大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle   作:蘭沙

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本日はカオス回です。
頭を空っぽにして閲覧ください。



42話 環境破壊は気持ちイイZOY!

 

真実の切符を探す。

つまりこの世界で黒幕につながる手がかりを探すということ。

 

 

「それで…… これからどうするんだ?」

 

「どうするか考えるために、市井に紛れて情報を得てきました。この世界に生きる者たちから見た、異質な現象の裏づけをしにまわります」

 

「オレ達のこと、何も関係なかったら?」

 

「見ざる言わざる聞かざるです。この世界で起きることならこの世界だけで対処できますよ。むしろ私たちの痕跡を残さないようにしなければ」

 

 

ようはスマッシュブラザーズが関わっていそうなことだけに干渉し、関わっていなさそうであればこの世界の司法に任せようということだ。

 

─これは、この世界の誰も知らない、異端中の異端。言うなれば、語られぬ時の隅に眠る、小さな小さな外伝に過ぎない物語である。

 

 

情報を得たパルテナのガイドで、彼らは道なき道を進む。

彼女曰く、普段狩りや採集に使われるようなエリアには密猟者はいないということ。単純に人の目に触れやすいからだ。

密猟者を探して、そのエリアから抜ければ人の手が入っていない場所を探すことになる。開けた場所などなければでこぼこして余計な体力を消費することになる。歩きやすいような平坦な道などないし、大きな石が転がっている。鬱蒼と繁った木々のおかげで、暑い日光に当たらずに行動できるのは唯一の長所だった。

里山か、自然なままの山なら里山の方が活動しやすいだろう。

 

 

「ねえ、人の手がないところを探すのはいいけどそれ以上の心当たりあるわけ?」

 

「いえ、ありませんよ?」

 

「ちょっ……! アンタねえ!」

 

 

しかし、まさかの手がかりなし。

カズーイが怒気を込めるのも無理ないが、リュックに入っているので一番楽しているのも彼女である。

 

 

「ですが、密猟者といってもただモンスターを倒して回ってる訳ではありません。モンスターの皮や鱗…… そういった売買品となるものが目的です。おそらくはこの辺りにいますでしょうし、大型モンスターを当たっていけばそのうち、です♪」

 

「そ、そのうちとは……」

 

「いつになるんだか……」

 

「いずれくるよー」

 

 

こういう時にはバンジョーのマイペースさが羨ましい。意図せずクロムとブラックピットのため息がシンクロした。

 

 

 

 

 

 

ひっそりと。こっそりと。

必要以上に現地人と交流せず、そして目立たないように。これがパルテナが順守する掟の一つである。これは世界の秩序を乱さないようにとの心掛けであり、同時に大乱闘の世界の事情を広めないためのものである。

マスターハンドの創造した世界を介して他の世界に行くことや、必要以上にそれらのことを風聴することが禁じられているのもそのためである。

 

 

しかしッ!!

そんな配慮を見事にぶち壊したヤツがいる!!

その名はッ!!

 

 

「ひえええ!? なんだコイツ、ババコンガか!?」

 

「ちょっと待て!? 通常種も亜種もこんな色してないぞ!? 新種だ!」

 

「ウホッ! オレ、ドンキーコング! ババコンガ?じゃない!」

 

「「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」」」

 

 

ドンキーコングだ!

ここがどこかわからないから、大荷物の人間達の進行方向に躍り出て道を聞こうとしたらこの有様さ!

大パニック! もちろんドンキーコングはババコンガではないし、新種だとも言い難い!

誤解を解こうとして、モンスターの口から出た人語にさらに大混乱だぞ!

 

 

「おい、貴様らここがどこか教えろ。10秒以内だ。答えなければ死ぬより辛い目に合うぞ」

 

「ひえええええ!?」

 

 

そして人間数人のうち一人の胸ぐらが掴まれ、持ち上げられる。苦しさゆえにつま先だけでも地面につけようとするが、さらに力が強まる。

ただでさえ、未知の存在にパニックになっているところにこんな脅され方をしたら、誰だって何も答えられない。

俺たちはただ、このでこぼこだらけの森の中、道なき道を通って売り捌こうとしただけなのに。

 

 

「ウホッ、ガノンドロフ、怖がらせるのだめ!」

 

「ペラペラ喋って聞き出すなど、手ぬるすぎるわ! 人は他者に幸福を与えられぬものよ」

 

 

ババコンガのような何か(暫定新種)が常識を説いている。その相手は暫定新種に比べれば人に近い姿をしているが、その肌は浅黒いを通り越して、事実黒いし。なんか脅してくるし。

密猟者はどうしていいのかわからず、逃げる算段を整え始めるもの、生を諦めて祈り始めるもの、武器を構えて立ち向かおうとするものとさまざまな様相であった。

 

 

「化け物どもめェ!!」

 

「ふんっ、」

 

「ヒィエエ!?」

 

 

振り上げたハンマーは振り下ろさせる前に、ガノンドロフによって頭部より上がばっきり折れた。見事な蹴りである。

 

 

「う、わ、わわ」

 

「ウホッ、大丈夫?」

 

「ひえええッ!! 大丈夫じゃなああい!!」

 

 

武器まで破壊された。武器はハンマーひとつではないが、何を振り回しても効かないイメージしか湧いてこない。完全に牙を折られた獣も当然だった。

 

 

「こ、こんな化け物どもをまともに相手してられるか!!」

 

「ちょっと待て俺を置いてく気か!? 永遠に離れないと誓った夜を忘れたか!?」

 

「すっかり忘れたわ!!」

 

 

ついに1人が着の身そのまま逃げ出した。

嘘か真か判断がつかない寸劇をするあたり、相当混乱しているようだ。ガノンドロフは内心呆れながらも逃がさないと後を追おうとする。

しかし、それは誰かに腹部を蹴り飛ばされてガノンドロフの足元に戻ってきた。

 

 

「なにやってるんだ、お前達は……」

 

 

呆れるカズーイ、いつも通りのバンジョー(ババコンガ、獲物を独り占めするな)

冷めた目でこちらを見るクロム(E:ファルシオン(介錯用))

密猟者を蹴った主犯のブラックピット(お迎えに来た天使)

そしていつも通りの怒ってるんだがわからないアルカイックスマイルのパルテナ(ようこそ、ここは天国です)

 

 

「がふっ」

 

 

ついに召されてしまった。

いや、キャパオーバーで気絶しただけだけど。

 

 

「手加減してあげてくださいよ?」

 

「まだ何もしていない……!」

 

 

ガノンドロフには珍しく、ストレートに不満をぶつけた。

 

 

 

 

 

「結局何も関係ないただの違反者だったのかよ……」

 

「だが、そのおかげでドンキーコングとガノンドロフと再会できたんだぞ?」

 

 

手がかりゼロの状況は変わらないままに無駄な時間を費やしたことにより、ブラックピットは一気に不機嫌顔になる。ドンキーコングとガノンドロフへ事情説明の時間が取られるのも不満であった。

 

 

「で、コイツらどうするのよ? ゴリラとウスノロ魔王がはっきり脅しちゃったけど」

 

「待って! オレ、脅してない!」

「鳥畜生風情が好きに言っておけ」

 

「はいはい、話が進まないのでここまでにしましょう」

 

 

カズーイがいらぬ油を注いでいた一方で、バンジョーは密猟者達の荷馬車に近づく。

気絶させて縛り上げられた人間を横目に、大きな布の中を覗くと、痛々しい赤黒い傷を負ったモンスターの亡骸が横たわっていた。水色と白の体毛、狼のように見える。おそらくこれから皮や爪を剥ぎ取るつもりだったのだろう。

 

 

「目立っちゃったものは仕方ないので、彼らの記憶を少々弄らせてもらいます」

 

「それができるなら、別に目立ってもいいんじゃないか?」

 

「なに言ってるんですか、これを連発すると肩が凝るんです」

 

「凝るかァ!」

 

 

気絶したままの密猟者に奇跡をかけると、さらに奇跡で荷物ごと転移させる。そんなことまでできたんだとは言わない。だって仮にも神さまだしこれくらいできるよね、と。

 

 

「……おい、女神。さっきの奴らどこに送った?」

 

「ああ、先程倒したモンスターの場所です。罪、被ってもらおうかなと」

 

「冤罪……!?」

 

 

()ロム。

世の中って世知辛い。例え相手が悪人でもやってもない罪を押し付けたくはないのに。というか知らなかったとはいえ、この世界の法を破ってしまったのはこちらなのに。

お茶()神はちゃっかりさんでもあった。

 

 

「つーか、それができるなら二つの影とやらもレーダー的な何かで見つけられるんじゃねえか?」

 

「全く、ブラピは…… 私のこと全知全能か何かと思っていませんか?」

 

「思ったことはねえ」

 

「私にだってできないことはありますん」

 

「どっちだよ」

 

「まあ、できるんですけど」

 

「さっさとやれ!!」

 

 

ブラックピットは決意した。

一刻も早くピットにこのくそめんどくせえ神を押しつけようと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──ちょっと未来のある牢屋での出来事

 

 

「匂いと同じような色したババコンガがry」

 

「真っ黒な人型のイビルジョーがry」

 

「剣を持ったラギアクルスがry」

 

「クルペッコとラオシャンロンが徒党を組んでry」

 

「ナルガクルガが蹴飛ばしてきてry」

 

「翠緑色の美しいタマミツネがry」

 

「こいつら秘薬キメすぎでは?」

 





○タイトル
アニメ版星のカービィ5話で登場する、デデデ大王のセリフ。アニメカービィには数えきれないほどの迷言が存在するが、おそらくこのセリフの知名度はトップ。
こんなセリフを吐きながらウィスピーウッズの森の木々をチェーンソーで切り倒す様はサイコパスのそれ。だって、あの木意思持ってそうだし。
ちなみにもう一回ぐらい環境破壊が起きる。プププビレッジの自然再生速度は世界一。


○ドンキーコング=ババコンガ?
マリオブラザーズとモンハンのコラボで、ババコンガはドンキーコング扱いされた。尻尾にキノコついてたり、姫さらったりカードに乗ったり。
え? これがやりたかっただけだろ? 知りませんね。


○ 「永遠に離れないと誓った夜を忘れたか!?」
「すっかり忘れたわ!!」
これもアニメ版カービィから。76話にて。
「陛下! わたしを捨てるでゲスか!?」
「当然! 我が身大事ゾイ!!」
「永遠に離れないと誓った夜をお忘れゲスか!?」
「すっかり忘れたゾイ!!」
人造恐竜に追われている際のエスカルゴンとデデデのセリフ。
簡単に部下を捨てるデデデ、ホモくさいこと言ってるエスカルゴン、忘れたと言いつつ否定はしないデデデ。
この2人アドリブが多いのだが、多分ここは台本。流石アニメカービィ。


○狼に見える水色のモンスター
雷狼竜ジンオウガ。MHP3のメインモンスターであり、看板モンスター。
電光虫を活性化させて生ませる電力を戦闘に利用している。いわゆる共生の関係になるだろう。今作の舞台となるユクモ村はMHP3の拠点となっているため、無関係にはならない。まあ、他モンスターに住処奪われた結果だけど。


○ババコンガ
桃毛獣。イメージ的にはドラクエに登場するバブーンを桃色にしたようなモンスター。上記の通り、マリオコラボでドンキーコング役となった。
放屁が臭いのに公式がババコンガの香水なるものを発売していた。香水そのものはトロピカルフルーツの匂いとなっているとはいえ、公式が病気。


○イビルジョー
恐暴竜。自らの生命活動を維持するために他のあらゆる生命を糧とする、特級の危険生物とすら言われている。ようは凶暴性と食欲がやばい。ガノンドロフ扱いされているが、ぶっちゃけ大体の悪役に当てはまってる気がする。


○ラギアクルス
種を代表して海竜といわれるモンスター。水中戦の代表としてMH3から初登場。MH3Gの後、水中戦が消された結果長らく持て余されていたが、MHXにて再登場できた。
ぶっちゃけクロムとは青色以上の共通点はない。女神のガバガバ判定。


○クルペッコ
彩鳥。他のモンスターの鳴き声を真似して辺りのモンスターを呼び寄せる嫌なヤツ。
カズーイとは違い主に黄緑色の体色なのだが、いかんせん鳴き袋の印象が強かったらしい。


○ラオシャンロン
老山龍。でかーい!! 説明不要!!
6960cmという体長は歩く天災、動く霊峰などと言われる古龍。
立っている姿がバンジョーと被って見えたようだ。


○ナルガクルガ
迅竜。シルエットは竜より獣に近いスタイリッシュなモンスター。黒い体色と印象的な翼がブラックピットのように感じたという。
激情のあまり、立ち回りが疎かになったり、見破られる罠にハマったりといった視野が狭くなるところも含めて判断に繋がっているかどうかは女神のみぞしる。


○タマミツネ
泡狐竜。花を彷彿とさせる体色や恵まれたビジュアル、なにより無益な殺傷を好まない穏やかな性格から人気が高い。まあ綺麗な個体は雄しかいないのだが。
密猟者の記憶の中で、このモンスターを自分としているあたり、ちゃっかりしている女神である。


○なんでこんなにパルテナ、モンスターに詳しいの?
温泉で野良ハンターに聞いた。古龍知ってる強者がいるんだが。


○秘薬
モンスターハンターのアイテム。
減少した体力を最大まで回復させ、且つ最大値まで引き上げる。モンスターハンターでは体力の最大値を引き上げるのに一手間必要。


○一ヶ月の間にあったかもしれない小話
「ほう…… カービィのグルメフェスか。パフェとアフォガートは……」
「最近は平日の夜中にいきなり情報がくるわね。露出を抑えるモードもあるらしいわよ? よかったわね、あなたの仮面も割れなくなるわ」
「私がベヨネッタに出演してたらそうなるだろうな。私的にはカービィ本編でそれ希望」
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