大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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18話 じょうせんけん

 

 

小舟に置いてあったパラソルを借りて、ソニックが濡れないように傘を差す。バンダナワドルディは体に合った短い長さの櫂をこいで進んでいる。

 

 

「ねえ、バンダナワドルディ?」

 

「んー? どうしたの?」

 

「君はどうして、こんな状況で舟を漕いでるの? 何か事情があるの?」

 

「メタナイトにね、頼まれたんだ。危険なところにいる子はハルバードに避難させるからって。連れてきて欲しいんだって」

 

「危険なところ?」

 

 

シュルクは首を傾げる。この状況で危険ではないところがあるのだろうか。避難させるのはわかるが、できる限り全員を避難させねばならないのでは。そう考えたシュルクの傍でイカダが通り過ぎる。パラソルをさして、2匹のワドルディは体を預け合うように… 昼寝をしている。

 

 

「ええー!?」

 

「おひるねしてるね。それがどうかしたの?」

 

「どうかしてるよ…」

 

 

この状況で呑気すぎないか。カービィが呑気なのは知っていたが、彼が少数派だと思っていた。そうか、メタナイトのような人物が少数派だったのか…

 

もっと周りを見渡してみると、浮き輪をつけて行動している住人がいる。適応力が高すぎやしないだろうか。

 

 

「それでもお水が苦手な人とかいるから、ぼくは見回ってるんだよね。とりあえずメタナイトのところまで案内するよ」

 

「頼むよ。ソニックを休ませないと。」

 

 

メタナイトのいる場所。つまりハルバードだ。戦艦ではあるが、避難所として活用しているということは、休める場所はあるだろう。四方が苦手の水だらけの場所では、安心して休めまい。

 

 

「(それにしても… どうしてこんなことに)」

 

 

本来のプププランドはもう少しのどかな場所だろう。シュルクは模倣のステージとカービィ達の話でしかプププランドを知らないが、こんな洪水するほどの大雨だなんて。何か原因があるはずだ。無関係のシュルク達が、この世界に来れたことにも理由があるはず。とりあえずメタナイトと合流しよう。

 

 

「(あれは… 木?)」

 

 

先のことを考えながら、変わり果てているだろう友の故郷を見ていると、ふと巨大な植物に目を止める。あまりの高さに一瞬塔か何かだと思ってしまった。かなり離れているはずのここからでも見えるほどの大きさだ。蔓が絡まって、てっぺんに大きな花が咲いていて。

 

 

「ハルバードが見えてきたよー」

 

「あっ、うん!」

 

 

呼ばれて前方に向き直る。

近くで改めてみると、かなり巨大な戦艦だ。どういう仕組みをしているのだろうか。ここまでの兵器はいらないだろうが、どこか応用できる箇所があるはず。今度暇な時に見せてもらおう。マシーナの技術と組み合わせれば、多くの人や貨物を運べる機械を作れるかもしれない。

 

 

「どうしたの?」

 

「あっ、ううん。少し考え事してただけ」

 

 

あっちの世界でもあの戦艦が飛ぶところは何度も見たが、相当低い場所を飛んでいる。自分達を中に入れるためだろう。

戦艦の真下につくと、パッチのようなものが開いて、縄が降ってくる。その先を小舟の船頭にくぐりつける。

 

 

「さ、登って登って!」

 

「うん…」

 

 

もっと他に方法はなかったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦内部。操縦室にメタナイトはいた。いい感じの部屋にソニックを放り込み、バンダナワドルディに導かれて、シュルクはそこへやってきた。

 

 

「シュルク。君だったか」

 

「メタナイト、無事でよかったよ。ダウン中だけどソニックも一緒。」

 

 

ぼくが連れてきたんだよ、とばかりに胸をはる… 図体の関係上、顔を突き出しているようにしか見えないバンダナワドルディを軽くスルーしてメタナイトは続ける。

 

 

「二人もここに迷い込んできたのか?」

 

「迷い込む?」

 

 

メタナイトの言葉に怪訝な顔をする。その意図を感じ取ったのか、聞き返してきた。

 

 

「自分が元いた世界から、大乱闘の世界へ戻る時に、気づいたらこの世界にいた… そういう訳ではないのか?」

 

「え? 違うよ。僕はあの世界にずっといたんだ。そしたらソニックが変なゲートのようなものがあるっていうから、入ってみたらここにいたんだ。」

 

「おい」

 

「ん? ……えっ」

 

 

振り向いて、固まった。ウルフが獰猛そうな目でこちらを睨んでくる。そんなことされる謂れはないのに、鳥肌が立っていく。気分はさながら小動物だ。

 

 

「そのゲートはどこにある」

 

「あの、ウルフ? えっと」

 

「くぐってきたんだろ? ゲートとやらをよ、場所を吐け、血を見ることになるぜ?」

 

「ええ…」

 

 

脅しだった。展開についていけない。どうしてウルフがこんなところにいるんだ? なんで脅されているんだろう。

 

 

「落ち着け。シュルクは混乱しているんだ。今すぐ聞き出すことはないだろう」

 

「アイクに… ガオガエンまで!?」

 

 

ウルフだけではなかった。ウルフを止めたのは、見慣れた姿に戻った(本人からすれば成長した)アイクと、いつもよりおとなしいガオガエンだった。

 

 

「どうしてここに…」

 

「みな、自分の故郷の世界から大乱闘の世界へ戻ろうとした時、何故かここにたどり着いていた。ファイター以外にも、あの世界に向かっていた人々も幾人か巻き込まれている。私やデデデ大王はずっとここに残っていたが」

 

「カービィは?」

 

「わからん。この異変だ。おそらく独自で動いているだろうが、私は見ていない。」

 

「そっか…」

 

 

彼の安否を気掛かりにここまできたのだ。どこにいるのかわからない、ということは無事かどうかもわからないということだ。内心気を落とした。

 

 

「君とソニックだけ大乱闘の世界からこの世界に… もう少し詳しく教えてくれないだろうか」

 

「うん。僕が自室にいたらソニックが入ってきて、崖に謎のゲートみたいなものがあるって言われたんだ。その先が洪水になったプププランドってわかって。カービィが心配になって二人で追ってきたんだ。」

 

「ゲート… 俺たちをここに導いた者の仕業か?」

 

「あるいは。首謀者もそのゲートを使ったのかもしれない。しかし、君たち3人をここに呼んで何の得があるんだ?」

 

 

シュルクとソニックがイレギュラーと考えるならば、アイク、ウルフ、ガオガエンをプププランドに連れてきて何かしたかったということになる。しかし、一体何のために?

 

 

「シュルク、そのゲートはどこに出た」

 

「………空中。そのまま落ちて沈んで。それでバンダナワドルディに助けられたんだ。」

 

「俺も同じだったな」

 

「グアウ」

 

「…違うのは経緯だけか」

 

「でもみんな同じところに落ちた訳じゃないよ。微妙にズレてるんだ」

 

 

全員が同じ場所から出たというならば、そこがゲートで間違いないだろう。だが、ズレているとはどういうことだろうか。

 

 

「本当に空中にそのゲートがあったなら、ハルバードに乗っていて気づかないことはないだろう」

 

「ぼくもそれらしいのは特に見なかったかな」

 

「仮に首謀者とやらもそのゲートを使ったのならば、同じように空中から落ちたのか? 不便ではないか?」

 

 

色々と考えてはいるが、確かにあり得ない話ではない。だが、どことなくしっくりこない。

 

 

「僕たちが来た場所がズレているなら、本来のゲートは安全な場所にあるのかもしれない」

 

「そのゲート自体の場所から散らばるようにオレ達が来た、かなるほどな」

 

 

たどり着いた結論は、自分達が現れた場所のどこにもゲートはなく、その近辺にあるのではないかという推論だった。

 

 

「空中に近い場所かー……」

 

「ワールドツリーか、鏡の国……」

 

 

現地人の二人がうんと唸って思いついたのは二つ。天高く聳える大樹、もしくは天の上に存在する国。その二択だった。

 

 

「シュルク、ついてそうそう悪いが、バンダナワドルディと共に、ワールドツリーに向かえるか? この被害だ。住民達をあの世界で一時的に避難させることも検討したい。」

 

 

二択を一つに絞り、ゲートの捜索を依頼する。戦艦ハルバードはあくまで兵器なのだから、さほど余裕があるわけではない。避難させ続けるのにも限界がある。

 

 

「ハルバードで直接行ければいいが、首謀者がいるかもしれないと知っていながら、避難してきた住民達を乗せていく訳にはいかないからな。」

 

「わかった。ゲートを探せばいいんだね?」

 

「俺も行く。首謀者がいるなら戦える人数は多い方がいい。」

 

「ガグゥ……」

 

「ケッ」

 

 

更にアイクが名乗り出る。ガオガエンとウルフには参加する意図はない。雨は苦手でつるむのは嫌いだ。

 

 

「Wait! オレも行くぜ!」

 

「ソニック!?」

 

「大丈夫だって! 浸かんなきゃ平気さ!」

 

 

さっきの疲弊っぷりをシュルクは心配したが、本人はシュルクの背を叩いてアピールした。

 

 

「では、四人に行ってもらおう。何もなかったら一度戻ってきてくれ」

 

「はい!」「うん!」「ああ」「OK!」

 

 

目指すは水に溢れてても強く天まで伸びる大樹。天空の民の希望、ワールドツリーだ。

 

 






○タイトル
ドラゴンクエストIV で登場するアイテム。第四章で登場。最後に使ってババリアからエンドールにいく。ひらがなだから装備しようとした面白い勇者もいたとかいなかったとか。


○プププランドの適応力は世界一イイィィィ!!
なんかポップスターを機械化してても、ストーリーに入るなり、すぐに適応してくる。総じて呑気。


○でっかい木!
トリプルデラックスのワールドツリー。セクトニアに乗っ取られたりしましたが元気です。


○原作能力
原作能力が使えるということは大人の事情で使えなかったラグネルの衝撃波も使用可能!! インフレを抑えるための未実装だけどXでのメタナイトの暴れっぷりを見るに実装してても問題なかったのでは。後ウルフェンもプププランドにあります。ハルバードに着陸してる。


○避難民
バーニンレオみたいな雨に弱そうな原住民が主。ただ一部他世界から迷い込んだ人もいる。


○鏡の国
鏡の大迷宮の舞台。ディメンジョンミラーがタランザによって取られたり、シャドーカービィがよく登場するなど、意外と露出が多い。


○一ヶ月の間にあったかもしれない小話
『ぬわああああああああ!』
「フッ…… ルカリオがやられたようだな……」
「奴は2022年新作発売四天王の中でも最弱……」
「ぽ! ぽよよよよ!(人間如きにやられるとはファイターの面汚しよ!)」
「発売した=倒されるなの?」
「あ、ベヨネッタもそうだったか、忘れてた」
「ドラクエもそうだったね! テンのオフライン」
「そのうち20周年のキングダムハーツも動き見せるだろうし、今年忙しいよなー」
「財布の中身チェックしとかなきゃだね!」
『私に対するコメントはないのか……!?』
「ぽよよーい(約束された神ゲー)」
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