大乱闘スマッシュブラザーズ Histoire Artificielle 作:蘭沙
「ここはガンガンいくぞー!!」
アイスフラワーでアイスマリオになったマリオは、脇目も振らずガンガンと砦に攻め込み、すれ違いに出会った敵達を凍らせていく。
ウクレレピチューの後を追うように正面から入り込んだのは、マリオ、ピーチ、ベヨネッタ、マリアの4人。技が派手であったり、性格的に隠密活動が向いていない者ばかりだった。
「追いつけなくなったら! すぐに言ってね!!」
「うん!! でも、マリアも戦えるし!」
アイスマリオの攻撃を掻い潜って懐に入り込んできた敵には、傘を振り回して応戦する。
幼い少女もまた、ここが重要な分岐点だと理解しているため、白いトラ、白虎を呼び出し正面の敵を一掃する。進んだ道に沿って、マリオはスケートのように進んでいく。
「あら、確かに……リヒターお兄ちゃんより強いんじゃないかしら?」
「えへへ〜」
実際のところは測っていないので知らないが、美しく、強い動物達を召喚して戦う姿はかなり目を引く。
ピーチはそういう派手な攻撃はないので、純粋に羨ましかった。
「よーし!! どんどんいくよー!」
嬉しくて舞い上がったマリアは、さらに朱雀を2羽召喚して空を飛ぶボディの始末を、青龍を召喚してマリオが凍らせた敵を砕かせる。
さらにピーチと敵の間に立ち、ガーディアンナックルで敵を吹き飛ばした。
「どう? やっぱりマリアも戦えるって……」
そしてかなり数の減ったボディの眉間を撃たれ、首を吊られ、断頭台に叩き込まれる。
「私も、戦えるわよ? とびっきり愉快にね!!」
「……あんな風には……戦えないかも……」
「ならないで……」
固まっていた2人の耳に、ウクレレの心地よい音が入ってくる。少しだけ、癒された。
電撃、氷、傘、四聖獣に銃声。それらが暴れ回る中、砦を挟んで向かい側も行動を開始していた。
「こっちだ」
「ピー」
壁の残骸に、または柱に隠れ、進んでいく1人と1機と1匹。ベレト、ロボット、ギザみみピチューは砦の裏側からこっそり進んでいた。こちらは慎重さと隠密に特化し、戦闘どころか奇襲も最低限だ。
『ここで聞くのもアレですが、よろしいデスカ?』
「どうした」
『奇襲なら最初のかみなりはあちら側のみにした方がよかったのデハ?』
「奇襲のつもりはないからな。あくまでここに留まらせるのが目的だ」
奇襲を図るにしては、あまり適した戦場ではない。
戦力が向かい側に集中しているからこそ、隠れながら進められているが、もし後ろへ逃げることになれば数で押し負ける可能性があった。とはいえ、数の比率を変えれば陽動がバレる可能性もある。
囲まれている、と思わせれば、動きも悪くなる。動きが悪くなれば、思考だって鈍る。
ここで取れる選択肢でパッと思いつくのは、籠城、強行突破、もしくは包囲の薄い場所を探して逃げるか。
しかし、少なくとも3人は見つかっていないために、伏兵がどこにあるのかわからない。
それも無視して突破や逃亡を図ることもできないことではない。が、抑止力にはなっている。
だが、後ろ向き思考のチゲンならば籠城を選ぶだろうと考えていた。そして正面に戦力が集中している状況から察するに、既にその手を選んでいる。
「今のところはうまくいっている。ほら、もう外壁だ」
いつの間にやら、本丸の壁まで来ていたらしい。しかし、裏口なんていう便利なものはない。正面まで回るか壁を登る必要があるのだが、ボディがいる。壁の上に1体、下に2体。
登ることそのものに関しては問題なさそうだが、その過程で確実に見つかるだろう。
『どうしましょうカ……』
「いや、ここまでくれば隠れる必要はない。実力行使だ!」
『エエエエエエエエエエ!?』
フェイルノートで、上の1体を射落とし外壁の外まで落下させた。近づいてくる敵をアラドヴァルで串刺しにし、ギザみみピチューが他の敵に張り付き、電撃を浴びせた。
『ここまで静かにきてコレデスカ!!メリハリがあり過ぎデス!!』
アームをグルグルと回しながらラリアットで吹き飛ばす。驚きはしたが、それ以上に体が勝手に動いていた。
「なんだ、めりはりとは、静と動を併せ持ってこその戦士だ」
ベレトの言葉は理にはなっている。ただ単にいわゆる愚痴を言っているだけなのだ。
天帝の剣をボディに差し込んだタイミングで、3体の敵の消滅を確認した。
『モウ……ギザみみさん、コッチへ』
「ピチュ!」
アームにギザみみピチューを乗っけると、ホバリングで上昇していく。ベレトは気にした様子もなく、天帝の剣の先を壁に突き刺して登っていった。そして。
「ギャアアアアアアア!! 出たアアアアアア!」
『うるさいデス!! 幽霊でも見たような失礼な反応シテ!』
「来るんだったら先に言ってから来るもんじゃないの!!
「ピチュー……」
ポケモン以上に何を言っているかわからないか、慌てすぎである。
「そこまで言うなら少し平和的に話を進めようか。そう遠くないうちに他のファイターもたどり着くだろう。投降すれば手荒な真似はしない」
「ビャアアアア!!」
『ベレトさん、それ脅しデス!』
「
チゲンはようやく気づいた。
見渡すが、ここにいるのはロボットとベレト、そしてギザみみピチューしかいない。前方では目を惹くほどの大魔獣が暴れているが、今の今まで見ないようにしていたのか。
「なら、僕にだって勝ち目はある!! 悪いけど君たちを倒させてもらう! そうじゃなきゃ、マスターハンドがいるかわからないしね!」
「『(マスターハンドがいる
その発言に疑問を持ったが、後で聞けばいいと今は戦闘の集中する。
チゲンは中指と人差し指を交差させて十字を切ると、黒色の弾丸のようなものを飛ばした。
「
真正面、1人辺り一個、飛んでいった弾をロボットとギザみみピチューはかわし、ベレトは天帝の剣で弾いた。スピードと威力を失い、石畳の床を転がったのは。
「小石……?」
黒く、楕円型の小石だった。
綺麗に磨かれたそれは明らかに天然のものではない。疑問だったが、すぐに切り替える。
「どんどんいくよ!
再び十字を切り、数個の弾がどんどん分裂し、増殖していく。
これは弾いていたのでは間に合わない。
「ピッチュー!」
「っ!」
小さな体を活かして懐まで飛び込んできたピチューに対して、咄嗟に神弓シルバーリップを振り回して切り裂いた。
『……ノッ!!』
「わっ!!」
そして、少なからずできた隙をビームで撃ち抜く。赤色の光線は右前腕を貫通した。
「もう!
『ハヤッ……!』
反撃に、撃ち返した黒い弾丸。
切った十字の交差点から撃たれた小石は、本来狙撃特化の技。対応もできず、脊髄部にめり込み、体が弧を描く。
「はああ!」
「んっ、
アイムールの一振りをかわし、斜めに並べられた弾丸が規則正しくまっすぐ飛ぶ。ベレトがそれを潜り抜けると、天帝の剣で足払いした。
「ビャッ」
「ピチュウウ!」
かみなりが落下し、ぷすぷすと黒煙を立たせながら、再び裂かれ形で攻撃を図る。
『2度も同じ手が通じるト!』
「ば、ば、ば!」
アームスピンで大半の小石を弾き飛ばす。弾の一部がチゲンの額に跳ね返ってきており、スピンも迫る中どうにか射線を外れようとするも、
「あばっ!?」
そしてスピンに当たって吹き飛ばされ、仰向けで倒れるチゲンの顔を覗き込むのは。
「みぃつけた♪」
「ピャアアアアアアア!」
恐ろしいお姉さんとその一行であった。
○タイトル
ニューダンガンロンパ V3の4章のタイトル。
ダンガンロンパシリーズの章タイトルは大体元ネタがある。それがこのタイトルには見られない……と思いきや、回文になっている。
1章ほどではないが、個人的に意外な人物が……
○「リヒターお兄ちゃんより強いんじゃないかしら?」
マリア、兵器だもん!
○荒ぶるチゲン
シリーズ外伝が発売したベヨネッタに対して、祝う気は全くない。
勝手にみんなのトラウマのPixiv大百科に追加する迷惑なタイプ。
○作者の気まぐれコメント
アニメカービィのBlu-ray発売しましたね。
まあ、私は一次予約に敗れた敗北者なのでまだ届いてないんですが。
そして、同時にようつべの動画も削除されたとかされなかったとか。やっぱり今まで見逃されてたんですね。