は更新続けられるのかと気になっていましたが、無事に最後まで書き抜く事ができました。
それでは、ごゆっくりお楽しみ下さい!
託されし未来
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で隊長であったラウ・ル・クルーゼとの決着を付け、クライン派のアイリーンさんが起こしたクーデターのおかげで、プラントと地球連合の間で停戦条約が結ばれ、長かったコーディネイターとナチュラルの戦争に終止符が打たれた。
その後、一部の者達はその場に残り、俺は表舞台から姿を消した………。
一ヶ月後
オーブ連合首長国のとある海岸
時刻は夜。
そして現在俺はオーブの海岸で空に広がる星を見上げている。
「綺麗な星空ですわね」
「……そうだな」
俺の隣で腕を組む綺麗な、そして優しい声で語りかける女性。
そう。ここにいるのは俺だけでなく、ラクスも一緒に来ている。
いつもはモルゲンレーテ社のエンジニアの仕事をしている為、ラクスと一緒にいる時間は少ない。
その為、空いている時間はこうして必ず一緒にいる事が多い。
無論、仕事中は“偽名”を使っている為、三隻同盟以外の外部には俺がザフトに所属していた“ダン・ホシノ”である事はまだ知られていない。
「お仕事は大丈夫ですか?疲れたりしていませんか?」
「大丈夫。それほど疲れる仕事じゃない。それより君の方は?子供達の相手は大変じゃないのか?」
俺の問いにラクスは優しく微笑む。
「いいえ。むしろ楽しいですわ♪︎元気に遊ぶ子供達の相手をするのは」
「そうか。なら良かった」
ラクスほどではないが、俺なりに優しい笑みを彼女に見せる。
寄り添うラクスの温もりを感じていると、彼女は俺に問いかけるように話しかけてくる。
「キラ、少し変わりましたわね」
「……そうだな」
第二次ヤキン後のキラは変わった。
まるで悟りを開いたように………。
おそらく理由はヤキンでのクルーゼとの対決前にあるだろう。
後から聞いた話では、クルーゼがエターナルとクサナギに接近する前に、キラがクルーゼと対峙して戦うが、俺と同じようにドラグーン・システムに苦戦していたらしい。
その最中、ドミニオンから退艦し、アークエンジェルに向かっていた避難用シャトルが偶然遭遇し、それをクルーゼが沈めたらしい。
そのシャトルには、キラの大切な人であるフレイ・アルスターが乗っていたらしい。
それがキラの怒りを爆発させ、クルーゼと互角に渡り合う原因となったらしい。
クルーゼを討ち、フレイ・アルスターの仇を取ったキラだが、その後は別人のように少し雰囲気が変わってしまい、本人に聞いても……
「……大丈夫。少し、疲れただけだから」
……と言っていたが、俺達から見れば、そんな風には見えなかった。
「無理もない。あの大戦で、キラは自分が守るべき人を、
「……そうですわね」
こればかりは俺達にはどうする事もできない。
失った命を戻すという、神のような事ができないのと同じように………。
「キラの心の強さを信じて待とう。
「はい。キラなら、きっと立ち直りますわ。あの時のように……」
ラクスの言葉を聞いた俺は、プラントでキラとラクスと過ごした日を思い出す。
そう。キラが重傷を負ってプラントに運ばれた時、あいつは肉体も精神もかなり傷付いていた。
だか長い時間をかけ、あいつは
だからこそ俺達は信じて待つ事にした。
いつかキラが、あの時のように立ち直ってくれる事を………。
「……戻ろうか」
「……そうですわね。明日も忙しいですし、そろそろ戻りましょうか」
俺が先に立ち上がり、ラクスの方に手を指し伸ばすと、彼女はそれを微笑みながら取って立ち上がる。
しかし、ラクスは俺の手を離さず、むしろ離れたくない気持ちを表すように、痛くない程度に強く握ってくる。
俺も同じ気持ちである為、ラクスの手を離さず、彼女のペースに合わせ、カガリが用意してくれた別宅に向けて歩き出す。
「ダン」
歩いている最中、ラクスは優しい声で俺の名を呼びかける。
俺は返事の代わりに、ラクスの方に顔を向ける事で応える。
「この先、どのような事があっても、どんな世界になろうと、私が貴方を思うこの気持ちだけは、決して変わりませんわ」
告白に近いラクスの言葉を聞いて少し驚くが、それ以上に心の中が歓喜に溢れ、俺は彼女の思いに応える為に口を開く。
「……俺もだ。どんな運命が待っていても、君の未来は、俺が守る。そして生きよう。この先の未来を、一緒に……」
俺の返答を聞いたラクスは優しく、そして嬉しそうに微笑み、俺に寄り添ってくる。
そんな彼女を手を握る事で応え、そのまま別宅に歩き続ける。
多く戦いを通し、多くの命を犠牲にしながらも、ようやく訪れた平和。
無駄にはしない。
死んでいったミゲルやラスティ、そして多く者達の為にも。
決して………。
その思いを忘れず、今を生きる為に。
大切な人と一緒に、その先にある明日を目指して。
そして………
俺達と同じ思いを持つ者達が願う、平和な未来へと繋いでいく為に。
これにて本編は終了します。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます!