大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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107話 真実の強さと歩むRPG

 

「どうなってんだこれ……!」

 

「……っ! リンク!」

 

 

意識のない多くの人々が横たわっている異常事態。その光景にケンとパックマンはただ茫然とするしかなく、ゼルダは見知った顔がその一員にいることに気づいて駆け寄る。

 

 

「リンク、リンク! 起きてください! リンク!」

 

「………………」

 

「リンクッ!」

 

 

肩を揺さぶり、瞼が開くのを期待するが、魂でも抜かれたかのようにビクともしない。錯乱状態にも近い彼女は周りの仲間達にも手を動かす。

 

 

「どうして目覚めないのッ!? マルス! ミェンミェン! しずえさんッ!!」

 

「あー!! 落ち着いてって! 乱暴に揺さぶったって起きないぜ!!」

 

 

少しだけ力を込めてゼルダの肩を抑える。らしくもなく肩で息を続ける中、軽く肩を叩き落ち着かせる。

 

 

「ほら、深呼吸深呼吸。な?」

 

「はぁ……はぁ……」

 

「うんうん、リンクの方は……」

 

 

真っ先に気づいたリンクはどうだろう。パックマンはどっちかというと唖然であるので少なくとも錯乱したりはしないだろう。

まあ、リンクだって単独で戦う勇者な訳だし、簡単に動揺したりは……

 

 

「……あっはっは。なんだなんだ? どこの痴れ者の仕業だ?」

 

「(怒り通り越して笑顔になってらっしゃるゥ!?)」

 

 

額に血管が浮き出て、にこやかに笑う裏腹、言葉は完全にキレていた。実際の心境もガチギレである。暴れたりしてないのでパックマンもどうしていいのかオロオロしている。

 

 

「あー、ダメダメ。相手もいないのにキレても仕方ないよね。平常心平常心。オレは100年前、100年前」

 

「なんでしょうか、その落ち着き方は……」

 

「おっ、お姫さんも落ち着いた?」

 

「いえ、こんなに明らかに怒りを露わにしている方がいると逆に冷静になれるというか……」

 

「アッハハー……そりゃそうか」

 

「コクコク」

 

 

平常心と言いながら、怖い笑顔から微塵も変化がない。

遠い目で近くの現実を見ながら、ケンはどうリンクを宥めてイレブン達と合流するか考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ア、3号サンノオ知リアイノ方デスネ」

 

「3号って?」

 

「えっと……インクリングです。所謂英雄志願、といったような自称で……」

 

 

こそこそとルキナが補足した。用もないのに変身するのはヒーローらしくない、とのことで、イレブンやパックンフラワーは3号の存在すら知らない。

 

 

「ソシテ、フォックスサン。ワタシ達、ペッピーサンニ頼マレテスマッシュブラザーズヲ探シテイタンデス」

 

「えっ、ペッピーが? 一体どこで……」

 

「壊レタコノ機体デ……」

 

「………………」

 

「フォックスー!?」

 

 

ペッピーに頼まれてファイターを探していた8号。ただ、どこから来たのか問うとフォックスは崩れ落ちた。借金の返済がさらに遠のく。

 

 

「マスターハンドに頼んだらこいつと取り替えてくれないかな……」

 

「これ、偽物じゃないの?」

 

「黙レ天然」

 

「アノ、ワタシ何カ……」

 

「気ニスルナ。ソレデ? 何故自分達を?」

 

 

8号は懐から何かを取り出す。それは平べったい潜水艦のような形をした端末だった。画面はなく、真ん中にポツンとスティックが1つある。

 

 

「コレヲ見テ欲シクテ……」

 

「コノ機械ガドウシタ?」

 

「イヤ、機械ハ自前ノモノデス。中ノ映像ヲ見テ欲シインデス」

 

 

そういうと、スティックを動かす。空中にプロジェクションマッピングの如く映し出される、画面を経由しない映像。半透明のソレが映し出される。

暗い空間にマスターハンドのみが映されていた。白い右手は所々煤がついているようだった。

 

 

『━━この映像が私の最高傑作、スマッシュブラザーズ、もしくは彼らの縁者が入手することを祈り、これを残す。我が名はマスターハンド。』

 

「えっ、君たちこんな物みたいに呼ばれてるの?」

 

「いえ、これは……威厳を示すため、みたいなものかと」

 

「確かに竜神王もこんな感じだったかな」

 

「……お前ら雑談もいいけどちゃんと見ろよ」

 

「ワカリマシタ」

 

 

釘だけは刺しておく。雑談も何も喋っていないのに了解を意を唱える8号にちょっと心が救われた。

 

 

『これを見ている現在、私の創り出した世界の状況がどうなっているか自覚できても伝える術を持たぬだろう。ゆえに私が知っていることのみを残しておく。』

 

「前置キ長イゾ」

 

「パックンフラワー、」

 

『私のみが立ち入れる場にやってきた7名の人物。彼らはキーラ、そしてダーズの残したボディを器とし、私の捕獲を目的に襲いかかってきた。抵抗したが、私の攻撃は全て1人に吸収されてしまった。』

 

「……かなり切羽詰まった場面で残されたんですね。それにしても吸収ですか……」

 

『この肉体をどこかに置き去りとし、私の精神と力をジョーカーに託す。』

 

「ジョーカーに……?」

 

『これを確認した者は彼に会いに行って欲しい。そして私の肉体の元へ送っていってくれ。彼ならば、私の存在にも気づくだろう。』

 

 

何をすべきか、誰の責任か、何が目的か。

全てを託された。

 

 

『奴らの個人的な都合で、この世界を終わらせる訳にはいかない。敵である7人を討滅し、大乱闘を取り戻す。頼んだぞ、スマッシュブラザーズ』

 

 

映像は終わった。宇宙の静寂が辺りを包み、イレブンの大きく吐いた息がそれを打ち破った。

 

 

「……ボディ、が襲いかかってくるのもその7人が原因なんだよね」

 

「そして7人もまた、精神が入ったボディであると」

 

「殴レバ倒セルハズ、ダガ、」

 

「マスターハンドが表に出れない今はファイターじゃない。フィギュア化で倒すことはできず、物理的に砕くしかない。だから、精神が入ったボディを倒すのは不可能に近いんですよね、フィギュア化、できないから……」

 

「キーラの奴らがスピリット入れりゃあ、オレ達ファイターとほとんど変わらなかったからな……」

 

「ひとまず、そのジョーカーさんを探してみよう? マスターハンドさん本人に聞ければなんとかなると思うよ」

 

「ソレナラ、ココカラデナケレバ……」

 

 

辺り全てが暗く閉ざされた宇宙の世界。

ここのどこに、果たして出口はあるのか。

 

 

「イレブン、戻ッテクル時ココダッタカ?」

 

「最初からここにいたのか、って話? ううん、僕がきたのはホ「あああ!!」

 

「パックマンやケンのこと、すっかり忘れてました!!」

 

「あ、やべ。オレも忘れてた」

 

「聞こえてるぞー!!」

 

 

遠くから響く咎める声。宇宙を突っ切るように駆けながら、スマッシュブラザーズは合流を果たしたのだった。

 





◯タイトル
ソーシャルゲーム、テイルズオブザレイズのラストクレイドル編のジャンル名。
テイルズオブシリーズでは唯一現行しているソーシャルゲーム。システムも本編と近く、参戦キャラクターはパーティキャラはもちろん、人気のサブキャラ、敵キャラ、ストーリー中に死亡or離脱したキャラまでいたり、テイルズファンには堪らないゲーム。
ただ、当たり前のように本編ゲームの話が出てくるので、本編シリーズを知らないという方にはネタバレになるのは勿論のこと、ついていけないこともあるかと。
その辺アスタリスアはシリーズ初心者向けでした。闇堕ち系も含めたオリジナル衣装もいっぱいありましたし、惜しい奴を亡くした……


◯8号
1章からかなり時間が空いたのでもう一度。
スプラトゥーン2のDLC、オクトエキスパンションでの主人公。3のDLC、サイドオーダーでの登場も確定し、DLC専門の地位を着実に固めている。
タコらしく、真面目な性格でおふざけには呆れる一面も。戦闘では、インクリングの使用しないブキ種を使用。
しかし、1章の間話からここまで長かったなあ……


◯エイト
1章からかなり時間が空いたので以下略。
ドラゴンクエスト8の主人公。デフォルトネームがナンパリングからとられたのも彼から。今作では槍もブーメランも使用せず、片手剣と盾で頑張ってもらいます。
あらゆる呪いを弾き、呪いの装備もデメリットを弾いて装備可能。使用呪文はギラ、デイン、ホイミ系とオーソドックスだが、今作に限ってはベホマズン(全体完全回復)がチート級。扱いに困ってます。いっそ使えない設定でも誰も文句言わんやろ……でもエイトといえばベホマズンなんだよな……


◯グレートフォックス
父親の残したスターフォックスの基地代わり。しかし、80年ローン。
灯火の星でも修理できたとはいえ壊れているし、かの機体の墜落は某戦艦みたいにネタに走れない。スターフォックスの明日はあるのか。

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