ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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後2、3話ぐらいでALO編終わるかもです


第28話 一家団結

「くそっ!どうしてこうなった!?」

 

須郷は今の状況に悪態を吐く。

 

現在、カイ、ミト、キリト、アスナの4人は須郷が召喚したモンスター群に阻まれ須郷へと辿り着けていなかった。

 

だが、須郷が召喚したモンスターは先程召喚した《スカルリーパー》や《ホロウアバター》と比べると大した脅威ではなかった。

 

《スカルリーパー》や《ホロウアバター》はかなり強力なモンスターでソレの同時召喚によって、サーバーに負担を掛け過ぎ、サーバーの処理速度が一時低下したため、今の須郷には下級、よくて中級程度のモンスターしか召喚できなかった。

 

そのモンスターの群れの中を、4人は着実に倒し、須郷へと近づいている。

 

(何故だ……何故なんだ!?)

 

頭の中で、原因を探る。

 

こうなった原因は明白だった。

 

SAOのサーバーをコピーした物を使用したことで、SAOと共通するスキルの熟練度が引き継がれた事

 

ALOをスキル制にしたことで、レベル上げが必要なかったこと。

 

そして、何よりキリトとミトを子供と侮り、喋り過ぎたこと。

 

それが一番の原因だった。

 

「ふざけるな……僕は、僕はこの世界の王にして神なんだ!こんなガキ共にやられていいわけがないんだよ!」

 

須郷は何が何でも自身の否を認めず、そう叫ぶ。

 

「こうなりゃ見せてやるよ!神の力って奴をな!」

 

須郷はあるスペルを唱える。

 

だが、それはこの世界で誰も耳にしたことのないスペルだった。

 

それは、須郷もといオベイロン専用の魔法だった。

 

魔法が唱え終わると、カイ達の前に鏡が現れ、カイ達の姿を映す。

 

カイ達は何かしらの防御魔法かと思い、攻撃の手を止める。

 

すると、鏡の中に映った自身が飛び出し、攻撃を仕掛けた。

 

「これは!?」

 

「くっくっくっ!それは《夢幻魔法》と言ってね、イベントボス専用魔法さ。その鏡に姿を映したプレイヤーを模したモンスターを生み出す。本来はただプレイヤーを模すだけの魔法だけど、僕の使う《夢幻魔法》は一味違う。召喚されるモンスターのステータスは君達より遥かに高く、また君たちの使用してるナーヴギアへと送られる電気信号をナーヴギアより先に感知し、行動を先読みする。言うなれば、君たちの行動を予知して戦う最強のモンスターさ。さぁ、やれお前たち!そいつらを殺すんだ!」

 

須郷は召喚された4体のモンスター《ホロウ・カイ》、《ホロウ・ミト》、《ホロウ・キリト》、《ホロウ・アスナ》に命令を下す。

 

4体の《ホロウ・モンスター》は、4人に襲い掛かる。

 

仕掛けられた攻撃に、4人は対応しようと武器を振るう。

 

だが、4体のモンスターはそれを予知し、回避や防御を行う。

 

「くっ!行動を読まれるのは厄介だな!」

 

「落ち着け、キリト!所詮はシステムが動かしてるだけだ!」

 

「なら、そこに勝機があるわね!」

 

「必ず勝とう!」

 

「必ず勝つね……ならこれならどうだい?」

 

そう言って須郷は、再度モンスターを召喚させる。

 

「いくら雑魚モンスターと言えども、この量相手に加え君らの《ホロウ・モンスター》。これは勝ち目がないね!存分に楽しませて貰うよ!」

 

水を得た魚の様に、須郷は高笑いをしてカイ達を見る。

 

4人は、互いに背中を預ける形で陣形を汲み、範囲技を使いながら雑魚モンスターを蹴散らす。

 

だが、雑魚モンスターに紛れて襲いに来る自身の《ホロウ・モンスター》の攻撃が厄介で、苦戦を強いられた

 

あまりの物量の差に、カイ達は再び窮地に襲われた。

 

雑魚とは言え目の前に広がる雑魚モンスター。

 

そして、自身の《ホロウ・モンスター》。

 

今までに体験したことのない戦闘に、4人は精神的に疲弊していく。

 

「しまっ!」

 

その時、《ホロウ・ミト》がミトの右肩に鎌を突き立てた。

 

「ミト!」

 

ミトを助けようとカイが動こうとすると、《ホロウ・カイ》がカイに向かって突きを放つ。

 

カイは刀で攻撃を受け流すも、受け流すと同時に足蹴りが放たれ、モロに食らってしまう。

 

「カイ!ミト!」

 

「くっ!数が多すぎる……!」

 

キリトとアスナも、《ホロウ・キリト》、《ホロウ・アスナ》と大量の雑魚モンスターの猛攻でHPをじわりじわりと減らしていく。

 

「ほらほら、どうしたのさ?必ず勝つんじゃなかったのかい?言うだけなら誰でも出来るよ?有言実行しないと!」

 

須郷は愉快そうに笑って、カイ達がやられていく様を見続ける。

 

「はあああああああああああああ!!」「やあああああああああああああ!!」

 

その時、2人分の男女の声が響き渡る。

 

そして、声が聞こえると同時に、迫モンスターが次々と倒されていった。

 

「な、なんだ!?」

 

須郷は何が起きたのか分からず、驚きの声を上げる。

 

声の主の2人は、雑魚モンスターを蹴散らしていき、カイ達の元へと辿り着く。

 

現れたのは、火妖精族(サラマンダー)水妖精族(ウンディーネ)だった。

 

「お待たせしました、父上、母上」

 

「私たちも戦いますよ、パパ、ママ」

 

カイとミトを父上、母上と呼び、キリトとアスナをパパ、ママと呼ぶ2人に、カイ達は思わず驚いた。

 

「ま、まさか……」「その呼び方って……」

 

「つ、つまり……」「嘘でしょ…………!」

 

カイ達4人は、その2人の名を叫んだ。

 

「「ノア!?」」「「ユイ(ちゃん)!?」」

 

「「はい!」」

 

名前を呼ばれ、高校生と見間違うほどに成長した火妖精族(サラマンダー)のノアと水妖精族(ウンディーネ)のユイは、笑顔でそう言った。

 

「その姿は……」

 

「一体何が起きてるの………」

 

「なんで成長してるんだ………」

 

「なんか色々あり過ぎだよ………」

 

困惑する4人を他所に、ノアとユイは笑い合い、何があったのかを説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パパ、ママ………」

 

「くっ!俺も一緒に戦えれば………」

 

カイ達の戦闘を見て、ノアは思わずそう呟く。

 

戦う機能のないナビゲーションピクシーの2人は、戦うカイ達をただ眺めることしか出来なかった。

 

「共に戦いたちと言う気持ちは理解できなくもないが、戦えぬものが言っても足手纏いになるだけだ」

 

そんな2人に、《ホロウアバター》を倒したヒースクリフが声を掛ける。

 

「もう……倒したのか………」

 

「正道とは言えないが、魔王だからね。卑怯な手で倒すぐらい大目に見てもらおう」

 

茶化す様に笑うヒースクリフは、カイ達を見る。

 

「《ホロウ・モンスター》か。鏡に映した相手を模したモンスターを召喚し、戦わせる。面白いモンスターだ。やはり、須郷君も天才の1人か。あのままでは、カイ君たちがやられるのも時間の問題だろう」

 

「あの、お願いです!パパとママたちを助けて下さい!」

 

ユイはヒースクリフに、4人の応援に行くように頼む。

 

「ふむ………確かに私が応援に行けばなんとかなるだろう。だが、それも一時しのぎにしかならない。須郷君の持つ権限を何とかしない限りね」

 

そう言うと、ノアとユイは悔しそうに俯く。

 

「そんな顔をすることはない。何とかしないといけないが、出来ないわけではないからね」

 

「「え?」」

 

「ノア君、ユイ君。私はこれから作戦の最終段階へと入る。そこでだ」

 

一拍間を置き、ヒースクリフはノアとユイを見る。

 

「君たちの父と母の為に、戦う気はあるかね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「茅場の奴が?」

 

「はい、茅場さんが私たちにプレイヤー権限を与えてくれました」

 

「そのお陰で、こうしてプレイヤーとして戦うことが出来ます」

 

そう言い、ノアとユイはモンスターを見る。

 

「露払いは俺とユイがします」

 

「パパとママ、カイさんとミトさんは《ホロウ・モンスター》をお願いします」

 

ノアは刀を抜き、ユイは細剣(レイピア)を構える。

 

「ノア、今度は私がノアを守ります」

 

「なら、君の事は、俺が必ず守る。だから!」

 

「「一緒に行こう!」」

 

そして、2人は同時に駆け出しモンスターに攻撃を仕掛ける。

 

「何と言うか……随分とたくましくなっちゃったわね………」

 

「それが子供ってもんだろ?いずれは親の手を離れて生きて行くんだ。ノアもユイちゃんも立派になったな」

 

「何時までも子供だなんて思ってたらダメだね。でも、ノア君にならユイちゃんの事任せられるかも」

 

「あ、アスナ!流石にそれはちょっと早いんじゃないかな……!」

 

アスナのユイを任せれる発言に、キリトは動揺する。

 

「動揺するのもいいがキリト、道は開けたぞ」

 

カイはそう言って、前を見る。

 

雑魚モンスターの大半をノアとユイが引き受けた為、後は《ホロウ・モンスター》4体と僅かな雑魚モンスターの軍団のみ。

 

「ノアとユイちゃんが作ってくれた道筋、無駄には出来ないぞ」

 

「あの2人が頑張ってるんだもの。親である私たちも頑張らないと」

 

「顔向けできないよね」

 

「………そうだな。今はとにかく勝とう」

 

4人は頷き合い、それぞれの《ホロウ・モンスター》と対峙する。

 

「「「「お前なんかに負けてたまるか、偽物!」」」」

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