ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

110 / 132
SAO編でミトが好きだと言った花。

その理由が明かされます


第2話 花言葉

12月7日 日曜日

 

ミトはいつもの公園に来ていた。

 

ベンチに座り、元気に遊んでいる子供たちを眺め、時折微笑む。

 

すると、走っていた女の子が、目の前で転んだ。

 

ミトはベンチから立ち上がり、その女の子に近付く。

 

「大丈夫?」

 

「う~……膝痛い……」

 

涙目になりながら女の子は言った。

 

女の子の膝を見ると擦り傷ができていた。

 

ミトはポケットからハンカチを取り出し、ペットボトルの水で濡らして女の子の膝に当てる。

 

「いたっ!」

 

「ごめんね、ちょっと我慢してくれるかな?」

 

「………うん」

 

「強い子ね。強い子は、お姉さん好きだよ」

 

そう言い、ミトは最後に絆創膏を貼る。

 

「よし。これで、もう痛くない筈よ」

 

「本当だ!ありがとう、お姉ちゃん!」

 

「どういたしまして」

 

笑顔を見せる女の子を見て、ミトも微笑む。

 

その後、女の子の母親と思われる人が来て、事情を聴き、ミトにお礼を言った。

 

ミトは「大したことじゃないので」と言って、帰って行く母娘を見送った。

 

「優しいな、深澄は」

 

そんなミトの後ろから、カイが声を掛けた。

 

「伊緒、遅かったね」

 

「一応時間通りなんだけどな」

 

「私より来るのが遅かったんだから、遅いの」

 

そう言って、ミトはカイと手を繋いだ。

 

「じゃ、行こ」

 

「ああ」

 

そして2人は、公園を後にした。

 

そのまま街を歩きながら、カイはミトに話しかける。

 

「そう言えば、ずっと公園で遊ぶ子供見てたけど、何かあったのか?」

 

「え?あ……いや、その………」

 

カイの言葉を聞いて、ミトは少し顔を赤くし、下を向いてしまった。

 

「どうかしたか?」

 

「ううん。何でも無い。ただ……」

 

ミトは顔を上げ、カイの方を見る。

 

「……私と伊緒の子供なら、どんな子かなって考えてて………」

 

恥ずかしそうな表情を浮かべるミトを見て、カイは嬉しそうに笑う。

 

「そっか……なら、その時が来るまで深澄に愛想尽かされない様に頑張らないとな」

 

「来ないよ、そんな日なんて」

 

「そっか。それは嬉しいな」

 

互いに笑い合い、2人の手は、しっかりと握られていた。

 

その後、2人はゲーセンに向かい、存分に遊ぶと、夕方になっていた。

 

夕暮れの中、2人は帰り道を歩いていた。

 

「う~ん……楽しかった!」

 

「そうだな。次は和人と明日奈も誘って、Wデートでもするか」

 

「それも楽しそうね」

 

2人共満足げに笑っていた。

 

すると、カイは突然立ち止まった。

 

「どうしたの?」

 

ミトはカイの視線の先を見る。

 

そこにあったのは、花屋だった。

 

「花屋がどうかした?」

 

「ああ、ちょっと思い出してさ。SAOでミトが好きな花の事」

 

カイにそう言われ、ミトは思い出す。

 

あの時、ミトが好きだと言った花は《サネカズラ》と《アングレカム》の2つ。

 

正確には《サネカズラ》は好きだった花で、《アングレカム》が現在好きな花だ。

 

「あの時は、なんかはぐらかされたけど、結局なんで好きだったんだ?」

 

「そうね………まぁ、もう話してもいいか。花言葉は分かる?」

 

「どの花に、どんな花言葉があるかまでは分からないけど、まぁ知ってる」

 

「《サネカズラ》はね、《再会》《また逢いましょう》って花言葉なの」

 

ミトは少しだけ悲しそうに笑う。

 

「伊緒と会えなくなって、悲しくて泣いてた時にお母さんが教えてくれたの。《サネカズラ》は再会の花言葉がある花。この花を大事に育てて、その子とまた逢える日を願いなさいって」

 

「………そうだったんだな」

 

「その言葉をずっと信じ続けて、毎年植えてた。そしたら、本当に伊緒と再会出来た。私にとっては、願いをかなえてくれた大切な花なんだ」

 

ミトは嬉しそうに微笑み、カイの手を握る。

 

「で、今はそれ以上に好きなのが《アングレカム》。これの花言葉はね……《いつまでも貴方と一緒に》っていうの」

 

「へぇ……」

 

カイもミトの手を握り返し、微笑む。

 

「俺も同じ気持ちだよ。深澄と、これからも一緒に居たいと思ってる」

 

「ふふっ……ありがと」

 

カイの言葉を聞き、ミトは嬉しそうな笑顔を見せた。

 

そのまま2人は他愛のない話をしながら、歩き出す。

 

カイは、ミトを家まで送りながらあることを考えていた。

 

(GGOに行く件、なんて切り出すか……)

 

「何が言いたいの?」

 

「え?」

 

ミトの隣を歩きながら、考えているとミトがそう言ってきた。

 

カイは、「ミトにはお見通しか」っと苦笑し、正直に話すことにした。

 

「実は、近いうちにALOの《カイ》を別のゲームにコンバートさせるんだ」

 

「……え?……………え、えぇぇぇぇぇっ!?」

 

ミトが驚きのあまりに叫んだ。

 

「ど、どうして…? まさかALO…辞めるの…?」

 

「いや、違うって!菊岡の頼みで他のVRMMOのリサーチをするだけだ!すぐにまた再コンバートする!」

 

「そ、そっか………でも、リサーチならもう何回も新規アカウントしてるじゃない。なのにどうしてコンバートするの?」

 

「念には念をって所かな。まぁ、キリトも一緒だし大丈夫だからさ」

 

「キリトも?………怪しい」

 

ミトは、《カイ》のデータをコンバートさせることと、キリトも同行すると言うことに不信を感じ、ジトーッとした目つきでカイを見た。

 

「な、なんだよ、その目は……」

 

「怪し過ぎる。いくらなんでも、念を入れ過ぎよ。カイだけじゃなく、キリトまでも一緒だなんて、そのゲーム、危険なの?」

 

「いや、そう言うわけじゃないんだけど……」

 

「危険なんでしょ?だから、カイをコンバートさせて、キリトも一緒にコンバートして付いて行く。そうでしょ?」

 

「うーん……」

 

「正直に言いなさい」

 

「……わかったよ」

 

ミトの圧力に押されたカイは、GGOのことをミトに打ち明けた。

 

GGOのプレイヤー2人が不審死を遂げた事。

 

《死銃》と言う存在が2人を撃った事。

 

その直後に、2人は苦しんで落ちた事。

 

落ちた時間と、死亡推定時刻が一致してる事。

 

原因を探るために、キリトと共に《死銃》に接触する事。

 

包み隠さず、ミトに話した。

 

話を聞いたミトは、しばらく考え込んだ後、口を開いた。

 

「……私も、一緒に行くわ」

 

「え!?行くって本気か!?」

 

「当たり前でしょう!! そんな危ない所に、行かせるわけないでしょう!?」

 

「いや、でも、もしかしたら危険な事かもしれないんだ、それに深澄を巻き込むわけには……」

 

「それを決めるのは私よ。それに、もう離れたくないの………」

 

ミトは、カイの手を握った。

 

「だからお願い、連れていって……」

 

弱々しくいうミトに、カイは断れなかった。

 

「分かったよ……菊岡に連絡して、深澄も同行していいか聞いてみる。まぁ、深澄の腕なら、菊岡も喜んでくれるだろうさ」

 

「ありがとう、伊緒……大好きだよ……」

 

ミトはカイを抱き締めると、カイもミトを抱きしめ返した。




GGOにミトも同行します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。