大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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133話 Thank You For Playing

 

『ッ、ッ!! たかが一度二度上手くいったぐらいでッ!!』

 

「それぐらいじゃないだろ! 指がなくなったから3以上が数えられなくなったのかい!?」

 

『黙れ、ただのレーサーの分際でェ!!』

 

 

2人がかりで肉薄し、拳やキックを防ぎかわすダブル。リトル・マックとキャプテン・ファルコンの即席コンビだが、攻撃を向ける箇所を左右で分けて、互いの邪魔をしないよう立ち回る。

 

 

「じゃあお前も単なるドッペルゲンガーだ! オレ達の大乱闘の邪魔しやがって!」

 

『スマッシュブラザーズの格落ちが……!』

 

「うっせえ! ちょっと気にしてること言うんじゃねえッ!!」

 

 

3人が至近距離の肉弾戦を続ける中、リトル・マックの鋭いストレートがダブルの頬にあたる部分に突き刺さった。

 

 

『…………ッ!!』

 

「世界を救ったりはしてねえッスけど……オレはオレなりの戦いをしてきたんだよ!!」

 

 

頂点を目指し、

悪を折り、

世を救い、

正義を掲げ、

己の道を突き進む──

 

 

「貴様に経歴で品比べされる謂れはない。俺は俺のしたいようにする。永遠にな」

 

『それは我々も……同じこと!!』

 

 

下から振り上げたガノンドロフの大剣が数本のマスターソードによって阻まれる。

テレポートの応用で一瞬で背後を取られ、残るは支える力を失った退魔の剣。ただ弾かれ、空虚な音だけを鳴らして消滅した。

そのダブルすらも囮。本命はいつの間にやら上空に現れた、白い騎士と翼が特徴の(デバイス)

 

 

「セイレーン……! ホンット人の神経逆撫でするのが得意ね……!」

 

「皆さん! セイクリッド・アローに気をつけてください!」

 

「その上ポンポン、マスターソードを増やしやがって……遂になりふり構ってられなくなりやがった!!」

 

 

ヒカリがわかりやすく顔を歪める隣で、サポートのため、ホムラが代わりに説明する。

一本しかない退魔の剣も、全てを度外視して何本も操り、容易に囮にもする。

 

 

「ヒカリちゃんの言う通りだろ! 腹立って仕方ねえ!! 良いことばっかじゃなかったけどさ、それも踏まえてオレの物語なんだよ! 良いとこしか見ずにそれだけ盗ってんじゃねえ!!」

 

 

構えた時の魔王の大剣と、復活の英傑の聖剣。

大剣の刃が真上、退魔が右下。

そして、残る左下。

 

 

「これで、どう!!」

 

『あぐ……アッ!?』

 

 

ゼルダの召喚したファントムの刃も、同じタイミングで突き刺さった。

 

仰け反り、突き刺さったまま、ダブルの足元は赤と青の炎に包まれる。

 

 

『聖水……! この程度で……』

 

「と、思ったか!」

 

 

振り回したリヒターのヴァンパイアキラーがダブルの腕部を弾く。

直接繋がっていない腕だが、制御を一時的に失わせて対応を遅らせることは可能だ。不意をつくように急速に近づいたメタナイトの剣を、もう一本の腕を犠牲に防ぐが、ヨッシーの跳び蹴りまでは防げずに、吹き飛ばされながら勢いを殺す。

 

 

『(先程の聖水……攻撃してたリヒターの物もあったが……誰かに渡していたか)浅知恵だな……! 我々ならもっと……!!』

 

「聖水のあめだー!?」

 

「むらびと! 撃ちおとそう!」

 

 

雨のように降らせた聖水を、ロックバスターやパチンコで撃ち落としていく。

 

 

「カガク?の力ってスゲー!」

 

「プリ……」

 

「盾が必要ならキツネに頼め……!!」

 

 

赤いリフレクターを展開するウルフの背後に回る、トゥーンリンクと彼の腕に抱かれているプリン。彼女だけが少し申し訳なさそうにしてる中、何かを思いついたように後ろの2人の方へ向いた。

 

 

「持ってろ、いじるなよ」

 

「え、うん」

 

 

リフレクターを起動させたまま、トゥーンリンクに渡すと、鋭い眼光の睨みを効かせてブラスターを構える。

 

 

『……ッ!』

 

 

両手でしっかり構えて狙い済ませた光弾は、ダブルの胸部を的確に撃った。

降り続けていた聖水も止み、そしてその一瞬の隙だって、決して彼らは逃さない。

 

 

「ソォイ!」

「うおおっ!!」

 

『……このッ!!』

 

 

ミェンミェンのドラゴンのアームが、一本の鋭利な足のような棘に噛みつく。首にはシモンのヴァンパイアキラーが絡みつく。

対角線上に引っ張り続ける中、感情が肉体を支配し、震えながらダブルは周囲を見渡した。

 

聖水にて発火した跡が未だに残る中、自分を睨む者達が少数。

そして周囲には手負いのボディ達。余力さえあれば無限に増やせる手駒を気にする意味はない。だからこそ聖水の絨毯爆撃を躊躇なく決行した。だから手負いなのは問題はない。

相応に余力は削れている。効果はある。

だが、思ったよりずっとそれは些細なものだった。

 

 

『いい加減……にシロッ!!

 

 

「……んナッ!?」

「がッ!?」

 

 

マッハトルネイド。

自分の身ごと竜巻のように回転させて、ミェンミェンとシモンを振り回す。驚きつつも、それでも離さない2人。

 

 

「こっちの言葉なんだけど!!」

 

『うルサイ!!』

 

 

振り回されている中、弓を間に入れて、ミェンミェンとシモンの2人を、拘束に用いた2本の鎖を引っ掛ける。回転したままのダブルの体がグルグル巻きに。そして、拘束の鎖が短くなった結果、こどもリンクのすぐそばに。

 

 

「はあああああっ!」

 

『ぐっガッ、アッ!』

 

 

逃れようもなくなったダブルの体を、マスターソードを貫いた。残るボディはなく、マスターソードを抜いて拘束していた2本がなくなった。

 

支えるものがなくなって、崩れ落ちたダブルは浮遊が不安定になった。それは確実に今までのダメージが響いていた様子だ。

 

 

『お前ら如きニ……! 我々はオ前達など超えたとイウのに……! 全てを超えたトいうのに! だカラコその創造主だぞ……!!』

 

──『敵だからと相応の言葉は聞き流してやっていたけど、流石に限界だよ。……君はいつから、彼らよりも遥か格上だと思っていたの?』

 

 

出番は終わりだと言っていたルネの突然の発言。

飄々としていたはずの彼の声から確かな怒りが感じられて、その唐突さをあってか本当に限界がきて口を挟んできたとわかる。

 

 

──『君からはなんの感情も湧き上がってこないんだから……ワクワクもない。遥か格下だろうが。僕達の愛した彼らは、君なんかよりも強くて、弱くて、怖くて、優しくて……いつだって、僕達の隣にいてくれるんだから』

 

『アアッ……!! アアアアアアアアァァァ!!』

 

「ねえ、今聞くことじゃないんだけどさ、ルネ、結局キミはなんなんだい?」

 

 

マリオの質問に、喜色を滲ませた短い笑い。

そして、言った。

 

 

──『僕は、僕達は……君達を、永遠に愛する、単なるファンってところかな』

 

「……それは……()()()()()!! 一緒に応援してくれて(遊んでくれて)!」

 

──『…………! うんっ、うん! こちらこそ』

 

 

『我々ハ! 僕ハ!オレハァァァアア!!!』

 

「じゃあ、やろう!!」

 

 

ああ、ああ──!

僕達(プレイヤー)はその諦めない姿に勇気を貰ったんだ……!!

 




◯タイトル
スプラトゥーン3 今シーズンのカタログ95レベルで入手できる肩書き。

ラスボス戦自体は後1.2話続きましたが、想定外にルネがでしゃばってきたので、結果的にこうなりました。

ちなみに今シーズンサボってたのであと30ぐらいあげないと、手に入りません。やっべーと思いつつ、どうせ「スロッシャー界の」は外さないだろうなと中途半端。


◯セイレーン・デバイス
ざっくり説明すれば、ヒカリとホムラのみが操作可能の機械。
セイクリッド・アローもコイツか放たれる。
ゲーム的にはホムラの方が火力でるのは内緒だよ。


◯亜空遅刻組
からませろと突然お告げが来たので……
本作内では特別仲良しって訳ではないのです。
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