ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第26話 最終決戦

 

「だ、誰だお前!?」

 

須郷は現れたヒースクリフにそう怒鳴る様に尋ねる。

 

一方で、ミト、キリトとアスナ、ノアとユイの5人はヒースクリフの登場に驚き、目を見開いていた。

 

そんな中、ヒースクリフはゆっくりとキリト達の方に目を移す。

 

「キリト君、それにアスナ君。彼が迷惑を掛けた事、彼に変わって私が謝罪しよう。この一件に関しては、私も予想外でね。僅かな時間では対処することも難しく、私に出来た事と言えば、アスナ君にせめての防衛策を施すことしかできなかった」

 

「ちょ、ちょっと待ってください!それじゃあ、あの謎のバグは団長が!?」

 

「バグか。まぁ、事情を知らない者から見ればそうとも見えるだろう。だが、アレはバグなどではない。正真正銘、SAOに存在したスキル、《業火刀》の能力の一部さ。GM権限で、その能力を半永久的に君に付与した」

 

ヒースクリフは、変わらない口調で淡々とアスナの質問に答える。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

今度はキリトが声を上げる。

 

「本当に……本当にお前なのか………生きていたのか………茅場」

 

「生きていた、か………そうとも言えるし、そうでないとも言えるな。私は、茅場昌彦という意識のエコー、残像だ」

 

解り難い事を言うヒースクリフに、キリトはこの言い方は間違いなく茅場だと結論を出す。

 

「ちょ、ちょっと待て!」

 

すると、須郷が驚きの声を上げる。

 

「今何って言った……この男が茅場?……嘘だ……嘘だ!アイツは死んだんだ!死んだんだよ!それなのに、なんで今更現れるんだよ!」

 

狂ったようにそう捲し立てる須郷に、ヒースクリフは溜息を吐く。

 

「須郷君、私だって人間だ。意味もなくこんなことしないさ。私がここに現れたのは3つの理由がある」

 

ヒースクリフはゆっくりと須郷へと歩みより、十字盾に収められた十字剣に手を掛ける。

 

「1つは私の世界を盗み、土足で荒らしまわったことだ。多少のオリジナル性はあるものの、それは表面上の事だけで、中身はそのまま。開発者としてはいい気分ではない」

 

十字剣を抜き、剣先を地面に向け、ゆっくりと揺らしながら更に近寄る。

 

「2つ目は、全ALOプレイヤーを欺き続けた事だ。10000人を監禁し、デスゲームをやらせていた私が言えたことじゃないが、GMであるならプレイヤーを騙すことはいけない。ましてやシステム的にクリア不可能のグランドクエストなど、あってはならない」

 

ヒースクリフは立ち止まり、そして、十字剣の剣先を須郷へと向ける。

 

「そして、最後は私自身の約束を果たす為さ」

 

「や、約束……?」

 

「そう。75層ボス部屋で私はキリト君とカイ君にこう言った。決闘(デュエル)で私に勝てば、生き残った全プレイヤーをログアウトさせるとね。GMとして、提示した報酬は何が何でも払わねばならないからね」

 

開発者としても、GMとしても、ヒースクリフもとい茅場明彦は須郷の何倍も前に立っている。

 

その事実が、須郷を苛立たせる。

 

「須郷君、悪い事は言わない。即刻SAOプレイヤー300名を解放したまえ。後は、自首することをお薦めするよ。私が言えたことではないがね」

 

その言葉が引き金となり、須郷は激怒し叫んだ。

 

「ふざけるな茅場!アンタはいつもそうだ!そうやって何もかも悟ったような顔しやがって!アンタのそう言うところが気に食わないんだよ!」

 

そう叫ぶと、須郷は手を上げる。

 

「システムコマンド!オブジェクトID《スカルリーパー》《ホロウアバター》ジェネレート!」

 

須郷がそう叫ぶと、何もない虚空からアインクラッド75層フロアボス《スカルリーパー》と《ホロウアバター》と呼ばれるローブを被ったモンスターが現れた。

 

「なっ!?《スカルリーパー》だって!?」

 

「それに、《ホロウアバター》って一体……!」

 

「ヒッヒッヒ!知ってるんだぞ、お前たち、このボスモンスター相手に苦戦をしたそうじゃないか!攻略した時の人数は何人だい?6人程度じゃなかったはずだよ?そして、《ホロウアバター》はSAOの第100層のフロアボスモンスターだ!そのステータスはどのモンスターよりも遥かに強敵!たった6人で、どこまでやれるか見せてもらおうか!」

 

「くっ!何処までも卑劣な!」

 

須郷の行いに、ミトが歯嚙みして言う。

 

「こうなったら、俺達4人でスカルリーパーの鎌を防いで、トバルとヒースクリフが攻撃を「いや、その必要はねぇ」

 

キリトが即席の作戦を立てようとすると、トバルがそれを遮る。

 

「アイツの相手は俺がする」

 

「と、トバル!?」

 

「そんな……!いくら何でも無茶よ!」

 

「別に倒そうだなんて、考えてねぇよ。お前らがあのクソ野郎を倒すまでの間、俺が囮になるだけだ」

 

トバルは前に出て、刀を抜く。

 

「安心しろって。死ぬ気はねぇからよ」

 

「ふむ。では、《ホロウアバター》は私が相手しよう」

 

ヒースクリフも前に出てそう言う。

 

「SAOの本来の第100層フロアボスと、その椅子を奪った魔王。どちらがSAOのラスボスに相応しいか、決着を着けるのもいいだろう」

 

ニヤッと笑うトバルと不敵に笑うヒースクリフに、カイは溜息を吐き、頭を掻く。

 

「任せるぞ、トバル、ヒースクリフ」

 

「ああ、任せたまえ」

 

「おう。……おっと、忘れる所だったぜ」

 

トバルは、アイテムウィンドウからある物を出し、カイへと差し出す。

 

「打ち終わったぜ」

 

「………ああ、ありがとう」

 

差し出されたそれを、カイは懐かしそうに受け取る。

 

「コイツもいいけど、やっぱりこれじゃないとな」

 

そう言い、受け取ったそれを力強く抜き放った。

 

カイの2つ名の象徴とも言える透ける様な赤い刀身の刀《焔群》。

 

「もう一度、一緒に戦ってくれ《焔群》」

 

懐かしくも、頼もしい握り心地を感じながらカイは笑う。

 

「カイ君、もう一つ忘れものがある」

 

ヒースクリフもそう言って、システムウィンドウを素早く操作し、あるシステムを発動させる。

 

「《ソードスキル》及び《ユニークスキル》解放!」

 

その瞬間、カイ、ミト、キリト、アスナの前にメッセージウィンドウが開く。

 

《細剣》スキル  取得

 

《両手鎌》スキル 取得

 

ミトとアスナの愛用スキルが取得される。

 

《二刀流》スキル 取得

 

《業火刀》スキル 取得

 

そして、カイとキリトのユニークスキルも取得される。

 

「お前たちの武器に」「君たちのスキルだ」

 

「「さぁ、存分に戦いな(戦いたまえ)」」

 

「「応!」」「「ええ!」」

 

トバルとヒースクリフから応援の言葉を貰い、カイ達は最後の戦いへと向かった。




トバルVSスカルリーパーとヒースクリフVS7ホロウアバター

そして、カイ&ミト&キリト&アスナVS須郷

お楽しみに
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