それはさておき、新作ランキングに載りました。やったぜ。
文才が無いのに名シーンを書こうとするから、なんかめっちゃごちゃついてるけど・・・それは許してください。
住宅街の細い通りを少年──緑谷出久は歩いていた。
あの後、吹き飛ばされた
そして緑谷はヒーロー達にはものすごく怒られた。
それもそうだ。確かにあのまま何もしていなくても、オールマイトが助けてくれていたはず。
むしろ、もし緑谷が前に出るタイミングがもう少し早ければ、今頃死んでいたかもしれない。
逆にかっちゃん──爆豪勝己は称えられた。
タフネスもそうだが、無意識とはいえ
ヒーローから
「ハハ、やっぱり敵わないや・・・」
将来偉業を成すヒーローの一人に、かっちゃんも数えられるんだろうな。
・・・偉業といえば。
(オールマイトに謝りたかったな。帰ったらHPにメッセしてみようかな)
神々しく輝くオールマイトの姿を思い返し、ふと顔が熱くなる
「デク!!!」
「かっちゃん・・・」
噂をすればナントヤラ。
振り返るとそこには爆豪がいた。
震える拳と唇を締めながら、フツフツと言葉を吐き捨てる。
「テメエに助けなんか求めてねえぞ!助けられてもねえ!あ!?なあ!無個性の出来損ないが見下すんじゃねえぞ!!!」
言いたいことは言い切ったのか、踵を返してしばらく歩くと、「クソナードがッ!!」と最後に吐き捨てた。
さっきまで
(・・・かっちゃんの言うとおりだ。僕は何かできたわけでも変わったわけでもない。でも、良かったよ。これで自分の身の丈に合った将来を目指せる)
怒る気などさらさらない。
彼の言っていることは(言葉は荒いが)本当の事なので、怒る方がむしろ筋違いである。
さて、取り敢えず家に帰って、オールマイトのHPにメッセを送らなくては。
トボトボと足を家へと進めようとしたとき、また背後から声が聞こえて来た。
「わ~た~し~が~・・・・」
「・・・え?」
何度も聞いた声なので、間違えることはない。
しかし"誰"という疑問よりも、"何故"という疑問が打ち勝ち、思わず振り返ってしまう。
「少年の前に来たァァァ!!!!!」
「オ、オオオオオールマイトォ!?!?!?!」
路地から飛び出た巨漢の男。
正真正銘それはオールマイトだった。
「何でここに?!さっきまで取材陣に囲まれて・・・」
「抜けるくらいワケないさ!何故なら私はオールマイト!」
「理由になって・・・るのかな!?」
さて、茶番はこれまで。
オールマイトはその笑みを崩し、真面目な顔になる。
「少年。私は君に謝罪と訂正・・・そして提案をしに来たんだ」
「へ?」
するとオールマイトは、キッチリ90°の深い謝罪を緑谷に向けた。
「私は君のことを無個性ということだけで、『ヒーローには向いていない』と、そう発言してしまった。申し訳ない」
「いや、僕が無個性なのは本当の事ですし、それに僕はあの時何も出来な──」
「そんなことはない!!!」
自分でもびっくりするほどの、心からの唐突な叫び。
ビクンと少年の肩が震えた。
「あの時、君が駆け出した時!君以外には誰も動いていなかった!!」
「
本来動くべきヒーローも。
本来声を掛けるべき民間人も。
あの状況で誰も動けなかった、その中で一人だけ。
「トップヒーローの多くは学生時代から逸話を残している。そして彼らの多くはその話の最後をこう結ぶ!
と!!」
その時、少年の眼から大粒の涙が生まれた。
折れた未来。
絶たれた将来。
本来進めるはずが無かったその光の道を。
その眼でまるで見たかのような、感動の涙だった。
「君もそうだったんだろ!!」
嗚咽混じりに、一生懸命に少年は首を振る。
《vib:1》「・・・・・うん・・・!」
ならば、答えは一つ。
満面の笑みで、溢れた涙を抑えることなく、膝から崩れ落ちた彼に優しく告げる。
夕日を背負い、己の影が少年を抱くように包んだ。
◇■◇■◇
嗚咽が住宅街に響く中、天からの恵みを受けるが如く両手を広げる。
そして笑みを作ると、少年に語る。
「君なら私の"力"受け継ぐに値する!!!」
「・・・へ?」
ズブズブに濡れた顔でこちらを見つめる緑谷。
しかも膝から崩れ落ちた時に打ったのか、額が赤くなっていた。
「HAHA!!なんて顔をしているんだ!?「提案」だよ!本番はココからさ少年!!
「・・・チカラヲ・・・?」
状況が呑み込めないのか、口も体も言葉も全てカタコトになっている。
しかし、そうなるのも頷けるというもの。
「そう、"力"。正確には、私の"個性"の話なんだけどね。写真週刊誌やらヒーロー雑誌やらでは、幾度となく『怪力』だの『ブースト』だのと呼ばれていた。インタビューでも個性を聞かれた時は爆笑ジョークでお茶を濁してきた」
ちなみにだが、ネット上にある『オールマイト個性予想ランキング』で第一位に君臨しているのは、『寒いギャグを言うとその分、爆発的な力が体内に溜め込まれる個性』である。第二位は『怪力』で、第三位は『つまらないことしか言えないかわりに超人になる個性』だ。
「"平和の象徴"オールマイトは、ナチュラルボーンでなくてはならないからね!」
髪をかき上げ、額のVサインをビンと立たせる。
「私の個性は、聖火の如く引き継がれてきたモノなんだ!!!」
「引き・・・継がれてきた・・・もの・・・!?」
「そうだ!個性を"譲渡"する個性であり、私が受け継いだ"個性"!冠された名は
「ワンフォー・・・オール・・・」
喘ぐように呟く緑谷に、ウムと大きく頷く。
「一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また培い次へ・・・そうして救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶!!!」
「・・・でも、なんでそんな大層なものを僕に・・・なんでそこまで・・・」
「元々後継は探していたんだ。そして君なら渡してもいいと思ったのさ!!
"無個性"でヒーロー好きな君が、
少年の乾いた瞳にまた涙が溢れ、光の反射が眩しく映る。
「しかし受け継ぐかどうかは君次第だけどさ!さあどうする!?」
少年の瞳から涙が零れる前に、それを腕で拭う。
そしてゴシゴシと何度も拭くと、覚悟を決めた顔でこちらを見つめた。
そこにはさっきまでの、泣き虫の少年はいなかった。
「お願い・・・します!!」
「即答か!しかしそう来てくれると思ったぜ!!」
少年に手を伸ばす。
そして少年も手を伸ばし、そして固い握手が結ばれた。
「よろしく頼むぜ!!・・・えーっと名前は・・・」
「み、緑谷出久です!!!」
「ウム!いい名前だ!!緑谷少年!!」
少年の手を握り、思いっきり引っ張り上げた。
少年は多少よろめきながらも、何とか倒れることなく立ち上がる。
「す、すごい!オールマイトと握手しちゃった!しかも名前まで呼ばれた!!これは右手を一生洗わないで、でも戦う時にどうせ右手は使うだろうし、やっぱり洗った方がいいかな?いやでも待ってこれって戦う時だけ手袋すればいいんじゃないのか?そうだよ、そうすれば右手も汚れることはないしオールマイトの右手を触れたこの状態を維持できる!」
緑谷の眼は虚ろに輝いており、オタク特有の陰気なオーラを醸していた。
オールマイトですら引くレベルだ。
「私の目の前でそんな話をしてくれないでほしいかな!」
「あ、すみません!!」
「それに手袋なんてつけてたら、
「トレーニング・・・?一体何を?」
「それは明後日のお楽しみさ!HAHA」
その後、緑谷との連絡先を交換し合い、詳しいことは明日の夜連絡すると伝えた。
そして名残惜しそうな顔をする緑谷を置いて、オールマイトは空へと跳び去っていった。
君はヒーローになれる
マッスルフォーム版。ちなみに情景的にはデクの前に仁王立ちしてる感じ。
傍から見たら割と犯罪的な絵じゃね?
オールマイト個性予想ランキング
オリジナルランキング。でもヒロアカ世界の2chとかで結構スレ立てられてそう。
ちなみに四位は『ブースト』で、五位は『オールマイト』らしい。
次回はオールマイトの体を調査すべく、ある男が参上します。
先に言っておきますが、そこまで意外な人じゃないです。
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