ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第10話 予選決勝戦《カイVSキリト》

カイとキリトの、《BoB》予選、Eブロックのステージは《大陸間高速道》

 

東西にわかれるように伸びるハイウェイ、そこから降りる事は出来ない。

 

障害物として乗用車や輸送車などの大型車、墜落したヘリコプターなどを利用して戦う。

 

カイは、遮蔽物の陰から蔭へと移動し、キリトを探す。

 

(キリトの事だから、俺と同じように移動してるはず……)

 

そう考えながら、物陰に隠れた時だった。

 

「っ!」

 

カイは思わず、自分の目を疑った。

 

何故なら、キリトは隠れながら移動している所か、《フォトンソード》も《ファイブセブン》も持たず、ただ真っすぐ歩いていた。

 

「何考えてるんだよ……」

 

カイは、キリトから戦う意思を感じない為、遮蔽物から出て、キリトに近寄る。

 

「キリト!お前、何考えてる!」

 

カイが怒鳴ると、キリトはゆっくりと顔を上げる。

 

「俺たちの目的は、明日の本戦に出ることだ。もうこれ以上戦う理由はない」

 

その言葉を聞いた瞬間、カイはキレた。

 

「ふざけんじゃねぇ!」

 

キリトの胸倉を掴み、顔を近づけて叫ぶ。

 

「確かに俺たちの目的は本戦出場だ!決勝戦まで行けば、本戦への参加資格はあるだろうさ!でも、だからと言って、勝負を投げやりにしていい理由にはならないだろ!」

 

カイの言葉を聞き、キリトは顔を上げる。

 

「これまで戦ってきた奴ら全員が、本選に出ようと真剣に戦っていた!それなのに、本選に出れるから決勝戦は適当に終わらせるなんて、そんなの今まで戦ってきた奴らの気持ちを踏みにじってるのと同じだ!それが………俺の相棒《キリト》のすることか!お前にとって、仮想世界はもう一つの現実だろ!」

 

そこまで言い終えると、カイは掴んでいた手を離す。

 

「俺は、最後まで真剣に戦いたい。相手がお前なら、尚更だ。お前は……違うのかよ?」

 

キリトは数秒沈黙した。

 

そして、顔を上げる。

 

そこには、先程みたいな諦めきった様な表情はなく、生き生きとした目でカイを見つめていた。

 

「ああ。そうだな……。ごめん、カイ。俺間違ってたよ」

 

キリトはそう言い、銃を抜く。

 

「カイ、俺に償いをさせてくれ。今から、俺と勝負してくれ、相棒」

 

「ああ、いいぜ。そう来なくっちゃな、相棒」

 

2人は笑い合い、キリトは《ファイブセブン》のスライドを引く。

 

弾丸が排出され、キリトはそれを空中でキャッチする。

 

「互いに10m離れて、この弾丸が地面に落ちた瞬間、それが戦いの合図だ。どうだ?」

 

「ああ、いいぜ」

 

2人は10m離れ、互いの武器を構える。

 

そして、キリトが弾丸を指で弾く。

 

弾丸は、真上に飛び、そして、落ちて来る。

 

キリトは《フォトンソード》を起動し、青い光刃が輝く。

 

カイは、サーベルで居合の構えを取る。

 

2人の視界には、弾丸がゆっくりと落ちて見える。

 

(負けられない)

 

(絶対に勝つ)

 

2人が同時に心の中で呟いた時だった。

 

弾丸が地面に落ちると同時に、2人は動いた。

 

カイは地面すれすれで横に斬り払い、キリトはジャンプして斬撃を避ける。

 

しかし、カイの攻撃はまだ終わらない。

 

カイは横薙ぎの一閃を放ったまま、体を捻り、着地を狙って逆袈裟を放つ。

 

だが、キリトはその攻撃を読んでいたかのように避け、逆にカイの横腹を蹴り飛ばす。

 

「ぐぅ!」

 

カイは苦しそうな声を上げながらも、サーベルを振り、キリトの顔を切りつけ、そのまま後ろに転がって、態勢を立て直す。

 

一方キリトは下手に追撃することなく、距離を取って着地していた。

 

「流石キリト……今のは効いたぞ」

 

カイがニヤリと笑うと、キリトも笑みを浮かべる。

 

「そっちこそ……でも、まだまだここからだろ!」

 

再び両者は駆け出す。

 

カイは、キリトの《フォトンソード》を躱し、攻撃する。

 

エネルギー刃の《フォトンソード》では鍔競り合う事は出来ないので、必然とカイはキリトの攻撃を避けないといけない。

 

そして、キリトもまたカイのサーベルは、この世界で最高クラスの金属の為、《フォトンソード》程度では両断することも出来ないので、防御出来ない。

 

故に、相手の手を読み、行動しなければならない。

 

カイは、キリトの攻撃を予測し、回避していく。

 

一方のキリトは、カイの動きを見ながら、攻撃を当てるチャンスを窺う。

 

(こいつ、本当に強くなったなぁ……)

 

キリトが内心感嘆しながら、カイの一撃を回避した直後、カイは足を引っ掛けてキリトのバランスを崩そうとする。

 

「っ!」

 

バランスを崩しながらも、キリトは咄嵯の判断で《フォトンソード》をカイに向けて突き出す。

 

だが、その瞬間、カイは身を屈め、キリトの足を蹴る。

 

キリトはそのまま転倒するが、すぐに起き上がる。

 

カイもキリトも、互いの動きを警戒しながら、少しずつ後退する。

 

(光剣のエネルギー残量も残り僅か……これで決める!)

 

キリトは最後の一撃を放とうと、構えを取る。

 

(なるほど、その技で決める気だな。なら、それに応えてやるよ!)

 

カイも、キリトの構えを見て、自身も構えを取る。

 

そして、互いに最後の一歩を踏み出し、攻撃を仕掛けた。

 

「「はああああああ!!」」

 

2人の雄叫びが重なる。

 

片手剣スキル重単発技《ヴォーパル・ストライク》

 

刀スキル突進技《紫電一閃》

 

そのまま2人は、互いに立ち位置を交換するように、交差した。

 

試合の様子をモニターで見ていた、ギャラリーは何も言わず、固唾を飲んで勝負の行方を見守る。

 

そして、決着の時は訪れる。

 

キリトの《フォトンソード》の光が消え、地面に落ちる。

 

それと同時に、カイの手からサーベルが落ちる。

 

そして、2人のアバターは同時に砕け散り、上空には《Draw》の文字が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3回《BoB》

予選 Eブロック優勝者:《カイ》&《キリト》

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