IS-大地を駆る死神-   作:レイ・アリス

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完全オリジナルの、閑話…ですね。
物語自体はまったく進んでいません。
(物語内時間は一日経過していますが…)


眼鏡解除

 

 

 

事件は翌朝から起きていた。

 

今までに類を見ないほどにレイの周りの雰囲気が落ちていたのだ。

 

効果音にあらわすなら『ず~ん』ってやつである。

 

 

いつもハイテンションな隣の席の布仏本音が持つテンションさえ、一気に下げるだけの効果があった。

 

 

「なんてこったい…」

 

 

そして声は弱弱しい。

 

 

一体何が彼を襲ったのか…

 

 

それは前の日の晩、偶然にも一夏と鈴の会話を聞いてしまったことに起因する。

 

 

 

~回想~

 

 

「お、鈴。いい所にいた。」

 

「ん?何、一夏。」

 

 

廊下で一夏は鈴にそう話しかけた。

どうやら探していたようだ。

 

鈴が返事をしたので内緒話のように鈴へ質問を投げかけた。

 

 

「あいつの弟子の鈴から見てさ、あいつ…レイのあの格好ってどう思う?」

 

 

「と、突然何を言い出すのよっ!?」

 

 

いつも空気をよまない男は平常運転であった。

対してそんな直球な質問のせいで慌てる鈴。

 

 

兎も角、まさか一夏が自分の事を鈴に尋ねるなんて…と思ったレイは

興味本位で盗み聞きする事にしたのである。

 

 

「あー、えっとだな。眼帯に眼鏡って…なんかダサくないかって思ってな。

だって、あいつの眼鏡って伊達だろ?」

 

 

「…そうね。確かに一夏の言うとおりね。

師匠も理由があってかけてるのかもしれないけど、よくよく考えると変よね。」

 

 

あまりにも気にしていなかった事を指摘され、改めて考えたら「その通り」だと鈴は気付いた。

 

 

「だから、弟子である鈴からそれとなく聞いてみて欲しいんだよ。頼む。」

 

 

「む、無理言わないでよっ!師匠ああ見えてメンタル面は脆いのよ、そんな直球に聞いたら

何が起きるかわからないわよっ!?」

 

 

「ぐぬぬ、そうか…気になるけど、仕方ないな…。じゃあ、また明日な。鈴」

 

「えぇ、またね」

 

 

そう会話して一夏と鈴は分かれたのであった。

 

二人は最後まで気付かなかった。

 

 

途中で既にレイがorz...のポーズで崩れていた事を。

 

ちなみにそんなレイが復帰に要した時間は一時間ほどであったという。

 

 

~回想終了~

 

 

「まさかの慣れ親しんだこの体質が原因になるとは…」

 

 

「…い、………ード。」

 

 

「さてどうしたものか…」

 

 

「おい、クロフォード」

 

 

「…はい?」

 

 

二度目の声にかろうじて反応して声の主へ顔を向ける。

が、その反応が声の主としては良しとはできなかったんだろう。

 

 

レイの頭上で乾いた音がなった。

そう声の主(織斑千冬)が放った素敵な指導(出席簿アタック)である。

 

どうやらレイはいつも以上に深く考え事をするあまり、完全に周りが見えていなかったようだ。

先日のセシリア&本音の二の舞である。

 

 

その後だが、各時間に必ず一回はレイは出席簿の餌食となっていた。

正直に言うとその珍しい光景からクラスが色々な仮説を立てて議論したりもしていた。

 

「恋わずらい説」だとか「許婚説」だとか

「弟子が師匠を越えた説」だとか色々だ…

 

そんな声も今のレイには聞こえないのか、本日何度目になるか分からない溜息をレイは吐き出すのであった。

 

 

 

---------------------

 

放課後、1026号室にて

 

 

今日の可笑しな態度をしていたレイに千冬が問いかけた。

 

 

「レイ。今日は一体どうしたんだ?お前らしくも無い。」

 

 

「あぁ千冬か。そうだ、千冬にも正直聞いて欲しい。

普段の私の姿に違和感はあるか?」

 

 

「違和感?」

 

 

「あぁ、とある噂でね、眼帯と眼鏡って合わないという話があってね。

千冬はどう思う?」

 

 

どう思うといわれても

流石にそれを普段やっている相手にそれを言えるかといえば

流石の世界最強といえどもNOだ。

 

だが、だとしても、目の前のレイは「正直に」話して欲しいといった。

 

ならば答えは一つだけだ。

 

 

「あぁ、合わないな。

正直にいえばレイが伊達眼鏡をつけている理由を私は知っているから

まだ分かるが、クラスメイトは知らんのだから仕方ないだろう?

第一もう眼鏡は要らないんじゃないのか?」

 

 

「だが、この口調は合わないだろう?」

 

 

そう問いかけるレイに対し、千冬は溜息をつくと衝撃の一言を告げる。

 

 

「逆に考えろ、眼鏡を掛けていない時にやった『声帯模写』を応用して

眼鏡をつけている自分を眼鏡をはずした状態で演じたらいいんじゃないか?」

 

 

「!?」

 

 

別に『声帯模写』は実在する人物でなくても一応レイは表現が出来る。

というかそれが眼鏡を使ったスイッチの応用だったが、

その発想はなかったようだ。

 

 

「…千冬、ありがとう。…そうだ、なら早速…

織斑先生お願いがあります。」

 

 

「な、何だ?放課後は「胡散臭い口調はやめろ…ですよね?」…あぁ、そういったはずだが?」

 

 

突然口調を変え始めたレイに動揺する千冬だが、レイはとどまるところを知らない。

 

 

「明日より眼鏡をはずし、今までの口調を表現するので

そのお手伝いをお願いしたいと思いまして。織斑先生、お願いします♪」

 

 

「…あ、あぁ、よろしくたのむ…」

 

 

とってもいい笑顔でそう頼み込んでくるレイに

千冬の思考速度が停滞を始めた。

 

千冬の一言でレイの悩みはふっとんで解決したが、

これはこれで一波乱あるだろう…と、千冬はしみじみ思ったそうな…

 

 

-------------------------------

 

 

余談だが、翌朝、眼鏡をしないでとてもいい笑顔で登校したら、

クラスの殆どが戦慄し、半歩引いていたのは言うまでも無く、

その状況から一夏が「まさか鈴から俺が言ったことがばれたのかっ!?」と

その日はレイの顔色を伺いつつ戦々恐々としていたようである。

…尤もレイは一夏に対してはまったくの逆、気付かせてくれた事に感謝していたというのは…

また別の話である。

 

 

 




感想の『あかさたな』様のご指摘である『眼帯眼鏡は凄いダサい』という言葉をお聞きし、『確かにそうだな』という共感を受けて書く事となった話。

感想の返信にも書いているけど、眼鏡を導入した際に眼帯を忘れていたという…
この作品において一夏の立ち位置は『あかさたな』様であり、鈴の立ち位置が『作者』である私のイメージで書いています。

今後の作品においてはレイは眼鏡を掛けていないので、それを念頭においてよんでいただけると助かります。

さぁ、続きを書かなくては…


「レイが眼鏡をはずし、通常時も眼帯のみになった!!」

さて、そろそろレイの部屋も変更していこうかのぅ…

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