Episode DECADE×FOOLS GAME 桜花ルート5034 作:ホシボシ
この『おまけ』は、私(ホシボシ)の他の作品も見てくれている人むけの話になります。
フールズゲームの軽いネタバレや、『今後やりたいなって思ってる(つまりまだ存在しない&内容変更や、やらない可能性もあり)』作品に繋がるようなシーンがありますので、そこは注意してください。
『ッたく! 神那ニコめ……!』
黒焦げでアフロのジュゥべえは恨み節をくどくどと。
『でもおかげで第三の騎士ともいえる彼を見つけることができた。そしてまさか、キミがここにいたとはね』
インキュベーターの先にはソファに座っている男がいた。
男といっても、茶色の髪は長く、中性的な見た目をしている。
『テオスと呼べばいいんだっけな?』
男は頷いた。
『宇宙の使者ともいえるキミなら、わかってくれるだろう?』
テオスは頷いた。
「かつて私は人を滅ぼそうとしました。ですが――」
レナがオムライスにハートを描いていた。
チラリとももこを見る。赤くなって、ハートをぐちゃぐちゃにして消した。
まなかと翔一が、ももこに、レナがハートを描いていたことを告げていた。
レナはブチ切れたが、結果としてももこに抱きしめられたので、あとで翔一たちにお礼のマカロンを送ることになる。
日曜のウォールナッツωは大盛況だ。
ももこが、必死にジャガイモの皮をむいており、厨房では応援の岡村シェフも駆けつけて三人で料理を作っている。
ホールではレナと、バイトリーダーマナティー先輩、さらに地下アイドルを経験したという、さやかっち、そして怪しげなイケメンの片桐もウェイトレスとして接客にあたっていた。
「――人は、人の道を、人が創るべきだと」
夏目かこは、同じマークを服につけた友人や、パートナーと一緒にラーメンを食べていた。
そこの親父はナルトで占いができるらしい。
かこは週間ナルト占いで『最高の娘』という、とても良い結果だった。
一方でパートナーは『紙一重で死ぬような人生』だった。
ふゆぅぅぅぅ、今週も終わりみたいな結果だよぉ。かわいそうだよぉ。
ナチュラルに煽られて、パートナーの男性は固い顔をしていた。
占いがなんですかこんなもの。ちょっと練習すれば僕にだってできますよ。
そうやってブツブツ文句を言うなかで、かこは美味そうにラーメンを啜っていた。
「アギトもまた同じであり、私はそれを見届けることを選びました」
さびれたボウリング場で綾野梨花は、おやつのガトーショコラを食べられずにいた。
後ろのほうでは未来の大先生が新人賞突破を目指すべく、ホワイトボードに『なぎたんギャル化計画なの!』と書きなぐっている。
ギャルは世界を救うの!
そうなのか画伯、知らなかった……!
そうなの!
そうなのー? 知らなかったよー! あーしが世界を!? いつの間に!
今も尚なの! さっそく最初の行動に出るの! 落ちたわたしを抱きしめて慰めてほしいの……。うぅぅ、ぐす!
こうか? なに、大丈夫だ画伯。世界が画伯の才能についていけなかっただけだ。
すぐに間違っていたのは世界のほうだと気づくだろう。
これなの!
この包容力こそがギャルなの!
ギャルはブラックホールじゃなきゃダメなの!
まじぃ? ギャルってふけーっ!
一朝一夕で理解できるものじゃないの!
ギャルはビックバンなの!
あーしは宇宙!?
さすがは画伯、勉強になる。ギャルは銀河ということだな。
などと、頭の悪い会話が聞こえる中で、梨花はため息をついた。
無理に食べる必要はないと、パートナーの小さな声が聞こえた。
梨花はありがとうとほほ笑んだ。
「ならば、魔法少女も同じことです。彼女たちが人であるなら。人であろうとするなら」
深海はディスプレイに表示される数値を見てニヤリと笑った。
次第に声が出る。
オーッホホホホ! 仲間たちも釣られて同じように笑っていた。
また悪いことを考えているのだろうか? 都ひなのは、うんざりした目で、それを見ていた。
「だから私は、私の世界の力を貸すことを見逃しました。人が審判を望むなら。今一度、人は人の可能性を示さなければならない」
やちよ。さな。鶴乃。フェリシア。
四人の少女たちの間を、黒衣の男が通り過ぎていく。
「もしも人がまた、未来に希望を託すなら、可能性は光となって具現するでしょう」
「概念の話だ」
星の骸。
ギアは、バッドエンドギアたちに説く。
イグゼシブ、アグゼル、蝉堂は特に険しい表情でそれを聞いていた。
フールズゲームに集まった神々の力こそ、最も注目するべきものであると。
まず一つ、それは円環の理。
鹿目まどかや暁美ほむらの中にあった女神の力。
世界のシステムであり、ルールである。
故に、二つ目がイツトリである。
忘却機構。システムはエラーを真実とした。
「そして三つ目、黄金の果実」
それは、鍵である。
「四つ目に至る。鍵」
そもそもなぜ、女神ですら把握できなかったレコードの少女たちを支配下に置くことができたのか。
それは四つ目『ゴールデンサークル』の真下にいる王が協力してくれたからだ。
覇道を行くがため、彼は魔法少女たちを攻撃し、ギアが有利になるように動いてくれた。
おかげで魔獣が支配することができたのだ。
マギアレコードを。
「そして五つ目こそが、この私。コアミラーなのだ」
ギアはけだるそうに頬に手をあてて、肘をついていた。
その中、胸部アーマーが外れて中にあった『鏡』がむき出しになる。
この概念が集中する異常なる世界こそが、フールズゲームの真の価値。
そして今、確信する。
「六つ目の概念。神たる存在の力を」
歯車がまた一つ、回り始める。
同じくて、テオスが語り始める。
「かつて、八体の女神がいました」
愛しき、マラークたち。
声を揃えし――
ジョバンナ
ユーホン
カムパネルラ
テレジア
ベアトリーチェ
エルフリーデ
サンドリオン
ゾラ
奇跡の世界・『楽園』に住んでいました。
「そして、楽園は滅びました」
はじまりはゾラの死でした。
彼女は木と変わり、枯れれ果てていました。
ジョバンナは彼女の死を悲しみ、祈りを捧げました。
それに応え、カムパネルラがダリアの花畑の中で目を覚ましました。
テレジアが答えに近づき、夢を見ていました。
ですが彼女は目を隠していたので、答えを見ることができませんでした。
ベアトリーチェが引き金を引きました。
ユーホンは自ら命を絶とうとして、真実に触れました。
カムパネルラが真実にたどり着こうとした時、彼女は拒み、沈みました。
ジョバンナが死にました。
無数の腕によって深い闇の中に引きずり込まれ、殺されたのです。
女神たちはネモフィラの花の中を走りました。
そこは楽園でした。
「………」
ダリヤの花の中、まぐわう影。
舌と舌が触れ合い、汗が互いの体を結んでいる。
「それは青い髪と桃色の髪でした。ですが、違います。それはおかしいです」
ダリアが目覚めた『世界』に、ジョバンナなど存在していないのですから。
それはただその空間が桃色なだけです。
ですので髪は、緑色でした。彼女は色を持てなかったので、簡単に染まります。
「世界は滅びました」
カムパネルラとテレジアがそこにいました。
「蝶が滅ぼしました」
女神の死体は眠るように草原の上に並べられていました。
「女神たちは滅びました」
テオスは遥か遠くを見ている。
「蝶は、滅びませんでした」
世界。
「蝶は生きています」
崩壊機構。
「名前は――」
「ジェハ」
ギアは、その概念の名を口にした。同じくしてテオスもだ。
「グレゴリー・ジェハの蝶」
テオスは未来を視ている。
「貴女は、何を望みますか?」
「すっ」
「………」
「もっ」
「………」
「もっ」
「あの。お茶とか……、飲みます?」
「すっ、もっ(いただきます)」
中沢は汗を浮かべていた。
仁美が召喚したのはタルトの友達の魔法少女だ。
タルトの生きた時代で、日本にいた魔法少女らしいが、異質である。
赤と、白と、青を基調にしたドレスに、キツネのお面をかぶって顔を隠している。
恥ずかしいかららしいが、本人は一切しゃべらず、キツネのお面からは変な鳴き声のような音が先ほどから聴こえている。
一方で香川たちは彼女が持ってきたものに夢中であった。
巻物をはじめとして、いろいろな画がそこにはある。
これは貴重であると。その中で、仁美が気になる絵を見つけた。
蝶が町を覆い、人々は笑っている。
一見するとそれは微笑ましい絵に見えたが、よく見ると端々に髑髏が転がり、血を流している人間も見えた。
そこで気づいた。人は蝶から逃げているのだ。
笑っているのは恐怖で狂ってしまったからだ。
「……慈衛羽?」
「よくわかりませんが、この蝶の名前らしいですわ」
「ふーん。なんか怖いね。きもいし」
「いろいろ書いてありますね」
「読めるんですか先生!」
「ええ。まあ、といっても、『すべて不快な糞尿の香り』『蝶に殺される』くらいしか意味を持っている言葉がありませんね」
お狐様と呼ばれた魔法少女が生きていた時代には、陰陽師と呼ばれる魔法少女がたくさんいたらしい。
彼女もその一人らしいが、そういう時代背景の一部であろうと思っていた。
しかし、その中で、なぎさは青ざめていた。
「これはひょっとすると、ひょっとするかもしれないのです」
ユイデータに属さない。ある種、それは超えたもの。
サラデータと名付けた。それを今、見つけたかもしれないと。
"彼女"は言っていた。
絶対にそれを、殺してくださいと。
でなければ、世界が、滅ぶ。
「万華『鏡』の、魔女……っ」
「……!」
鏡治はなんのことなく目覚めた。横には真由も寝息を立てている
「あんれぇ?」
「目覚めたか鏡治」
「ッ! アンタは……!」
博士は白衣のポケットに手を突っ込んで、ふんぞり返っていた。
「質問はあるだろう。OK答えよう。たとえばまずなんでココにいるのか? 答えは僕がサルベージしたからだ。そしてなぜ天王路真由がいるのか? 答えは彼女の境遇を考えればわかると思うが、新世界にて目覚めた彼女の存在は過去のものか、今ままでのものかという問題にぶち当たるということ。それを考えた時にどちらか一方の人格が主人格であると定義を作ってしまうと、面倒なので、お前らと過ごした人格のみをサルベージして肉体へ移すことで、純粋たる唯一無二の天王路真由を造れるからだ。そしてそれはお前のためでもあるわけであって――」
「ちょ、ちょっと! 待ってくれ! ああ、そうだ! 待ってくれ!!」
「同じ世界のよしみであるから――、って、なにかね?」
「もっとわかりやすく頼む!」
「協力が必要だ。同じ世界出身のキミならわかりやすいと思った。ガタックとしての力も十分だしな」
博士の後ろには助手がニコリと笑って手を振っていた。
今はおやつのタピオカミルクオイルを啜っている。
その隣には鏡治は見たことがない二人の少年と少女がいた。年齢は高校生くらいで、鏡治とそう変わらないように思える。
「エイトくんと、まどかくんだ。僕の優秀な助手だよ」
「はじめまして、俺は――」
「挨拶は後で。とにかくこれを見てくれたまえ」
博士は指を鳴らす。
すると通路がライトアップされ、左右に飾られた無数のドライバーが見える。
鏡治は驚き、思わずそこに駆け寄った。
なぜここにこれが? そう言おうとして、やめた。
なぜならばその細部が違っている。つまりこれは見たことのある。見たことのないドライバーなのだ。
「クウガドライバー」
博士は初めにあるものの名前を告げる。
そして次々に名を告げていく。アギトドライバー、龍騎ドライバー、ファイズドライバー、ブレイドライバー、響鬼ドライバー、カブドライバーマークツー、電王ドライバー、キバドライバー、ダブルドライバー、オーズドライバー、ウィザードドライバー、鎧武ドライバー、ドライブドライバー、ゴーストドライバー、エグゼドライバーネオ、ビルドライバーアルファ、ジオウドライバー。
「そして、ディケイドライバー・ガタックエディション。キミのものだ」
「これは……!」
「やがて、革命がおこる。民は着実に武器を用意していき、王を殺す刃を研いでいく」
「王……?」
「そう。時代に囚われた愚かな暴君! オーマジオウ!」
既に紅渡と話はつけてある。博士はそう言って振り返り、ニヤリと笑った。
仮面ライダーを神格化しようとする王にとって、正史の神器を魔改造されるのは、不愉快極まりないことだろう。
しかも聞けば、ヤツは正しい歴史の中にいる
面白いと、
「さあ、王座を獲りに行くぞ!」
一瞬で彼の姿がフォーゼに変わる。
変身プロセスもなければ電子音もスチームもない。まさに一瞬だった。
当然だ。フォーゼドライバーなどという『化石』に拘る理由など、一つもありはしないのだから。
助手が持っていたタブレットの画面が付く。
まだ紙に拘っている人間がいるのならば教えてあげたい。
電子書籍という便利なものがあると。
画面の中の本のタイトルは、もちろん『Episode DECADE』だった。
「はじめにあの玉座に座るのは、我々こそが相応しい!」
ディケイドライバーが投げられた。
反射的に受け取ってしまった鏡治は、これから先の未来を想像して、覚悟の表情を浮かべたのだった。