AIが書いた間違ったボーダー青春ラブコメ   作:taiken

9 / 13
前衛を探すことになった八幡。しかし、由比ヶ浜には由比ヶ浜の思惑があった。


六月中旬 ボーダー本部 屋上

******************

 

 

 前衛の勧誘、と言われて由比ヶ浜が真っ先に思い浮かんだのが、香取と雪ノ下だった。というより、由比ヶ浜が付き合いのある攻撃手はその二人しかいないというべきか。

 

 八幡が自分の伝手を頼って前衛を募集したい、と言った時、由比ヶ浜は少し待ってほしいと言った。わがままかもしれないが、一緒にチームを組むなら信頼できる人がいい、ということだ。

 

「……けど、雪ノ下には雪ノ下の考えがあるんだろう?」

 

 八幡の懸念ももっともだった。雪ノ下はA級になりたいと言っており、学業優先、防衛任務優先の鈴鳴の方針とは合わないかもしれない。

 

「あたしに任せて。考えがあるんだ。」

「……そうか。なら、任せる。」

 

 八幡はあえて由比ヶ浜に任せることにした。隊長の仕事は、隊員のやり方が上手くいかなかったときのフォローだと彼は過去の経験や来馬先輩から学んでいた。

 

 

 由比ヶ浜には確信があった。彼女が迅に比企谷の所属を紹介されてから、鈴鳴で雪ノ下と今に料理を教えて貰っている時、楽しそうな雪ノ下を見ていたからだ。

 

(……でも、本部に居た時のゆきのんは、どこか寂し気で、いつも一人だった。)

 

 銃手と攻撃手とでは、訓練ブースの場所が違う。それでも、たまに会うことはある。たまに本部話すとき、由比ヶ浜の隣に香取か、香取の友達の染井が居ても、雪ノ下には居なかった。

 一度、隊に入ることを持ちかけてから断られたとき、由比ヶ浜は距離を置いた。そのことに由比ヶ浜は罪悪感をもっている。いまさら声をかけることは、卑怯なのかもしれない。

 

(ちゃんと謝ろう。そんで、もう一度頼んでみよう。)

 

 

 まずは、雪ノ下に組みたいと思ってもらえるよう努力しよう、と由比ヶ浜は電話をかけた。

 

***********

 由比ヶ浜からの電話をとった雪ノ下は驚いた。鈴鳴支部の全員で、来馬先輩宅に呼ばれて遊ぶので日曜にどうか、と誘われたからだ。

(もう一度、来馬先輩や村上先輩や今先輩に会える……それに。)

 鈴鳴支部は、雪ノ下にとって魅力的な環境ではあった。本部で友人を作れていない雪ノ下にとって、由比ヶ浜に料理を教えていた時間は確かに癒しとなっていた。

 

(やり残したこともある……)

 比企谷と由比ヶ浜の和解を仲介した時、自分の中で肩の荷がひとつ降りた。と同時に、あの事故を起こしたのが自分の家の車なのだと謝罪する機会も失ってしまった。

 学校か、それともボーダー本部でか。自分から動き、謝ればそれで済む話。しかしその一歩が、どうしても踏み出せない。

 ずるずると出来ない理由をつけたまま停滞し、そんな自分を見なかったふりをして忘れたフリをする。そんな日々が続いていた。

 

「……ええ。私も久しぶりに今先輩に会いたいと思っていたの。ありがとう、由比ヶ浜さん。ご一緒させていただくわ。ただ、少し頼みたいことがあるのだけれど。」

「うん!どんなこと?・……うん?うん、いいよ!やったー!じゃあ、土曜の本部でね!」

「ええ、また。」

 

 スマートフォンを操作して通話を切ると、雪ノ下はふう、と溜息をついた。

 

「……今度こそ、謝らないと。」

 

****

 鈴鳴第二、つまり俺と由比ヶ浜の部隊に追加人員を募集してから、数日が経過した。

「……やっぱり無謀だったか?いや、しかし……」

 この数日、本部で攻撃手をしているC級隊員に声をかけてはみたが、結果は芳しくない。

 樫尾とかいう真面目そうなC級隊員も、帯島という小柄ですばしっこいC級隊員も、海という同年代のC級隊員にもふられっぱなしである。

(……まぁ、こんなもんだな。これが現実だ……)

 C級隊員にも、選ぶ権利はあるということだ。

 

「……ねえ、ヒッキー。ちょっといいかな?」

「ん?」

 俺が端末を見ながらぶつくさ言っていると、由比ヶ浜が話しかけてきた。

「どうした?訓練はもう終わったのか?」

「そうじゃないんだけど、ヒッキーと話がしたい人がいるんだ。女の子なんだけど。」

「……ああ、そういえばお前、今日は珍しく香取と……オペレーターの友達と一緒にいなかったよな。」

 話がしたい人、と聞いて俺は何となく察した。十中八九、雪ノ下についてだろう。雪ノ下についての話題があるときは、決まって香取が居ないときだ。

「うん。……って、そうなんだけどそうじゃなくて、……その、」

「いい。隊についての話だろ。」

 

 言いづらそうな様子の由比ヶ浜に、俺は予想が的中したことを確信する。

(やっぱ、雪ノ下と香取は仲が悪いんだな……)

 

 由比ヶ浜が本部にいる時は、香取と行動を共にすることが多い。たまに雪ノ下について話すときは、香取が居ない時だ。

 

 そこから想像できるのは、由比ヶ浜の複雑な友人関係だ。三人居れば派閥が出来ると言われる人間関係で、四人目に雪ノ下が加わる余地が無かったのかもしれない。

(……やっぱ、人間関係ってめんどくせぇな。)

 そう思いつつ、俺は席を立って由比ヶ浜についていった。

 

**

 ボーダー本部、屋上にて。六月も半ばとなり、雨の日が多くなってくる。今日も雨だ。明日もきっと雨だろう。

 だが、トリオン体が風雨の影響を受けることはない。話が終わったらタオルで少し体をぬぐえばいい。

風雨を気にせず屋上に出てみれば、案の定、目の前に居たのは、雪ノ下雪乃だった。

 

「……久しぶり、ゆきのん。」

「ええ、本当に。」

 二人の会話は短い。

「……ごめんなさい。気を遣わせてしまって。」

「ううん。こっちこそ、ごめん。あたしも、ゆきのんの事を……色々考えちゃったから。」

 二人は頭を下げて、顔を上げる。目が合った。

「……ゆきのんは、いつからボーダーに入ったの?」

「私は高校1年生の時。つい最近ね。由比ヶ浜さんは?」

「あたしもつい最近。二か月前だよ。」

 

「おい、お二人さん?俺が居るってこと忘れてません?」

 呼ばれたはずの俺をそっちのけで二人の世界に没頭しているので、思わずツッコミを入れた。

「忘れてな(いよ)どいないわ。」

 雪ノ下と由比ヶ浜が同時に答える。

「……いや、忘れてるよね?俺の存在完全に無視してるよね?」

「それで、比企谷君?あなた、二か月前の自分に何があったのか覚えている?」

「何って……交通事故だろ。」

「そう、交通事故ね。あなたの事故のせいで、私達は別れてしまったのだけれど?」

 

「それは悪かったと思ってるが……」

 二人が二か月前からの付き合いで、それが事故をきっかけに疎遠になり、今、本部で由比ヶ浜の傍には香取がいる。それは雪ノ下にとって面白くないだろう。そう思って俺は謝罪する。

 

(ゆきのん?)

 由比ヶ浜は何かがおかしいと思うがつっこめない。何故被害者が加害者に謝罪しているのだろう。

 

「でもね。私が言いたいのはそういう事ではないの。」

「じゃあ、どういうことだ?」

「あなたは、自分が事故にあったことを『無かった』ことにしようとしたでしょう?」

 

「……そうだな。」

 

(ゆきのん?)

 由比ヶ浜は口を挟まない、というより挟めない。由比ヶ浜自身が、雪ノ下に自分のやりかたで思うようにさせてもらったからだ。

 だが、なんて不器用なんだろうと思わざるをえない。

「そして、それを実行してしまった。」

「……ああ。」

「その結果が、今のこの状況だという事は理解しているかしら?」

「……まぁ、一応は。」

「な「……なんだ?お前らボーダーでも知り合いだったのか?」

「う、うん!ちょっと前からだけどね。」ら、いいわ。……由比ヶ浜さんのこと、お願いするわね。」

「ああ。」

「……それじゃ、失礼します。」

「おう。」

「……バイバイ!」

 屋上の扉が閉まる。

「……なんだ?お前らボーダーでも知り合いだったのか?」

 気まずい沈黙を破るように、とりあえう俺は口を開く。知り合いも何も、度々話題にでてはいたのだが。

「う、うん!ちょっと前からだけどね。」

 由比ヶ浜は焦りながら答える。思い描いていた理想では、雪ノ下の問題が解消されて、三人で部隊を組むはずだったのだが。

 だが、そんな由比ヶ浜の懸念は杞憂に終わる。隊員募集をかけていた掲示板に、雪ノ下雪乃が応募したからだ。

 

*******

「……ところで、雪ノ下さん?なぜ急にやる気になったんですかね?」

「……別に理由はないわ。ただ、あの女が居る本部にいたくなくなっただけよ。」

「へぇー。そうですか。」

 香取と雪ノ下の仲の悪さは相当のものらしい。どうやら、気質が合わないようだ。

「……それに、私もあなたと同じ隊となるのだけれど。隊の方針などはあるのかしら?私は、A級を目指しているのだけれど。」

「この隊のコンセプトは、防衛任務重視の編成ってことだ。」

 

「具体的には?」

「銃手の攻撃でトリオン兵を足止めし、アタッカーの攻撃で確実にトリオン兵を処理する。目安はモールモッドを確実に処理できる位だ。」

 モールモッドというと、ある程度慣れた攻撃手からは雑魚扱いされることが多い。だが、攻撃手ではない銃手にとっては複数出た時点でソロではきつい。それが弱小国の阿呆なAIでもだ。

 だからこそ、隊を組んで確実に処理する必要があるのだ。

 

「……なるほど。つまり、あなたはそのつもりはないのね?」

「そうだな。俺の目的はA級昇格じゃないからな。」

「……わかったわ。」

 なんと、雪ノ下はこれを呑んだ。一体なんのつもりだろうか。

 

「あと、これは提案なのだけど。あなたは、由比ヶ浜さんのフォローをして欲しいの。もちろん、私もするわ。」

 雪ノ下が鈴鳴に入ることで、香取が拗ねるかもしれない。その悪影響は俺にも想像できた。

「了解。」

「え!?ゆきのん、それどういうこと?」

「由比ヶ浜さん。あなたは、香取ちゃんと一緒にいなさい。」

「はぁ!?」

「あなたを取られたと思って、また機嫌が悪くなるでしょう?揉め事が起きる前に、付き合ってあげなさい。」

「でも、あたしは」

「それとも、他に誰か良い人が出来たのかしら?」

「そ、そんなんじゃないし!!……分かった。一緒にいるだけでいいんだよね?」

「そうよ。よろしく頼むわね。」

 こうして、俺と由比ヶ浜は香取の相手をしに行った。

 

***********

 由比ヶ浜は香取の所へ向かう途中、八幡の方を見る。

(ヒッキーには迷惑かけちゃったな……。)

 屋上の一件以来、由比ヶ浜結衣は自分のやり方に疑問を持っていた。

 今のままでいいのだろうか。自分は本当に正しいのだろうか。

 

 そして、八幡もまた雪ノ下の言葉に心が動いていた。

(過去をなかったことにした訳ねぇだろうが。)

 過去は消えない。消えないからこそ、それを抱いて今を生きるのだ。

 

 香取のご機嫌取りが終わった後、八幡は、古い馴染みに電話をかけた。




登場人物紹介
雪ノ下雪乃/ゆきのん
香取とはそりが合わないはまち原作ヒロイン。ここでは割と有望な攻撃手のC級隊員。イメージとしては香取と木虎を足して三で割ったくらいの才能。

香取葉子/カトリーヌ
本作で王子先輩と並んで酷い風評被害を受けている子。いずれ汚名返上させたい。

設定紹介
総武高校
ワートリ世界に設定されている進学校の設定を名前だけ乗っ取った学校。本作のオリ設定としてボーダー提携校であり、BBFで所属が判明している進学校生は総武高校生かそのOB/OGとしている。現在の生徒会長はAYATSUJIとクラウチ。

モールモッド
(強い国では)ラービットやイルガ―並の硬度を誇るブレードを備えたトリオン兵なので、(強い国の)コイツはAIもよくて普通に強い。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。