ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第17話 事件捜査

カイはフルプレート・アーマーのプレイヤーを助けれなかったことに歯ぎしりする。

 

拳を握り、怒りを露わにしていた。

 

だが、カイはすぐに気持ちを切り替え、辺りを見渡す。

 

もし、男の死の原因がデュエルによるPKなら、近くに《デュエル勝利宣言メッセージ》が現れる。

 

それを見つけることが出来れば、PKしたプレイヤーを見つけることができる。

 

だが、《デュエル勝利宣言メッセージ》は現れてから、30秒で消滅するため30秒以内に探さないといけなかった。

 

「皆!デュエルのウィナー表示を探してくれ!」

 

近くにいたキリトは大声でそう叫び、周りのプレイヤーもその意図を察し、辺りを見渡す。

 

だが、誰からも発見の声が上がらなかった。

 

「建物の中には誰もいないわ!今、ミトが他の場所も探してる!」

 

「アスナ!ウィナー表示はあるか!?」

 

二階に到着したアスナがそう言い、キリトはアスナにウィナー表示の有無を聞く。

 

アスナは辺りを見渡すも首を横に振る。

 

「ダメ!ウィナー表示もシステムウィンドウもない!」

 

「……なんでだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、30秒が経過し、キリトは周りのプレイヤーたちにその場を動かないように指示し、教会へと入る。

 

カイがその場に残り、見張りをする。

 

「カイ……」

 

見張りをしていると、ミトが教会の中から出てくる。

 

「ミト………他の部屋はどうだった?」

 

カイの質問に、ミトは首を横に振って答える。

 

「念の為、《索敵》スキルで隈なく探したけど、誰もいなかった。いたのは、NPCのシスターと神父だけ」

 

「NPCじゃ事情聴取も無理か……くそっ!」

 

カイは苛立ち、寄り掛かっていた壁を殴る。

 

そこで、キリトとアスナも教会から出てくる。

 

「ミト、カイ君。私とキリト君は、この事件が解決するまで迷宮区の攻略は一旦止めるわ」

 

「もし圏内でのPKが可能なら、放って置くのは危険過ぎる。方法を調べて対策を取らないと」

 

「なるほどね。分かった、私も協力するわ」

 

「俺もだ。《圏内PK》なんて……放って置けるかよ」

 

「………カイ。大丈夫か?」

 

「何がだ?安心しろ、俺は………大丈夫だ」

 

「………そうか。ならいいんだ」

 

キリトはそう言うと、広場に残っているプレイヤーの方を見る。

 

「すまない、さっきの一件を最初から見てた人、いたら話を聞かせてほしい!」

 

キリトがそう呼び掛けると、一人の女性プレイヤーが怯えながら前に出た。

 

そんな女性に、アスナが優しく声を掛ける。

 

「ごめんね、怖い思いしたばっかりなのに。あなた、お名前は?」

 

「あ……あの、私、《ヨルコ》っていいます」

 

「もしかして、最初の悲鳴は君か?」

 

キリトがそう尋ねると、ヨルコは頷く。

 

「は、はい………私、さっき、殺された人と……一緒にいたんです。彼の名前は《カインズ》。昔、同じギルドに所属していて、今でも結構仲がよくて、今日も晩ご飯を一緒に食べるはずだったんですけど、見失っちゃって……。それで、辺りを見渡してたら、ここの窓からカインズが落ちてきて、宙吊りに……。しかも、胸に槍が刺さって………!」

 

「そのとき、誰かを見なかった?」

 

「……一瞬でしたけど、後ろに誰か……いたような気が、しました……」

 

「その人影に、見覚えは?」

 

ヨルコは首を横に振る。

 

「その、嫌なことを聞くようだけど……心当たりはあるかな……?彼が、誰かに狙われる理由に……」

 

キリトのその問いにも、ヨルコは首を横に振った。

 

「そうか、ごめん」

 

そこで、事情聴取を終わりにし、「一人で下層に戻るのが怖い」と言うヨルコを宿屋まで送り届けた後、カイ達は現場に戻った。

 

現場には攻略組を主なメンツとした、二十人弱が残っており、一連の出来事を細かく伝えた。

 

これが未知のPKの可能性があると言うことも伝えた。

 

「そんな訳だから当面は十分警戒してくれ。それと、この情報を中層・下層のプレイヤーたちにも広めて、警告してほしい」

 

「分かった。情報に関しては情報屋のペーパーに載せてもらう様に手配する」

 

現段階でできることをし、その場は解散となった。

 

「さて………次はどうする?」

 

「手持ちの情報を当たるべきだと思うわ」

 

ミトの意見に、全員が頷く。

 

「今、俺たちの手元にある情報は、このロープとスピアの二つだけ」

 

「調べるとなると《鑑定》スキルがいるな。俺とカイはそんなスキル取ってないし……アスナとミトは?」

 

「上げてないわ」

 

「同じく」

 

「なら、知り合いに誰かいないか?」

 

「友達で、武器屋の子がいるけど、今の時間は忙しいからすぐには無理かも………」

 

「なら、エギルに頼むか」

 

そう言い、キリトはボス戦の際にはカイ共々パーティーに入れてもらってる斧使いの戦士にして、商人でもあるエギルに鑑定を頼もうとする。

 

「キリト、今の時間は商人も忙しい時間だろ。頼むなら、アイツがいい」

 

「えー、アイツぅ?俺、アイツ苦手なんだけど…………」

 

「ぐだぐだ言うな」

 

カイはそう言い、メッセージウィンドウを開き、メッセージを送る。

 

「えっと………構わないってよ」

 

「なら、俺はパスだ。あいつの所に行くと、武器見せろだの、俺が鍛えなおすだの言ってくるし、下手したら無理やり愛剣をインゴットにしそうだし」

 

「じゃ、代わりに《黒鉄宮》まで行って、カインズの死亡日と原因、時間の確認頼む」

 

「あいよ」

 

キリトから証拠品のスピアとロープを預かり、カイはそれをストレージ内に仕舞う。

 

「ミトとアスナはキリトと一緒に《黒鉄宮》に行ってくれ。最近、1層を拠点にしてる《ALF》の連中の行動が常軌を逸してるって噂があるしな。こんな時間にキリト一人歩かせたら、カツアゲでもされそうだし」

 

「悪かったな。万年不審者みたいな黒服着てて。じゃあ、俺たちは《黒鉄宮》に行こう」

 

そう言うとキリトはアスナとミトに呼び掛ける。

 

「待って」

 

それに、ミトが待ったを掛けた。

 

「私はカイと行くわ」

 

「え?どうして?」

 

「分からないの?今のアナタ、事件の証拠品を持ち歩いてる。犯人に襲われる可能性があるのよ。それに、圏内PKのやり方も不明な今、一人で行動させれない」

 

「………確かにな。なら、ミトは俺と一緒に来てくれ」

 

「じゃあ、キリト。アスナをよろしく」

 

「ああ。ミト………カイをよろしくな」

 

キリトとアスナを見送り、カイとミトもカイの知り合いの所へと移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(カイ………どうしたんだろう……なんか、凄い怒ってる………)

 

ミトがカイに着いて行くと言ったのは、先ほど言った理由もあるがそれは半分程度。

 

残りはカイが心配だったからだ。

 

(隠してるけど言葉の端端にPKに対する……と言うより殺人に対する怒りがある………)

 

ミトの予想は当たっており、キリトもそれには感づいていたからこそミトにカイを任せた。

 

「ミト、着いたぞ」

 

「え?」

 

考え事をしていた所為で目的地に着いたことに気づかず、ミトは辺りを見渡す。

 

そこは48層の主街区からかなりはなれた場所にある森の中で、そこには日本家屋の様な一軒家がポツンとあった。

 

「こんな所に、人がいるの?」

 

「ああ。ちょっと変わり者の………と言うより変人な鍛冶師だけど、腕はいいからさ」

 

「変人とは随分とご挨拶じゃねぇか、カイ」

 

すると、扉が開き中から着物を着た男が現れた。

 

「キリトの野郎と一緒かと思えば、《死線》の副団長様と同伴とはな。それで、何の用だ?」

 

男の名は“トバル”

 

48層の主街区《リンダース》の郊外の森の中に住む、カイ曰く最高クラスの鍛冶職人だ。

 




エギルの出番は削りました。

必要な犠牲です
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