【東方狂神父】アンデルセン神父が幻想入り   作:トマトマトトトママトマトトトマト

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純粋な幻想郷の住人との絡みはこれが初めてですね。
いつか抑えきれずにAmenしそう…


第7話 怠惰を極めし異教徒

 霊夢と呼ばれたその女は首だけをこちらに向けた。

 

「あら?妖夢じゃない。急にこんなとこ出てきてどうしたのよ。あんたがいないと幽々子が餓死するわよ?」

 

「もう死んでるんだから死にませんよ…ってそんな話はどうでも良いです。今日は貴女に頼みがあって来ました」

 

 妖夢の話を聞いた霊夢は露骨に顔を顰めた。

 

「絶対それ横のデカい人に関わることでしょ?面倒事は持ち込まないで欲しいんだけど」

 

「アンデルセンさんも一緒に聞いてください。いいですか?」

 

 霊夢の苦情を無視して妖夢は話し続ける。

 

 そして、妖夢は特大の爆弾を落とした。

 

 

 

 

 

「貴方方2人には、これからここ(博麗神社)で共に過ごしてもらいます」

 

「「は?」」

 

 

 不意打ちの提案とはいえ、まだ会って間もない、あまつさえ異教徒と同じリアクションをとってしまったことに、アンデルセンは内心舌打ちした。

 

「失礼、妖夢殿。私の聴力が正常であれば、この私が異教徒と一つ屋根の下で暮らせと聞こえたのですが?」

 

「ええ、貴方の耳は全く正常です。貴方にはここで生活してもらう必要があります」

 

 絶句するアンデルセンを他所に、霊夢は霊夢で妖夢の発言に待ったをかけた。

 

「ちょっと待ちなさい!何でわざわざ私の家に招き入れる必要があるっていうのよ!?」

 

「この方には少し大声では言えない事情がありまして…貴女の監視下という名目だと色々と都合が良いのです」

 

「大声で言えない事情?そっちの都合で勝手に危険人物を連れて来ないで欲しいわね!」

 

「これは幽々子様の案ですので、私に言われてもちょっと……」

 

「従者が責任転嫁すんじゃないわよ…とにかく、この神聖な神社にそんな奴上げられないわ!」

 

 なおも反論する霊夢に、妖夢はやれやれと肩をすくめて言い放つ。

 

「月に5人来れば良い方の神社のどこが神聖ですか」

 

「死にたいらしいわね。五体満足では帰さな──────」

 

「そんな憐れな霊夢さんのために、余ったおむすびを20個程用意してきたのですが……」

 

「アルゼンチンだっけ?部屋が一つ空いてるから好きに使っていいわよ。とりあえず上がりなさい!さあ早く!早く早く!早く早く早く!」

 

「…………………………」

 

 神社の中に入って急かし続ける霊夢を尻目に、妖夢はアンデルセンに耳打ちした。

 

「このように、霊夢さんは金品か食物のどちらかで釣れます。もしもの時のために覚えておいてください」

 

 まるでペットか何かのように扱われてしまっている霊夢に対し、アンデルセンは呆れを通り越して情けなくなっていた。

 

 

 * * * * * *

 

 

 とりあえず3人は博麗神社に上がった。

 本来はアンデルセンが霊夢に自己紹介をするべきなのだろうが、一切する気配が無いので、仕方なく妖夢が紹介していた。

 

「この人の名前はアレクサンド・アンデルセン。前世では神父をやっていたそうです」

 

 おむすびに釣られたとはいえ、結局謎の大男を上げてしまった霊夢は、まるでヤクザのような目つきで不機嫌そうに応じる。

 

「あ?神父って何よ?」

 

「あー、それはですね……」

 

 

【少女説明中…】

 

 

「ふーん。外の世界の宗教ねぇ……」

 

 妖夢から一通りアンデルセンに関する情報を聞き終えた霊夢は、大して興味無さそうに相槌を打った。

 既に彼女の視線はおむすびが詰められた袋に固定されており、これから増える同居人に関する事など興味の対象外となっていた。

 

「そういうことです。“きりすと教”にとっての貴女の様な存在と言えば分かり易いでしょう」

 

「私みたいなのが宗教の神父って…大丈夫なの?」

 

「自覚はあるんですね……皆が皆貴女のような堕落した人間ではあるまいし大丈夫でしょう」

 

「あんたどんどん毒舌になってきてない?」

 

 霊夢の相手が面倒になってきたのか毒を吐きまくる妖夢に対し、流石の霊夢も辟易としていた。

 そして、先程から空気と化しているアンデルセンは、腕を組んで壁にもたれかかりながら威圧的なオーラをドバドバと垂れ流している。

 

「アンデルセンさんは自身の宗教に誇りを持っておられるので、他の宗教をあまり快く思っていないようです。その点は理解してあげてください」

 

 流石に戦闘が可能なことや化け物を敵視していることは伏せたが、アンデルセンから見た“異教徒”に該当することは一応小声で警告しておいた。

 

「それでは私はそろそろお暇します。アンデルセンさん、良い幻想郷ライフを」

 

 伝えることだけ伝えると、妖夢はそそくさと立ち去ろうとした。

 が、アンデルセンの隣まで来ると一度足を止め、耳打ちした。

 

「アンデルセンさん、霊夢さんは幻想郷においてそれなりに重要なポジションを担っています。くれぐれも手は出さぬようお願いします」

 

「……善処しましょう」

 

 妖夢はその返答に一抹の不安を覚えたものの、特に何を言うでもなく去っていった。

 残された2人の間には、非常に気まずい沈黙が流れた。

 

「で、これからあんたどうすんの?」

 

「喧しい!話しかけるな、異教徒」

 

 妖夢が居なくなった途端に突然豹変したアンデルセンの態度に、霊夢はギョッとする。

 

「何?先刻までと全く態度違うじゃないの」

 

「フン。異教徒ごときに礼儀など必要無いからな」

 

「何なのよ先刻から異教徒異教徒って!あんたのとこの神なんて知ったこっちゃないわよ!」

 

「……何?」

 

 それは聞き流せないとばかりに、アンデルセンはゆっくりと振り返った。

 その顔には青筋が浮かんでおり、明らかにブチ切れていた。

 アンデルセンはコートの裏側、霊夢からは見えない部分で銃剣を持つ。

 

「貴様…今の発言は私の不興を買うのに充分に過ぎるぞ?その言葉の真意を問おう。返答によっては──────」

 

「あ?私のとこの神も知らないのに外の世界の神なんか知るわきゃないでしょうが!」

 

 アンデルセン「………は?」

 

 先程とはまた違う予想だにしなかった発言に、アンデルセンの目が点になる。

 そしてその内容は、アンデルセンを困惑させるのにあまりにも充分過ぎた。

 

「じ、自分の信仰する神を知らないというのか……?」

 

「?当たり前よ。そんなもん知っててどうすんのよ?」

 

 その発言を聞いたアンデルセンは、先刻までとはまた違った意味で激昂する。

 

「貴様ァ!いくら異教とはいえ、それでも聖職者か!己の信奉する神を知らないなど言語道断!」

 

「私が巫女やってんのは生活費を集める為よ!誰かがお金くれなきゃ何食えば良いのよ!」

 

「……昨日の夕餉は何だ」

 

「木の実と雑草かしら?何個か当たったけど」

 

「………………」

 

 自身がかつて相手にしてきた異教徒とはあまりに違った存在に、アンデルセンは果てしなく混乱した。

 人は怒りを通り越すと呆れに変わると言うが、それは事実らしい。

 

「ならばせめて人が来るよう努力したらどうだ」

 

「嫌よ面倒臭い。何で人が来ない神社を掃除しないといけないのよ」

 

「……堂々巡りだな」

 

 何という堕落した人間だろうか。これでは人が来ないのも頷ける。

 アンデルセンはすっかり気勢を削がれてしまった。

 そして、それは結果的に霊夢との衝突を避けられた。

 

 しかしアンデルセンは、この時点で自分がある感情を抱いている事を自覚した。

 

 それは“興味”と“期待”である。

 

 生前、散々カトリックに楯突いてきた異端共(プロテスタント)よりかは幾分マシとも言える野心の無さ。無頓着さ。

 基本的にプロテスタント以外の異教徒を見た事がないアンデルセンにとって、神すら知らない異教徒というのは新鮮そのものだった。

 

 無論、カトリックが至上である事に変わりは無いが、プロテスタント共よりはまとも(ヽヽヽ)な宗教であるかもしれない。

 

「あれ?貴方って外の世界の聖職者なのよね?という事は…」

 

 そんな淡い期待を抱いていたアンデルセンの背後で、霊夢が全霊の力を込めて絶叫した。

 

霊夢「商売敵が増えたじゃないのよ!!!」

 

 あまりにも情けないその絶叫に、早くも失望しそうになるアンデルセンであった。




どうも、赤い箱です。生地が柔らかいピザは食べにくいです。

霊夢がAmenされなかった理由は主に3つです。
①神父自身が一度化け物として死んでいる。
②霊夢の酷すぎる宗教観に脱力。
③恩人である妖夢からの忠告。

つまり、博麗神社が生き残ったのは奇跡。
次はこうはいかないZE☆

ところでこの小説の一話ごとの長さをば

  • 長い。もう少し短くしてくれるとよきかな
  • ちょうど良い。そのままの君でいて
  • 短い。儂は一話をたっぷり楽しみたいんじゃ
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