我ら! 珍名奇名同好会!   作:サイリウム(夕宙リウム)

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その4 オマワリサン

 

 

ウマ娘、それは神秘の存在。

 

人とは違う耳を持ち、尻尾がある。

 

身体能力は驚異の域であり、『人間がウマ娘にかなうわけがない』も実際そうである。

 

彼女らは皆、見た目麗しく男性からも女性からも人気が高い。

 

 

 

 

 

 

 

そんな人々から好かれ、身体能力も高く、人からチヤホヤされやすい彼女たちにも避けられない定めがある。

 

 

そう、名前だ。

 

 

彼女たちのウマ娘としての名前は彼女たちが母親のおなかの中にいるとき、母の頭の中に名前が下りてくることで決定する。その下りてくる時期はまちまちであり出産直前だったり、新たな命が芽生えた時だったりする。

 

余談になるが海外では神から与えられた名前と言うことでとてもそれが大事にされるが、古来より本当の名を明かすと呪いなどがかけられてしまうと恐怖を持っていた私たち日本人は人としての名前とウマ娘としての名前、二つ持っていたりする。私が思うにあの世界線で常に帽子を被っている存在が怪しいのだが……、もしや黒沼トレーナー!(アニメ・ブルボントレーナー)

 

下りてくる名前はターフやダートを彩る彼女たちに相応しい名前であるが……

 

 

 

時たま、いやちょっとそこらを散歩している時にすれ違うウマ娘のお名前が大変なことになってるかもしれない。

 

 

 

 

ところ変わって日本の府中。

 

中央トレセン学園。その空き教室にて不定期でひっそりと行われる集会があるらしい。

 

なんでも主要なメンバーたちに紹介された者たちのみ参加できる特殊な会であり、その存在を知るものはそんなに多くない。

 

しかしながら、人づてに調査を進めていくと面白いことが分かってきた。

 

なんでも、その集会に参加する者たちは決まって『珍名』・『奇名』をもつウマ娘らしい。

 

 

 

この物語は何の因果かどんでもないお名前をもらってしまったウマ娘たちのお話である。

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

「え~と。これはこっちにしまっとくとして……。ぬぅ、レース雑誌はアウトかにゃ?」

 

 

本日のトレセン学園が大雨に見舞われており、いつもターフから聞こえる乙女たちの掛け声は激しい雨音に変わっている。とあるウマ娘はこの突然空いた時間を読書に使い積読にしてしまった本を消化したり、また他のウマ娘は雨でお外に行けないのが暇で暇で仕方ないため、エアグルーヴ副会長の背中に『私は昨日トレーナーのお家に遊びに行きました。ご飯も作りました。これで37回目です。……もはや通い妻では?』という張り紙をくっつけて遊んだりしております。あとでゴルシは生徒会室に来るように。

 

そんな中、我らが同好会もいつも通りの運営。今日はスモモモモモがゲスト招致の担当なので空き教室にはネコパンチとモチがゆったりとした放課後を過ごしております。

 

 

「ネコ~、今日は掃除に気が入ってるねぇ~。いつもよりガチ~。」

 

 

いつもよりせっせと掃除するネコを全く手伝ったりせず、自分の席で机に顎を乗せながらぐで~っとしてる彼女。ウマ娘のモチちゃんです。彼女がキリっとしだすのはレースの時だけ。いつもは火の通った丸餅、お雑煮に入ってるやわらかモチちゃん。レースの時はキリキリ角モチ。

 

 

「(モチ、手伝ってくれそうにないにゃ。ま、モチだし仕方ないかにゃ。)……何でも厳しそうな人を呼んでくる、ってスモモんが言ってたから失礼のないように掃除してるにゃよ。」

 

 

そう答えるのは名前の通り猫のような雰囲気を醸し出すネコパンチ。所謂“ネコ”の名前を持つ者たちの団体、ネコ軍団の姉貴的ポジションに収まっている彼女は面倒見がいいし、そういう締めるところは締めるタイプ。厳しい人が来ると聞いているのでお掃除に力が困ります。

 

ま、スモモが最近ハマった鬼滅の刃とかモチの趣味であるアメコミまでひもで縛って捨てようとしてるんですけどね。え? 同好会室に関係ない趣味のもの置く方が悪い? でも趣味の大事なものを捨てられると発狂すると思うよ、二人。

 

 

後々かなり大きな問題になりそうなお掃除をしながらネコが時間をつぶしていると、なんだか叫び声が聞こえてきました。

 

 

 

「バクシンバクシーン! スモモモモモモモモモモモモモモモさん! オマワリサン! 廊下は走っちゃだめですよー! それとオマワリサンはオマワリサンなので隣の人を捕まえてくださーい!」

 

 

「ご、誤解なんですけど! 私走ってないんですけど! というか走っても良かった気がするんですけど! あと“モ”がなんか多い気がする~~~!!!!!」

 

 

「わ、私もオマワリサンだけどオマワリサンじゃないです~!!!!!」

 

 

「バクシンバクシーン! ならレースですね! この学級委員長からいつまでも逃げれると思わないでください! バクシンバクシーン!」

 

 

「「な、なんでッ!」」

 

 

 

ネコとモチがいる教室の前廊下を通り過ぎる大声たち。過ぎ去った後に訪れる静寂。顔を見合わせるネコとモチ。

 

 

「……元気だね~。」

 

 

「……ですにゃ。今日の集会の始まりは遅くなりそうだし、私はもうちょっと掃除しますかにゃ。」

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー

 

 

 

「と、というわけで今回のゲストはオマワリサンさんです……。つ、疲れた……。」

 

 

「ど、どうも……。」

 

 

 

さっきまで世界の驀進王と文字通り生死をかけた追いかけっこを繰り広げていた二人。スモモとオマワリサンと紹介されたウマ娘が汗だくになりながら紹介がなされます。

 

ちなみに件のバクシンバクシーンさんは全力でなかった上に最近長距離に目覚めてきているので全く持って疲労なし! 対象のスモモモモモモモとオマワリサンを無事逮捕して連行していきました。

 

つまりここにいる二人は釈放された後なんですねぇ。……にしてもさすがの驀進王、この二人が叶わなかったのは解りますが、長距離がいけるようになったらマジで誰も勝てなくなるんじゃ……?

 

 

「おつかれ~、初めましてだよね? モチだよ~。」

 

「私はネコパンチ。はいこれ、お水にゃ。にしてもなんで二人とも追いかけられてたのにゃ?」

 

 

自己紹介を済ませるモチと、客人であるオマワリサンさんにお水を差しだすネコパンチ。横でスモモモモモモモモモモモモモが『わ、私にもお水ちょうだい……』と言っているが『自分でやれにゃ、おめーはお客じゃねぇにゃ』と辛辣なご対応。

 

 

「あ、ありがとうございます。…………ふぅ。お水美味し。で、追いかけられてた理由ですね。それなんですけど……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、いたいた。あなたがオマワリサンですよね。」

 

「あ、はい。そうですけど……、どうかしましたか?」

 

「実は私、こういうモノでして……。」

 

 

そう言いながら懐から名刺を取り出すス+モ^46。そこには『珍名・奇名同好会会長 スモモモモモモモモ』と書いてある。なるほど、最近噂になっている謎の同好会とはこのことだったんだ。

 

 

「……なるほど。つまり私もお呼ばれするときになった。ということですね。」

 

「ふふ、そういうことです。」

 

 

そうやって邪悪な笑みを浮かべながら『ウフフフフ……』ってな感じで遊んでいたんですが、その遊んでいたところをバクシンオー委員長に発見されてしまいまして……。

 

 

 

 

 

 

「そこを委員長に見つかったわけかニャ。」

 

「はい、何か怪しげな取引を行っていると勘違いされまして、追いかけっこが始まっちゃいました。」

 

「なるほどね~」

 

「バクシンオー委員長に『オマワリサン! オマワリサンなのだから隣のスモモモモモモモさんを捕まえてくださ~い』って言われながら追いかけられるの怖かった……。あの人目がパッチリしてひん剝いたまま追っかけてくるんだもん……。こわたん。」

 

「おいおい、しっかりしろニャ、スモモ。……まぁ確かにあの人最近距離適性無視し始めて化け物になってきたけどニャ……」

 

 

 

【ウマ娘としてのオマワリサン】

 

オマワリサンは中央で戦った後に、地方に遠征をするようになったウマ娘で総合成績は45戦5勝。地方に飛び立ってからは一勝しかできませんでしたが、中央にいたころは多くのレースで掲示板入りを果たしています。名前からよく追い込みだとか差しだとかを主な作戦にすると思われがちですが、彼女、結構逃げるんですよね。

 

 

 

「あはは、まぁ佐賀でお世話になってた頃はもうボロボロで。一勝しかできなかったんですよ。」

 

「う~ん。まぁ私最近勝ったばかりの青二才なんであれですけどやっぱレースの世界は厳しいですよね、まぁ桃ですけど。」

 

「高知ならまだ活躍できたんじゃないか、って声もあったけど結局わからなかった感じニャよね。」

 

「ですねぇ……。できたらお世話になっている佐賀のほうでもう少し成績を残したかったんですけど……、ま、縁が続かなかったんでしょうね。引退することになっちゃいました。あ、今は佐賀の方で実況のお手伝いとかさせてもらってます。」

 

「お~、すでに就活してる~。トレセン卒業したらアナウンサーですか~?」

 

「あはは、それが出来たらとってもいいですよね!」

 

 

 

 

【名前についての悩み】

 

 

 

「あ~、やっぱりお巡りさん、ですよね……。さっきもバクシンオー委員長に言われてたんですけどオマワリサンだから悪い子とっちめてくれ、とか。会う時はなんだかきっちりしとかないといけない、だとか。色々気を遣われることが多かった気がします。」

 

 

それを聞いて硬直するネコパンチ。コイツもその口で『やっぱりオマワリサンだから部室に私物とか多かったら何か怒られるんじゃ……』と思って色々片付けていたウマ娘。若干冷や汗だらだらですね……。ま、その様子を机に溶けたモチは笑っているわけですが。

 

 

「あ! そういえばこの不肖スモモ! オマワリサンのレース動画入手してきたんですよ。あの実況でお名前を知って今回お呼びしたんですよね!」

 

「なるほど、あれね。うんうんそういえばファンの方増えたのあのレースからだっけ……。」

 

 

 

『逃げる逃げるオマワリサン! オマワリサン! リードは三馬身!……』

 

 

 

「まだ未勝利でやっと勝てた、ってレースだったから喜びもマシマシだったね。実況のおかげでファンも増えたし……。」

 

「でもいじられる回数も増えるんですよね~。私たち共通の宿命というかなんというか……。」

 

 

 

 

 

そんなことを言いながらみんなでしみじみとした雰囲気を醸し出す同好会の皆さんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言うことで今回はここまでとなります。

 

次回はモチちゃんの担当ですね。……ということは食べ物系がやってくるんでしょうか?

 

 

 

 






ネコ
「んじゃ! 早速初めて行きましょうかニャ!」

モチ
「その前に投稿遅れてごめんなさい~。途中まで書いてから色々あって手が付けられなかった~」

ネコ
「まぁここの作者変に連載抱え込みますからニャ」

モチ
「考えなしに始めるんだよね~、最初に始めたアルスぺ終わらせてないし~」

ネコ
「ま、気長にお待ちいただけるとありがたいですニャ。ではでは感想返しから!」


【そういえば禰豆子とセイウンスカイって声優同じだっけ?記憶があやふや……
お縄にかけられそうな名前の馬も多いですし、あの子と是非この世界では対決して欲しいですよね】


モチ
「まぁ本人逃げる側なんですけどねぇ~」

ネコ
「ま、まぁ個々人の性格とかありますからニャ。あと言われてみればあの二人お声似てますニャ。」

モチ
「まぁ深く突っ込みすぎると消されちゃう気がするんで触れないけどね~」

ネコ
「ごめんなさいニャ」



【うん、まぁ……二名に関しては苦笑するしかないというか、ネコは爆弾というか下手すると地雷になるようなキャラを連れてくる芸風かな】



ネコ
「芸風とは何ニャ! 芸風とは!」

モチ
「ハードル上がったねぇ~」

ネコ
「こちとら作者の思いついた方呼ばされてるに過ぎないけど芸風はヒドイにゃ! だったらもっとヤバいの読んできてやるにゃ!」

モチ
「う~ん、カオス」



【名前が挙がったミズノコキュウ号ですが、アカザ号と激突したらしいよ。】



モチ
「……鬼滅の刃の話?」

ネコ
「いや、調べたらマジで激突してるニャ。……神様たちは面白いことするニャよね。」

モチ
「これ狙って出走させたんですかね~、ミズノコキュウだから無限城編かな~」

ネコ
「無口で言葉足らずの水柱さんかニャ? ……あ、でもそういうキャラで出しても面白かったかもしれんニャ。」




モチ
「ま、こんな感じかな~」

ネコ
「ですニャ。感想送ってくださった皆様大変ありがとうございますニャ。感想とか評価って続けられる原動力になるので何かと送ってくれると大変ありがたいですニャ。」

モチ
「それで次回は~、誰でしたっけ?」

ネコ
「次回は大半のウマ娘が好物を答えるときに名前を呼ばれてそうなウマ娘がやってくる予定にゃ! ではでは!」

モチ&ネコ
「「またお会いしましょう(ニャ)~!!!」」


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