大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle 作:蘭沙
「何か……何か……」
Wii Fit トレーナーは今までにないくらい、頭をフル回転させていた。
確かに大乱闘の舞台に乗れなければ、自分が戦うことはできない。だが、体力の戻りきっていないだろうオリマーや、少年と呼べる年齢だろうソラが必死に戦っている姿を見て、座して待つということが出来なかったのだ。自分自身と同じ姿をしたボディが仲間を苦しめているのを見ているだけしかできないのならば尚のこと。
「体操用の道具くらいならありますが……」
ボールやフラフープくらいならあるが、それをどうやって戦いに活かせというのだろう。
「そうだ! ダックハントさんは色々持ってますよね!」
「ワウ」
第三者の援護射撃に頼り切らずとも、彼らには武装がある。空き缶型の爆弾は、彼らの強力な武器の一つだ。
「それにウォッチは素であれだけのことができる訳ですし……」
「えっ? ぼくぅ?」
そして特別弱体化している訳ではないMr.ゲーム&ウォッチをどうにか説得して参戦させれば、オリマーと彼女とダックハントで1人分としても戦力は5人になる。単純に加勢するか、それとも……
「これなら……大丈夫、いけますよ!」
小さな太陽のような輝きを盾で受け止める。ソラの服は黄色をベースにしたものに変わっていた。また別のキーブレードにチェンジし、変形させたものだ
「君も随分と多彩でカラフルなんだな……」
「まあね!」
「黄ソラミンは守りが強いと……」
「黄ソラミン!?」
「冗談だ、冗談」
振り下ろされようとした剣に岩ピクミンを投げて弾き、ブーメランのように投げられた盾がボディを吹き飛ばす。
念で空中に留めたボディに好き放題シャドーボールを連射した。
『緊張感のない……』
「軽口すら叩けなくなったら終わりだろう。おそらく、あいつもわかっている」
凶斬りで前方の敵をまとめて斬り飛ばす。掻い潜って襲いかかる跳び蹴りには一本剣を取り出し、逆手でカウンターをぶつけた。
「別にこの服ピクミンとは違うってー!」
「ははは、個性がイロイロ生きているんだ」
黄ピクミンがあちこちの敵に貼りついている。反撃されようとしたら別のボディに取り付き、犠牲を最小限にしようとしているのだ。そこへ降り注ぐサンダガ。
オリマーが笛を吹いて集合をかけると、ソラが構えた盾から無数の拳が襲いかかる。
「まだまだぁ!」
盾からさらにチャリオットへ変形させ、空を飛びながら辺りに雷撃を落とす。
「オーン!!」
「電気……いや雷か。強力な電気を受けると随分元気になるな」
まるでゲキカラスプレーをかけた時のように元気になる黄ピクミン。この状況でも生態系が気になっているのは最早癖だ。
少々冷や汗をかきながらも、雷を回避し少なからずダメージを受けたボディ達を斬りつけながら、クラウドは少し閃いていた。
「念の力でボディを弾くことはできないのか!? 触らずに動かせるんだったら……」
『できていたら既にしている!』
「っ……そうか……!」
しかし、その閃きは実現不可能。
触らずに物や人を動かすサイコキネシス。
口で言うのは簡単だが、念の力とて、反抗の術がないわけではない。
まず、頭で考えて使う力である以上、集中しなければ使えない。ミュウツーはそれに関して得意ではあるが、近づく相手を片っ端から飛ばしていくと常に集中を保たなければならないのだ。
それに足掻けば、腕や足を動かすことはできる。動かさないようにするのも念の力であり、当然そのために意識しなければならない。
不可能ではないだろうが、ミュウツーだけにかかる負担が大きく、それに見合った戦果になるとも限らない。
『だが、短時間ならば問題はない!』
尻尾で足払い、空中でとどめて他の敵の足元にぶつけて転ばせる。1本2本、細身の剣が突き刺さり、それがトドメとなった。
「どうやら個別で戦うよりは連携で戦った方がいいらしい!」
『不慣れだがそのようだ!』
クラウドの大剣が突進や銃撃を受け止め、真上からミュウツーが星型の弾を降らせる。更に、後を追うようにクラウドも飛び上がり、小振りの隕石を連続で落とす。
「あれ? ふたりがやったの、しらないや」
「いや、ソラさんも先程から……いや、もういいです……」
キーブレードの変形に、スピードスター、メテオレイン。本人以外は詳しく知らないが、それぞれが素の状態で使う技。
Mr.ゲーム&ウォッチが今更に興味を持ったが、深く突っ込むのはやめる。なんとか引っ張り出したというのに、他に興味を持たれて忘れられたらたまらない。
「では、準備いいですか?」
「うん!」
両手で肩の上に抱えた缶型の爆弾。Wii Fit トレーナーの手によって乱戦の中に投げ込まれた。
「!」
一瞬のうちに理解して離れるソラ。その背後で火のついた棒が投げられて爆発が起きる。Mr.ゲーム&ウォッチの手によってたいまつが投げ込まれて起爆したのだ。
『…………!』
「そこ!」
さらに爆発に巻き込まれながらもソラの背後を取ろうとしたボディの顔面にむけて、缶型爆弾が投げ込まれる。
「ああ、ここか」
「うわっ、」
「今の……!」
「イッシッシッシッシ」
そして爆発する。この銃弾による起爆。
明らかに第三者からの援護。協力してくれる気はあるようだ。
ダックハントの爆弾をWii Fit トレーナーが投げ、Mr.ゲーム&ウォッチが遠隔から火を投げて起爆する。
非戦闘員の名誉挽回、己が接近戦を得意とするファイターだから見逃していたいつもとは違う戦い方。
「これなら赤ピクミンであるなら相手を爆発ながら戦えます!」
「流石に赤ピクミンでも爆発は無理だ!」
「んなぁ!?」
「バクダン岩は無理だしねー」
「でも、範囲攻撃はあるだけいい! 機を見て頼む!」
「範囲攻撃かー、なら!」
ピクミンを一列に並べて振り回す技。リフレクで巻き込まれないようにしていたソラは障壁を飛び散らせて辺りの敵を退かす。
そして更なるフォームチェンジ。塔を模したような杖を握ると自分の分身をつくる。
「(増えた……)みんな……意外と多彩なんだな」
『他人のこと言えるのかお前は』
「イッシッシッシッシ」
ダックハントの蹴り飛ばす爆弾をねんりきで顔面にぶつける。背後で岩陰に隠れながらも、火力の提供は可能だ。
各々の本来を感じ取っていくのが傍ら、光の分身は本体と共に一斉に光弾を発射する。
「吹き荒れろ!」
「割と重い……です!」「フン?」
「上からもどうだ!」
エアロガンによる竜巻がボディの体を切り裂く中、羽ピクミンと共にオリマーは飛び上がった。重さと硬さの紫ピクミンと岩ピクミンを落とす。運びきれないと思ったがWii Fit トレーナーが地上のピクミンを投げて送ってくれている。
『……ッ!』
「カービィの……!」
「させません!」「こんちわー!」
自分よりも軽くて浮いたボディ。それらは余っていた羽ピクミンと、Wii Fit トレーナーが投げた黄ピクミン。そしてパラシュートで舞い上がり、本物の方の鍵を突き刺すMr.ゲーム&ウォッチが叩き落とした。
「意外とピクミン使いの適正もあるのでは……! これ、終わったら何匹か来ませんか?」
「ハア」
「あ、ダメですかそうですか……しかし、あとちょっと……これならなんとかなりますね!」
「あっ、それフラグにしよっと」
残るボディは、自分達の頭数と同じといったところか。最初はどうしようかと思ったが、案外なんとかなった。
「ウォ、ウォ、ウォッチ……ピクミンが……」
「えっ? あ、ごめんね」
「し、仕方ないんだこれは、今までも無犠牲ではなかったんだ、だから仕方ないんだうん……」
鍵の突き刺しに巻き込まれて2匹ほどのピクミンが逝った。Mr.ゲーム&ウォッチに悪気はない。責められたから謝っている。それだけ。
それを知っているから、自分に言い聞かせる形で折れようと頑張るオリマー。
「癒しよ!」
『むっ、自分で治せるが……』
「はあ、はあ……疲労は無理か……」
少なからず負った傷。それを塞ぐソラのケアルガ。魔法では疲れまでは取れない。少しは回復した体もすぐにまたボロがでてくる。
オリマーだけではない、他も程度はあれど疲れがある。
「おまたせ〜、10体ほど増やしたけどいいよね?」
ザクッ
「……ッ!?」
『これは……まだ増えるか……!』
「えっ? ウソだぁ!?」
「ウウゥ……!」
足音を聞き、更に登場する大群のボディ達。
ダックハントに笑う余裕を奪い、怯えながら唸らせる現実。
後が見えずただ今の状況だけが悪くなる光景も、精神的に彼らの体力を奪っていた。
◯タイトル
星のカービィ外伝作品、カービィ バトルデラックス!。
4人対戦の多種多様なゲームで競う対戦ゲーム。
ストーリーモードでは、パラソル持ちのバンダナワドルディと共にコンピュータと戦っていく。(スタアラでのんきなパラソル持ちとか言ってたのに)
必勝講座を公式でだしたり、小説化したりと外伝だけど一般知名度は高い印象。3DSのネット環境終わるし後継作出してもいいのよ?
ファイターズ? それとはちょっと違うんだよね……
◯ソラの服
ソラがフォームチェンジできる理由。キーブレードの変形に応じて色が変化する。
眠れる森の美女で出てくる、自分の色好きな妖精達が制作しており、フォームチェンジも彼女達の魔法によるもの。
ちなみに同じようにリク、王様、カイリ、リアの服も作っているが、フォームチェンジが可能なのはソラのもののみ。おそらく時間がかかり過ぎるから。
一応闇を祓う力もあるが、多分本作では使われない。