【東方狂神父】アンデルセン神父が幻想入り 作:トマトマトトトママトマトトトマト
年明けと同時に投稿しようと寝落ちしてから多忙に次ぐ多忙…気がつけばはや5ヶ月…
お気に入り小説を読もうとするたびに一番上に出てくる「執筆中小説一覧」に抱く罪悪感…
重ね重ねお詫びします。
どうか、どうか見捨てないで…
アンデルセンと小鈴の間で勝手に纏まった話に、霊夢が気怠げに告げた。
「あー、私は帰るわよ。探し物までは良かったけど、流石にそこまで付き合う気にはなれないわ」
「……そうか」
最初に言っていた目的は果たしたので特に文句は無いが、とても他人を案内する立場の態度とは思えず、アンデルセンは内心で何度目かの溜息をつく。
やはり異教徒…というよりこの女は礼儀がなっていない。
「先に神社に戻ってる。気が済んだら帰って来なさい」
「………了解した」
言うだけ言うと霊夢は飛んでいってしまった。
………………何?
「飛んだだと?人間が?馬鹿な!!」
ここに来てから何度もカルチャーショックを受けたが、これは流石に見逃せなかった。というかそれどころではない。
空を自由に飛び回るなど、アンデルセンは勿論、
「小鈴さん!あれはどういうことですか!?」
「ここにいる人は大体何かしらの“能力”を保有しています。霊夢さんは『主に空を飛ぶ程度の能力』、私だったら『あらゆる文字を読める程度の能力』ですね」
普段のアンデルセンであれば、どの様な状況下でも冷静に対処できたであろう。だが、今回ばかりは勝手が違った。
年端も行かぬ
だが、この世界では目の前で、現実の物事として
到底容認し難い事実だった。
そして、小鈴はさらに追い討ちをかける。
「とはいえ、皆さん能力を使わなくても空飛んじゃってますけどね。むしろ飛べない私みたいな人が少数派です」
更なる爆弾が小鈴によって落とされた。当の小鈴は肩をすぼめて戯けている。
自分はとんでもない所に来てしまったのかもしれない。
「…分かりました。今はそういうことにしておきましょう。では行きましょうか」
アンデルセンは思考を放棄し、小鈴と共に寺子屋へと向かった。
* * * * * *
再び人々の視線に晒されながら人里を歩き、“寺子屋”なる場所に到着する。
鈴奈庵とはそう遠くは離れていなかった。
小鈴は入口で奥に呼びかける。
「鈴奈庵で〜す。教科書の納品に来ました〜!」
すると、奥から特徴的な帽子を被った女性が顔を出した。
「ああ、いつもありがとう。ん?その隣にいるのは…」
「アレクサンド・アンデルセンと申します。貴女方の言葉で言うならば、“外の世界”から来ました」
「慧音さん、この方はここに来る途中で授業風景を見たいと言っていました。可能でしょうか…?」
慧音と呼ばれたその女性は、アンデルセンにいい笑顔を向けた。
「外来人か!珍しい事もあるもんだな。まぁ立ち話もなんだ、中に入ってくれ」
そう言うと慧音は中に入っていった。
口調は馴れ馴れしいが、特に悪意は感じない。おそらく素があれなのだろう。
アンデルセンは大人しく中に入っていった。
〜寺子屋〜
内装はヴァチカンとは全く異なっており、床や壁に見たことのない素材が使われていた。
幾つもある机は、床に座ったときに丁度いい位置に来る程低かった。
それは壁際から等間隔で並べられており、中央に道ができていた。
慧音曰く授業時間前なので、まだ誰もいない。
なお、小鈴は納品した後はお呼びでないとばかりに帰ってしまった。故に今は慧音とアンデルセンの2人きりである。
「それで、外来人の貴方が何故私の授業風景を見たいというんだ?」
「私も、外の世界にて子供達に教えを説く立場でした。私のいた所とは随分と文化も違うようですし、少し気になったもので」
「それなら今日納品された物のうち、算学は外の世界の物を流用してみたものだぞ。見てみるか?」
アンデルセンは頷くと、慧音から一冊の教科書を受け取る。
幸いその内容は前世と同じものなので理解できたが、この内容は……
(微積分…だと……?)
何と発展的な内容を扱っているのか。ここの生徒というのはどれ程優秀なのか見当もつかない。
「一応聞きますが、ここでの生徒とはどのような方々を対象としていますか?」
「里の子達を集めて授業している。年は大体10か11くらいだ」
「……は?」
目の前の教師は本気で言っているのだろうか?
本来であれば四則演算を習うはずの齢で微積分など出来るはずがない。
どうやらこの教師も常識的に何かしらの問題を抱えているようだ。
教科書を変えるべきだ。そう発言しようとした刹那、
「慧音先生!助けてください!」
切羽詰まった様子で緑髪の少女が転がり込んできた。
「大妖精か。どうした?」
大妖精と呼ばれた少女は、緊迫した面持ちで報告する。
「チルノちゃんが妖怪に攫われてしまいました!」
「何ッ!?」
思わず慧音が立ち上がった。“妖怪”という単語が聞こえたため、アンデルセンも身構える。
「そろそろ寺子屋の時間になると思って、湖で遊ぶのをやめてチルノちゃんと一緒に向かってたんです。そしたら急にどこからか黒い獣みたいな妖怪が出て、チルノちゃんが私を庇って……」
「人里の周辺でか…?分かった、すぐに自警団と向かう。お前はアンデルセンと一緒に寺子屋の中にいろ!」
真剣な表情で報告を聞き終えた慧音は、寺子屋の外に飛び出していった。
そして、残されたアンデルセンも動き出す。
「その妖怪は、今何処にいますか?」
屋内だというのに何故かアンデルセンの眼鏡には逆光がかかっており、表情が一切読み取れないことが大妖精にとっては不気味に思え、顔を背ける。
「えっと…里の外の森に向かっていきました…」
「そうですか。ありがとうございます」
「いえ、でも何で………………!?」
再び大妖精が顔を向けると、そこには既にアンデルセンの姿は無かった。
* * * * * *
~霧の湖周辺の森~
「ちくしょー!放せーっ!」
己の最強の力をもってしても振り解けないほどの拘束力に、こんなはずじゃなかったと頭を抱える。
「何なんだお前は!あたいから最強の座を奪いに来たのか!?だとしたら無理だから諦めな!今放せばあたいの寛大な心で見逃してやろう!」
だが、対話という名の命乞いを始めた彼女に帰ってきたのは舌なめずりだった。その双眸は爛々と輝き、開いた口からは涎が垂れている。
およそ説得など無意味に見えるその妖怪は、真っ赤な口を開け徐々に彼女に迫っていく。
「おい、やめろ…嫌だ…誰かー!助けてぇぇぇ!!」
この先に起こる事を想像し、恥も外聞も最強の座も投げ捨てて絶叫する。
だが非情なことに、その祈りは天には届くことはなかった。
否、
「うぅ……へ?」
予想していた最悪の事態がいつまで経っても己の身に起きないことに疑問を感じ、顔を上げる。
「我らは神の代理人。神罰の地上代行者」
目に飛び込んできたのは、胴体に無数の剣が刺さり、顔を苦悶に歪めている妖怪。
「我らが使命は、我が神に逆らう愚者を」
そして、妖怪の後方に佇み、両手に珍しい形をした剣を携えた長身の男。
「その肉の最後の、一片までも絶滅すること──────」
両手の剣を十字に構えた男は狂気を孕んだ笑みを顔にたたえ、
「Amen!!!」
神の敵がいるなら仕方ないと、
どうも、赤い箱です。麺つゆは関西風の方が好きです。
いよいよ神の敵認定された方が出てきました。
哀れ。
ネームドキャラの誰をを敵にするのかはまだ模索中なので、試しがてらその辺の妖怪さんに犠牲になっていただきます。
骨は拾ってあげましょう。