【東方狂神父】アンデルセン神父が幻想入り 作:トマトマトトトママトマトトトマト
〜冥界〜
「ここは、何処だ……?」
アンデルセンが目を覚ますと、薄暗い場所に1人でいた。目の前には終わりが見えないほど長い階段があるのみで、周囲は完全なる闇だった。
(ここは
彼は混乱した。自分は確かにあの
だが自分は
自分は聖釘を使用したうえで死んだ、本来なら“消滅”するはずである。だが、やはり現実として自分は
(聖書の内容が間違っていたとでもいうのか?万に一つそうなら、私のこれまでの信仰は……神は一体何を私に求めている?)
しばらく堂々巡りする思考に頭を悩ませていたが、現状では結論は出そうにない。
「…………進むか」
これ以上は思案しても無意味だと判断し、進むことを決意した。
* * * * * *
出発するにしても、現状を把握できていない状態で移動するのは危険である。そう考えたアンデルセンは、現在の装備を確認していた。
「やはり聖書は切らしたか……あれだけ激しく消費したのだ、当然といえば当然か」
銃剣は問題なく取り出せたが、聖書は先の戦いで使い果たしていた。
聖書は貴重な移動手段であり、結界としての役割も兼ねている。何処かで調達する必要があるだろう。
だが、ここでさらに疑問が一つ増えてしまった。
「聖釘が…無い……?」
自身が荊の化け物になるために使用した、“エレナの聖釘”が無かった。
「無くしたか?何者かに奪われた?いや、そもそも
意図せず謎が謎を呼んでしまい、アンデルセンは再び頭を抱えた。おかしい。何故「進む」といつ唯一つそれだけの行為の為にここまで時間を費やさなければならないのか。
「……
流石のアンデルセンも嫌気がさし、今度こそ考えるのをやめて階段を登り始めた。
* * * * * *
「しかし、死人の私が言うのも何だが、
歩き始めてから十数分経つが、彼の言う通り周りの景色は全く完全に変わり映えがなかった。
この階段には傍に設置されている見たことがない形状の照明器具以外には何もなく、先述した通り周囲は完全なる闇だった。
おまけに終わりの見える気配がない階段ときている。文句の一つや二つ出るのも当然だった。
しかし、そんなアンデルセンの気持ちを知ってか知らずか、階段は相変わらず終わりが見えなかった。
「聖書を切らした弊害がこんな所で来るとはな……」
無論、彼にとってはこの程度で蓄積する疲労など皆無なのだが、
(神からの少しばかりの懲罰かもな…)
アンデルセンはそう自嘲し、唯ひたすらに階段を登り続けた。
* * * * * *
そこから更に30分程歩いただろうか。遂に階段の終わりが見えた。
「ようやく着いたか…
愚痴りながらも終点が見えたことに安堵し、いざ登りきらんとする。
しかし、
「そこの方!止まりなさい!」
そんなアンデルセンを押し留めるように、頭上から声が降ってきた。何事かとアンデルセンが見上げると、刀を携えた白髪の少女がこちらを見下ろしていた。
「ここから先は許可なく通すことは出来ません。速やかにお引き取りください」
「…お嬢さん。私は道に迷ってしまいましてね、ここが何処なのか教えて貰えませんか?」
「は?知らずに来たのですか?」
「ええ。目が覚めた時には既にここにいました。それで階段を一から登って来たのですよ」
「おかしいですね……ここは本来道に迷ったからといって来られるような場所ではない筈なのですが」
どうもこの少女はアンデルセンに対して懐疑的であった。だがアンデルセンとしてもここで引き下がる訳にはいかない。
「そこを通して貰う訳にはいかないでしょうか?」
「…………少々お待ちください」
責任者を呼びに行ったのだろうか、少女は奥の方へ走り去っていった。アンデルセンは階段に腰掛け、先程の少女が携えていた物について考えていた。
(あの剣…確か“カタナ”とか言ったか?由美江を思い出すな……)
かつての教え子を思い出し、少し懐かしい気持ちになる。
(由美江は健在だろうか?あいつのことだ、今の
その由美江の魂が、あの世にて閻魔の裁きを受けていることを彼は知る由もない。
そうこうしているうちに、少女が戻ってきた。
「通せとのことですので、ご案内します。こちらへ」
これが、アンデルセンにとって幻想郷の住人とのファーストコンタクトであった。
どうも、赤い箱です。トマトは嫌いですがトマトソースは好きです。
前回はプロローグだったので、今回が第1話となります。
長さはこのくらいで大丈夫でしょうか?まぁこれからの回と比較してあまりにも短かった場合は次話と結合するつもりです。