Episode DECADE×FOOLS GAME 桜花ルート5034 作:ホシボシ
桜花は病院の近くにある公園で遊んでいた。
午後五時を知らせる音楽が聞こえると、みんなはお家へ帰っていく。
でも桜花はひたすらブランコで遊んでいた。
しばらくすると風が冷たくなる。左を見ると、並んで歩いてくる異形が見えた。
右からキリサキさん。リッパーK。ネクロデザイア。レイスマン。キルゾーン。
桜花はニコニコと笑いながらモンスターたちの到着を待った。
「相変わらず、笑うか。哀れな娘」
「なんで? 死ぬのも慣れたら面白いよ」
「それは……、嘘」
ネクロデザイアは手をかざす。すると闇が収束していき、球体となる。
「本当だというのなら、慣れたという言葉を後悔するほどの苦痛を与えてやろう」
「………」
「しかし今すぐ命乞いをしてここから走り去れば、今日のところは見逃してあげよう」
「………」
「死は、いつでも、だれのそばにもある。特別なことでは、ない」
桜花はニコニコとしていた。
「カウントダウンをはじめよう。10、9、8……」
それは、6を超えた時だった。
桜花の笑顔が消えた。そして彼女は表情を歪ませる。
「ぃ」
「5、4……」
「死にたくないッッ!」
上ずった声で叫び、彼女は踵を返すと前のめりになって走り出した。
その瞬間、背中で聞いた笑い声。魔女たちが高笑いを浮かべている。
「見よ! フハハハ! 見よッ! あれが! 恐怖!!」
もちろんネクロデザイアははじめから桜花を見逃すつもりなどなかった。
彼女の中にある恐怖を、少し刺激して、思い出させただけだ。
「塵になれ! 闇が! お前の体を引き裂く!」
ネクロデザイアは圧縮させた闇を発射した。
黒い球体が一瞬で桜花の背に届く。まさにその時だった。
桜花を守るように灰色のオーロラが現われ、中から次々とバイクが飛び出してきた。
「なにッ!」
「ネクロデザイア!!」
ディケイドは、アクセルグリップを限界まで捻り加速する。
真っ向からぶつかっていく闇。着弾の瞬間に果てしない暗黒が視界を埋め尽くし、すべての感覚がなくなった。
しかしディケイドは『前』を見ていた。
いつか見た光が残像となって残っている。そこを目指して突き進めばいい。
「!」
闇を切り裂いたバイクのライト。
飛び出したマシンディケイダーの前輪がネクロデザイアの腹部に当たる。
「ヌゥウウ!」
ネクロデザイアは衝撃で浮き上がり、後ろへ吹っ飛んでいく。
「お前たちの野望も! ここまだ!」『ファイナルアタックライド!』
ディケイドはシートを蹴って飛び上がった。
魔女との間に並んでいくホログラムカード。ディケイドは右足を突き出して、そこを通過していく。
「ハァアアアアア!」『ディディディケイド!』
「ヌゥゥゥアアアアア!」
右足が魔女に直撃して吹き飛ばしていく。
さらに大きく吹き飛んで地面を滑っていくターゲット。
まだ爆散していないところを見るに上回っているわけではないが、確実にレベル差は僅差となっている。
「行くぞみんな、今度こそ桜花ちゃんを助けるんだ!」
おう! 続くライダーたちの答えが並ぶ。加速するライダーマシン。
それぞれのターゲットに向かってスピードを上げる。
「俺には嫌いなモンが三つある! 転売カス人間! 声優や絵師に粘着するカス人間! あと一個が何かわかるかぁアッ!?」
殴るようにして、ブレイドは逆手に持ったラウザーを突き出す。
「幼い少女をいじめるカスだよォッ!」
しかし勢いに反してブレイラウザーが包丁で弾かれた。
勢いあまって前のめりになったところ、回し蹴りで背中を蹴られて転がっていく。
キリサキさんはそのまま大きく包丁をスイングして向かってきたカリスの足を狙う。
しかし既にカリスは跳ねており、包丁を回避しながらアローを振るう。
しかし包丁がそこにあった。
着地と同時に矢を放とうとするが、それよりも早く肘打ちが入ってカリスは後退していく。
キリサキさんはコートを脱いで投げた。コートは瞬く間に三日月のような形となり、ブーメランのように回転しながらカードを抜いていたブレイドとカリスに直撃する。
「ぐあぁああ!」「ぐぅっ!」
二人はのけぞり、倒れる。それだけではなく、着弾時に爆発が起きてラウザーに入っていたカードのすべてが散ってしまった。
キリサキさんはそんな二人は目もくれず、走ってきた響鬼紅に手を伸ばす。
音撃棒が振り下ろされるよりも早く響鬼の首を掴み、細い手ながらも軽々と持ち上げた後に頭突きを入れて響鬼を怯ませた。
そのまま腹を蹴って吹き飛ばすが、遅れて走ってきた天鬼が受け止める。
経験値はある程度なら分配できるようで、レベルアップバトルに参加していなかったアキラにも十分な量が分け与えられていたようだ。
"天鬼・藍"。文字通り藍色に染まった状態で右へ飛び、音撃管から鬼石を発射していく。
数発は弾かれたが、数発は着弾する。
だが体内に埋め込まれるより早く、キリサキさんは力を込めて体外へ排出していった。
しかし注意は逸らせた。カリスは唯一、取っていたカードをであるバイオを発動。
弓から蔦を伸ばして、空中にて舞い落ちていくカードを三枚、絡め取る。
「受け取れ!」
指で挟んだカードを投げた。それをブレイドは受け取り、ラウザーにサーチする。
『ビート』
キリサキさんは電子音に反応し、振り返ってブレイドに向かう。
「おいおいおい! やっと女の子にモテたと思ったらこんなホラーなヤツかよ!」『マグネット』
二枚目のカードをスキャンしたが、確信する。間に合わない。
だがそこで、キリサキさんが急停止した。
響鬼が飛び込んでキリサキさんの足首を掴んだのだ。
さらに天鬼も腰に手をまわして、しがみついていく。
「でかしたぞ我夢! アキラ!」『サンダー』
スキャンが完了。
三枚のカードが背後に回り、ブレイドへエネルギーを供給していく。
キリサキさんは体を振るい、響鬼たちを吹き飛ばした。しかし今となってはそれが好都合だ。
ブレイドが剣の腹で手をこすると、激しいスパークが巻き起こり、右腕がバチバチと音を立てて帯電する。ブレイドはその状態の拳で思い切り地面を殴りつけた。
「ゥらァアア!」『エレクトロファイヤー!』
地面を駆けるスパーク。
電撃が一瞬でキリサキさんの足へ届き、全身へ伝導していく。
激しく震える体。至る所が爆発していき火花が散っていった。
完全に動きが止まる。ブレイドと響鬼は視線を交わして頷きあった。
迸る炎と光、アームド響鬼とブレイドキングフォームが同時に剣を構える。
「鬼神覚声ッ!」
浮かび上がる鬼の文字。響鬼が剣を振るうと、三日月状のエネルギーが発射された。
キリサキさんは包丁でそれを切り裂こうとするが、痺れていたせいで力が込められなかったのか、あるいは純粋に威力なのか。
いずれにせよ、包丁で斬撃を受け止めた瞬間、包丁のほうがバラバラに砕け散った。
キリサキさんはよろけて地面に手をつく。
そこで感じる光。黄金のカードが五枚、ブレイドとの間に並んでいる。
「ォオオオオオオオオオ!」
キリサキさんが吠えた。憎悪の声だ。
地面を殴り立ち上がると、髪をかきむしりながら走り出す。
「ホラーゲームはな、可愛いブイチューバーがやってるのを見るからいいんだ」
走り出すブレイド。五枚のカードを通過していき――
「テメェは俺の王国には必要ない」【ROYAL STRAIGHT FLUSH】
悲鳴が聞こえる。胴体に刻まれた一閃が、さらなる光を放っていく。
「消えてくれ」
「あぁぁぁあああぁあああ!」
その光に包まれて、キリサキさんは蒸発するようにして消滅した。
超高速で駆けるカブトとガタック。
しかしリッパーKには全てが見えている。
取り出したスナイパーライフル。銃剣から出た発砲音は二回。
「くッ!」「うごぉぉ!」
的確に二人のライダーを捉えていた。
「!」
しかし、リッパーKは一歩前に出た。屈辱が思わず足を動かしたのだ。
苦痛の声こそ聞こえれど。硬い装甲が弾丸を受け止めていた。
二人は声を揃えてプットオンをコールしており、マスクドフォームとなっていたのだ。
「キャストオフ」『Cast Off』
「キャストオフッ!」『Cast Off』
装甲の破片を飛ばす方向をすべて前に指定して、ライダーフォームとなった二人は走り出す。
リッパーKは瞬時にカブトたちの心臓を貫くルートを見出した。
破片を利用して銃弾を跳弾させようという魂胆だ。
あとは引き金をひくだけだが、どうしたことだ? それができない。
「お前」
「!」
「僕に釣られてみる?」
持っていた銃剣がすっぽ抜けた。
糸がある。辿ってみるとそこには銃剣をキャッチした電王・ロッドフォームがいた。
リッパーKは両手をあげて、やれやれというジェスチャーを取る。
そこで急回転。回し蹴りで向かってきたマスクドフォームの破片を吹き飛ばすと、ナイフを抜いてクナイで切りかかってきたカブトをいなし、そのままガタックと切りあう。
「うおあぁああ!」
爆発音がしてガタックが吹き飛んだ。
同じくカブトの背も爆発して倒れてしまう。
「ちょ! えぇ? どういうこと!?」
電王はすぐに加勢しようと走り出すが――
そこで見た。リッパーKの両手の指先に穴が開いている。それを理解した時、電王の体が爆発した。
どうやら見えないエネルギー弾を発射することができるらしい。
「ぐあぁおっと……! 流石に強いよねッッ」
しかし電王は踏みとどまると、左手で煙を払いながら、右手では『超ケータロス』を操作していく。
「可愛い子をいじめるヤツは……、おしおきしなくちゃ」
『MOMO』『URA』『KIN』『RYU』『DENE』『ZEKE』
『CLIMAX・FORM』
電王の周囲に現れる無数の仮面。
ロッドフォームが右肩へ。
アックスフォームが左肩へ。
ガンフォームが胸へ。
ウイングフォームが背中へ。
そしてデネブの顔が股間に融合して変身が完了する。
仮面ライダー電王・
腰にあるデネブの顔から伸びる黒いローブが、仮面ライダークロノスのシルエットを彷彿とさせる。
「……! !?」
リッパーKは指からの弾丸や、ハンドガンを抜いて電王を狙う。
しかしそれらは全て電王に触れる前に、見えないシールドに阻まれて蒸発していく。
「ッ! ッッ! ―――ッッ!」
銃声。電王は銃に変えたデンガッシャーを歩きながら連射していく。
それだけじゃない。左手にはボウガンに変えたゼロガッシャーがあり、そこからも弾丸が放たれていく。
「何度も何度も殺すってかぁ? やってくれるじゃねぇか」
今までは攻撃を当ててもビクともしなかったリッパーKが、確かに怯んでいた。
「だがもう終わりだ。今度はテメェが失せる番だぜ」
「………」
ダメージの衝撃で後退していくことがどういうことなのか、それは本人が一番理解している。
リッパーKは帽子を捨て、仮面を取った。
そこにあったのは顔ではない。『穴』だ。
大きな穴が頭部にぽっかりと開いている。
真っ暗な闇が広がる穴。ずっと闇を貯めこんでいた。
だから、そこからどす黒い光線が発射されることに何の違和感もなかった。
それは一瞬で電王へ到達して、すべてを腐敗させて消滅させる。
「……!?」
しかしどうしたことだ。
あまりにも黒い闇であるにもかかわらず、虹の光を僅かに汚すことすらできない。
すべての闇のエネルギーが、電王の持っている剣の刃へと吸い込まれていく。
虹色に発光するデンガッシャーと、ゼロガッシャー。
ライダーパスがひとりでに浮遊して、ベルト中央へかざされた。
『FullCharge And Up』
電王が巨大な翼を広げてリッパーKの前に降り立つ。
振り下ろされた剣を、リッパーKは腕でガードするが、発光するゼロガッシャーは、いとも簡単にそれを崩し、肉体へ斬撃を刻み込んでいく。
完全に動きが止まったところに、デンガッシャーを思い切り真横へ振るって刻み付けた二撃目。
「俺の必殺技! パート7億万千300」
最後に二つの剣を思い切り突き出した。
「オッリャァアアア!」
「!!!!」
クリーンヒット。
リッパーKは完全にバランスを崩し、手足をバタつかせながら後ろへ下がっていく。
そこでリッパーKは空中にいるカブトとガタックを見つけてしまう。
「ハァアアア!」『RIDER KICK』
「オッラアアアアアア!」『RIDER KICK』
突き出された足と、振るわれた足が同時に直撃する。
リッパーKはそこで確かな悲鳴を上げて粉々に砕け散った。
「だのじみにじでだのにッ! ごろじの邪魔すんなよォォオオ!」
大きな鉈が振り下ろされるが、クウガがそれを真っ向から受け止めた。
レイスマンの太い腕の手首を両手で抑える。
かなり力が強い。このままならば押し負けるだろう。
「邪魔するさ! おれにはその力がある!」
だがそれよりも早く肉体へ直撃するトライチェイサー。
突如として突っ込んできたバイクに轢かれ、レイスマンは鉈から手を放して吹っ飛んでいった。
「ナイス薫!」
「惚れ直したでしょ!」
薫が光に包まれると剣になる。
クウガはライジングタイタンに変わると、鉈と薫をタイタンソードに変えて走り出す。
そこで咆哮が聞こえた。レイスマンが突っ込んでくる。
すぐに衝撃。クウガは激しい抵抗感を感じて地面を踏みしめた。
突き出した二本の剣を、レイスマンはガッシリと掴んでいる。
刃の部分を掴んでいるが、気にしている様子はない。
力込めると、クウガの足裏が地面から浮き上がった。
「ウゴォォォオ!」
思い切り振り回し、投げ飛ばす。
「ぐっ!」「きゃあ!」
タイタンフォームでさえ軽々と投げ飛ばされ、隣には変身が解除された薫が倒れる。
「ォオオオオオオオオ!」
レイスマンは倒れたクウガを狙い、走り出した。
武器など使わず、その剛腕で首を引きちぎってやるつもりだった。
だがレイスマンはそこで思わず足を止めた。
背後になにやら、ただならぬ気配を感じて、思わず振り返ったのだ。
しかしそれが間違いだった。そこにあったのは『光』だ。あまりの輝きに視界は真っ白に染まり、すぐに腕で顔を覆う。
「眩じぃぃい! 何もッ! 見えなィィィイイイ!」
だが光から逃げるように後ろを向いた瞬間、レイスマンは明確な『恐怖』を覚えた。
今度は、何も、見えない。
一切の光も漏れない。そこは究極の闇。
すべてが黒く染まった。
振り返ると、激しい光が目を焼き尽くそうとする。そこには究極の光。
光があれば、闇が深くなり、闇が深ければ光の強さが引き立つ。
「あ、ぁぁああアア……!」
右往左往。前を向けば深淵。後ろを見れば極光。
レイスマンは混乱し、完全に動きが止まった。
そうしている間に、光と闇はそれぞれの拳へ収束する。
二人のライダーが飛んだ。アルティメットは闇を、シャイニングは光を乗せてレイスマンの胴体を殴る。
「ぎゃあぁああああ!」
相反する力がぶつかり合いアンドロメダを生み出した。
レイスマンの体が歪み、直後大爆発が起きて塵となった。
「ぐッぅ!」
アクセルフォームで接近したが、キルゾーンは一瞬でファイズの後ろに回り込むと足に手を当てた。
瞬間、すさまじい衝撃と激痛が走り、ファイズは近くにあったジャングルジムに直撃する。
崩壊していく遊具。しかしその隙間から漏れ出た深紅の光。
『Awakening』
瓦礫の中からファイズブラスターフォームが姿を見せる。
キルゾーンは一瞬でファイズの前にやってきた。
ぺたりと、小さな掌を太ももに当てる。
次の瞬間、キルゾーンの体が吹っ飛んだ。
「あぁ……っ、あっ、あぁぁ」
地面に倒れると、キルゾーンは苦しみだす。
ファイズの中にあるフォトンブラッドを吸収してしまったがために激しいリジェクションが起こっているのだ。
そのファイズの頭上を、発光するデルタが通り過ぎていった。
ロングスカートのような装甲に、エネルギーで構成された光の翼。
そして頭上に輝くフォトンブラッドでできた光輪。
エンゼルフォーム。レジェンドとは違う、異なる進化を遂げたデルタである。
追従する遠距離攻撃ビットたちが、一斉に光のロープを発射して、キルゾーンを縛り付ける。
「真志! 美歩! お願い!」
デルタはビットを操作することでキルゾーンを持ち上げて、空中に放り出す。
そこで重なりあうサバイブの音声。
龍騎サバイブと、ジャンヌダルクをモチーフにしたファムサバイブが走ってくる。
重なり合うファイナルベントの音声。
(届けッ!)
龍騎の剣が燃え滾り、ファムの構えた大剣が光り輝く。
(届け――ッッ!)
龍騎とファムは飛び上り、同時に武器を振り下ろす。
輝焔双舞斬。キルゾーンの体に二本の線が刻まれた直後、大爆発が起きてモンスターは跡形もなく消え去った。
「ウォオオオオオオ!」
ディケイドとキバは並び、全速力で走り出す。
飛んでくる無数の光球。視界が爆炎で染まった。
爆煙から飛び出してきたのは青く染まったクウガと、青いキバだった。
どちらも物凄い跳躍力で光弾を飛び越えてネクロデザイアのもとへ距離を詰める。
「かつて王都が差し向けた兵士たちにより、魔女狩りが行われた」
ネクロデザイアはシールドを張ってディケイドたちを受け止める。
さらにそこでサイコキネシス。ディケイドの体が吹き飛んでいくが――、キバは違った。
シールドに爪を突き立て、吠える。
腕を左右に開き、強引にシールドを剥がしていった。
「タアアアアアアアアア!」『ファイナルアタックライド・アアアアギト!』
マシントルネイダーから跳ねたディケイドが足を突き出す。
剥がれたバリアの隙間に伸びた足が入る。
ライダーブレイク。完全にバリアを破壊して、ディケイドはネクロデザイアを足で押し出していく。
「多くの女が死ぬ。魔法を使うからという理由で拷問されて」
「何を言ってる!?」『カメンライド』『リュウキ!』
キックで押している間に龍騎へカメンライド。さらにディケイドはファイナルアタックライドのカードを放り込んだ。
ドラグレッダーが炎を与え、ライダーブレイクがいつの間にかドラゴンライダーキックへと変わる。
轟々と燃えるディケイドは、そのままロケットのようなスピードで直進。
やがて河原にやってくると爆発が起き、ネクロデザイアの体が後方へ吹っ飛んでいった。
魔女は水面を滑り、やがて停止した。
立ち上がると無数のポインターに囲まれる。
アクセルクリムゾンスマッシュ。すべてを受けて、ネクロデザイアは立ち尽くした。
「しかし兵士たちが里につくとそこには無数の死体があった」
Φの紋章が浮かび上がるが、すぐに吹き飛ぶ。
「女たちは既に、死んでいた」
ネクロデザイアが杖を振るうと、ディケイドの立っていた地面の周囲が黒く染まる。
何かが来る。反射的にブレイドへカメンライドすると、すぐに飛び上がり、フォームライドのカードを入れる。
『フォームライド』『ブレイド・ジャック!』
つい先ほどまでディケイドが立っていた場所から無数の腕が伸びてきた。それは飛行したディケイドを捕まえようと伸び迫る。
『ファイナルアタックライド』『ブブブブレイド!』
ライトニングスラッシュで腕を切り裂きながらディケイドは加速した。
電撃を纏った一閃がネクロデザイアに刻まれる。
さらに剣を払い上げ、魔女を打ち上げた。
ディケイドは気づいた。ネクロデザイアは避けなかった。
「すぐに兵士たちも死んだ」
ディケイドはカブトに変身し、クロックアップを発動した。
ネクロデザイアの動きが止まったようになる。
踵落としでネクロデザイアを叩きつけようと狙う。
「すべて、私が殺したからだ」
その声は、ハッキリと鮮明なスピードで聞こえた。
「くッ!」『ファイナルアタックライド』『カカカカブト!』
光を纏った回し蹴り。ライダーキックでネクロデザイアは大きく吹き飛んだ。
地面を何度もバウンドして飛んでいく。
「それが究極の魔法を生み出す唯一無二の感情」
ネクロデザイアは空中で体勢を整えると、ゆっくりと着地する。
気配を感じたのでチラリとそちらを見る。
キバがドッガフォームに変身しており、トゥルーアイを展開させていた。
ネクロデザイアの体がステンドグラスのように固まっていく。
しかしそこで何かアクションを取ろうとしたので、ディケイドは電王に変身するとアタックライドを発動した。
『オレ! サンジョーォ!』
「ンん?」
俺、参上。
ポーズをとるディケイドを見て、ネクロデザイアは首をかしげる。
するとそこで完全に魔女はグラスとなって固まった。
『バッシャーマグナム!』
『フォームライド』『キバ!』『バッシャー!』
同時に向けた銃口。
同時に収束していく水流。
引き金をひくと、二つの水流弾が発射されてネクロデザイアに直撃する。
「!」
ディケイドは息をのんだ。
二つの腕が水流弾を掴み取っていたのだ。
「魔法こそ、研ぎ澄まされた殺意というもの」
ネクロデザイアは弾丸を握りつぶし、そして――
「ンンンン!!」
唸った。
衝撃。そして胸を突き破ったサーベル。
ネクロデザイアが後ろを見ると、そこには夏美が変身した仮面ライダーキバーラが立っていた。
「何が殺意ですか! そんなものッ! 持ってたってなんの意味もない!」
「ほぉぉお……」
「魔法はもっと素敵なものです! ファンタジーはもっと……ッ! もっと!!」
そこでサイコキネシス。キバーラは一瞬で吹き飛ばされる。
ネクロデザイアは剣を引き抜くとすぐに投げ捨てた。
そこで力の気配を感じて振り返る。
『ドガバキエンペラーッス!』
『ファイナルカメンライド』『ディディディケイド!』
右肩がバッシャフォーム。左肩がガルルフォーム。胴体がドッガフォーム。そして仮面や腕、脚に見えるエンペラーフォーム。
全ての形態の力を収束させたドガバキエンペラーフォーム。
さらにディケイドはコンプリートフォームへと変身。
違っている点は胸にあるライダークレストが、それぞれのライダーの強化形態のカードになっている点だ。これを最強コンプリートフォームという。
「ボクたちはお前みたいなヤツには負けない!」
バッシャーマグナムの引き金をひくと巨大な水の塊ができあがり、そこへ黄金のエネルギーが纏わりつく。
キバはそれをドッガハンマーをバットのようにして打った。
ネクロデザイアは手を前にかざしてシールドを張った。しかし水流弾がシールドに触れた瞬間、粉々に砕け散り、弾丸は肉体へ直撃する。
「グゥウウウウウ!」
踏みとどまるが、すぐに見えた。
ザンバットソードとガルルセイバーを振るうと、赤と青の斬撃が次々と発射されて飛んでいく。
再びシールドとサイコキネシスを使って攻撃を遮断しようとするが――
「ォォオ!」
再びシールドが割れて、無数の斬撃が魔女を刻んでいく。
真っ黒な血をまき散らしながらネクロデザイアは倒れた。
すぐに立ち上がるが、そこで見えた二十枚のホログラムカード。
「ハァアアアアアアア!」『ファイナルアタックライド!』『ディディディディケイド!』
降ってきたディケイドの飛び蹴りを、ネクロデザイアは胴体で受けた。
悲鳴を上げながら何回転もしながら吹き飛び、やがて地面に倒れた。
「お前たちの野望は、ここで終わりだ」
「それは……、ありえない――ッ! ありえないのだ……!」
ネクロデザイアは一歩、二歩、そして三歩と進んだところで地面に膝をついた。
「魔女は、死ぬ――?」
倒れた。そして大爆発。
「やった……! これで!」
その光景は、ジュゥべえたちがフールズゲームの中にいる参加者たちにも見せていた。
「よかったぁ!」
まどかはホッと胸をなでおろし――
「桜花ちゃん!」
それは夏美も同じだった。
変身を解除して、すぐに桜花のもとへ駆け寄ろうと――
「え?」
ビシッッと、音がした。
夏美はその方向を――、空を見た。
青い空に広がる、赤黒いヒビ。
「知ってるよ」
足音が聞こえた。
「本当は何も面白くなんかないって」
可愛いドレスを着ていた。
「本当は怖くて怖くて仕方なかったって」
可愛いティアラをつけていた。
「でも笑うしかなかった。だってそうしないと……」
可愛いステッキを持っていた。
「知ってるよ。誰も、何にも助けてくれなかったって!!」
「な、なにを……?」
夏美は続きを言うことができなかったので、ディケイドが言葉を続けた。
「キミは……、何を言ってるんだ? 桜花ちゃん」
「あいつらが死んだのはお兄さんたちが強かったからじゃないよ」
桜花は、『桜』を彷彿とさせるピンクのドレスを着て歩いてきた。
「私が壊れてほしいってお願いしたからだよ」
「キュゥべえ! テンメぇええ……ッッ!!」
フールズゲーム内部。
珍しくニコが感情を露わにして、妖精たちを睨みつけた。
そこにいた人間は誰もが意味を理解して、青ざめ、驚愕し、中にはそういうことかとニヤリと笑っているものもいる。
「魔法少女を作ったな!」
そして、そのキュゥべえは無表情である。
『ボクはただ彼女に秘密を教えてあげただけだよ。そしたら力を貸してほしいというから、手を貸したまでさ』
ジュゥべえはヘラヘラと笑っていた。
『さすがは先輩。これでまた、宇宙延命のエネルギーが……! フハハハハハハハ!』
キミは人間ではない。ゲームのキャラクターなんだ。
だから死ぬことが仕事で、苦しめば人間の涙を誘う。
みんなが感動して、エモいとか口にして楽しむのだ。
つまりそれは、エンターテイメント。
故に。
魔法少女・桜花のお願い。
「こんな運命を架した世界なんて壊れてしまえばいい!」
苦しかったのに助けてくれなかった世界なんて、壊れてしまえばいい。
本物のみんなが笑っているのが許せない。
私は
そんなのおかしいよ。不公平だよ。辛いのに必死に笑顔を浮かべて耐えてきた私の苦しみが理解できるの?
無理だよ。
許せない。
ああ、もう全部――ッ!
「消えろ……、消えろ……! 消えろ、消えろ! 人間なんて消えてしまえばいいッッ!」
おめでとう。魔法少女・おうか☆マギカ。
今回の更新はここまでです。
後半はもう一応できあがっているのですが、まったく編集をしていないので。
まあなるべく早く更新できるように頑張ります。
12月とかになっても更新されずに活動報告にも何にも書いてなかったら、絶対に僕に何かあったので。
その時は、祈りを、捧げてください……(´・ω・)