IS-大地を駆る死神-   作:レイ・アリス

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漸く小説の1巻が終わりそう。
ここまでが長かった。
でも、はやくシャルとかラウラとか書きたいからね!
がんばるよ私ッ!


師弟関係

 

 

 

結局、その後発生した騒動は織斑先生の一喝により沈静化した。

曰く

「レイが私に勝利したのは紛れも無い事実だ。

だが、それを開示しなかったのはレイなりの理由があったからだろう。

それにレイがあの時にその情報を開示したとして、

誰がそれを信じたというのだ?」

 

 

という言葉で沈黙したのだという。

当然だ、

あの時は女尊男卑が念頭にあったセシリアをはじめ、

日本のIS操縦者以外は大半が『ISが使えるのが女性のみ→女性は偉い』を

念頭においていたのだ。

 

 

セシリアの決闘宣言の際に、そんなぶっ飛んだ事を言ってもその場にいた千冬が肯定しなければ

絶対に聞き入れないだろう。

 

 

それが理解できたのか、騒いでいた人物たちは沈黙を余儀なくされたのである。

 

 

 

その後再び薫子による質問が始まったが、

その前に「なぜ私だけ『さん』付けなのか?」という質問から

どうやら先輩がレイの性別に気付いていなかった事から、

レイが改めてorz...のポーズで落ち込んだり、

 

ついでとばかりにセシリアへ質問が飛んで、

その質問の回答が異様に長そうだからという理由から

 

「捏造するから大丈夫。うん、そうだ。クロフォード君に惚れたからってことにしよう」

 

などと言い出し、ついでにセシリアはその言葉で顔を真っ赤にして処理落ちするなんてこともあった。

 

余談をいうのならば、その捏造記事のセシリアの項目に限り、

とある先生の権限によって削除されたのはいうまでもない。

 

----------------------------

 

 

そんなこんなで騒ぎに騒いだ日の翌朝、

 

クラスではまったく別の内容で騒いでいた。

 

 

尤も騒がない組もいるわけで…

 

 

「あ、レッ君、おっはよ~だよ~。」

 

 

「おはようございます。布仏さん。

それとそのあだ名は一体…?」

 

 

「む~、レッ君、かたいよ~。

苗字じゃなくて名前でいいよ~。

あとあだ名はレイ君につけたニックネームだよぉ」

 

 

語尾が若干延びているのに、キリッという言葉が付きそうな雰囲気に思わず苦笑してしまうレイ。

 

 

「あはは、まさかそのあだ名をつけてくる存在が二人もいるなんて驚いたよ。

うん、まぁ本音は雰囲気的に近いからかな。そのあだ名で私を呼ぶ事を許可しよう。」

 

 

「レッ君、だから苗字じゃなくて…あれ?名前?」

 

 

また苗字で呼ばれたのかと思い否定の意を述べようとしたのだが、

よーく、レイの言葉を思い出すと『名前』を『呼び捨て』にされていた事実に気が付いた。

 

 

「ん?あぁ、だって本音が言ったでしょ?

『名前でいい』って。私はネーミングセンスは皆無というより壊滅的だから、

本音みたいなあだ名は思いつかなくて、呼び捨てにしたけど…駄目だったかな?駄目ならやめるけど?」

 

 

そう『駄目かな?』と小首をかしげながら告げるレイ。

対する本音は『名前を呼ばれる事』と『そのしぐさ』がクリティカルヒット。

心拍数が跳ね上がるのを感じたという。

 

…余談だが、その行動は男としてのプライドは何処へ行ったのだ…と

レイに言いたげな一夏が遠くから見ていたという。

 

 

「よ、よしっ、いいよ。

私がお願いした立場だしねぇ~」

 

 

未だに動揺しているのか、若干口調がおかしい。

ついでに言えば最後に声が裏返るという失態も起こしてしまっていた。

 

当然、レイにばれないわけもなく、

本音が凄い顔を紅くしているのを『熱でもあるの?』と自身の額を本音の額にくっつけるという

正直、トドメにも等しい事を行い、本音を気絶直前まで追い詰めるのであった。

 

 

確かにあのまま続けば、本音は気絶していただろう。

しかし、そこに現れた参入者により、気絶を回避できたのである。

 

 

その人物とは…

 

 

「…し、師匠?」

 

 

「ん?」

 

「え?」

 

 

上から参入者、レイ、一夏の声である。

 

レイはその参入者の声に聞き覚えがあり、本音から額を離すと声の主の方へ向いた。

余談ではあるが、額を離された本音は己の額を抑え顔を真っ赤にしながら声にならない声を上げ沈黙していたという。

 

そして素っ頓狂な声を上げた一夏がこの中で一番最初に復帰したからか、

レイへ質問を投げかけた。

 

 

「レイ、鈴と知り合いなのか?」

 

 

「…えぇ。さて、鈴、久しぶり。元気だった?」

 

 

「…アンタだれよ…」

 

 

ついさっき自分で師匠と呼んでいたのに、突如誰か聞き出したことに一夏は疑問符を浮かべるが、

そう言われたレイは理由が分かったのか眼鏡をはずして再び鈴へ声を掛けた。

 

 

「あぁ、すまん。さっきのは学園用の口調でな。

だが、眼鏡や気配を変えていた私を見抜くとは流石だ我が弟子よ。」

 

 

「当然ッ!アンタの弟子だからねっ!」

 

 

無い胸を張りながら「えっへん」と言い切る鈴。

尤も心の中では『十人中十人が振り返るような美貌を持つ人なんてそうそういないから分かるのは当然ッ!』と

思っていたという。

 

 

「改めて自己紹介するわ。

中国代表候補生、凰鈴音。そしてレイ・N・クロフォードの愛弟子よッ!」

 

 

キリッとかっこよく決めた鈴に対し…

 

 

『弟子だ、弟子。愛弟子も何も私の弟子はそんなにいないし、種類が違うからなぁ』

と、思うレイと

 

 

「何格好付けてるんだ?すげぇ似合わないぞ?」

 

 

などと空気を読んでか読まないでか、分からないけど一夏は相手を煽った。

その煽りを受けて憤慨しそうになった鈴を後ろから羽交い絞めにし押さえ込むと

思い出したかのようにレイは鈴へ声を掛けた。

 

 

「あぁ、そうだ。鈴、そろそろSHRが終わる。

1組の担任は織斑千冬だ。ここまで言えば私が何をいいたいか、

私の弟子なら分かるな?」

 

 

正直にいえば弟子でなくてもそこまで言えば分かる。

ようは「教室に帰らないとやばい」という事である。

 

 

「わかったわ、後でまた来るからッ!今度こそ師匠をぎゃふんといわせてやるわッ!!」

 

 

そういいながらビシッと指をさすとそのまま2組へと帰っていった。

 

 

その直後に織斑先生が現れた。

 

ただ、それに気付いたのは少ないだろう。

少なくとも篠ノ之さんとセシリアは気付いておらず…

 

 

「…一夏、今のは誰だ?知り合いか?えらく親しそうだったな?」

 

 

「レ、レイさん!?あの子と師弟関係って…一体どういう意味で――」

 

 

しかしまぁ当然ながらSHRが終了し、織斑先生が来たこの状況下で

そんな会話が続けられるはずもなく、

セシリアの言葉は織斑先生のありがたい指導(出席簿アタック)により沈黙させられる事となったのだった。

 

 

そうして、今日もまたISの訓練と学習が始まった。

 

 

---------------------------------------

 

 

 

現在は授業中

しかし、中には集中できていないものもいた。

 

いわずもがな、篠ノ之箒とセシリア・オルコットである。

 

 

セシリアはノートにシャーペンを走らせるものの、それは寝ぼけながら書いた文字に良く似ている…

つまり文字にならないただの線にしかなっていない。

 

「(なんなんですの、さっきの方はっ!)」

 

 

ついでにいえば授業自体もまったく聞いておらず傍からみれば上の空、

彼女自身としては重要事項かもしれないが…自分のことに考えが集中しすぎていたのだろう。

 

 

「オルコット」

 

 

「…そうですわね。例えばデートに誘うとか。いえ、もっと効果的な…」

 

 

「………」

 

 

織斑先生の声を聞いても反応することなく、そればかりか考えや妄想が口から駄々漏れになり…

 

 

当然その頭へ素敵な指導(出席簿アタック)が叩き込まれたのはいうまでもない。

 

 

余談だが、集中の出来ていなかった篠ノ之もまたセシリアほどではないが、呆けていて織斑先生に指され、答えられず、

出席簿の餌食となっている。

 

 

 

授業が終わり、一夏とレイが談笑をしていると、開口一番に二人から言われた。

 

 

「「お前(あなた)のせいだ(ですわ)!!」」

 

 

綺麗にはもった…

なので私(レイ)がすべき事は一つ。

 

 

ぽんっと一夏の肩に手を置くと…

 

 

「一夏のせいだってさ、がんばれ」

 

 

憐れみをこめた目でそう励ましをいれておくことにした。

え?私?

私は何もしてないから多分一夏が何かしたんじゃないの?

 

 

と、やはり鈍感さを持つレイがそこにはいたという。

 

 

「いやいやいやいや、俺も何もしてねぇよ」

 

 

「私もしていないさ。まぁ一夏の事だから無意識に何かしたんじゃないの?」

 

 

「それはお前にもいえるんじゃないのか!?」

 

 

まぁ、似た者同士であるのは確かのようである。

 

 

とりあえず午前中の授業は終わったので一同は学食へと移動を始めた。

 

レイはお弁当ではあるものの、一夏たちは食堂で食べているのだ。

いわく「ここの日替わりランチは毎日違うものが食べられて、お値段もリーズナブルなんだぜ?」

と、一夏が言っていたのは記憶に新しい。

 

まぁ料理のバリエーションを多岐にわたり取得しているレイからすれば

作ったほうが楽なのかもしれないが…

 

 

そんなこんなで一同が学食につくと突如声を掛けられた。

 

 

 

「待っていたわよ、師匠ッ!」

 

 

どーんと我々の正面に立ちふさがったのは噂の転入生にして、私の弟子である鈴だった。

うむ、以前あったときから時間はたったが、まったく変わっていないようだな…我が弟子よ。

 

なんてどうでもいいことを考えながらレイは鈴へ声を掛けた。

 

 

 

「もう買ってたんですね。

では鈴、一緒に席を確保しましょう。

その間、一夏たちは食券を出しに行って来てください。」

 

 

「はーい」

 

 

レイの言葉に鈴は素直に従った。

この胡散臭い口調にも慣れてはいないようでちょっと適当な反応をしつつも一緒に席の確保に向かった。

 

完全な余談だが、そんな二人の姿をみて周囲の生徒は『仲がいい姉妹みたい』と称したりしていたが、

セシリアに限っては凄い剣幕で二人を眺めながら『ぐぬぬ』と唸り、

いつまでも食券を出そうとしないからか、一夏が声を掛けそれになぜか怒り出すという姿が見えたが

レイはとりあえずスルーすることにしたという。

 

 

---------------------------------------------

 

 

無事席を確保し、一同は会話に花を咲かせていた。

主に一夏と鈴の再会話である。

 

レイはというとそこは関わる事ができないのでもくもくとご飯を食べながらそれを眺めていた。

 

「クロフォード、こちらを微笑ましいものを見るように眺めているのはいいが、

そろそろどういう関係か説明してほしいのだが…」

 

 

「そうですわ!レイさんっ!まさかこちらの方と付き合ってらっしゃるの!?」

 

 

篠ノ之さんの言葉に思い出したかのようにセシリアが興奮しながら質問してきた。

 

 

篠ノ之さんに限っては完全に興味本位かもしれないけど

セシリア…お前は一体どうしてそこまでぶっ飛んだ発想ができるんだ…

 

 

セシリアの言葉に周囲も興味があったのだろう。

凄いこっちをみている。

その質問に、鈴は顔をちょっと赤らめつつ…

 

 

「べ、べべ、別にあたしは付き合ってるワケじゃ…だって私達は師弟関係で…」

 

 

「えぇ、鈴の言うとおりです。私達は師弟関係であり、お付き合いをしているわけじゃないですよ?

何をどうしたら、そんな可笑しな質問になるんです?セ「………」…ん?どうしました?鈴?」

 

 

 

鈴の言葉に師弟関係である事を強調しつつ、否定する。

正直私みたいな「女にしか見えない」男といてもうれしくはあるまい。

自己否定をしているみたいで悲しくなるが、事実だ受け止めよう。

 

そう考えていたのだが、事実を告げたのに傍らの鈴がとてもいい笑顔でこちらを睨む。

why?何か間違った事を言っただろうか…。

 

 

 

「そう、それですわッ!師弟関係って…一体なんの師匠であり弟子なんですの!?」

 

 

「鈴、言ってもいい?」

 

 

言うのは簡単だが、流石に鈴に許可を取らないのは駄目だろうと考えたのか、

レイは問いをかけた。

 

 

「あ、俺も気になるな」

 

「私も気になる」

 

 

「レッ君教えて~」

 

 

というか本音いたのね。

 

 

周囲が知りたいムード、悪くいえば『断りづらい』空気になっていた。

 

当然それは伝染し、鈴にも伝わるので…

 

 

「私とレイは『料理』の師弟関係なのよっ!!」

 

 

ズビシッと決める鈴。

 

 

 

「「「「「な、なんだってー!?」」」」」

 

 

その言葉に一同は驚愕する。

今回ばかりはその衝撃が強かったのか、一夏はカッコをつけた鈴へ突っ込みをいれることはなかった。

 

 

「?そんなに驚く事でしょうか?」

 

 

頭に疑問符を大量に生成しているレイ。

現状が理解できていないのは彼だけだったという。

 

 

 

「んー、あ、そうだ。一夏的にどうだろう?これが私の最新作なんだけど…」

 

 

そういうとお昼用にもってきた弁当とは違うもう一つの箱を開けた。

中に入っていたのは、とてもいい香りのする『麻婆豆腐』であった。

 

 

「こ、これを俺に…か?」

 

 

「嫌いだったかな?」

 

 

そんな麻婆豆腐を前に一夏が問いかける。

その反応にちょっとした悲しみを覚えたのか落ち込んだように

返答をした。

 

その返答したときの姿に周囲の女性陣がレイの頭上に犬耳を幻視したという。

効果音にするなら『しゅんっ』である。

 

 

「そ、そんな事はないぜ。」

 

 

と、ちょっと顔を赤らめながらレイと目を合わせないようにそう答える一夏。

 

やはり普段レイと一緒にいて慣れてきたとはいえ、唐突なそういう反応はまだ慣れていないらしい。

 

 

まぁ見た目が少女っぽい以上仕方ないのかもしれないが…

 

 

 

そして、一夏はマーボーをレンゲで掬い一口。

 

 

 

「…すげぇ…」

 

 

その瞬間小さく一夏はそう呟いた。

傍らでそれを聞いたレイの弟子である鈴も興味があったのだろう。

 

レンゲを何処からとも無く取り出すと、一夏の目の前にあったマーボーを奪い一口食べる。

普段の鈴であればレンゲは使わないが、流石に麻婆豆腐はレンゲなしでは食べられなかったようだ…

 

 

そしてマーボーを口に入れた瞬間、orz...のポーズへ鈴は移行した。

 

 

「か、完敗…」

 

 

そう呟いているあたり、想像以上だったようだ。

それをレイは微笑みながら眺めた後、

 

 

「鈴、あきらめるのが早いですよ。

私はまだ鈴の料理を食べていない。

料理は比較するものではなく、こめられた想いに重要性はあるのです。

…そうですね、では、鈴。明日は私のお弁当を作ってきてください。

私は鈴のお弁当を作りますので…どうでしょう?」

 

 

笑顔でそう告げるレイ。

正直数名が見惚れていた。そんなレイの言葉に鈴は…

 

 

「想いだけでも、美味しさだけでも駄目…か。

確かに師匠はいつもそういってたものね。わかったわ。

明日は師匠をぎゃふんといわせるようなもの作ってやるんだからッ!!」

 

 

ズビシッと告げる鈴。

気合はいいが、指をさすんじゃない、

そう言いたげなレイがそこにいた。

 

だが、そんな会話の全てを良しとしない人物はここに数名いる。

 

 

 

「いいな~。私もレッ君のご飯たべた~い。」

 

 

「わたくしもレイさんの料理、食べてみたいですわ。」

 

 

本音とセシリアの二人であった。

 

 

「なら、二人の分も作ってくるよ。

流石に毎日は無理だけど、まぁ一人も二人も一緒だからさ。」

 

 

そう笑顔でレイは答えた。

その言葉に二人はそのうれしさを表に出さないなんてことは出来ずに、

歓喜の表情で若干ぽやぽやしている。

…二人とも午後の授業を普通にうけてくれるか心配だ…などとレイが考えていたのは言うまでもない。

 

 

その後はまぁ色々と談笑をして食事を終えた。

 

完全な余談だが、午後の授業ではレイの嫌な予感が見事に的中し、

まったくというほどに授業を聞いていないばかりか、時折奇声を上げかける行動をした二人は

もれなく織斑先生の連撃指導(出席簿アタック☆)の餌食となっていた。

 

「(放課後に許可すればよかったかなぁ…)」

 

 

などと、まぁ隣の席で頭を押さえながら声無き声を上げて悶絶する本音を眺めながら

実感するレイがいたという。

 

…尤も答えを先延ばしにしても、気になりすぎて挙動不審になっていた可能性もあるので

正直、結果は変わらなかったのではないかとも、思っていたという。

 




もともと鈴は箒と一夏を取り合ってもらう予定だったが、
感想欄にてヒロインに含んで欲しいという要望があったため、
こんな感じになりました。

一夏のことはまぁ、箒さんと蘭さんの二人で取り合ってもらえればいいと思うの。
(たぶん)

ここまで読んでいただきありがとうございます。
きっと投稿数が増えれば感想も増えると信じてがんばります♪
※でも辛口コメントは無しの方向でお願いします。
また、誤字の報告などがありましたら、遠慮なくご連絡くださいッ!
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