大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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あ、えーと。
前回なんですが、2話続けて投稿してます。
ですが今回から見て前話から見て欲しくなかったので、
投稿順的には、前話→139話とややこしいことになってます。

そうしたら、そもそも前話の存在を知らなかった方がいたようで……
見てなかったら今話より先に前話からどうぞ。




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122話 Load


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………!

 

 

「そうか…………それが君達と、彼らの選択なんだね」

 

 

またロードとリセットとセーブを繰り返す。

そうして違う結末を、全ての終わりを見るために。できることをするために。

 

僕達にとって、

"できる"ってことは、"やらなくちゃいけない"

ってことだからさ。

 

 

さて、こうして僕はこの大乱闘の世界の過去に戻ってきた訳だが。

どれくらい前に戻ってきたかって?

タイトルまで戻って確認してよ。いってらっしゃーい。

 

 

ジョーカーとマスターハンドの、そして君達の望みはダブルを倒した上でのハッピーエンドだろう?

 

 

だけど、あの位置にどれほどのファイターがいたって、結末は同じさ。

 

ダブルが、全てのファイターと存在を共有しているならね。

 

 

じゃあ、どうすればいいか。

僕の中では、実は答え出てるんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、いた」

 

 

ルネがいたと指を刺す先には何もない。

だが、彼はわかっていた。彼にとっては、未来のことは全てが過去形。

 

森林の中、どこかへと急ぐインクリングやロイなど、フェレへ飛ばされていたファイター達。その後ろを追っていたのは、透明のように見えざる存在ながら、確かにそこにいるもの。

 

 

「うりゃ」

 

「……ッ!?」

 

 

まさか自分が、認識外からの攻撃を受けるとは思わなかったと、大袈裟に距離を取る。

破晄撃が消えた先、背中を撃とうと追っていたファイター達は草葉に隠れて見えなくなっていく。

 

 

「ルネ……! 貴様は……!!」

 

「よっ、ナカツナ。おひさだね。チハクにぶった斬られた気分はどうよ?」

 

「……何を言っている?」

 

 

オレンジのパイロット着を着込み、機械の類いを取り外したのはファルコのボディ。

名をナカツナ。電撃の力と存在を曖昧にする力を使いこなし、エレブ大陸を恐怖で支配しようとした鵺と呼ばれた妖怪である。

 

 

「さて、こんなパチモンだけの戦いに話数を使うのもアレだ。一話で終わらせよう一話で」

 

「さっぱりわからん」

 

「ってことはサクサクいかないとねえ。という訳で、おまえが……欲しい! もといおまえの持つ()()()()()()()が欲しいだけ!」

 

「……俺と戦うということか」

 

「そゆことそゆこと〜。いくよっ」

 

 

グライドで距離を詰めて重い一振り。

クラウドのボディに宿るルネの攻撃は一撃が重い。しかし、武器で戦うのはナカツナの方が秀でていた。

 

 

「貴様は知らんだろうが、この剣にはな……」

 

「スピリットの強制帰還でしょざっくり言えば。くどいよ」

 

「掠りでもすれば終わりだぞ!」

 

「掠らないから大丈夫!」

 

 

その自信に満ちた声に裏付けられるように、技術で負けているはずのルネは軽々といなしていく。バスターソードを流れるように動かし、ヴォーパルの剣の先を上空へ向かわせる。

互いに空いた隙の糸、鋭いルネの膝がダイレクトに突き刺さった。

 

 

「体術か……!」

 

「そりゃあ君達と違って実用性でボディ選んでるもん」

 

 

ルネが器としてクラウドのボディを選んだのは、マテリアによって召喚獣が使えるから……だけではない。

ジェノバの実験により、身体能力を底上げさせられていたクラウドの肉体は、戦闘技術の少ないルネにはおあつらえ向けだったのだ。

 

 

「僕にとっては彼もそれ以外も同列に好んでるから。逆にそれ以外で探せと言われると別の意味で困るし」

 

「……貴様、どうしてこの世界に来た」

 

 

電撃を込めた斬撃、そしてバスターソードからの破晄撃。十字にぶつかって消滅する。

接近して繰り広げられる殺陣の最中、不可解なナカツナからシンプルな問い。

なぜなら、少し話しただけでルネからはスマッシュブラザーズへの抑えられない好意と敬意があると感じ取れた。それなのに、わざわざ敵対するようにこちらについた。

 

 

「古い時代のポンコツにはわかんないだろうけどね、僕は活躍を見たいんだよ。彼らが悩み苦しみ、希望や光を見つけて世界のカタチを大きく変える。それでしか味わえない興奮がある」

 

「まるで……能楽の座客だな……!」

 

「大体合ってる。でも今の僕は役者でもあるのさ……ほら、凶斬り!」

 

 

わざとらしく話した技名で木肌に叩きつけられるナカツナ。そこまで抑えているわけではないのに、彼の剣は掠ってもいない。そうしていればとっくに勝っている。

 

 

「(いいようにあしらわれている……! ならば!)」

 

「んっ……!放電か……! ダブルといい、何度も同じ戦法ばかり……芸がないね」

 

「勝てば官軍よ」

 

 

歯を食いしばり、バスターソードを地面に突き刺して少しでも電流を外へ流す。ルネにはかわせないほどの広範囲攻撃が有効だった。

奴の剣は完全な回避を求められるため、このぐらいは許容しよう。

 

 

「……!」

 

 

そうして、目の前のナカツナが見えなくなる。

なるほど、電撃を逃すため剣を突き刺してしまえば初動が遅れる。その隙を存在を曖昧にし認識しづらくしたところで一太刀浴びせて終了、ということか。

 

 

「(まあ視認できなくしたところで……)」

 

夕霞乃舞(ゆうがすみのまい)……ッ!?」

 

「未来は僕の味方さ。不意打ちは効かないよ」

 

 

ヴォーパルを振るうナカツナの手を、しっかりと受け止めていた。

その裏に、不意打ちをくらった1度目があることを彼以外知らない。

 

 

「ぐっ……腕力が……! 放せッ!!」

 

「や・だ」

 

 

バスターソードから手を離し、空いている片方の手で顔を1発、腹部を3発。ナカツナも防ごうとするが、それよりもルネのパンチの方が速い。ならば、とルネの胸部に直接電撃をぶち込む。

 

 

「んんっ……! いいじゃん、そうこなくちゃ」

 

 

胸を押さえながら後ろへよろめくルネが口角を上げた。地面に刺したままのバスターソードを引っこ抜こうとするものの、それはいつの間にか消失していた。

 

 

「ない……?」

 

「……フッ、形勢逆転か。割と賭けだが上手く行った」

 

 

互いに斬り合っていた際、バスターソードに対して、ナカツナ本人の存在をあやふやにする力を使用していたのだ。

それが手から離れ、ルネの知覚から外れた瞬間にその本領が発動。電撃を飛ばして位置を変えてしまえば、どこにあるかわからなくなる。

 

 

「こうして僕はその剣を直接避けなければならない。防ごうが、触れた時点で終わりだから……かな?」

 

「潔く散れ、名もなき精神……! 小夜怪光(さよかいこう)!」

 

 

辺りが眩しく電撃が発生し、目を開けていられない光。その中でナカツナは確かな手応えを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武器で防がれる手応えを。

 

 

「なに……!?」

 

「人の認識に任せてしまう。つまり君は他がどう見ているかまで把握してないんだよ」

 

 

「許さない……! また透魔兵を呼びだすなんて……亡くなった人を兵士にするために蘇らせるなんて……! おまえは絶対に倒す!!」

 

『透魔兵……ああ、やれるものならやってみたらどうだ!!』

 

 

だからこそ、カムイがその力を受けたボディを、透魔兵と勘違いした際、まるで話に乗るような沈黙があったのだ。

ルネにバスターソードは見えていた。正確にはどこにあるのか記憶を貰った。だが、見えていないフリをした。

 

 

「さ、終幕だ。ツキがなかったな。こんな攻撃、そうめんみたいなものだぜ……な〜んてね」

 

 

リヴァイアサン

 

 

プププランドを大雨と洪水に沈めた召喚獣。

そのマテリアは変わらずその剣に埋め込まれている。

 

 

「ガッ……!?」

 

「おっ、みっけ」

 

 

リヴァイアサンの呼び出した水流の渦。

それに飲まれもがくナカツナの手から、得物が剥がれたことにニコリと笑った。

上空のソレに向かって跳んで、ヴォーパルの剣を握る。そのまま、ナカツナの元へ。

 

 

「(……! しまっ……!?)」

 

 

お ろ か

 

 

かつてそれは、同じように自分を屠ったチハクが放った手向けの言葉だということを、ナカツナは当然知ることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルネが過去を変えた。

ナカツナを消滅させることで、彼が動くことで紡がれていた運命は別の形をとる。

 

 

「でも……駄目。やだ……君だけは嫌わないでよ……僕自身がどれだけ酷く僕のことを嫌っていても構わないから……! はじめての友達が、はじめてまたねって……! どうしよう……」

 

「なら……この事態を解決するのに協力してくれないかい? 例え敵だったとしても、事態の収拾に協力してくれればマスターハンドも酷くは扱わないよ。彼がそうだったもの」

 

「ふん」

 

「…………」

 

「……それぞれ、利害が一致した同士がマスターハンドを探している。スマッシュブラザーズの誰かの内に逃げ込んだ奴を。しかし、どうやら全員に何かしらが起きて、結局戦場はこの世界になったらしい」

 

「誰かって……誰だい? ヒントとか……」

 

「わからんから探していたのだ。ただ、そちらを倒さなくても全員を行動不能にすれば残るは数だけはいるボディだけ」

 

「ピ、ピチュー、もしかしてこの人自分から仲間倒そうって言ってるよね?」

 

「ピー……」

 

「元から仲間の情など存在しない。おそらく全員の共通思考だ。利害しか見ていないからな」

 

「き、聞こえてたぁ……」

 

「……って、おい、なんか和解のムードになってるが、せめてボディを変えろ! 目障りだ!」

 

「やだー!!」

 

「やだー!!じゃねえよ! 訴えるぞ肖像権の侵害だ!」

 

「チハクとお揃いがいいし、白と黒ってカムイとも似てるし……でも、他の……ナカツナやキク、ルネにプレシアにダブルも、僕にとってははじめての、チハク以外の仲間なんだ……」

 

 

 

途切れていた言葉は、

この周回では完全に紡がれた。

 





◯ルネ
皆様と同じ視点を持ちながら、
キャラクターであり、演者であり、また作者の代行者でもあります。
ざっくり言ってしまえば、第3の壁から物語を見通すこともできる存在。

そういった発言とチート能力を持たせることで、ラスボスだというミスリード要因でもありました。実際、物語を作り替えて皆様に見せられるようなものにするという行動原理である以上、実際にラスボスであった周回もあったかもしれません。


◯できるってことはやらなくちゃいけない
Undertaleにおいて、サンズが言い放ったゲーマーの根幹を言い当てた言葉。何度も繰り返してやれることをやったルネは正しくこれです。


◯リセット
ということで、ジョーカーとルネの盟友である皆様が諦めず、バッドエンドを受け入れなかったことで、ルネがリセットしてやり直すことになりました。

え? 皆様は望んだ覚えがない?
だって前話でいっぱいスクロールしたってことはそういうことですよね?
さながらアンテのジェノサイドルートを受け入れられず、ソウルレスルートに行った時のように、できることをやらなくちゃいけないんですよね? 真意は重要じゃないです。
ということなので、第二のエンディングまでこの物語は進みます。



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