大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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126話 クライマックス推理

 

 

 

──英雄の、朋友達よ。

 

──我が名はマスターハンド。この大乱闘の世界を創りし者……

 

 

──唐突だが、貴殿らに助力を願いたい。

 

 

──この世界に蔓延る有象無象を駆逐するため、戦って欲しい。

 

 

──貴殿らに与えた力は、彼ら英雄と、スマッシュブラザーズと同様の力だ。

 

 

──全力で振るうのだ。

 

 

──役割も与えられぬ、顔のない生命を、この完璧な世界の支配者とするのは我慢ならないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダブルの創り出した世界。

ルネが未来の傍観者であった自分から記憶を受け取る前にて、マリオ、カービィ、そしてジョーカーの3人がダブルとの最後の戦いの舞台となった場所。

戦いもない今となれば、一面の黒にちっぽけな花火を生み出した異質な世界。紺色の水紋の広がる大地。

 

 

「……?」

 

 

空中に光の鎖で縛られ、囚われたままのキクは、ダブルの纏う空気が変化したことに気づく。

 

今までは余裕綽々だった彼。キクからは何もわからないが、おそらく大乱闘の世界のことを把握しているのだろう。

それが何があったのか、驚愕に焦りと困惑と。確実に何かが起きている。ダブルの想定外の何かが。 それも彼にとって悪い方向に。

 

 

『どういうことだ……』

 

「……ふふっ」

 

 

何が何だかわからないが、ダブルが不利ということは、()側が有利であるということだ。

呪いとか一切気にせずに自分を見てくれた紅が似合う彼が無事である可能性が高くなるのだ。

 

 

「(がんばれ)」

 

 

心の中でそれだけを語った。

 

 

 

 

『何がどうなっている……!?』

 

 

ダブルだけが認知できる景色。

まだ戦乱の続く世界で徐々に広がっていく不利な戦況。沢山いたはずのボディがどんどん減っていく。その分増やしても創っても減りのペースがおさまらない。

どころか、どんどん減少幅は大きくなっていく。

 

 

『一体……!?』

 

 

世界中を覗く目から、過去へ過去へ巻き戻り、原因を、要因を探っていく。

マスターハンドの器が転がっている場所。

ファイターの集まる場所。

見慣れているようで違う者。スマッシュブラザーズではない贋作が混じっている。

 

 

──「やれやれ、あっちにもボディ、こっちにもボディ。やることが単純だから配役がないんだよ。そう思わない?」

 

 

なんだこいつ。

完全にこちらを認識して苦笑しながら、馬鹿にしてる。赤い服の、側の本物より幼く感じるクラウドのボディ。

 

彼はルネだ。

今にして思えば、目的すら不明瞭な謎の存在だった。それでもよかった。所詮は利害の一致で組んでいたに過ぎない。チゲン達と同じ、利用するなら手は貸す。敵に回るなら討つだけ。

プレシアのように1人で勝手に大立ち回りしてくれるなら大歓迎だった。

 

会話が進んでいく。

ベレトへの依頼だのセフィロスとのちょっとしたいざこざだの。

でも、これじゃない。ボディが激減している理由は──

 

 

──「さて、僕が具体的に何をするか。本当はベレト辺りに任せて終わりにする予定だったけど」

 

──『気が変わった?』

 

──「そうだね。マスターハンドの肉体がまだ囚われてないならば、復活さえさせればこんなこともできるんじゃない?」

 

──「こんなこと?」

 

──「それは────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──スマッシュブラザーズではない君たちの仲間すらも、ファイターにすることだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そういうことかぁ……ッ!!』

 

 

ジョーカーが辿り着き、完全に復活したマスターハンド。

色んな世界から集った戦士達。まるでポケットティッシュレベルの気軽さでファイターの力をばら撒く。

 

 

──アレルが完璧な剣技を魅せながらボディを一刀に両断すれば、リリーナが雷の魔法で討つ。

 

 

彼らに倒されたボディは色を失い、完全なフィギュアとなった。そして数瞬の後に溶けて消えていく。

 

 

──バンダナワドルディが百烈突きで大勢にダメージを与えれば、ホタルのヒーローチャージャーが後衛を撃ち、アオリのヒーローローラーが一直線に敵を撃っていく。

その後ろからティーダがプリッツボールを蹴り飛ばした。

 

 

ファイターでなかろうと、ボディを討つこと自体はできる。しかし、フィギュア化の土台に乗っていないため、力づくで壊すしかない。

 

 

──プレシアの戦場にて、荒れ狂う水のうねりをかわしつつ、黄昏の勇者と魔王が互いの背中の敵を撃ち、ジャンヌの召喚した魔人の腕が激流を防ぐ。

 

 

フィギュア化しなければ、ボディは簡単に倒せない。スピリットが宿るボディもまた同じ。否、中身があることも考えればボディの消滅によって朽ちることはないと考えていい。

 

 

──局所的なカオスコントロールの元、シャドウが素早く敵を蹂躙し、撃ち漏らしをシャドーカービィのハンマーを叩く。

 

 

ダブルをはじめとした侵略者達がフィギュア化システムを完全停止させる目的で、ファイターの力を奪うためにマスターハンドの抹殺を目論んでいたのだ。

 

 

──キノの遠距離からの回復を受けながら、ネネがボディ達のヘイトを一身に受ける。ゼルダがアイスロッドで凍らせた後のボディを、リンクとクリスが鍛えられた剣技で打ち砕いていく。

それにはキノだけではなく、7機のクッパクラウンの援護があった。

 

 

結果としてマスターハンドの精神のみはギリギリで逃亡。ジョーカーに宿る形で隠れ潜んだ。

その為、彼はダブル達を確実に滅することができる唯一のファイターだったのだ。

事実、ボディごとプレシアを討った。

 

 

──アシュリーが髪を白く変化させて、あたりのボディを料理に変えていく。ちょうど合流した8号がかたまっている中、ドラゴンソウルを発動させたエイトが他のボディを霧散させていく。

 

 

彼だけがファイターの力を持っていたのは、マスターハンドが不完全だったから。

しかし、本来の道筋を知っていたルネの干渉によって、ダブルはマスターハンドの肉体を掌握することができず、完全復活を許してしまった。

 

 

──マリアの召喚した聖獣の上に乗った、2匹のピチューが上空から雷を落とす。

パージされたヒーローシェルターを陰に隠れ、ソロが接近してギガスラッシュ。

 

 

故にスマッシュブラザーズ全てがファイターに戻り、ダブルを討ちに来るだろう。それは彼自身予想はしていた。だからこそ、ボディを増員してこちらに向かうファイターを出来る限り減らそうとしていたのだが。

 

 

──慌てて逃げ回るキノピオ隊長を庇うように前方にでたレックスがアンカーショットでボディを引き摺り込んで、距離を詰めさせる。

 

 

更にそれの対策をしてくるように、スマッシュブラザーズの仲間達までファイターの力を与えてしまった。

 

 

──これから、何が起こるか。

 

ボディの討伐ペースがグングン上がっていく。

その分ダブルに割ける人員が増える。

 

 

『どう……しろと……』

 

 

ここで彼自身が大乱闘の世界に降りるのは悪手だ。スマッシュブラザーズ全員含め、一時的にファイターの力を得た者達まで一度に相手をすることになる。

 

 

──「役者は揃えるさ。監督気取りは1人で十分。はじめようか、スマッシュブラザーズとの大部隊な大舞台! それに彼らの故郷の仲間達も、役を配られるのに相応しいのだから!!」

 

 

『貴様ァ……ッ!!』

 

 

知覚していたほんのちょっと昔のルネ。

陶酔し、恍惚すら感じられる屈託ない笑顔。

まだ、先を見て策を思い浮かべているだろう姿に、ダブルは感じたことのないほどの殺意を滲ませていた。

 





◯タイトル
ダンガンロンパ シリーズのメインたる裁判パートのクライマックスとなるミニゲーム。
事件を時系列、漫画風に振り返っていくパートであり、沢山の選択肢の中から空いているコマを埋めていく。中には過去の事件のコマやらネタに走ったコマもあるぞ!
ちなみにネタっぽいのは選択肢用のコマばかりじゃないぞ!


◯ファイター化
と、いうわけで、マスターハンドの復活により、スマッシュブラザーズだけでなく、その他のゲスト達もみんな合わせてファイターです。
この構想は初期からあり、各章でのゲストはこの為。
ボディ掃討のために力をつくす。誰はファイターになれなかったとかの不満をルネは力づくで解決させました。
ちなみに、ルネはその他色んな世界に行って助っ人を呼び集めています。ダブルイジメだよこれは。


◯どこまでファイターにしてくれるんですか?
ルネは空気が読めるので(敢えて読まないこともある)、スマッシュブラザーズのファイターと同郷の者達かアシストフィギュアの方しか呼びません。
あ、後マスターハンドが帰れないだの方便かましてるようなので、KH関連の世界にも行きません。

設定は破らないのがルネです。(敢えて破る時もある)
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