ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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仮想世界にまで来る迷子with愉快な仲間たち

デスゲーム開始から1ヶ月。

 

現在、SAOは第1層をクリアできないでいた。

 

クリアの目途が立たない現状に、本当に第100層まで辿り着けるのだろうかと、全員が不安になる。

 

そんな中、2022年12月4日。

 

ある転機が訪れた。

 

「ボス部屋が見つかったって?本当か、ディアベル?」

 

「ああ!本当だ!この目で確かめたんだから、間違いない!」

 

宿屋の一室で、青い髪の騎士風装備をしたプレイヤー“ディアベル”が言う。

 

ディアベルとは、カイが迷宮区を単独で攻略してる際に知り合い、ディアベルはカイの腕を見込んで自身の仲間に誘っていた。

 

「そこで、今日の16時に攻略会議を行うんだ!無論、カイも来るだろ?」

 

「ああ、勿論だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

攻略会議場所は“トールバーナ”の劇場で行われ、開始時刻が迫る中、40人ぐらいのプレイヤーが集まっていた。

 

「結構集まったな」

 

「いや、これでも少ない方さ」

 

カイの呟きに、ディアベルがそう言う。

 

「1パーティーにつき組める人数は6人、フロアボス攻略なら6人パーティーを8つ用意したレイドパーティーを組まないといけない。そして、フロアボスを死人0でクリアするなら、そのレイドパーティーが2つは必要だ」

 

「つまり、ボス攻略するには物足りないって事か」

 

「それでも、来てくれるだけ感謝さ。後は、俺の説得次第だ」

 

そう言って、ディアベルは壇上に向かう。

 

「はーい!それじゃあ、そろそろ始めさせてもらいます!」

 

ディアベルは、後ろのプレイヤーたちにも聞こえるように声を張り上げ、そして、騎士スマイルを浮かべる。

 

「皆!今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺の名はディアベル!職業は、気持ち的に騎士(ナイト)やってます!」

 

カイと初めて会った時と同じ自己紹介をし、カイは思わず笑う。

 

騎士(ナイト)だってよ。んなジョブあったか?つーか、このゲームにジョブシステムあったか?」

 

「ないわね。だから、あの人は気持ち的にはそういう立ち位置だって主張したのよ」

 

「なるほど。どうやら、彼はユーモアセンスに相当な自信があるようですね。負けてられませんね?リーダー」

 

「あ?俺はユーモアとか言ったことねぇぞ?生まれてから一度も」

 

「冗談はその凶悪面だけにしろよな、テン。お前以上のユーモアの塊を俺は見たことないぜ」

 

「ぼっちだからだろ」

 

「誰がぼっちだ!ぐべっ!」

 

「会議の邪魔になるから騒がない」

 

(…………なんだろう、今、凄く懐かしく、そして、嫌なやり取りが聞こえたぞ………)

 

カイは嫌な予感を感じ取りながら、そのやり取りが聞こえた方を見る。

 

「ぶっ!?」

 

そして、盛大に吹いた。

 

「ん?今、誰が吹かなかったか?」

 

「気の所為では?」

 

「いや、気の所為じゃねぇ。明らかに、馬鹿にされてる感じだ」

 

「んだとぉ!?誰がバカだって!?」

 

「静かにしてよグリスさん、只でさえ馬鹿と思われてるのに、グリスさんの所為で余計に馬鹿に思われるから」

 

「むしろ、グリスさんの所為で馬鹿に思われてるのでは?」

 

「俺の何処か馬鹿だって!?」

 

「はいはい、グリスが馬鹿でもゴリラでも何でもいいから、落ち着け」

 

「ほら、バナナやるから落ち着け、馬鹿ゴリラ」

 

「おっ!マジで?サンキューな」

 

「だ・か・ら、騒がない!」

 

「ぐもっ!なんで俺だけ………!」

 

(馬鹿で助かった…………)

 

カイはそう心の中で呟き、着ていたフーデットローブのフードを被り、顔を隠してその場を離れる。

 

「なんでここにいるんだよ……テン!」

 

あそこにいた馬鹿集団は、テンとその愉快な仲間たちだった。

 

「現実世界での迷子に飽き足らず、仮想世界にまで迷子しに来たのかよ!だから、お前は可哀想テンなんだよ、可哀想テン!」

 

一通り、テンに対し文句を言うとカイは自然と笑っていた。

 

「でも………皆元気そうだったな。相変わらず、騒がしいけどな」

 

一目見ただけ、それも一方的な再会であったにもかかわらずカイは嬉しそうにする。

 

「………誰も死なせやしないぞ」

 

そう決意を決め、カイはフードを被り直し、会議へと戻る。

 

「ワイはキバオウってもんや!会議を始める前に、こん中に死んでった2000人に、詫び入れなあかん奴がおるはずや!」

 

カイが戻ると、キバオウと名乗ったプレイヤーが、そう騒ぎ立てていた。

 

「β上がり共は、自分らだけうまい狩り場やボロいクエストでかっぼり儲けとる。そんでもって、9000人のビギナーは知らんぷりや。あいつらがはなから情報やアイテム、金を分けとったら2000人は死なんかったし、今頃、2層、3層、突破できとったはずや!せやから、ため込んだ金とアイテム、全部出して謝罪と賠償せい!」

 

勝手な物言いに、カイはイラつきキバオウに一言言おうと近寄る。

 

「おい、キバオウさんとやら、悪いが俺は元βテスターへの賠償請求に反対だ」

 

「なんやと?」

 

「持ってるアイテムやコルを全部出して賠償しろ…………つまり、間接的に元βテスターは弱くなれって言ってるんだぞ。そんなことして、元βテスターが死んだりしたら、アンタは責任が取れるのか?」

 

カイがそう言うと、キバオウは言葉を詰まらせる。

 

「そもそも、この場はボス攻略会議の場だ。そう言うみっともない真似は、ここ以外でしてくれ」

 

カイがそう言うと、キバオウは悔しそうな顔をするが、直ぐに表情を変えた。

 

「そうか、分かったで。お前も、β上りやろ」

 

「は?」

 

「β上りを庇ったり話をすり替えたり、β上りの証拠や!自分らの都合が良い事ばっか言って責任逃れしとるんや!」

 

あまりにも勝手な物言いにカイは本格的にイラつき始めた。

 

「お前、いい加減に「こないな奴の言葉なんか、信じ取ったらあかんで!こいつも、所詮薄汚いβ上りの屑や!」

 

キバオウのカイへの罵詈雑言は止まらず、広場に居るプレイヤーの何人かも、カイを元βテスターとして吊し上げようと賛同する。

 

「さっさと土下座して、ため込んだ金やアイテム、吐き出さんかい!」

 

流石に、この事態をディアベルは見過ごせない為、全員を宥めようと動き出す。

 

「へぇ?そいつは素敵な提案だな。……俺は反対だ」

 

だが、ディアベルより先にテンが立ち上がった。

 

「誰や。お前は」

 

「俺か?俺は通りすがりの風呂屋だ。気にすんな」

 

「そうか、風呂屋か……って!こないなとこに風呂屋がおるわけないやろ!」

 

「ちっ…勘のいいサボテン頭だ。まあ、話を戻すがお前の言い分だとβテスターはゼロの状態で冒険をスタートしろと言ってるようなもんだ。其れは……死ぬと言ってるのと同意義だって理解してる上での発言なんだろうな?サボテンオウさんよォ」

 

「キバオウや!キバオウ!さっきも言うたが失った2000人の命に詫びを入れろってワイは言うとるんや!」

 

「おいおい、そいつは偽善ってもんだぜ?責任ってのは自分が取れて、初めて成り立つんだ。考えてみろ…逆の立場なら、アンタは同じことを言われて、素直に従うか?」

 

「ぐっ……そ、それは…」

 

「よく言った、アンタの言う通りだ。兄ちゃん」

 

テンの最も意見を聞き、立ち上がったのは身長が190㎝ほどある、スキンヘッドが特徴的な黒人のプレイヤーだ

 

「俺の名はエギルだ。キバオウさん、金やアイテムはともかく、情報ならあった」

 

そう言うと、エギルは懐に忍ばせていた手の平サイズのハンドブックを取り出す

 

「コイツだ。このガイドブックは道具屋で無料配布されていたやつだ。新しい村や町に行くと必ず置いてあった。情報が早すぎるとは思わないか?」

 

「だ、だからなんや!!」

 

「俺は、コイツに載ってるモンスターやマップのデータを提供したのは、元βテスター以外にあり得ないと思ってる」

 

「だ、だけど、死んだ2000人の中には他のMMOじゃトップ張っとるベテランも居ったんやぞ!それは、どう説明するんや!」

 

「ベテランだったからこそ死んだんだろう。SAOを他のMMOと同じように計り、引き際を誤った。だが、今はそのことを追及する暇は無いと俺は思うんだが?」

 

エギルの強い目力に、キバオウは気圧されたのか静かになった。するとディアベルが手を叩き、場の空気を仕切りなおす

 

「キバオウさん、君の気持ちはよくわかるよ。でも、今は前を見るのが先だ。それに、元βテスターがボス攻略に力を貸してくれるなら、これほど頼もしいことはないと思う。君も……えっと」

 

「ソウテン」

 

「ソウテンさんも其れで納得してくれないか?」

 

「ああ。話の腰を折って、悪かったな。でも、これだけは言わせてくれねぇか?」

 

「なんだい?」

 

戻ろうとする背中にディアベルは問う。

 

風が吹き、青いマフラーが怪しげに棚引く

 

「俺は……いや、俺たちは友達を傷付けるヤツを絶対に許さない」

 

その瞳には確かな灯が宿っていた。

 

彼の先に座る仲間たちも同じように睨みを効かせている

 

「了解した、その言葉は確かに俺の胸に刻ませてもらったよ。ともかく、今は第1層のボス攻略会議が先だ。それじゃあ、2人も席に戻ってくれ」

 

「………ええわ。今だけはナイトはんに従うといたる。せやけど、ボス戦が終わったらキッチリ白黒つけさせてもらうわ。ソウテンとか言うたな?覚えたで」

 

「男に覚えられても嬉しくねぇよ。バキオウさん」

 

「キバオウや!」

 

「はいはい…ぐもっ!?2度目!?」

 

席に戻り、何事もなかったかのように座り直すとソウテンの頭に鎌が振り下ろされた

 

そして、そのまま仲間から袋叩きに会っていた。

 

「カイ、大丈夫か?」

 

「ああ、すまない。会議の場を、余計ややこしくしちまった」

 

「いや、俺の方こそすぐに助けを出せずすまない。騎士として、不甲斐ない……!このお詫びは、いつか極上のバームクーヘンで返そう!バームクーヘン職人として誓う!」

 

「騎士だったり、バームクーヘン職人だったり忙しい奴だな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、6人パーティーが7つ、そして、テンたち7人を分けた3人パーティーが1つ、4人パーティが1つ出来上がり、重装甲の壁部隊が2つ、高機動高火力の攻撃部隊が3つ。

 

そして、長モノ装備の支援部隊2つ。

 

最後に攻撃支援部隊2つだ。

 

その攻撃支援部隊にはテンたちのパーティー2つが当てられた。

 

「これで攻略会議を終了する!明日は朝8時にここに集合。全員揃ってボス部屋へと移動する。それじゃあ、解散!」

 

ディアベルが最後に〆、会議はお開きになった。

 

いよいよ、明日はボス攻略戦……




次かその次ぐらいでコラボ終わる予定です
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