ここは場末も場末の酒場『ゴブリンのでべそ』
今日も今日とて、いつもの四人はいつもの席で酒をかっくらう。
そんな時、リーダーであるアルトがぼやく。
「ハーレム欲しいいいいいいい」
「開幕から最っ低だなコイツ」
ラッドが何言ってんだコイツと言う目をしてそう言い
「そもそも、一対一のお付き合いさえマトモに出来てないのにハーレムなんて出来っこないでしょ」
と、アイーシャがツッコむ。
「そもそもお前にそこまでの魅力や器量があるとも思えんが」
トドメとばかりにラスターのダメ出しである。
「何だよぅ!良いじゃんか!!夢見たって良いじゃんかー!!」
すでに一人で酒瓶を四つは開けているからかアルトはもう出来上がっており、いつもより妙に構ってちゃんモード全開である。鬱陶しいのである。
「いやまぁ、気持ちはわかるぜ?アイツらとまた鬼ごっこするハメになったんだもんなぁ…」
ラッドはそう言うと、苦笑いを浮かべながら先日の合コンを思い出す。
なんとか例のポイントで逃げおおせたのは良かった。
その後直ぐにまた冷たいシャワーを浴びることにはなったが。
まぁ、後ろの方は取り敢えず無事である。
そもそも本来ならあの時可愛い子が来ていたはずなのである。
しかし、あの時素直に普通の飲みに切り替えられていたら、なんて言うのはたられば以外の何でも無い。
まぁ、事情が事情だから仕方ないと言えばそうなのだが、今の酔っ払いアルトには関係ない。
「なんだよーー!オレより客優先かよーー!!」
「そりゃそうだろ」
「店に金落としてくれるんだから、そりゃそーでしょーよ。しかも太客でしょ?合コン理由に帰られたらアタシならグーで殴ってるね」
「文句があるなら、お前も太客になればいいのでは無いか?もっとも、そんな金も無いだろうが」
「あったらこんなとこで燻ってない定期」
「同じく」
「おみゃーーらに人の心はにゃーーのか!!」
「アルト、方言方言」
「あー、スマン」
ひと通り騒いで楽になったのか、アルトはとりあえずはおとなしくなった。
「いいかーー、お前らー」
ヒック
「合コンがハズレのときはー」
ヒック
「即時退却するのも勇気だぞー」
ヒック
「しゃっくり混じりにとんでもないことを言うんじゃ無いわ」
「そう言うとこなんだよなぁ、コイツにロクな出会いがねぇの」
欲望がダダ漏れ過ぎるのも問題である。
お陰で
因みに告白時点での轟沈回数はパーティ内No. 1である。
「ちくしょーー!見る目のない女どもめ〜〜!!」
アルトは吠える。が、それも虚しく店内のざわめきにかき消される。
「まぁ、女性側の見る目は確かよな」
「将来性がなぁ…」
「ま、そだよねー」
こうしてアルトはいつも以上に酒代を使い、翌日青ざめたのだった。