大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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20話 更に闘う者達

 

 

「うしろォォオー!!」

 

 

落ちていくシュルクに決死の思いで叫ばれて、反射的に振り向いた。意志の持たないボディ達。シュルクを落としたそれらと同一の存在が現れた。総勢、5体。

 

 

「デデデに、しずえに、ベヨネッタに、リンクに……」

 

「ケンか。クソっ、どこでボディ拾ってきたんだッ」

 

 

終わったはずの物語。倒したはずの敵。続きが紡がれるかのように、それらは目の前に存在していた。

 

 

「倒していいんだよね?」

 

「ああ。倒すんだ。あいつらは敵だ」

 

「アイク! オレはシュルクを拾ってくる!」

 

「お、おい」

 

 

アイクの止める声も虚しく、ソニックは降りていってしまう。確かに数で負けている相手にパワーは捨て難いが、それはソニックが泳げたらという話が前提である。溺れている人を泳げない者が救おうとしているのと同義。だが、仲間思いだからこそ、自分の苦手など二の次でシュルクを助けにいったのだ。ようは頭で考えるより、体が勝手に動いていたのだ。

 

 

「あいつは…… 仕方ない、今は目の前の敵に専念しなければ」

 

「来た時と同じこと、くりかえしちゃった」

 

 

バンダナワドルディの純粋だからこそ、余計にグサグサくる正論。ソニックが行った後でよかったかもしれない。

 

 

『……!』

 

「、ぬぅん! 余裕があれば叩き落とせ、数を減らすことを優先するんだ。」

 

 

リンクのボディのジャンプ斬りを正面から受け止め、二丁拳銃の射線へ誘導してバランスを崩す。本物と違い、急拵えのチームプレイすらできない。この感覚は、彼にとってはかなり前のキーラどダーズの戦いを思い出す。

 

戦乱がひと段落し、ようやく呼ばれたと思ったら自分には記憶にない4回目であった。知っているはずなのに相手にとっては初対面。それは自分にとっては以前に、相手にとっては後に味合わせた感覚だったが。

 

 

「ええー!? ソニックとシュルクのところに敵を送ることになるよ!」

 

「相手は水中の活動に適していない。だから叩き落として弱ったところで止めを刺して貰った方がいい」

 

 

下で何が起こっているか二人は知らない。

でも、例えこいつらをすぐに叩けなかったとしても、そこまで苦戦はしないのでは。そう考えた。

 

正拳突きを剣で受け止めるが、隙になった横っ腹を巨大な木槌が殴打する。踏ん張りにくい葉の上でなんとか足を残した。油断すれば、こっちが落とされる。

 

 

『…………ッ』

 

「うわー、大王さまそっくり。でもなんか懐かしい色してる?」

 

 

追撃にと、アイクを追った古めかしい色のデデデに数本の槍が突き刺さる。バンダナワドルディが得意の槍を持って参戦した。そのまま敵の真正面に立つ。

 

 

「大地づき! ごめーん、僕じゃ落とせないかもー!」

 

 

大王の偶像に、地を這うような突きをくらわせ、バンダナワドルディは理解した。自分ではパワーが足りなくて落とせない。軽めのボディならばどうにかなるかもしれないが……

 

 

「いや、十分だ。支援を頼む!」

 

 

横に振り切ったラグネルはデデデのボディを吹き飛ばし、葉の端まで叩き斬った。バランスが崩れたところを、バンダナワドルディのパラソルきゅうこうかで落とした。

 

 

「あ、ごめん、さっきのやっぱなし。僕いけそう」

 

「(あの…… 傘とか言ってたか? あれは武器だったのか)」

 

 

道中でシュルクとソニックが話していた単語を思い出す。ああ…… とんでもない勘違いをしていらっしゃる。これが文化の違いというものだ。

 

 

『……!』

 

「わー!? そんなこと言ってる場合じゃなかった!」

 

 

飛んできたパチンコの玉をパラソルで防いだ。

わーぎゃー言いながらも、しっかり反応できている様子はさすが歴戦の戦士だ。

アイクも格闘家の波動拳をやり過ごし、一気に接近して斬りつけた。その体勢からグルンと腰を捻って正面を向き、衝撃波でブーメランを撃ち落とした。

 

 

『…………!!』

 

「くぅ……!」

 

 

しかし、無理をした上で拳を避けたせいで体勢を崩す。ガタガタになった上で昇竜拳をくらってしまった。顎に一撃が入り、意識が飛びかけるが、瞬時に戻した。

 

 

「…!! 天ッ空ッ!!」

 

『……ッ!?』

 

 

空中に浮いている最中、更に剣を上に投げて刃を叩きつける。アイクの十八番、天空だ。一刀両断のもと倒れたボディは金色の液体に戻っていく。

 

 

「うららららららっ!!」

 

 

バンダナワドルディは百烈突きで、ベヨネッタのボディの素早い連続パンチに張りあっていた。刃で少なからず傷が増えているはずなのに、鈍くなる様子がない。

 

 

『!!』

 

「うわっ……!?」

 

 

しかし、横からポンポンを持ったしずえのボディが割って入ってくる。思わず、そちらの防御に手を回してしまい、百烈突きは中断してしまった。軽めのバンダナワドルディに拳がもろに突き刺さり、体が突き飛ばされる。

 

 

「バンダナッ!」

 

「うわわわっ!? 助かったぁ……」

 

 

アイクがギリギリで槍を掴んだことによってぶっ飛ばされることはなく、なんとか葉に足をつけることができた。

 

 

「人数で負けていると戦い辛いか……」

 

「集中してたら別の人がかかってくるよね」

 

 

ラグネルの衝撃波でベヨネッタのボディを牽制し、バンダナワドルディが槍を沢山投げて、他二人を物量で押し留めようとする。

敵全員が遠距離からの攻撃方法を持っていることも災いして、これだけでは押しきれない。

 

 

『『…………』』

 

「あっ! 抜かれた!」

 

「くっ……!」

 

 

ほぼ同時にベヨネッタとリンクのボディが攻撃を掻い潜り、二人にかかってくる。それぞれ武器を構えるが、攻撃に回っていたこともあり、体勢が不十分だった。

 

 

「バックスラッシュ!! ごめん、遅くなった!!」

 

「シュルク!」

 

「しつこい奴らだぜ!」

 

「ソニックもだ! ピンピンしてるー!」

 

 

背後から急襲したシュルクのバックスラッシュがベヨネッタのボディに直撃し、アイク達の頭上を通ってぶっ飛んでいく。リンクのボディは脇腹に跳び蹴りをくらい、フィールドから落ちることはなかったが、手痛いダメージになったはずだ。しずえのボディと並ぶ。

 

 

「はあ? オレは元気だぞ?」

 

「だって最初あった時ボロボロだったよ?」

 

「あれは不意打ちだったからだって!」

 

 

水が苦手なはずなのに、ソニックに疲れの一つもないのを不思議に思うバンダナワドルディ。だが、その理由は簡単だった。ソニックは何もしていないから。

 

 

「おまえは……」

 

「話はあとあと!! まずはこっちを片付けるぞ!」

 

 

アイクは見覚えのない金髪の少年を見つける。片手剣を構える日に焼けた浅黒い肌。雨で濡れた顔が何故か凄く似合っていた。

相手は二人、こちらは五人。数が完璧に逆転する。

 

 

「はあああ!」

 

『…………!』

 

 

真っ先に飛び出した少年、ティーダはリンクのボディに斬りかかる。剣同士が重なり、両手を添えて鍔迫り合いが始まる。

 

 

「せい、せい!」

 

「遅すぎて欠伸がでるな!」

 

 

パチンコの弾を弾くバンダナワドルディの背後からソニックが飛び出し、小さな体躯にスピンアタックを叩き込んだ。

 

 

「くらえッ!!」

 

 

神速の如きスピードでアイクが斬り込む。姿形こそ仲間にそっくりだが、そこには紛い物の意思すら存在しない。何を躊躇することがあろうか。この中で一番の力勝負ができるアイク。蒼炎を纏って振るった剣は小さな敵を吹き飛ばした。

 

 

「豪快にいくっ!! いっけえぇぇー!!!」

 

「っ!? りょーかい!!」

 

『……ッ!?』

 

 

モナドを解放し、青い光の刀身を発生させて鍔迫り合いしていたボディの背後から自分の体ごと回転させて斬りつけた。ティーダはその意図を汲んでか、跳び上がってかわした。

リンクのボディのみが斬りつけられて吹き飛ばされる。マスターソードを葉の大地に突き刺して、一瞬留まったが。

 

 

「いい加減おねんねしてなっ!」

 

『!!』

 

 

ソニックに顎を蹴り上げられる形で手を離し、突き落とされた。数瞬の後、残ったマスターソードが他のボディと同じように溶けていくのを確認する。

 

 

「なんとか退けたか……」

 

「ふぅ、びっくりしたね」

 

 

最初から戦っていたアイクとバンダナワドルディが一息ついた。しかし、気になることは聞かなければ。

 

 

「ところで、おまえは……」

 

「オレはティーダ! クラウドの知り合いって言えばわかるか?」

 

「へえ、クラウドの…… そういえば、僕達のことは言ってなかったね。僕はシュルク。青い髪の人がアイクで、こっちが……」

 

「オレはソニック! で、このちっこいのがバンダナだ!」

 

「バンダナワドルディです!」

 

「へえ〜…… よろしくな! シュルク、ソニック、アイク、バンダナ!」

 

「どうして短くされるんだろ?」

 

 

軽く自己紹介を挟む。

そういえば、シュルクもティーダのことを名前ぐらいしか知らなかった。しかし、あまり口数の多くないクラウドの知り合いか。ティーダは明るく、活発で太陽のような性格だ。まるでクラウドとは逆である。

 

 

「もしかして、ティーダもプププランドに迷い込んできたの?」

 

「迷い込む? いや、オレはちょっと頼まれてな」

 

「誰に?」

 

「誰ってそりゃあ……」

 

 

ティーダが続きを言おうとした時だった。

全員が視線を感じた。同時に上を向く。こことは違い、一人分が立つ程度しかできない葉。

 

 

「その誰かって……」

 

 

その視線は敵意ではなかった。友好の意も感じない。そう、例えるならば、自分達を通して別の何かを見ているような。檻の中の受刑者を眺めているような。

 

 

「こんな顔、してなかった?」

 

 

ティーダの知り合い、スマッシュブラザーズの一員。瓜二つでも、違う顔。

 

クラウドのボディを選んだ、誰かはあまりにも似合わない幼い微笑で、赤い瞳を細めていた。

 





○タイトル
FF7のボス曲。スマブラにも収録されている。ジャカジャジャーン。
やっぱりこういう曲の解説は内容に困る。私の知識が曖昧なところは専用wikiとか見て解説を入れているんですが、まるパクリはどうだろうと思った結果、内容のない解説になります。どうしよ。


○バンダナ呼び
長い故に性格上略すのではないかと思われる人はバンダナ呼びにしています。本人は嫌というよりは自分のことなのかと反応が遅れるので困惑している模様。


○謎の敵
クラウドの格好をした誰か。カラーリングとしては5Pカラーです。オリジナル版の服が赤色になってる感じ。赤い瞳なのは中身の存在の色です。キーラとは関係なし。


○一ヶ月の間にあったかもしれない小話1
「ル〜フ〜レ〜?」
「ひえっ」
「ひえじゃないが」
「ど、どうしたカムイ」
「ほうほうほう、自分は無実だとも言いたいのかい?」
「な、なんの話だ」
「比翼英雄」
「あっ」
「ルフレと双界英雄、割と本気に考えてたんだよ? それなのになんの意外性もなくクロムと組んで…… 一緒に手繋いでゴールしようって言ったのに」
「聞いたことないよ!」
「アクアも双界英雄いったし全てに裏切られた僕は誰と組めばいいの?」
「まだクリスはあるんじゃないか? それかきょうだいか……」
「あ、そうか、闇堕ちして眷属タクミと組もう」
「その選択肢が出るのはまずいって!?」
「とりあえず無双でベレトがとことん不遇になる呪いかけたから。」
「また似たようなこと言ってる……」


○一ヶ月の間にあったかもしれない小話2
「大体500文字程度でわかるニンテンドーダイレクトー」

「開発協力にコーエーが関わっている時点でいつかくることだったのだろう、風花雪月無双」
「某超次元サッカーみたいな新ゲームが増えたよマリオストライカーズ!」
「サーモンランでイクラ投げられるようになったのは、地味にめちゃくちゃ重要じゃないかとスプラトゥーン3! 後シャケがマスコット枠にいたからなくなるかもと思っていたサーモンランが」
「長いからカット。公式オワタ式が出るとは思わなかったメトロイドドレッド」「ちょっとー!」
「黒幕っぽく登場したけどどうせ操られてるんだろという目をやめろディスカバリー!!」
「Wiiスポーツ改め、MiiもなんとかリストラされなくてベリーほっとしたSwitchスポーツ!」
「こういうところで登場できるの、半ば諦めてたよ、SwitchオンラインにMOTHERとMOTHER2!!」
「またコメント! いつまで売れ続けるんだマリカー8DXDLC!」
「「「過去作品の面影を残すゼノブレイド3!!」」」

「クラウド、クラウド、レースゲームでるんだって?」
「ああ、スコールもいるがな」
「ディズニーでもレースゲームでるんだ! 俺も出られるかな?」
「狙ってるのか?」
「ワンチャンぐらい…… ってええええ!?」
「どうした? ……なっ!?」
「「クロノクロスとライブアライブリマスター!?」」

「どうも、情報漬物コンビです……」
「勝手にコンビにしないでくれる?」

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