ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第5話 《Untouchable!》

装備の調達を終えて、シノンの所に戻ると、シノンはカイとキリト、ミトに気づき、近寄って来る。

 

「終わった?」

 

「ええ、ばっちりよ」

 

ミトが手に持ったアタッシュケースをシノンに見せるように掲げる。

 

「そう。ねぇ、折角だし少しGGOを見て回らない?まだエントリーにまで時間はあるし」

 

シノンからの誘いに、カイ達は折角だからとシノンにGGO内を案内してもらうことにした。

 

四人は大通りに出ると、まず武器屋に向かう。

 

店内には様々な種類の銃や弾薬、それにアタッチメントなどが並んでいた。

 

「へぇ~、こんなにあるんだな……」

 

感心したように呟くカイの隣で、ミトも興味深げに商品を見つめている。

 

「こうしてみると、銃で戦うってのもいいかもね。バイト終わってからも、GGO続けようかしら」

 

「いいんじゃないか。俺も少し気に入りそうだし」

 

カイの言葉を聞いて、ミトは嬉しそうに笑う。

 

「それなら、一から自分で装備とか揃えたいわよね。その時は、手伝ってよね」

 

「勿論、喜んで」

 

楽しそうに笑い合う、カイとミトに、シノンはキリトに声を掛ける。

 

「ねぇ、もしかしてだけどあの2人って……」

 

「ああ、ご察しの通り、付き合ってるよ」

 

キリトの言葉を聞いたシノンは、納得するように微笑む。

 

「そっか……お似合いね」

 

そんなことを話しながら、シノンがあれこれと説明をする。

 

その時、キリトがある物に目を付ける。

 

「シノン、アレは?」

 

「あー、あれね。ちょっとしたギャンブルゲームよ。手前のゲートから入って、奥のNPCガンマンの銃撃を躱しながらどこまで近づけるか、ってゲームプレイ料金が500クレジットで、10mで1000、15mで2000クレジットの賞金。ガンマンに触ればいままでプレイヤーがつぎ込んだお金が全額バック」

 

「その額は…?」

 

「今は、30万ちょいみたい。だけどこのギャンブル、クリア出来ないし」

 

「なんでだ?」

 

不思議そうな顔をするキリトに、シノンは肩をすくめる。

 

「見ればわかるわ。ほら、今1人挑戦するわ」

 

シノンの言葉通り、3人連れの男の内の1人がゲート前に立ち、10人程のギャラリーが集まってきた。

 

カウントが行われ、数字が0になった瞬間に男はダッシュした。

 

しかし制動掛けて止まったかと思うと、妙な格好を取った。

 

すると男がポーズを取る前に頭や手、足があった場所にガンマンが放った弾丸が通った。

 

「今のは!?」

 

「まるで弾が飛んでくる場所が分かってる様な感じだった……」

 

「偶然、じゃないわよね?」

 

「ええ。弾を躱せたのは《弾道予測線(バレット・ライン)》のお陰よ」

 

「「「《弾道予測線(バレット・ライン)》?」」」

 

聞きなれない単語に、3人は尋ね返す。

 

「敵から銃撃前の狙点を受けると敵側の視野に表示される《守備的システム・アシスト》。それで、自分に向かってくる弾丸を躱したりするの」

 

シノンの説明を聞き、3人は納得する。

 

その間に、男が7m地点に辿り着き、もう少しでプレイ料金の倍額を手に入れられる……と言う所で、ガンマンの動きが変化した。

 

銃撃に時差をつけるようになり、男はジャンプで回避したがバランスを崩したあと、立ち上がったところで撃たれて失敗となった。

 

その際に、ガンマンが嘲るかのように勝利の言葉を喚いた。

 

「こういうこと。左右に大きく動けないから、ほとんど一直線に突っ込まないといけない。おまけに、8mを超えるとインチキレベルの早撃ちに、リボルバーの癖にムチャクチャな高速リロードで3点バースト射撃。予測線が見える頃には、もう手遅れ。だから、クリアできないの」

 

「ふーん………なるほどね」

 

それを聞いたキリトは何かを考え、そして、そのゲームに挑戦した。

 

「あ!ちょっと!」

 

シノンは無謀だと、キリトを止めようとするが、シノンの声は届かず、キリトはゲームを始めた。

 

キリトの容姿も相俟って、先程よりも多くのギャラリーが集まる。

 

キリトはそれを無視し、金属バーが上がると同時にスタートをする。

 

キリトは、先程のプレイヤーと違い、動きながら最初の弾丸を躱す。

 

その動きに、ギャラリーが驚きの声を出す。

 

8mを超え、NPCガンマンがインチキ早撃ちを繰り出すも、キリトはこれも紙一重で躱し、進み続ける。

 

残り5mと言う所で、キリトはスライディングをする。

 

すると、さっきまでキリトの上半身があった所を、6発の弾丸が通る。

 

そして、とうとうガンマンに触れれる所まで来た瞬間、ガンマンの銃からレーザーが放たれた。

 

だが、直前でキリトは前ダッシュから、跳躍に変え、レーザーは当たらずに済んだ。

 

そして、ガンマンの前に降り立つと、そのまま革ベストにポンっと触れる。

 

「オーマイ、ガ―――――――ッ!」

 

絶叫と共にガンマンは頭を抱え地面に膝をつく。

 

同時に狂ったようなファンファーレが響く。

 

そして、ガンマンの背後のレンガが崩れ金貨がざらざらと流れてくる。

 

ゲームが終わってゲートから出る時には、いつの間にかギャラリーがさっきの倍以上増えており、皆が皆、口々に驚きの言葉や何者かなどと喋っている。

 

そんな中、カイとミトとシノンが傍によってきた。

 

「流石だな、キリト」

 

「相変わらず、出鱈目なことするわね」

 

「カイやミトにだって出来るだろ?」

 

3人が和やかに話している中、シノンはキリトに尋ねた。

 

「…あなたどんな反射神経してるの…? 最後のレーザー、あんな距離だと、回避なんて不可能に近いのに…」

 

「だって、これって弾道予測線を予測するゲームだろ?」

 

「だ、弾道予測線を、予測ぅ!?」

 

シノンは女の子らしい叫びが店内に響き渡り、ギャラリーも呆然と口を開いていた。

 

数分後、ようやく集まっていたギャラリーが散り、カイ達は《BoB》エントリーの為、《総督府》に向かうことにした。

 

だが………

 

「シノン!残り時間は!?」

 

「残り13分!エントリーには大体5分掛かるから、あと8分で着かないと!」

 

予想以上に、時間を食ってしまい4人は《総督府》に向かって走っていた。

 

「テレポートとか、瞬間的に移動する方ほとかはないのか!?」

 

「GGOにおいて、起きる瞬間移動現象はたった1つ…死んで蘇生ポイントに戻るだけ!このグロッケン地区の蘇生ポイントは総督府付近だけど、街中じゃHPは絶対に減らない!だからその手段は無理なの!」

 

カイの質問に、シノンが叫ぶように答える。

 

「とにかく今は走りましょう!」

 

ミトの言葉に、全員頷き、走る。

 

その時、4人の視界に一台のジープが止まる。

 

「やぁ、シノン、脚は要るかい?」

 

「リヒター!」

 

ジープに乗っていたのは、リヒターだった。

 

「早く乗って!エントリーまで時間がない!そちらの3人もどうぞ!」

 

「シノン、知り合いか!?」

 

「相棒よ!乗って!」

 

「なら、お言葉に甘えて!」

 

助手席に飛び乗るシノンを見て、キリトは後部座席に飛び乗る。

 

「助かる!」

 

「ありがとう!」

 

カイとミトも、リヒターに礼を言い後部座席に飛び乗る。

 

直後、アクセル全開で急発進したジープは猛スピードで大通りを突っ切り、《総督府》を目指す。

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