大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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134話 最後の切り札

 

『何が何が何ガァッ!! 何がファンダッ!!!! つまラないツマラなイ!! つマラなイ存在ガァッ!!!』

 

 

狂乱する何者でもない存在。

数多の業物と呼ばれし武器が、辺りのファイター達に無差別に襲いかかる。

 

 

「ついに錯乱しやがったか!」

 

 

多くの伝説を冠する剣。子供が傘を振り回すようなごっこ遊びも、純粋さのない狂った怪異がやれば、ただの恐怖映像だ。

その切れ味は本物と同程度である分タチが悪い。

まさにウェポンカーニバル。その中にはスマッシュブラザーズの持っているもの、そして知っているものもあった。

 

 

「チッ! 流石に重っ……!」

 

「だが、奴ほどではない!」

 

 

体術では不利だと悟り、ロケットランチャーでの火力任せの相殺に切り替えたスネーク。しかし、ラグネルの大振りはパワーが桁外れであり、大きく仰け反る。

しかし、ラグネルの本来の持ち主にとってはそうでもなかったようで、同種の剣のエタルドを弾き飛ばした。

 

 

「……ああ、そうだな!」

 

 

その言葉を受けて、スネークも訂正した。先程の剣にアイクの持つそれと同じ重さはなかった。

 

 

「……! 剣だけじゃない! 気をつけて!」

 

 

ただ武器を飛ばすだけではない。

背後の一部の魔導書は、ロイにも覚えがある業火の理。

 

止まっていれば狙い撃ちにされる、そう考えて動き続ける。しかし、今のダブルは敵を滅することしか頭にない。武器がロイを中心として渦を巻き逃げ場をなくす。

トドメと放たれたフォルブレイズを受け止めたのは、竜化したカムイだった。

 

 

「なっ……!? カムイ!!」

 

「この程度……ッ!!』

 

 

手や翼だけを竜化させたカムイが、全身から血を流しながら竜に姿を変え、全てを押し流すほどの激流の渦を呼び出した。

 

 

「チュウウウ!!」

 

 

からにこもったゼニガメをサーフボード代わりにピチューがなみにのる。多くの武器が押し流されながら、かみなりを放った。

 

 

『アアア゛ア゛ッ!』

 

「おまえの言うつまらない存在というのは、どこからどこまでだ? 気になるな」

 

「うわっ……」

 

 

そしてその痺れたダブルを、大渦ごと真っ二つにしたのはセフィロスだった。

胴から上下に真っ二つとなったが、斬り落とされたはずの下半身が浮き上がって接着する。

ただし、前後が逆のままくっついて気に留めずに動いている。

生物としてかけ離れた治癒の姿に思わずソラの口から恐怖の混じった声が漏れた。

 

 

『どこカら、だとォ……? 決マッていル……! 世界の創造主トなる我々は全ての存在を超越する!! 他の全てが格下!! 我々の思い通りニだけ動けばイイ!!

 

「まあ、ある意味超越はしてるんじゃない?生き物としてあり得ない構造してるわよ!」

 

「ヘタクソな積み木みたいな体しやがってさ、ちょうど生命に見えなくなるタイミングだったわ!」

 

 

カズーイの羽ばたきによって飛び上がったガンナ。まるで鈍器のように頭部を大きく揺らす。足を掴んでいた手を離し、落下していくガンナの肩を踏み台にバンジョーが空中でカズーイと合流した。

 

 

「いくよー!」

 

「ウホッ!! 一緒に!」

 

「「うおおお(ウオオオ)!!」」

 

『……ッ!!』

 

 

2匹のワンダーウイング、そしてドンキーコングのジャイアントパンチがダブルの体へと沈んだ。体ごと吹っ飛び、地面に叩きつけられる。

 

 

『……ッ、いつまデモ!』

 

 

すぐに立ち直り、今度は銃や弓といった遠距離の武具を揃える。空中に浮かんだ武器全てから撃ち放たれ、ファイター達に襲いかかる。目下の標的は空中にいるバンジョーカズーイとドンキーコング。

 

 

「御三方!」

 

「ありがと!」

 

 

アイテムキャプチャーで一時的に飛び道具を防ぎ、彼らを守る。技と技の間の時間はチコが直接壁になり、ガンナがリフレクターを展開する時間をつくった。

 

 

『マだ、戦うといウナラば……軽く、焼き尽くシて、全部を終わラセてやル!!』

 

「壁ができてんぞ!! めんどくせぇ……なんとかしろ!」

 

 

鼻をほじりながらワリオがバイクをふかし、銃弾の嵐をかわしつつ様子を伺う。

宙へ浮かぶダブルの周囲には盾や要塞の壁のようなものが顕現した。攻撃を空中の銃火器に任せ、全方位を守る、遠距離の攻撃を許さない姿勢。

 

 

「頼む、直接崩して……吹き飛ばされて……風が吹いているのか!!」

 

 

ピクミンを貼り付けて壊そうとするが、周囲に突風が吹いているのか、彼らがはりつく前に吹き飛ばされる。半端な飛び道具では届きもしないだろう。

 

 

「なら……掻い潜る!」

 

「けどさ、あのバリア、どうする!?」

 

 

スーツを脱いだサムスは、機敏な動きで銃弾をかわして進んでいく。それに並走したのはソニック。確かにパワーを捨ててスピードに特化した彼女達は正攻法で盾を崩すのは難しい。

 

 

「どうかな、お前は武器の方を頼む、一時的でもいいから数を減らしてくれ!」

 

「OK、まかせろ!!」

 

 

飛び上がって丸まったソニックが、閃光の残影を残し、武具を壊していく。

 

 

「はあああ!」

 

 

そして壁と接触してパワードスーツを装着する。

 

 

『コレは……かつテの切り札……!!』

 

 

周囲にスパークを走らせ、衝撃を生み出す。

言ってしまえばこれだけだが、最後の切り札の火力。防壁にヒビを入れた。

 

 

「ふふん! ここまでやっておれば充分だ! やれー!!」

 

「後で覚えとけよお前!!」

 

 

ジェット機構も使用して思いっきり振り回したハンマーが、キングクルールの背中からぶっ飛ばす。

敵へとぶっ飛んだキングクルールの腹が壁のヒビにぶつかり、壁を粉微塵に打ち砕く。間近に危機感を覚えたダブルは風を強くしていく。

 

 

『コイつ……!!』

 

「捕える!!」

 

 

グラップリンクビームを撃ち、腰あたりに巻きつけ引き寄せる。硬いキングクルールの腹部にぶつかり、3人まとめて落下する。

 

 

『放セッ!!』

 

「させはしない! サムス、後ろへ!!」

 

 

未だ拘束したままのサムスより前に出た。

竜巻旋風脚を腕で防ぎ、しかし、背後から来た振り回されたアームを防ぐ。

正面から近づくソラを視認したため、盾を生み出すが、下から振るったキーブレードがそれを弾いた。

 

 

『フざけッ……!!』

 

「「はああ!」」

 

 

昇竜拳で打ち上げたダブルへ、ソニックレイヴをかまし、ロボットがビームを撃ち抜く。

 

 

『もう……おまえのような奴がこの世界に関わってくるナ!!』

 

「えーい!」

 

 

ゲッコウガのハイドロポンプで空へ飛び、パラシュートでゆっくり落下しながらフライパンから料理を撒き散らす。

 

 

「ふんりゃ!」

 

『……くゥうッ!』

 

 

カービィの口から放たれた星型弾が迫っていた。

咄嗟に手を向けて、はかいこうせんを準備する……が、手に受けた衝撃で他所の方角へ飛んでいった。

 

 

「イッシッシッシッシ」

 

『犬畜生ガッ!!』

 

「「行っけー!!!」」

 

 

ルイージとデイジーで思いっきり振り回したフライパンを頭部を叩く。

 

 

『……何故……!! ナゼッ!!』

 

「そろそろクライマックスだ……!! いくよ!」

 

 

スマッシュブラザーズ全員が、虹色の光に包まれていく──

 

 

 

ついに切られた、最後の切り札。

 





◯タイトル
説明いる?
いわゆるスマブラでの超必殺技。
最後になんか全員で切り札スタンバイしてますが、次話、そのまま原作の切り札を使うとは限りません。


◯竜特攻
どのクラスでも受けるカムイの竜特攻。
竜殺しの神将器は当然フォルブレイズにも搭載。
烈火の剣にて、デュランダルが勝手に竜に攻撃したあたり、竜に対する殺意はマシマシ。今回カムイはマジで紙一重。というか魔防の成長率低めですので吹き飛んでてもおかしくない。
1章で掠ってたとか言ってたので今回は直撃させてみました。
前周でカムイを庇ったチゲンのようですね。


◯作者の気まぐれコメント
カタログ滑り込みです。なんとか前話の称号獲得できました。

あ、次回トドメです。その後数話エピローグ予定。
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