バカとテストと五等分   作:夢見969

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ゴールデンウィークは毎日仕事でした


バカと秀才と決着

「Aクラス 上杉くん。 Fクラス 中野さん、前へ」

 

いよいよAクラス戦も四戦目となり、あと一勝でFクラスが勝ちという大事な局面で相手はあの風太郎。 正直いって勝ち目はかなり薄い。

 

「教科選択はこっちでいいんだな。 高橋先生、総合科目でお願いします」

「承認します」

 

召喚フィールドが展開されると意を決したように中野さん達の誰かが前へ踏み出した!

 

「「「「「試験召喚獣 召喚(サモン)!!」」」」」

 

【Fクラス 中野一花 総合科目 644点】

【Fクラス 中野二乃 総合科目 521点】

【Fクラス 中野三玖 総合科目 663点】

【Fクラス 中野四葉 総合科目 554点】

【Fクラス 中野五月 総合科目 695点】

 

フィールドに現れたのは五体の召喚獣…!

二乃さんは…うん、あれだけど他の四人は家庭教師のおかげで若干点数が上がっている! 凄いや!

 

って、

 

「「待て待て待て待て待て!!」」

「どうした明久に風太郎?」

「そうよ、早くやりましょう?」

 

くそ、僕と風太郎が間違っているような反応をしてるよこの人達!

 

「五本勝負と言ったがサシの勝負とは言ってなかったし、なんなら参加者の名前を苗字だけで書いてるだろう? うちにはたまたま中野って苗字が五人居ただけだ」

「おま、それが通るなら……ってこの為に名前を書かせてねーのかよ! 高橋先生!」

「ルール違反ではありません」

「フハハ! 卑怯と言ってくれるなよ風太郎。 これもお前らに勝つ為の知恵だ!」

 

うーん、どう考えてもFクラスが卑怯モノだ。

特に雄二が。

二乃さんは殺る気満々だし、なんというか五姉妹もノリノリだから余計に酷い絵面になっている。

 

「…はぁ、まぁいい。 点数を見るに二乃を除けば多少なりとも伸びているんだろうが…上を見せてやるよ」

「五人を前に随分な余裕ね上杉! ここがアンタの墓場よ!」

「明久達と絡むようになって余計にバカに拍車が掛かってやがる…!」

「ちょっと風太郎!? それは酷いんじゃないかな!!」

 

二乃さんは元からきっとおバカだよ!と続けようとしたら凄まじい殺気の籠った瞳で見られたので正座で待機しておく事にした。

 

「フータロー君、覚悟してね」

「ごめんねフータロー」

「上杉さんも召喚してください!」

「上杉くんがどれほどなのか…見せていただきます!」

 

流石に5対1って余程の点数差じゃないとかなり厳しいはずだ。これはもしかすると最終戦前に決着がついてしまうかもしれない!

 

「……召喚(サモン)

 

【Aクラス 上杉風太郎 総合科目 6412点】

 

『…………は?』

 

「先生、風太郎は不正をしてます!」

「いえ、正常な点数です」

「6000点だと!? 」

「アキが10人いても適わないわね…流石上杉…」

「僕を引き合いに出さないでよぉ!?」

 

僕が姫路さんに勝てたのは点差がまだダブルスコア程度で彼女が召喚獣にあまり慣れていなかったからだ。

でもこの点数差は…

 

「よし、かかってこいお前ら」

「ご、五人で一緒にかかれば…」

「一瞬で蹴散らされるのが目に見えるわね…」

「卑怯に近い点数だよ…」

 

下手をすると風太郎を倒すには霧島さんと久保くんとか…そういえば今日はいないけど武田くんに竹林さんとかが揃って戦わないと勝てないのでは…?

 

「なんだかかって来ないのか。 それならこっちから行くぞ」

「ちょ──」

 

待った、という前に一花さんの召喚獣が木っ端微塵に吹き飛んだ。

あー、あれだけ点数差があると相手が消し飛ぶんだね!

 

「いや、怖いんだけど!? やめてよ風太郎! 何かの間違いで僕と戦うことになっても絶対にその力を使わないでね!? フィードバックで死にかねないよ!?」

「ど、どうしましょう二乃!? 一花が消し飛びました!」

「二乃は吉井さんといっぱい模擬戦してたよね!?」

「無理よ無理! あれに比べたら吉井なんて雑魚の雑魚よ!?」

「アキヒサに失礼だけど、わかる」

 

本当に失礼な姉妹だ!!

 

「こ、のぉ!」

 

四葉さんが飛び出し上段からの一撃を振り下ろすけど、それはいとも簡単に本の背表紙で受け止められた。

ちなみに、風太郎の召喚獣の武器は辞典みたいな分厚い本で一花さんも本で殴られて消し飛んだ。 なんであれが武器になるんだ。

 

「四葉は召喚獣の動きは悪くないな。 点数が全然足りないが」

パンッ!! 炸裂するような音ともに四葉さんも吹っ飛んだ。

 

【Fクラス 中野一花 戦死】

【Fクラス 中野四葉 戦死】

 

「逃げてぇ!! みんな逃げてぇ!!」

 

みんなの召喚獣が弾け飛ぶ姿なんてもう見てられないよ!?

 

「潔く突っ込め。二三五」

「嫌に決まってるでしょ!?」

「でも攻めないと戦いにもならない…」

「うぅ、上杉くん酷いです…!」

 

あまりにも虐殺的な光景にFクラス側からはブーイングが上がる。が、風太郎は何処吹く風で本日三度目の快音を鳴らして五月さんの召喚獣を戦死させた。

 

【Fクラス 中野五月 戦死】

 

「二乃、諦めて戦おうよ」

「アイツ相手に諦めろっての!? それなら吉井に勉強を教わる方がまだ………どちらもごめんよ!」

「なんで度々僕を引き合いに出すのかな二乃さんは!?」

 

意を決したように二人の召喚獣は風太郎(理不尽)に相対すると二乃さんの方がランスを構えて突貫を仕掛けた。

 

「直線的過ぎるだろ…」

 

ヒラリと半歩動くように突きから避ける風太郎はそのまま振り上げた事典で叩き潰そうとしたけど、それは罠だ。

二乃さんに追随するように走っていた三玖さんが振り上げた風太郎の腕目掛けて一閃する。

 

「…ッ!!」

 

【Aクラス 上杉風太郎 総合科目 6312点】

 

「「「「「「おぉぉ!!?」」」」」」

 

圧倒的な点差を前に、初めて一太刀入れたのは三玖さんだ。驚いて当然かもしれない。

体育の時間とかを見ていると三玖さんは他の四人に比べて圧倒的に体力が少なく、なんというか上手く動けてない印象が強い。だけれど召喚獣の扱いはこのままいけば五姉妹の中で一、二を争う上手さだと僕は思っている。

 

「完璧に甘く見ていたな…」

「勝てないかもしれないけど、それでも私は戦うよ」

 

点差がほぼ十倍な事もあってか大したダメージにはなっていなかったけど、それでも風太郎の動きは驚きで一瞬止まった。そしてその隙を見逃す彼女でもない。

 

「くらいなさい!」

 

ドカッ!! 鈍い音を鳴らしたのは横殴りに振るわれたランスだ。 正面と背後からの挟撃に風太郎の召喚獣は足が止まった。

 

「凄い、二乃と三玖息ぴったり…!」

「とはいえ相手は風太郎だ。それにあの点数だと腕輪持ってるだろ」

「腕輪ってなんですか?」

「えっと、ある一定以上の点数を取ってたら特殊能力が使えるんだ。ほら、さっきムッツリーニの召喚獣が加速したでしょ? あれもそうだよ」

「つまりフータローくんはまだ奥の手を残してるってこと?」

 

視線を戻すと風太郎の点数は6000を切った。

あれだけ殴られてもまだ6000切ったレベルなんだ…

 

「確かに召喚獣の扱いは上手いな。転校してきたばかりとは思えない…が、やはり点数が足りない」

 

あ、腕輪が光った。

そう思った時には二乃さんと三玖さんの召喚獣の点数は一気にゼロになった。何があったの!?

 

【Fクラス 中野二乃 戦死】

【Fクラス 中野三玖 戦死】

 

「悔しかったら、俺の授業を受けるんだな二乃」

「勝負あり。 勝者 Aクラス 上杉風太郎」

 

五人がかりで惨敗した我らが中野姉妹はフラフラとした足取りでFクラス陣営へと戻ってきた。

 

「三玖さん凄くカッコ良かったよ!」

「ありがとうアキヒサ」

「うむ、四葉のあれだけの点数を前に斬り掛かる思い切りの良さ。負けてしまったが良いものじゃった」

「ありがとうございます木下さん!」

 

落ち込む様子を見てたから、という訳ではないけれど僕と秀吉は褒めに褒めた!

 

「まぁお前たちが負けるのは想定内だ」

「バカ! 雄二のバカァ! 折角、みんな持ち直していたのにまた凹んじゃったじゃないか!?」

「どの道この最終戦は俺が勝つ」

 

その自信は一体どこから来るんだろうか。相手はあの風太郎より上の霧島さんだというのに。

 

「大化の改新」

「へ?」

「翔子は大化の改新の年号を間違えて覚えている。 だから俺は翔子に小学生日本史 100点満点のテストで勝負を挑む」

「「「「「小学生のテスト!?」」」」」

 

確かに雄二の言う通り、100点満点のテストで相手が確実に間違えることが分かっていればあの自信も頷ける!

大化の改新って1910年で有名なアレだよね!

 

645(無事故)の大化の改新…簡単なものを間違えるの? あと何でアキヒサは頭を抱えて蹲ってるの。頭痛い…?」

「気にしないで三玖さん。なんでもないから!」

「翔子は一度覚えたことはほぼ間違えない。 それが間違いを覚えていたとしても…な」

 

雄二は不敵な笑みを見せながら教室の中央へと歩みを進める。 Aクラスも万が一の敗北を想像して落ち着かない様子だ。それもそうだろう、誰が最底辺クラスを相手に2勝2敗なんて今を予想出来ただろうか?

 

「…雄二、任せたよ!」

「あぁ。 明久、それに五姉妹、バカでもやれるって所…見せてやるよ」

 

雄二の不思議なところはこの説得力だろうか。

そう言えば初めて風太郎と雄二と殴り合いになった時もすぐに協力したっけ。

 

「Fクラス代表 坂本くん。 教科を選択してください」

「教科は日本史 100点満点。 範囲は小学生問題」

 

Aクラスのざわめきが一段と大きくなる。

そりゃそうだ。あの霧島さんに大して記憶力勝負を持ちかけたようなモノだから。

 

「それでは、始めてください!」

 

高橋先生の号令と共に二人の代表がテスト用紙を表にして鉛筆を走らせる。 背後のモニターには僕たちにも問題が分かるように映し出されていた。

大化の改新が出れば、僕達は……!

 

 

 

( )年 大化の改新

 

 

 

 

出た!

 

「吉井、あたし達……!」

「うん。僕達の勝ちだ…!」

 

打倒Aクラスで心を一つにした僕達。

その僕達に勝利の光が差し込んだ!

 

 

 

日本史小学生限定テスト 100点満点

 

『Aクラス 霧島翔子 98点 VS Fクラス 坂本雄二 67点』

 

 

 

 

 

 

「……………………ふっ」

「「「「「「ぶっ殺す!!!!!」」」」」」

 

打倒雄二で心を一つにした僕達。

そこからはリンチが始まった。




問題
以下の意味を持つことわざを答えなさい。
マザーグースの歌の中で
『スパイスと素敵なもので出来ている』と
表現されているものはなんでしょう。



中野二乃の答え
『女の子』


教師のコメント
正解です。マザーグースでは女の子は『砂糖とスパイスと素敵なもの』
男の子は『カエルとカタツムリと仔犬のしっぽ』で出来ていると言われてます。



中野五月の答え
『カレーライス』


教師のコメント
スパイスに引っ張られてしまいましたね。 マザーグースには多くの童謡、歌謡がありますので興味があれば調べてみるのも良いでしょう。



吉井明久の答え
『カレーライス』


教師のコメント
お腹が空いているのでしょうか。同じ答えをするのは二人目です。



中野四葉の答え
『カレーライス!』


教師のコメント
先生の今晩のメニューが決まりました。
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