バカとテストと五等分   作:夢見969

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めちゃくちゃ久しぶりになって申し訳ないです……
更新していなかったのにお気に入り登録等ありがとうございます!!

続きどうぞ!


僕とみんなと学園祭準備

「「くたばれぇぇぇ!!」」

「ぐへぁ!?」

 

僕と二乃さんの渾身のタッグストレートが雄二の顔面を射抜き奴の身体は宙を舞い、重力に引かれて地面へと倒れた。

 

「何が、バカでもやれる、だ! バカは結局バカじゃないか!?」

「少しでもあんたを信じたあたし達がバカだったわ!」

 

やいのやいのとFクラスの面々が地面に転がった雄二を踏んずけたり、蹴飛ばしている。市中引き回ししてやろうか!

 

「あー、Fクラス? ウチの代表が戦後交渉したいようなんだが…」

「ちっ、命拾いしたな雄二! 風太郎と霧島さんに感謝しろよ! それで霧島さん、戦後交渉ってどうするの? 僕達から上げられるものなんてプライドすらないよ?」

「……雄二とは負けた方が言うことを聞く約束をした」

「なるほど。それじゃあ雄二は霧島さんにあげるよ!」

「清々しいまでに躊躇いがねぇな…」

「……ありがとう。吉井はいい人」

 

こんなゴリラの命一つで霧島さんにいい人認定をされるなら安いものだ。安すぎるまである。

 

「……それじゃあ雄二。付き合って」

 

瞬間、時が止まった。

 

「お前、まだ諦めてなかったのか」

「……ずっと雄二のこと好きだから」

誰もがフリーズしている中、雄二だけは心底面倒くさそうに顔を顰めながら首を振る。

 

「拒否権は?」

「…ない。今からデートに行く」

「は、離せ!? 俺はデートなん──あばばばばば!!!!」

 

首根っこを掴まれ引き摺られ、抵抗しようとしたらスタンガンをくらった雄二はそのまま霧島さんと教室を出て行った。 えーと?

 

「………あー。下校時間だし帰らないか皆」

 

謎の空気感に耐えきれなくなった風太郎が何とか声を上げるとAクラスの面々はいそいそとカバンを持って教室を出ていく。 Fクラスの皆もカバンを取りに教室へと戻り始めた。

 

「風太郎、今日はバイト?」

「いや、今日は珍しく親父が早く帰ってくるらしくてな。 らいはが三人で飯を食べたいって言うから休みだ」

「そっか。 大変だね家庭教師とか」

「あぁ…明久が五人いる様なものだからな…」

 

それはどういうことだろうか。

 

「「「「「失礼な!?」」」」」

「失礼は君たちだよね!?」

 

五人、声を揃えてなんてこと言うんだ!

 

「風太郎くん、世の中には言っていいことと悪いことがあるんだよ? お姉さん傷ついちゃう」

「一花さんが傷つく前に僕はもうボロボロだよ!?」

 

「吉井と一緒だなんて有り得ないわ! それなら死んだ方がマシよ!」

「そこまで拒絶しなくていいじゃないか二乃さん! それに日本史に関しては君より僕の方がたぶん良いからね!?」

 

「アキヒサはいい人だけど…それはちょっと」

「三玖さんとは分かり合えてたつもりなのに!?」

 

「うーん、ごめんなさい吉井さん!」

「ある意味ストレート過ぎて一番傷つく!!」

 

「わ、私は吉井くんより…その向上心があります!」

「まるで僕に向上心が欠けらも無いみたいな言い方するね!?」

 

五人それぞれの言い分は僕の心をKOするには十分だった。 そんな、皆仲間(バカ)だと思っていたのに…!

 

「……その、なんだ。明久、元気出せ」

「元はと言えば風太郎のせいだよねぇ!?」

 

酷いや! なんて捨て台詞を残してFクラスへと駆け出す僕。 なんというか三下っぽいなぁ、と思いつつ教室へと入ると先に帰ったと思っていたクラスメイト達がみんな固まるように立っていた。

どうしたんだろ?

 

「須川くん何かあったの?」

「黒板を見ろ…吉井!」

「ほぇ?」

 

促されるままに黒板を眺めるとしっかりと強調されるようにこう書かれていた。

 

【Fクラス、成績向上を目指す為、来週から担任が西村に変わります】

 

「て、鉄人だって!?」

「バカな!? なぜ鉄人が!!」

「あぁ、神よ…!!」

「俺たちの青春が灰色に!!!」

 

崩れ落ち涙を流す者までいる始末。いや元々青春なんて灰色なんだろうけど…それでも鉄人が担任だなんて毎日が月曜日みたいな嫌な気分になるじゃないか!

 

「皆さんどうしたんですか?」

 

僕の後に遅れてやってきた中野五姉妹も先程の僕のようなリアクションをしているけど…そうか、五人は鉄人のことをあまり知らないもんね…

 

「……みんな! 僕達は試召戦争を終えたばかりだけどやる事がある!」

「やる事…? これ以上俺たちが何をやるってんだ!」

「そうだ、戦争にも負けてもう俺たちに何が出来るんだよ!」

 

こういう時に雄二が居てくれるとまとめやすいんだけど…本当に必要な時に居ないんだから。

 

「考えてみて、僕達はまだいいさ。 でも、秀吉や中野さん達にあの鉄人の授業を受けさせていいの!?」

「「「「「「「─ッ!!!!!!!!!!」」」」」」」

「秀吉と中野さん達みんなの為に出来ること。分かるよね!」

「「「「「「「鉄人をぶっ殺す!!!!」」」」」」」

 

黒装束を身にまとい、数々の暗殺器具を手に男たちは職員室を目指して廊下へと駆け出していく。

 

「ってことで、僕達は鉄人を殺しに行ってくるよ! みんなは気をつけて帰ってね!」

「え、ちょ、明久くん!?」

「キシャァァァァァァァァァ!!!!!」

「ダメよ一花、既に人の言葉を話してないわ」

「帰ろう」

「少し面白そうなので見てきていい!?」

「四葉も帰りましょう。たぶん、吉井くんたちはタダで済まされなさそうなので…」

 

 

 

 

 

ボコボコに叩きのめされ、完全下校時間になっても二宮金次郎を目指すための鉄人勉強講座が終わらなかった先週の金曜日。やはり奴はこの世から葬り去らなければならない邪悪だ。

 

そして今日は月曜日。あの敗戦から初の登校なのだが……

 

「うわ、酷いねこれ」

「まさか畳とちゃぶ台がゴザとみかん箱になるとはのう…」

「……教育現場としてあるまじき」

「訴えたら勝てそうだな」

 

元々ボロかった教室が廃墟のようだ。まぁ、そもそも負けた僕らが悪いんだけどさ!

 

「ねぇ、坂本。あんたコレ何とか出来ないの?」

「次女か。 出来ない…とは言わないが」

「え、コレを何とかする方法あるの!?」

 

どうせ雄二のことだからなんの考えもないと思っていたのに!

 

「ムッツリーニも言ってたが教育現場としてあるまじき衛生環境だからな。 学園長に訴える」

「意外に正攻法だった」

「坂本さんの事ですからこう…悪い手を使うと思ったのですが!」

「うん、一花さんと四葉さんの言う通りだよ。 雄二熱あるんじゃないの?」

「だが、ババァはロクでもない人間らしい」

 

あれ? 学園長がババアって聞こえたんだけど気の所為かな?

 

「俺としてもあの敗戦の責任はあるからな。 土日の間に学校に来てババアに話をつけてきた。 五姉妹は知らないだろうが、近々学園祭がある。 そこで出店し得た利益は教室の備品に当てていいと言質をとった」

「あくまでも学校側じゃなくて私達次第…ってこと?」

「学校としてどうなんですかそれは…」

「しかしわざわざ言質をとった…などという言い方をするに本来はダメじゃった…というわけかの?」

「本来、教室の設備は試召戦争の結果だ。それを自分達で何とかするのはルールから逸脱した扱いになるらしいが、ババアと取引をしてな。 設備更新を認めさせた」

 

なんかそういう話を聞いてると改めて文月学園って色々と変わってるって感じるよねぇ…。他の高校ってどんな感じなんだろうか? あとで二乃さん達に聞いてみよ。

あと聴き逃しそうになっていたけどシレッと取引とか言ってたよ雄二。 なんで学園長と取引なんかしてるのさ。

 

「と、言うわけでだ。 HRの間に学園祭の出し物を決めたいと思っている」

「いい心掛けだがそれは放課後にしてもらおう。 お前ら席に着けェ!!」

「鉄人!?」

 

趣味がトライアスロンのゴリラが教室に乗り込んでくると同時に、開口一番着席を促す。 何故ここに鉄人が!?

 

「明久、なんで鉄人がFクラスに居るんだ」

「思い出したくない理由があったはず!」

 

そうだった、何か許せない理由があって金曜日に暗殺に向かったけど返り討ちにされたんだった!!

 

「Fクラスの担任は福原先生から今日をもって俺に変わった。理由としては言わずもがな! お前らが、バカだからだ! 特に吉井、坂本。お前ら二人は念入りに面倒を見てやろう」

「なにぃ!?」

「待ってください! 雄二は分かります! でもこんなに真面目で愛嬌のある僕は違うでしょう!?」

 

そこの美少女達、「真面目?」とか首を傾げないで。

 

「教室の備品に対する苦情を学園長まで即座に持っていくとは…バカの行動力は凄まじいものだ。 しかし、学園長から確約を貰っているならば担任として力は貸すつもりだ。 なにか学園側に確認等がある場合は先ず俺を通すことだ」

「て、鉄人が大人だ!?」

「あぁ、腐っても教師だったか…!!」

 

鉄拳をくらいつつ仕方なく今日の授業を受け始めるFクラスの面々。なんだか久しぶりにまともに授業を受けているという現実に驚きつつも設備はダンボールだ。しかも湿気のせいで若干湿ってるので筆記しにくいことこの上ない。

チラリと横に座って板書をしている五月さんを見ると真剣な眼差しで取り組んでいる。 元はと言えば僕たちが試召戦争なんてものをした結果、真面目な五月さんの足を引っ張ってしまっている。 何とかしないとなぁ…

 

だけど何とかするってどうしよう。 学園祭の出し物である程度儲けが期待できる様なモノ。

そもそも旧校舎の隅っこのFクラスまで人を呼べるのか………他のクラスになくてウチにしかないもの……美少女五姉妹? いや、それだと結局五月さん達に負担を強いる事に?

 

 

「明久、知恵熱が出てるぞ」

「ごめん、今僕は五月さん達の魅力について必死に考えているんだ!」

「あの、それを目の前で言われると反応に困るのですが…」

「は!?」

 

僕は一体何を!?

 

「ほら、バカ言ってないで昼よ」

「わーい! 二乃さんのお弁当だ!!」

「すっかり飼い慣らされているのう…」

「……立派な飼い犬」

 

今日のお弁当は何かな〜!

聞こえないフリをしながら蓋をとると、卵焼きに唐揚げ、プチトマトにハムと少しの野菜。 白米の上にはなんと小さいものの鮭まで載っている!!

 

「ほら、結局全体としては負けちゃったけどあんたは学年三位? のあの子に勝ってたじゃない。ご褒美よ」

「一生二乃さんについて行くよ…」

「明久のやつ、マジで泣いてやがる…」

「確かに二乃のお弁当は美味しそうじゃからのう……」

 

凄い!唐揚げが時間が経ってるっていうのにカリッとしてて食感が損なわれていない!

あ、鮭も身がしっかりしていて美味しい…このお弁当一つだけで4日は生きていけそうだ!

 

「ウチのクラスにあって他のクラスに無いものねぇ」

「……どうした島田」

「学祭で売り物をするなら、そういう所を売りにしないと中々儲けって出なさそうに思ったのよ」

「なんだ簡単だろ」

「雄二はもう考えてるの?」

「明久、島田が言ったことでなにか思い当たることあるか?」

「へ? うーん……」

 

お弁当を大切に抱えながら考える。

Aクラスはやっぱり頭を使って商売をするだろうし、Bクラスは根本くんを見世物にするだろう。

Cクラスなんかは小山さんが何か考えてそうかな? そういえば小山さんが雄二に言いよってた、なんて噂があったな。処刑しないと。

Fクラスにあるものかぁ…

 

そこで僕は思いついた。今、僕たちの目の前に腰を下ろし愛らしい姿でお弁当を食べている少女たち。

 

「わかったよ雄二! 美少女の五つ子が居る! それに秀吉も!」

「ま、そういう事だ。 中野達には悪いが設備の、ひいてはクラスの為に手伝ってもらう」

「美少女とか、恥ずかしい…」

「吉井さんは何時も素直に褒めてくれますね!」

「学祭だもの。理由は気に食わないけれど仕方なく手伝うわ…出来ればキッチンの方がいいのだけれどね」

「まぁ、そういう方向性でいく。 詳しいことはHRで決めればいいだろう」

 

なんか僕たち男子がやらかしたことを女子陣に尻拭いさせてる感じがして申し訳ないけど…うん、考えないようにしておこう。




アンケート1
学園祭の出し物を決める為のアンケートにご協力下さい。
『あなたが今欲しいものはなんですか?』



中野五月の答え
『クラスメイトとの思い出』


教師のコメント
なるほど。中野さんたちは四月に転校してきたばかりで色々と大変かもしれませんが、何かあれば直ぐに相談をしてください。 Fクラスの生徒は個性的な面が強いですが、中野さん達にとって楽しく、有意義な学園祭になること間違いないでしょう。



吉井明久の答え
『せめてちゃぶ台』
『中野さん達が楽しめるもの』


教師のコメント
こればかりは試召戦争の結果、と言わざる負えません。しかし、学園祭の出し物の結果によっては何とかなるでしょう。
それと、転校してきたばかりの中野さん達を気にかけてくれているようで先生は嬉しいです。



上杉風太郎
『焼肉抜きじゃない定食』


教師のコメント
それは焼肉定食といいます。
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