大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle 作:蘭沙
「待て!!」
チハクを追ってきていたジャンヌが逃がさないと銃を向ける。撃たれた弾丸を上体を逸らして避けると再びぐるりと円を描いた。
しかし、それは誰かを傷つける攻撃を生み出さず、逆にチハクの姿を消してしまう。
「どこに……!」
「私は引かせてもらう。勝ち目はほぼない上に愚兄…… 半身に呼ばれた」
消えた姿は声の聞こえた方角、先程姿の見えた場所から全く違う方向に存在していた。
先程の行動はどうやらワープだったようなのだ。
「半身……!?」
「追おう、一緒に!!」
「待て、2人とも!」
生命体を空から叩き落としたアイスクライマーがそれを度外視にチハクの元へ走り出す。
リュウが生命体との戦いを優先するべきだと判断し止めようとするが、意思の揃ったふたりを誰が止められるものか。
それを見て、リンクとジャンヌが生命体との戦いに加わる。少し離れた位置にいたシモンとキャプテン・ファルコンも参戦し、6人がかりになる。
アイスクライマーの他にも、リドリーとガノンドロフ、キングクルールは全ての謎を握っているだろうチハクにロックオンしている。
その面子を見て、チハクはため息を吐いた。そこは自然の地形と水晶に囲まれた天然の要塞、つまり大乱闘の世界を繋ぐゲートの場所。
「私1人にこの面子なんて…… どう考えても無謀だ。私は先に渡らせてもらう」
「「逃げられると思ってるの!?」」
「逃げる。あの愚兄との合流ほど得意なことはない。世界がどれだけ隔たれていようと同じ。先に大乱闘の世界で…… 我が半身、
それだけを言い残し、チハクはゲートを潜っていった。待てという言葉は抑止力にならない。
バリケードになっている水晶を飛び越えるか破壊するかすれば、ゲートのある場所までたどり着ける。だが、
「アイスクライマーッ!! そっちに行ったぞ!!」
「「わわっ!?」」
逃げ勝ちなどさせてくれなかった。
あの生命体の空中からの突き刺し攻撃がアイスクライマー達を襲う。アイコンタクトもなしで同じ方向に避ける。
「しつけエんだよ!!」
「ホントそれなぁ? サムスもこんなしつけエ女なんだよ」
「貴様が言うか」
2人と同じように元凶を追っていたヴィランズは、2人の近くにいたために攻撃に巻き込まれる。
空を飛んでいる生命体に一つ砲弾を浴びせるキングクルールと、おまいう発言をしながら火の玉を浴びせるリドリー。
無視してゲートを通るという手はあっただろうが、こんなのがいたらとてもじゃないが通ることはできない。どこともわからない場所まで追ってこられたりしたらそちらの方が面倒だ。
狙うはあの謎の生命体の討伐もしくは撃退をした上での退却だ。
チームワークという一点は欠けているといってもよいメンバーだが、その思惑だけは一致した。
「どうする? 攻撃をどうにかするのと本体を叩くのに別れるか!?」
「いや、細かく分けてもおそらくリドリーやクルール達は聞かない! ならば自由にさせる!」
『私達が合わせた方が効率的か! ポポ! ナナ! お前たちも好きに動け!』
「え!?」
「いいの?」
キングクルールが水の属性攻撃を、リドリーやガノンドロフが本体を叩きに行く場面を目撃し、リンクがスマッシュブラザーズに意見を求める。
それに答えたのはシモン、そしてルカリオ。アイスクライマー2人にも自己判断を任せるが、指示があるものだと思っていた2人は驚いていた。
「大丈夫だって!! 君たちは2人で戦うべきだ!」
「ルフレみたいな軍師はいないからな。自分の力を1番出せる状況が1番いい。」
「……そうだな、下手に慣れないことはするものではない」
「キャプテン・ファルコン…… リュウ……」
「それに…… えっと…… 誰だっけ?」
「ジャンヌだ。セレ…… ベヨネッタの知人と言えばわかるか?」
「そういや、オレも知らなかったな!」
「「あはは……」」
「はあ……」
突然の笑いどころ。
でもそのおかげでより息が合うようになったような気がする。
ルフレのような策士タイプがいないなら、個々で戦った方がいいとの考えだ。強いて言えば、リドリーも似たようなことが出来るだろうが、任せようとは思えなかった。
「それでも! アイスクライマーに負けてられない! 合わせてみるぞ、リュウ、ジャンヌ!」
「ああ!!」
「まったく!」
別方向から回り込むアイスクライマーと離れ、キャプテン・ファルコンとリュウ、ジャンヌの3人は水晶の属性攻撃を同時に殴りつけてブッ飛ばす。
その先には手を出せなかった、高い位置で放電をする属性攻撃にぶち当て同時に溶かす。
『流石……!』
「ハマるだろ? この爽快感が大乱闘なんだぜ!」
「無駄口を叩いている暇があったら戦え!」
「ヒェー、こえーな、流石ベヨネッタの友達」
「少しは真面目に頼む。確実に倒せるものとは限らない」
金の液体に戻った二つの属性攻撃をはどうだんの連発で消したルカリオは即興の連携プレイに舌を巻く。茶化すキャプテン・ファルコンに対して、ジャンヌはあくまでストイックだった。
「クルール、本体の方おねがい!」
「また属性攻撃がくる!」
「おう! 珍しく役立つじゃねえか!」
ハンマーのトルネードで液体を吹き飛ばすアイスクライマーはキングクルールに本体を叩くよう提案。2人で更なる属性攻撃に備えることにした。
本体の方を見ると、ガノンドロフの魔力を込めた攻撃や、リドリーの刺突を受けて、だいぶ消耗しているように感じる。明らかに体が小さくなっているし、体を震わせた時に自身の体の一部分が剥がれているのを確認できる。
きっとあと少しだ。
「属性は、電撃!」
「届く!?」
「届かせる!!」
「「シモン!!」」
アイスクライマーの近くで生まれた電気の属性攻撃。高い場所に存在する核に攻撃できるか一瞬悩むが、その不安ごとシモンが核を打ち抜いてくれていた。放電する前に核を壊せばなんてことはない。再び液体を消しとばす。
他の二つはどうだ? 本体の方はどうだ?
炎の攻撃。既に炎上してる。ルカリオにはこうかばつぐんで、でもアイスクライマーにはどうにもならない。
もう一つ。同じく電気の属性攻撃。
ただし、もう放電しているのでシモンの鞭を打ったらこちらが痺れる。リンクが勇者の弓で狙っているので、これもまかせてしまおう。
そして、本体。小さくなるほど足は速くなる…… という訳ではないらしい。元々遅くもなかったが、速くもなかった。最初はあれほど巨大だったのに、今ではガノンドロフを少し越す程度の大きさしかなかった。
「(あれ? なんだか……)」
「(怖くもない……?)」
恐怖は未知から生まれる。
スマッシュブラザーズは謎の生命体と戦っている。チハクからも軽く話を聞いた。もう彼らの中で
知っている、巨大ですらない、動きが速いわけでもない。そんな存在はもはやアイスクライマーの敵ではなかった!
「あの属性攻撃には核があってそれをたたけば、金色の水にもどる。」
「それ、本体にもあるよ。オリマーのボディを閉じ込めてた。」
リドリー、キングクルール、ガノンドロフが戦っている。体が大きい彼らでは、属性攻撃よりも突き刺し攻撃の方が厄介そうだ。突き刺し攻撃もかわしやすい誰かが行った方がいい。
冷たさすら感じられる金色の胴体。あのどこかに散々倒した核があるのを想像した。それを討ち破る。誰が?
「「よし、行こう!!」」
手を繋いで一緒に駆け出す。
今度は一緒に、ポポとナナが。
2人で守り、2人で戦う。お互いを守り、お互いと共に戦う。
2人で一緒に。さいしょからさいごまで。
○タイトル
ポケットモンスター アルファサファイアのパッケージポケモン、ゲンシカイオーガの持つ特性。
みずタイプの攻撃を強化するだけでなく、天候を変える特性技のほとんどを無効化する。更にほのおタイプの攻撃技を無効にする。まあ、わざわざゲンシカイオーガにほのお攻撃しないと思うけど。
○チハク 退却
いつ呼ばれたかの答えは前話の最後あたり。
透明文字というかチハクにしか聞こえてない。
ドラックするのです……
○新作ポケモンについて
いやあの、リーフィアについてはブイズだしで心配してないけど、既に二世代のでんきタイプがいるのマジ怖いんですけど!?
ランターン…… ランターンはいますよね……?
オープンワールドで海まで入れるのそんなないからめっちゃ不安……
ジュペッタ好きの友人はこんな思いをしてたんやなって……
ランターン…… ランターンをお願いします……
あ、ミライドンかっこいいよね。あんな感じのメカメカしいけどがっつりロボットじゃないの大好きです。
○ちょっとした謝罪
本当は今話で3章終わらせるつもりだったんですけど、死ぬほど忙しくて綺麗に終わらせることができませんでした……
ということなのでちょっと終わり方にデジャヴあるのは勘弁してください…… 来週こそ3章の最終回です……