大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle 作:蘭沙
「あっ…… えっと……」
「…………」
上手い言葉が出て来ず、意味のない音を繰り返し話している。
片割れに対して、ここまでどうしたらいいのかわからなかったことはない。
ナナは歩み寄ることはできてもそれ以上のことができなかった。また置いていかれるのではないかと。
一方のポポも、正面からナナを見続けることが出来ず。目を合わせようと、視線を正面を向けたらまたどこか別の方向へ流れていくを繰り返している。
片割れに向き合う勇気が後一つ足りなかったのだ。また置いていってしまうのではないかと。
「…………(合流、させない)」
チハクは手に持つ神弓の弦を引き絞った。
確かに今までこの神器を防御以外に使った覚えはない。だが、攻撃に使えない訳ではない。流石にこの体の本当の持ち主と比べれば、その腕は圧倒的に劣るだろうが。
しかしそれでも、寧ろこの状況ならば予備動作が必要な元の力よりも有効であろう。今手を繋ごうとしている2人を引き剥がすよりは。
少し歩みの遅い、ナナの方に狙いを定める。
「邪魔者は引っ込め……!?」
「……くっ……!」
その時だ。
キャプテン・ファルコンが不死鳥を拳に宿して攻撃してきたその時だ。2人の再会の邪魔はさせない。そう思ってのタックルは驚愕の第三者に受け止められたのだ。
「ばばばば!?」
「おまえ……!!」
『……!? チハクごとキャプテン・ファルコンを!? ……いや、あいつはボディと戦闘していたか!』
金色の謎の生命体が、吐き出した金の液体。
敵対する2人に向けられたそれは、あっという間に立方体の核を作り出し、周囲に放電を開始した。それに巻き込まれるキャプテン・ファルコンとチハク。
ルカリオが共謀していると考えていた、生命体によるチハクへの攻撃。だが、少し冷静になってみれば、チハク陣営のボディと戦っているのだ。味方なはずがない。
その証拠に電撃をくらったチハクの右手が弦から離れ、アイスクライマーの間にまっすぐと。一本が。
「「あぶないっ!!」」
それは同時だった。
ポポが動いたのもナナが動いたのも。
お互い地面に伏せあって、お互いを引っ張って守ろうとして。
予想外の速度で地面に接した2人はお互いにぐえ、と間抜けな声を同時に出した。
「お、おい!」
「無事か!」
リンクが、リュウが駆け寄って無事を確認しようとすると、2人は同時に言葉を発していた。
「「大丈夫大丈夫、へいきー! ……あれ?」」
いつの間にか無くなってた。
置いていかれる恐怖も、置いていく不安も。
2人はただ、お互いを守りたかった。
ポポは危険な場所でナナが疲れて倒れるくらいなら安全な場所で休んで欲しかった。
ナナは知らない何処かでポポが傷つくくらいならずっと側にいて欲しかった。
それだけだったのに。
いつの間にか自分の意見を通すことにしか目がいかなかった。
そんなに先に行きたいなら、ゆっくり進むこともできたのに。
そんなに疲れているのなら、ペースを下げることもできたのに。
大きい喧嘩をした二つの手はようやく重なった。
あの生命体が吐き出した立方体型の水晶。踏み潰そうとするそれを手を離して跳んでかわす。
でも、繋がっている。登山用のロープを握ったポポは、空中で振り子のように振り下ろす。遠心力も加わったナナの一槌は、中の核ごと水晶を叩き割っていた。
「アイコンタクトもなかった、あの2人、機能すればここまで変わるのか……」
普段を知らないジャンヌが驚愕の表情を浮かべる。
それもそうだ。彼らは非戦闘員でありながらもスマッシュブラザーズに名を連ねる者たち。
戦闘を普段していないなら、その経験の無さを埋める何かがあるのだ。
アイスクライマーの場合は、それが比翼連理のコンビネーションだった。
核の壊された水晶はドロドロとした金色の液体に姿を変える。
「アレ、ヤツの体と同じ…… なるほどなぁ?」
何かを察したリドリーはその液体を尾で薙ぎ払ってみた。吹き飛ばされた液体は飛び散るはずが空気中に解けて見えなくなってしまった。
普通の液体には起こらない現象。便宜上液体と認識しているが、実際は液体ですらないのだろう。
「……! 奴が生み出す攻撃を砕け! 体の一部とも言える液体を吹き飛ばせばあの生命体の方は……!」
「敵は1人じゃないんだが」
背後に回っていたチハクが超至近距離から白石を打つ。リドリーの行動を見ていたシモンが彼と同じ発想に行き着くも、不意打ちに吹き飛ばされ生命体の目の前へ投げ出される。
そう、これは単純な団体対個の戦いではない。
チハクと生命体とスマッシュブラザーズ。いつか行っていた三つ巴の戦いだった。
『シモン!』
「問題は……っない!!」
投げ出された自身の真上に、あの攻撃が襲いかかる。体を転がし、避けながら起き上がると、属性攻撃ともいうべき攻撃は、核を中心に辺りを炎上させていた。素直に近づけば丸焦げだろうが、鞭を持つシモンはその必要もなく、遠距離から核を貫いた。
「誰かがチハクを抑えれば動きやすいだろう、だが……」
少し遠くから状況を見ていたリュウは、辺りを見回す。あの白の名を冠しながら黒い羽衣を纏う姿は見当たらない。
当然だ。この場で1番不利なのはチハクなのだ。数もなければ、本人曰く質もない。その足りないものを持っているふたつの陣営を同時に敵に回しているのだから。
おそらく身を隠しながら先程のシモンのように不意打ちで攻撃するか、漁夫の利を狙っている。
見つからないものを探していても、あの生命体の対処により手こずるだけ。
そう考えたリュウは姿を見せた時に考えようとあの生命体本体に向かって、回し蹴りを撃った。それだけでも衝撃の影響か本体から液体がこぼれ落ちることがあるので無駄ではない。
「うらああああ!!」
泡のように丸く水で満たされた属性攻撃。
キングクルールが泳いで、上から下へのパンチを核に与える。もう一発と今度は左手で殴りかかったところ、核と水は元の姿を取り戻す。
「うぐお!? きたねー液体が」
「
「ぬおおお!?」
重力に従い、液体と共に地に降りたキングクルールに、チハクの弾幕が襲いかかる。隙を狙った問答無用の攻撃。
キングクルールにも、生命体の液体にも飛びかかる白石達はキングクルールの腹部により多くが跳ね返された。
「うぐぅ!」
「ちょこまかと動きおって!」
跳ね返った攻撃に耐えるチハクにガノンドロフが跳び蹴りをくらわせる。チハクのもう一つの弱点。飛び道具の反射。
連続攻撃が得意なアイスクライマーと同じように、リフレクトができるキングクルールもチハクにとっての強敵だった。
「逃さん!!」
「しつこい……!」
全速力で距離を取るチハクは矢を打ち返し、銃撃の中をかける。近距離でまともに戦っても勝てないという判断だろう。
背後からリンクが追ってきていてもなお、防御に専念するのがその証拠。逃げに集中されると面倒だ。しかし、チハクは気づかない。その逃げの通路は銃撃の持ち主ジャンヌによって誘導されていた。
「「あっ」」
「しまっ……!!」
たどり着いたのはあの生命体の正面。
アイスクライマーとルカリオとリュウと。
後から他の者たちも追ってくるだろう。
そしてチハクは孤立無援だった。
「……」
それでもチハクは即座に冷静さを取り戻していた。それが彼の本来の気質というべきか。
『三つを同時だと!?』
あの属性攻撃を同時に三つを生み出しても冷静だった。水が生まれ、電気が、炎が。
「空を……!」
「「ボク/わたしたちにまかせて!!」」
翼もなしに宙へ浮く、金の生命体。
その後を追ってアイスクライマーは連携ジャンプで飛び上がる。上には乗れても、すぐに叩き落とす力はなかった。
『避け……! ぐう……!』
頭上からの連続突きの攻撃を避けようとして、近くの火の属性攻撃に突っ込んでしまう。その組み合わせは広範囲で多数の敵を相手取るやり方。
「私も…… もう限界か……」
先の連続攻撃が自分にも突き刺さった。
もう他のメンバーもたどり着く。
空中の生命体をなんとか叩き落としたアイスクライマーを見て。
そして唐突に頭に鳴り響く世界一聞いた音を感じ取った。
「チハク……!」
「お互い様か…… やはり、
○タイトル
テイルズオブグレイセスの主人公アスベルがラスボスに対して言った言葉。
ストーリーとしては、共存を願い手を取れと言うアスベルに、断ると言ったらとラスボスが言い出したところの台詞。どちらが先かなど関係ない、手は繋ぐことに意味があると。
正直にいってゲームのガチ名言でもトップクラスなのではと作者は考えている。リバースの演説とかも好きだけど
○アメニュウドウの倒し方
①体を叩いて液体を剥がしてそれも叩く
②しばらく攻撃すれば、属性攻撃をしてくる
③属性攻撃の核を壊すと液体になるからそれも叩く(①の手順も有効)
④小さくなってくからいずれ勝てるぞ!
○一ヶ月の間にあったかもしれない小話
「ついに風花無双の生徒達の新ビジュアルが揃ったね……!」
「教会組の新ビジュアルはツィリル以外期待できないな。灰狼組が登場するかどうか……」
「ストーリーに関わってくれると面白いけど…… あとはスカウトシステムが顕在かどうかも気になるね」
「更なる地獄のために続投させないのでは」
「ありそうで困る……」