大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle 作:蘭沙
「ちょっと待ってよー!」
「ピャー」
少年ソラは、見上げた位置にいる羽ピクミンを追いかけて走っていた。
この世界をあちこち回って、自分の知る世界との僅かな共通点に無意識に目が向く。
故郷の面影のない、ただ同じ海というだけで、ホームシックになっていたところ、羽ピクミンに袖を引かれたのだ。
どんどん入り組んだ地形になり、見上げてばかりいるからか、時折転びそうになりつつもソラは進んでいた。
「ちょっと待って……きゅ、きゅうけい……」
「ワー」
体力には自信があったが、どんな体力自慢も全速力が長く続くわけもなく、膝に手をつけて止まってしまった。スパルタな羽ピクミンは周りで抗議の鳴き声。
「本当に……どこに行こうとしてるんだよ……ってうわっ!?」
「ワー!」
周りの羽ピクミンが距離を詰めてソラの服を掴む。そのまま上に上昇しようとして。
「オーンオーン!」
「……うん。自分で行くから……」
しかし、ソラの体重を持ちきれず引きずる形に。着たままの服ごとハンガーにかけられた新鮮な感覚であった。
「…………」
「……正直、私もわかっていることはほとんどない。しかし、ボディ達の望むままにさせてはいけないのはわかるんだ」
倒れたままのマスターハンドの元で、ひと通りの説明をする。ただ、オリマーも把握しきれていない現状、その説明は簡素なものだった。
「間違いなくろくなことにはなりませんよね! それはわかります!」
「ああ。だから共に戦って欲しいんだが……私はこんな体だ。限度がある」
「うっ……ですが、私もファイターでなければどっこいどっこいです……」
そうだ。スマッシュブラザーズは歴戦の戦士ばかりではない。戦うことに長けていない者も多く、大乱闘を除けばまったくの無縁な者もいる。
そういう点では、オリマー以上にWii Fit トレーナーは無力であった。
暗い顔で俯く傍ら、じっとマスターハンドを見つめていたクラウドが声を上げた。
「今のこいつを見れば状況がわかるやつがいるんじゃないか?」
「えっ、例えば?」
「パルテナ。同じ神だろう。あとルカリオも何か感じられるんじゃないか?」
「確かに……」
ファイターの中で1番マスターハンドに近い存在、光の女神パルテナ。
あるいは、人の意識を感じられるはどうポケモンルカリオ。
彼らの他にも察することのできる者はいるかもしれない。もちろんこの付近にいる保証はない。だが、もし何かしらがわかるならば、身を守る以上の対処も取れるかもしれない。
「なら、私も誰かを探してきます。おふたりみたいに戦えないのでこのくらいはしますよ!」
「だが、ボディが辺りに蔓延っているぞ? ピクミン達は小さいから見つかりにくいと思って送り出したが……」
「お荷物はごめんです!」
「……わかった。無理はするな」
「はい!」
心配で落ち着かないオリマーとは対照的に、クラウドは平坦な口調で、しかし決して冷たくない態度で送り出した。Wii Fit トレーナーが軽く走り出し、その背中を見つめる。
「……やれやれ。歳を取ると心配性に拍車がかかるな。若い頃が懐かしいよ」
「彼女も、あんたの気持ちはわかってるさ」
「君も随分気持ちに余裕ができたようだ。あの戦いから何年か経ってるんだったか? 色々あったんだな」
「……人のこと、よく見てるんだな」
それっきり視線を斜め下に向けて黙り込んだクラウドを少し微笑ましく感じるオリマー。束の間の平穏にも安らかな時間は存在していた。
「クンクンクンクン」
「ホン?」
黄色の動植物ピクミン。
ダックハントのコンビ、下の犬がピクミンの匂いを嗅いでいた。一部が座ってサボり気味のピクミンの手が鼻の先に触り、静電気が起きる。
「キュン!?」
「ピャー!」
「グワッグワッ!」
ピーンと耳と尾を逆立たせ、目を見開く犬に、背中の相棒は大笑いしていた。
しかし、背後から忍び寄るのは別の黄ピクミン。肩を叩くような軽さで翼に触ると静電気。
「ギャバー!?」
「イッシッシッシッシ」
同じように笑われていたのも記憶から跡形もなく消え去り、驚きっぷりに笑う犬。効果は抜群なのは別の世界の話。でも不快なのは確かで離れて距離を取る。
それでも追ってくる黄ピクミン。彼らの行動理念はたまに理解できなくなる。
「グワー!?」
「フン」
ついに背中を向けて逃げ回る。しかし、なぜか1匹ついてくる。
「イッシッシッシッシ」
「なにか物音が……あれ? ダックハント?」
腰あたりまで伸び切っていた草を掻き分けて、Wii Fit トレーナーが見つけた仲間。
何も知らないダックハントは勿論のこと、黄ピクミン達もやるべきことを完全に忘れていたのだった。
「…………とまあ、なんとか故郷の星に戻ってこれたんだが、新人社員のミスがあって会社が借金を抱えてな」
「……そうか」
「その借金を返すために息子のお土産とドルフィン号が売り払われた挙句、家族にも顔を出せないままピクミンのいる星にUターンしたというわけさ」
「………………そうか。」
ボディがこない間だけの休息といっても、何もないのはつまらないだろうと、オリマーは自身の経歴を語っていた。
対するクラウドの反応は淡白に感じるが、そうかの3文字には様々な意味が込められているのだ。きっとそうに違いない。決してオリマーの会話内容が重すぎて反応に困るからではないはず。
「……! 来ている」
「本当か……!」
来ている。何が来ているのかは説明する必要もない。座って暇を持て余していたピクミン達を呼び集めた。
1本の大剣を構える。戦闘の感覚を研ぎ澄まし、辺りの虚な戦意を感じ取った。囲むように前と右と左にボディ。数は4。
「はあ!」
横一閃に破晄撃を飛ばす。それを避けたボディ2体が迫ってくる。最速を誇るソニックのボディ、空中戦で強いプリンのボディ。
「くっ、羽ピクミンがいないのが響いているか!」
「だったらあんたはそっちを頼む!」
蹴り飛ばされた岩ピクミンに構う暇もなく、青ピクミンをぶつけ、振り払っている隙をみて新たに白ピクミンをぶつける。毒を含めた持続ダメージ。
振り払って白ピクミンを倒そうとするだろうと読み、紫ピクミンを振り回すが行動は止まらずにやられてしまう。
距離を取って振り返ると蹴り飛ばされたはずの岩ピクミン。
『…………!』
「(腕力自体はそこそこのソニックのボディ……その格闘ぐらいなら岩ピクミンは耐えられるのか……!)」
とはいえ、あのスピードを相手にぶつけなければ火力の出せない岩ピクミン。羽ピクミンなしの空中戦だとしてもそうだが、オリマーの不得手は変わらない。
冷や汗をかきながら戦っている中、岩肌から向けられる銃口。しかし、オリマーは気づいていない。
『……』
「……ッ!」
「わっ!?」
チャージショットでピクミンが数匹削られていく。よこいりの射撃。クラウドとオリマーを挟んで反対側からもリモコンミサイルがクラウドを襲う。大剣の厚さでやり過ごした。
「くっ、狙撃による支援だということか……!」
「それなら……!」
クラウドが頭上のから迫るボディを一刀両断している傍らでオリマーが遠距離の2体を倒そうと駆け出すが、自らの相手していたボディに阻まれる。最速が相手にいる以上、振り切るのは不可能だ。
「火力が足りない……!」
「……! 遅かったな!」
「えっ?」
どがっという重い音がして、反射的にその方向を向く。クッパのボディが倒れている。先程にはいなかった新たなボディ。しかし、倒れたままに溶けて消えていく。流れるように、地面のボディからその者達へと視線が動いていった。
『この世界は本当に騒がしいな……』
「あっ! クラウドとオリマーだ!」
やれやれと腕を組んだミュウツー。
平面世界の住人と青ピクミンを連れて参戦を果たす。
◯タイトル
ポケットモンスターサファイアのリメイク版タイトル。
ゲンシカイオーガの特性がはじまりのうみなのでアルファがつく。
しかし、なんでエメラルドにあたるだろうエピソードデルタはデルタなんでしょう?
◯ソラ
プロローグでもありましたが、少しセンチメンタルになってます。
2でもそんなことありましたよね。ドナルドもグーフィーもいないので尚更です。
◯オリマー
改めて考えると酷い経歴。
3DXでもロケット回収するまで帰ってくるなとか言われてます。
◯ミュウツー
技マシンで使える技まで考えているとキリがないので、基本的にレベル技+スマブラで使える技限定で戦ってもらいます。ただしこうした方が面白そうという考えで、覚えてもらったり忘れてもらったりするかもしれません。
◯Mr.ゲーム&ウォッチ
スマブラの世界の住人なので、ロボットと同じく戦闘に関して違いはなし。ただコイツ戦ってくれるんかね。良くも悪くも悪意がない故に。
◯作者の気まぐれコメント
キングダムハーツミッシングリンクのベータテスト当たったぞおおおおおおおおおおおおおおぶへへへへへのへのもへじいいいいいい!!!
あっ、終わったら活動報告に感想とか書こうかなとか考えてます。規約があるのでどこまで書けるかわかりませんが。