チート転生して現地勇者のお供してたけど敵女幹部の超美人がドストライクすぎて思わず攫った話   作:まもなう(旧ノリあき)

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ちょっとだけおまけ
※誤字報告ありがとうございます


初対面のかけだし勇者のお供に攫われた話

「どーん!」

 

 はーいみなさん、こんばんは。私はリリス。一応これでも魔王軍の四天王?なんかをやらせてもらってるわ。カッコつけたがりの魔王様(あの子)が言うには、「お主はそうじゃな……『魔眼』のリリス!どうじゃ!?かっこよかろ?」ですって。

 まぁ確かに私の目は所謂魔眼ってヤツで、制御が難しく色々見えすぎてしまうところがある。だからこそ──

 

「やっぱり疲れた夜にはふかふかのベッドよね~」

「はしゃぎすぎると壊れるわよ?」

「そんな軟じゃないでしょー?それに今の私は5kgしかないからもーまんたいよ」

 

 このよくわかんない言葉を使うこの子のヤバさが解る──

 

「しかも傍らに美女を侍らせてる!ほれもっと近うよれぃぐへへへへ」

 

 別の意味でもヤバいけど──

 

「いいけど先にお風呂にしたら?この部屋確かついてたでしょ」

「んーそれも捨て難い……ねぇ一緒に入りましょ?」

「いいわよー、私も結構汗かいちゃったから入りたいわ」

「えー勿体ない……」

「何が?」

 

 私の目の前で「なんでもなーい♪」とか言ってる女の子が私を攫った張本人、アリカ。

 あの日、新しく勇者が王都を旅立ったらしいからどんなもんか見てきてくれ、って頼まれてちょっと揉んであげようかなーと思ってたら、勇者の後ろでぼーっとしてた女の子にキスされて攫われた。事の顛末だけ書くと意味不明ね。

 攫われた後、しっかり魔眼でアリカを視た私はどうしようもないことを悟り、言われたまま付いていくことにした。彼女の要望は随分平和だったし、いい息抜きになりそうだったしね。

 実際今日も、やったことと言えば適当に歩いて見つけた町を見て回ったぐらい。私が人間が暮らすとこに居ちゃまずいんじゃない?と思ったがそこはアリカ、細工をして私が気づかれないようにしているらしい。方法は教えてくれなかった。なんでも信じてくれないだろうから、らしい。別に素直に信じるんだけれどね。

 

「おっふろ、おっふろ~♪」

「ふふっ、ご機嫌ね」

「そりゃね!」

 

 普通、この子ぐらいの歳の子供は魔族が出た、って聞くだけで震えて泣き出しちゃうのが当たり前なんだけど、アリカは勇者のお供──実際には私よりも強いけど──をしてたからか全く怖がらずにベタベタと甘えてくる。

 

「髪洗ってくれるー?」

「髪だけでいいのかしら?」

「じゃあフルコース!マット付き!」

「娼館じゃないんだからそんなの無いわよ……」

 

 それがちょっと新鮮で嬉しかったりする。

 

「えー……」

 

 あと、外では大人っぽく振る舞おうとしてるけど、私とこういう場所で二人っきりになると、本来の子供らしい口調や性格になって甘えっぷりが増すのがちょっと可愛い。

 

「あら、体洗うだけじゃ不満?」

「んー……じゃあ私にもリリスを洗わせてもらえない?それでいいわ」

「……変なことしないでよ」

「しないしない」

 

 じゃあそのわきわき動かしてる手をどうにかしなさい。

 

 

「ふぅ~~極楽極楽」

「こういうのを生き返るーって言うのかしら?」

「あ^~生き返る~」

「どうやって発音したの今?」

 

 私に背中を預けて倒れ込んでくるアリカを、宿にしては広い湯船で後ろから抱えて一緒に浸かる。私と比べてアリカはまだ小さいから、すっぽり埋まってパズルみたい。

 

「やわらかーいあったかーいいいにおーいさいこうー」

「あなた飽きないわねぇ」

「全然ー。昔誰かが美人は三日で飽きる、とか言ったらしいけど嘘だね絶対」

「ふぅん?」

「少なくとも私は100年は飽きない」

「滅茶苦茶長いわね」

 

 人間にしては。

 

「そういえば魔族ってどれぐらい生きるの?てかリリスって何歳?」

「んー……魔族って言っても色んなのがいるから……どうかしら?長いと2000?ぐらい?」

「へー長っ」

「私ぐらいになると多分万は生きるんじゃない?今はまだ600ぐらいだし」

「もっと長っ」

「これでも他の幹部の人たちと比べると若造なのよねぇ」

「へー……なんか大変そうね。それだけ生きるとなると娯楽がないと退屈で死んじゃいそうだわ」

 

 実際退屈が嫌で人間や、それに協力するエルフ族なんかにちょっかいを出す奴も居たりする。重なれば新たな火種になるので我慢してほしいけど、気持ちはわかる。

 

「その点リリスは安心ね。私がいるもの」

 

 器用に私に包まれたまま振り向いて、自信満々で私の谷間からこちらを覗き込んでくるアリカは、城で飼っているケルベロスが言いつけを守って自慢気に佇んでいるようで、要は可愛らしい。私は得意げな頭を撫でた。

 

「確かにあなたといると、退屈しなさそうね?」

「そうでしょうそうでしょう」

 

 長い髪を纏めたタオルからは、鮮やかな金髪が所々覗いている。

 

「まぁ今の所は私が案内してるだけだけど」

「うぐっ!それはまぁ……ほら……あ!そう!リリスだって世界一周とかしたことないでしょう!?私がいれば溶岩や深海だって楽勝よ!」

「どこまで行くつもりよ……」

 

 呆れつつも、確かに楽しみなのは事実。私も流石にこの世界の果てまで見たことはない。

 

「そして何れこの星から飛び出すの!宇宙には謎が山程あるわ!」

「宇宙……」

「リリスの眼みたいに綺麗なのよ!地上から見るのとは大違い!」

「どうどう」

 

 未来に思いを馳せるのはいいけど、息巻きすぎて顔が近い近い。

 まるで初めて会った時みたいに。

 

「……」

「……急に冷静になられるとそれはそれで怖いのだけど」

 

 ふに。

 

「……」

「……」

 

「……のぼせた、かも」

「……そういうことにしときましょう」

 

 

 まだまだ旅は、始まったばかり。

 

 

 




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