三階の覇王 ~異世界最強の覇王の肉体は、しかし異能力の才能までは宿していなかったようです~ 作:鷲野高山
ただ、キャラ設定的にそういう感想、発想は抱くだろうなという。
マイルドな表現にはしていますが、もしも不快に思われることがありましたら申し訳ありません。
――【客将】立ち絵お披露目他重大告知予定【大魔王ディルニーン】――
『フハハハハッ、余の配下共よ待たせたな、会合の時間であるっ!』
・コメント:ははぁ~
・コメント:きちゃ!
・コメント:ついに客将も本格デビューか!?
・コメント:胸アツ
・コメント:客将きゅん回キター!!!
・コメント:立ち絵期待
・コメント:重大告知も気になるところ
開口一番の高笑い。それとリンクして、画面の中の漆黒の衣装に身を包んだ銀髪の偉丈夫が呵々と大口を開ける。
と同時に、流れるコメント群。
お決まりの挨拶、開始への歓喜、配信タイトルについての言及等々。
その反応は様々であるが目を走らせたその瞬間には次々と増えていき、開始したばかりだというのに――だからこそということもあるが、配信として盛況であることが伺える。
『クククッ、中々に期待されておるようではないか、客将。当然よな、何せママは余のママたるえりくさーたんだ、女児キャラでないのが惜しいがそうでなくとも宝玉より勝るというもの。……さて客将、何故この場にいるかは、無論分かっておろうな?』
『ゲームだな! 言われた通りに持ってきている、早速始めるか?』
『戯け、それはもののついでよ! これより貴様の分け身を顕現させると言っている、感涙に打ち震えながらえりくさーたん――余のママへと平伏するのだ!!』
『ぬ……分け身、とな?』
が、それはそれとして。
肝心の主役、当事者たる播凰――もとい客将はきょとんとして理解が及んでいない。いや、数回であれどこの状況が配信をしている、即ち今正に己の言動がこの場にいない他者に見られ聞かれているというのは流石に把握している。
問題は、その配信の内容だ。今回は最強荘一階の一裏万音、もといVTuber大魔王ディルニーンの部屋にゲームを持参している状況である。それだけを指示され、しかし他は何も聞いておらずに今に至るのであった。
・コメント:ちょwww
・コメント:分かってなくて可愛い
・コメント:草
・コメント:本人に言ってないのかよw
・コメント:わざとらしいな
・コメント:天然キャラだとしてもちょっと……
とはいえ、そんな事情を外野は知る由もない。
焦らすような茶番――本人にそのつもりはないのだが――に、突っ込みや笑いがコメントで起こる。
大半は楽しむような好感触であったが、けれど混じるように険のあるそれもちらほらと。
『全く、無知蒙昧にも程があろう。えりくさーたんの子という大いなる栄誉が与えられたというのに、それを理解できぬとは嘆かわしい。ここは、あの伝説の神ゲーである『ロリっとスーパーパラダイス』のキャラを手掛け、且つこの大魔王のママたるえりくさーたんの偉大さを配下共々にしらしめたいところではあるが――』
けれども、特にそれらに反応をすることなく。はぁ、と大きく息を吐きだしたディルニーンは大仰に頭を振り。
『――仕方あるまい、長々と語るは無粋故。そら、余のママたるえりくさーたんの威光に頭を垂れるがよい!』
画面が切り替わると同時に、その絵は浮かび上がった。
髪の色は黒。まるでやんちゃさを表すように程よく乱れ、そして跳ねた毛先はツンツンとしている。
大きめの瞳は黒に近い濃褐色で、口元が真一文字に引き締められた顔つきはどこか幼げ。
衣装のデザインはディルニーンも纏っている漆黒のコートに近いのだが、こちらは薄緑色。そして何より目を引くのが胸の部分。『客』の一字が堂々と、金字で達筆に表現されている。全体のデザインに対してその一部分は浮くように見えて、しかし不思議と馴染んでいた。
・コメント:おおっ!!
・コメント:カッコイイ!
・コメント:可愛い♡
・コメント:一瞬ダサイと思ったがそんなことはなかった
・コメント:流石えりくさーさん!
・ユーシャJ:魔王と似た衣装なのは複雑ですが、素晴らしいですね
わっと、コメントの流れる勢いが増す。
カッコイイ、カワイイ等々方向に統一性はないが、リスナー達からも概ね高評価のようだ。
その様に満足気に高笑いを挟み、ディルニーンは会話を振る。
『どうだ、これが貴様の姿よ。余からの注文は一つ、あくまで
『ふぅむ、確かに見事なものとは思うが、これが私とどう関係が……ああ、もしやお主のそれのようなものということか、大魔王?』
それ、というのはつまり一裏万音の行動に合せて画面の中で動く
一度は思案するも、近くに分かりやすく似たものがあったことが幸いし、当たりを付け。
好奇に瞳を煌めかせて試しにひょいひょいと動いてみる播凰であったが、けれどディルニーンと違い客将の絵は動かない。
『むっ、これは動かぬのか?』
『当然であろう。貴様に与えしは、今は一枚の絵――立ち絵に過ぎん』
現実で首を傾げる播凰と、仁王立ちをしたままピクリとも動かない画面の中の客将。
その疑問をろくに説明することなく、ディルニーンは一蹴する。
『ふむぅ、色々と不思議ではあるが……まあよい、大魔王の母君、えりくさーたん殿といったか。つまり、その者が私のために動いてくれたというわけか。ならば信賞必罰、此度の良き働きに対し、褒賞を――』
『戯け! それは大魔王たる余の役目よ、貴様はただ感謝の言葉を紡げばよいのだ!』
『……そうか、ではえりくさーたん殿。見事な絵と働きに、礼を言おう』
正直なところ、流されるままというのもあるが。そもそも、絵についてそれほど詳しくはなく知識もない。
けれど、繊細な線の引き方に色使い等、労力が注がれていることは分かる。評論家ではないがために小難しい賛辞は口にできないが、見事と思ったことは事実だった。
・えりくさー:ははーっ、ありがたき幸せ、、、なんてね?
・コメント:えりくさーさん!
・コメント:にしても、えりくさーさんの男絵ってかなりレアじゃない
・コメント:えりくさー絵師といえばロリっ娘だからな
・コメント:大魔王様のママの時点で今更
・コメント:ディルニーン様の幼女verもありか。。?
・ユーシャJ:絶対にないです
『愚か者が、余は幼女を愛でたいのであってなりたいわけではない。――が、幼女となりて幼女を愛でるのも悪くない、か?』
『むっ、絵に加えて異性にもなれるとは増々……あぁ、褒賞といえば大魔王よ。私にゲームを買う資金を献上してくれた者達にも考える必要があると思うのだが、どうなのだ? 他国の民だ、戦利品というわけでもなしに、一方的に受け取るばかりというわけにもいくまい?』
ふん、と最初こそリスナーのコメントに吐き捨てるように鼻を鳴らすディルニーンであったが。ややあって、一考するように呟きを漏らす。
その呟きにまたしても首を傾げ、しかしふと思い出したように。客将の声が配信に載った、刹那。
・コメント:ボイス出して
・コメント:気にしないでいいよー
・コメント:また客将が戦ってるとこ見たい!
・コメント:楽しんでゲームしてくれればおけ
・コメント:もっと配信出ろ
・コメント:シチュボ希望
・コメント:客将の声カッコカワイイ少年系でかなり好き
・コメント:ゲーム配信!
・コメント:ゲームしてるとこ見せて
・コメント:対人戦の実力見せて♡
『ボイス、とやらはよく分からぬが……そうか、この身――おっと、今は客将だったな。ともあれ我が戦いを見たいときたか! うむ、よかろう!!』
『安請け合いをするな馬鹿者。企画はおいおい余が考えてやる故、今宵は購入したゲームのプレイを見せるがいい。元々その予定だったのだ、そして配信の最後に重大告知――になるかは決定していないが、とある発表を行う。では客将、魔王征服伝の準備をせよ』
『そうか? ならばうむ、ゲームをやろう。勇者救世録の方は少し進めているがそちらは初めてだ、胸が躍るな!』
分からないものもありつつ、戦いを見たいというコメントに客将として上機嫌に笑いが漏れる。
が、ディルニーンにより即座に軌道修正。
ただゲームもゲームでやる気十分であったので、待っていたと言わんばかりにいそいそと準備していたゲームを起動、その画面が配信画面にも映し出された。
――『魔王征服伝』
背景には雷鳴が轟き、その稲光がおどろおどろしいフォントのタイトルと、その下にある漆黒の玉座を浮かび上がらせる。
はじめからを選べば、まずはゲームの大まかな説明だ。
魔族を纏め上げていた魔王が崩御し、その跡目を巡り対立をはじめ好き勝手に暴れはじめた魔族達。時に同族を、時に敵対する人類を相手に、魔王として世界に君臨せんがためプレイヤーは魔族の一人として時代に名乗りを上げる、というのが大雑把なストーリー。
そして、キャラクリエイト。
この辺りは先日にジュクーシャと共にプレイした『勇者救世録』とほぼほぼ同じであったため、するすると進めるかに思えた、が。一時停止でもされたかのように、ゲーム画面が止まる。
『……話は大体分かった、つまり戦って世界を制すればよいということだな。だが、勇者の方は人間という話であったから想像できたが、魔族やら魔王というのが如何なる存在であるのかがいまいち――』
困ったのは、魔族や魔王という存在に対する理解。
人類と区別しているということは、少なくとも人間ではないのだろう。
だが、人間とは、自身とは違うとなれば、ではどのような容姿なのかと考え。
『待て客将、貴様何故そこで余を見る』
『うむ、身近によい参考例があると思ってな!』
一拍の間を置いて、コントローラーを握る手は再び動き出し。やがて、出来上がる。
高身長、痩せぎす、色白の肌ではあれど人間とほぼ変わらない見た目。だが、特徴的な紅と蒼のオッドアイ。そのキャラクター名を――。
――でぃるにーん。
・コメント:草
・コメント:www
・コメント:ひらがななのが味がある
・コメント:いいぞ、客将!
・コメント:大魔王様とはちょっと特徴違くない?
出来上がったのは大魔王ディルニーン、の現実としての姿である一裏万音の容姿を参考にしたキャラクター。
『……フン、仮初とはいえ余の名を騙るのだ、不甲斐ない姿を見せるでないぞ』
機嫌がいいとはいえないながらも大魔王の一応の了承を得て、
――GAME OVER。
『……無様を晒すなと、そう言ったはずだな?』
『しかし武器を持っておらず、術でしか戦えぬというのがなぁ……間合いもそうだが、攻撃範囲もいまいちしっくりと来ぬ。だいたいこの術というのは、天能術とは別物なのか?』
――GAME OVER。
『うぅむ、例え武具がなかろうと少しくらい拳や脚での攻撃はできるだろうに。先程からこう、そわそわと全身が落ち着かないな』
『……フン、脳筋で済む勇者などと違い、魔の王の戦いとはスマート且つ圧倒的でなくてはならぬ。己が肉体を恃むまでもなく、雑魚ぐらい近づける間もなく灰燼とかせ』
――GAME OVER。
『ハァ、ここまでくると呆れて物も言えん。余が許す、難易度を下げよ』
『直接ではないとはいえ、戦うことがこうも難しいとは。勇者の方はまだ武器があったので分かりやすかったのだが』
・コメント:じいちゃんが初めてゲームした時を思い出すなぁ
・コメント:下手くそwww
・コメント:本当にゲームやったことないんだなってのが操作から分かる
・コメント:見ててこう、なんかもやもやする
・コメント:ただまあ平凡なプレイよりはある意味見応えはあるっていうか
・ユーシャJ:その調子ですよ! 魔王など、もっとボコボコにされればいいのです!
・コメント:ゲームが上手くない客将きゅんも可愛い
序盤から主人公が力尽き――即ち、ゲームオーバーが乱発。
なんなら、勇者のゲームの方より苦戦している。
理由はその攻撃方法。最初から武器を所持して近接メインであった勇者と異なり、この魔王のゲームの主人公は術を得意としている。その若干癖のある操作に振り回されているのであった。
ただ、見ていられないとディルニーンからストップがかかり、難易度をデフォルトの普通から簡単へと変更。
それが功を奏し、また癖のある攻撃方法にも少しずつ慣れてきたためか、危なげながらもステージをクリアしていき。
――逃げるオークを撃破しろ!
『むっ、何やら見覚えがあるような……おお、思い出した、勇者の方のゲームで見たな!』
勇者の方にも存在した、逃亡する敵、その大将を逃がすことで強制敗北となるステージ。
狙ったのかは定かではないが、奇しくも同名であり標的もまたオーク。
オークといえば、最強荘地下で遭遇した十三階の住人が脳裏をよぎるが。あの不意の遭遇以来、その姿は見ていない。
『時間制限が他より短い特殊戦闘、追討戦のマップか。疾く、殲滅せよ』
『うむ、任せよ! ゲームの始め方を教わった時に、勇者の方では逃亡を許してしまったものの、助言は聞いている!』
そして、そういった場合の攻略法。それはつまり、ジュクーシャから聞いた。
『敵を無視して進めばよいのだろう? 向かってくる敵の相手をしないというのは今まで考えたこともなかったがな!』
・コメント:考えた事もなかったって…
・コメント:脳筋かw
・コメント:だからって別に敵全員をスルーする必要はないんだけどね
・コメント:極端すぎるよ客将
・コメント:まあ見つけた敵は全部倒したいっていう人もいるにはいる。というか俺がそう
道中の雑魚敵を無視して、真っ先に大将に狙いを定めること。
それは自身に刃を向ける者は皆等しく戦うべき相手としてきた彼からすれば、絶対に選択しなかった動きでもある。
であれば、無視なら無視と。遭遇した敵に一度も攻撃を放つことなく、戦場マップを駆けまわる主人公。
『はて、大将首はどれか』
『……一応聞くが、客将。貴様、真面目にやっているのだろうな?』
『無論、私はいつでも大真面目だ!』
が、本来雑魚敵の撃破にかかる時間を移動時間に回したところで、目的の場所まで辿り着けるかはまた別問題。
そもそも、逃亡という条件の関係上、敵の大将はプレイヤーである主人公から遠ざかって行っている。つまり、常時その位置が変わっているのだ。加え、道中無視をしていた敵が主人公を追ってきたことで画面がわちゃわちゃし、どれが大将首であるかが判別できていない。
・コメント:右、右
・コメント:そっちじゃない、逆!
・コメント:今ボスの真横通ったんだが……
・コメント:おい、スタート地点に戻ってんぞw
・コメント:あああー
・コメント:ポンコツ可愛い
・コメント:やっぱキャラじゃなくてガチの天然ぽいな
・コメント:方向音痴すぎて草
刻一刻と時間制限が迫りながらも、撃破数が0のままうろうろと右往左往する主人公キャラに。しびれを切らしたようにコメントから指示が飛び始める。
その中に段々と毛色の違うものが混じって来たのは、画面右上に制限時間が強調されるよう赤色で表示されはじめた時だった。
・コメント:これはあのルート突入きたか
・コメント:まさか初見でいく人がいるとは
・コメント:どうせ攻略サイト見たんだろ
・コメント:何々、こっからなんかあるの?
・コメント:疑わしいけど、まあ初プレイとは言ってないしな
・コメント:未プレイワイ、どうなるか期待
・コメント:いやいや迷うのは初心者あるあるでしょ
・コメント:助言ていってたしその人が知ってたんでないの
・コメント:勇者の方にほぼ同じステージがあるのは事実。あっちはルート分岐ここじゃないけど
そういったコメントが加速していき、画面に異変が起こったのは一拍遅れてのこと。
時間が終わりを刻みタイムアップになったかと思われたその瞬間、映し出されたのは。もはや見慣れたといっていいGAME OVER画面、ではなく暗転。
『む、なんだ、画面が消えたぞ!?』
――オークと同盟を結びました。
突然画面が真っ暗となったことで、半ば反射的に客将はガチャガチャと適当にボタンを押下。結果、気付いた時にはそんな文言が画面には表示されていた。
『……同盟? 降伏させたのではなく、か? そもそも、今何が起こったのだ?』
・コメント:……このマップで敵を一体も倒さずタイムアップになった時の特殊イベント
・コメント:同盟ルートのストーリーに入れる
・コメント:そのムービーをスキップしたっぽい
・コメント:草
・コメント:通常ストーリーじゃ倒すしかなかった、一部の特定の敵を味方にできる隠しルートね
・コメント:へー、そんなんあったんか
・コメント:攻略サイトで初めて存在を知った
・コメント:客将キュン、凄い♡
『しかし同盟、同盟か。モンスターやら魔族やら魔王やら色々とこんがらがってきたが、同盟も結べるとなると、オークというのは存外見た目以外は人とそう変わらぬのではないか?』
『…………』
『ともあれ、味方となるならばよい。さて、予期せぬことではあったが勝利したようだし、次の――』
『――いや、丁度良い頃合いだ、ゲームはここまでとせよ客将。この後は重大告知、となるやもしれぬ発表をする』
『ほぅ、重大とな? 分かった、止めよう!』
なにがなんだかと思いつつ、敗北せずに済んだとやる気満々に進めようとした客将。
それをなにやら普段とは違い硬く厳かな声で、ディルニーンが制止する。その雰囲気、そして重大という発言に、素直にゲームが切られる。
『オホンッ! さて、余の配下の者共よ。この大魔王に向け先日、不遜にもとある一通の報せが届いた』
・コメント:報せ……?
・コメント:まさか
・コメント:大魔王様にもやっと案件が!?
・コメント:コラボくるー?
・コメント:イベントとか?
『言ったであろう、あくまで重大告知の予定であり、告知となるやもしれぬと。つまりまだ正式決定ではない。……客将、その者は貴様も同時にご指名だ。故に、この場にてその可否を貴様に問う』
『む、指名? もしや、戦いの申し込みかっ!?』
『ふむ、戦いといえば戦いよな。配信の場での共闘、という意味では』
『……?』
困惑する客将をよそに、ディルニーンの操作で配信画面に一つの変化が起こる。
現れたのは、異国の装いをした金髪の少女の、絵。
・コメント:キター!!
・コメント:コラボキター!!
・コメント:おっ、ジャンナ・アリアンデか
・コメント:ジャンナだ!!
・コメント:初コラボが企業勢と!?
・コメント:よくあっちが許可出したな
・コメント:なんか前コメントしてたし、ある意味納得
『ふーむ、つまりどういうことだ?』
『コラボ――即ちこの者、ジャンナ・アリアンデと合同会合の誘いが来た、ということよ。余の軍門に下りに来たともいえる。そしてその返事、客将への問いはこの配信にて行うというのは、向こうに知らせている。立ち絵を出すこともな』
・コメント:あ、流石に独断じゃないのね
・コメント:いや軍門て
・コメント:知名度も登録者数もあっちの方が数段上なんですがそれは……
・コメント:大魔王は好きだけでジャンナも好きだからちょっとイラっときた
・コメント:まあ大魔王様のキャラということでひとつ
・コメント:初コラボwktk
『合同会合……そういえば確か、このジャンナという者も配信者――VTuber、と呼ばれるのだったな? 前に調べたような気がするが……うむ、詳しい情報は忘れてしまった!』
『仕方あるまい、質問があらば余が答えてやろう。同業者として、それなりに頭には入っている』
ディルニーンの配信の始まり文句である会合。それが配信を指すならば、合同が着くことで何となく理解はできた。つまり一緒に配信をやることのだろうと。
ジャンナという少女の絵についても、以前学園にて矢尾に教えられた記憶があるのをぼんやりと思い出す。
なんだったかと思い出しているそんな折に、聞きたい事はと振られ。ついつい、口を開く。
『そうか、では前々から気にはなっていたのだが――』
そう、気にはなっていたのだ。
今日の配信の最初の出来事もまた、不思議だと捉えていたのだ。
『――何故、お主も、このジャンナという者も。己の顔ではなく、絵を介して喋っているのだ? その行為には一体何の意味があるのだ?』
刹那、ピタリとコメントが止まった。
あ、とか、え、とかそんなただの一文字も流れず、ピタリと。
とはいえ、それらコメントはあくまで文字。仮にあったところで、しんとした空気に影響を及ぼすことはなく。
『……フン、だから貴様は
まずは火種要素その一。
前書きの通り、VTuberを貶める意図は一切ございません。
文化が異なる主人公としては単純な疑問という話となります。