ソードアート・オンライン~焔の剣聖~   作:ほにゃー

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第40話《神聖剣》との対面

74層が突破された翌日。

 

アインクラッドではカイとキリトの噂で持ち切りだった。

 

《軍の大部隊を壊滅させた悪魔》

 

《それを撃破した《黒の剣士》と《焔の剣聖》のユニークスキル》

 

《《二刀流》の50連撃》

 

《《業火刀》による骨も焼き尽くす焔の斬撃》

 

噂に尾ひれが付きまくり、最終的にキリトの《二刀流》は最大で100連撃繰り出せるだの、カイの《業火刀》は相手のHPが底を尽くまで焼き尽くすだの言われるようになった。

 

その結果、二人のねぐらには早朝から剣士や情報屋が詰めかけ、脱出するのに二人は転移結晶まで使って、エギルの店へと逃げ込んだ。

 

「引っ越してやる……どっかの田舎フロアで……誰にも気づかれずに……」

 

「どうせすぐ見つかるぞ……」

 

「まあ、有名になっちまったもんはしょうがないだろ」

 

昨日の戦闘で手に入れたアイテムを鑑定しているエギルが笑いながらそう言ってくる。

 

「いっその事、講演会をやったらどうだ?会場とチケットの手筈は俺が整えてやるぞ」

 

「誰が!」「するか!」

 

エギルに向かって、お茶を飲んでいたコップを2人は同時に投げつける。

 

「おわっ!殺す気か!」

 

エギルの顔スレスレに投げつけられたコップは、発動した《投擲》スキルによって壁にぶつかり粉々に砕ける。

 

「それにしても、ミトとアスナの奴遅いな……」

 

「メッセージは飛ばしてるからここにいるってのは分かってると思うんだけどな……」

 

「昨日の今日だし、護衛の件とかで揉めてるのかもな」

 

そんなことを話していると、階段を勢いよく駆け上がる音が聞こえ出す。

 

そして、ミトとアスナの二人が青褪めた顔で現れた。

 

「キリト君……」「カイ……」

 

「「大変なことになっちゃった………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒースクリフが俺達2人との立ち合いを求めてるだって!?」

 

2人からの話を聞き、キリトは驚きの声を上げる。

 

「一体、何がどうなってそうなったんだ?」

 

流石のカイも驚き、理由を尋ねた。

 

「昨日、私とアスナでギルド本部に行って団長に一時退団する件を話したのよ」

 

「それで、昨日はそのまま家に帰って、今日の朝のギルド例会で承認されると思ったんだけど……」

 

「団長が、私たちの一時退団を認めるには二人と立ち会うのが条件だって………」

 

「なんで二人が抜けるのに、俺たちと戦うのが条件になるんだ?」

 

「私たちにもわかんない………」

 

「そんな事しても意味がないって説得したけど……団長がどうしてもって譲らなくて……」

 

「……それにしても、珍しいな。あの男が、そんな条件を出してくるなんて」

 

「そうなのよ。団長は、普段ギルドの活動どころか、フロア攻略の作戦とかも私達に一任して全然命令とかしないのに、今回に限ってなんだよね」

 

ヒースクリフの謎の行動に、4人は頭を捻って考える。

 

「ま、考えた所で人の考えなんて分かる訳ないよな」

 

するとカイが立ち上がってそう言う。

 

「こうなったら直接確かめに行こう。そうすりゃ、ある程度の考えぐらいは読めるだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《血盟騎士団》の本部がある第55層《グランザム》に向かった4人は、すぐさまギルド本部に向かい、ヒースクリフとその幹部たちがいる部屋へと通された。

 

部屋の中は、壁全てが透明のガラス張りで、中央に半円形の巨大なテーブルと五脚の椅子ががあった。

 

そして、その中央の椅子にヒースクリフは座っていた。

 

「「お別れの挨拶に来ました」」

 

部屋に入るなり、ミトとアスナは口を揃えてそう言った。

 

「そう結論を急がなくてもいいだろう。彼らと話させてくれないか?久しぶりだねキリト君、こうして君と話すのは例の《圏内事件》で相談に乗って以来だったかな?そして、カイ君とは初めましてになるかな?」

 

「いえ……67層の対策会議で以来です」

 

「自分とも、その時少し話しました」

 

「そうだったか。あれは辛い戦いだった。我々も危うく死者を出す所だった。トップギルドなどと言われても戦力は常にギリギリだよ。……なのに君達は、我がギルドの貴重な主力プレイヤーを2人も引き抜こうとしている訳だ」

 

「それなら、護衛の人選には気を使った方がいいですよ」

 

「そもそも、護衛対象より弱いプレイヤーを護衛に就かせること自体おかしな話ですけどね」

 

カイとキリトの発言に、幹部の1人が血相を変えて立ち上がろうとするも、ヒースクリフが片手をあげて制する。

 

「クラディールとコユキ君の件で迷惑をかけたのは謝罪しよう。だが、我々としても2人のサブリーダーを引き抜かれて、はいそうですかという訳にもいかない。キリト君、カイ君。欲しければ剣で、《二刀流》と《業火刀》で奪い給え。私と戦い、君達の内どちらかが勝てば2人を連れていくがいい。だが、負けたら君達が血盟騎士団に入るのだ」

 

「2人共、乗ったらダメだよ……」

 

「私とアスナで説得するから……」

 

カイとキリトに釘を刺すミトとアスナだったがそんな2人を押しのけ、カイとキリトは前に出る。

 

「いいでしょう。剣で語れと言うならそれまでです」

 

決闘(デュエル)で決着を着けましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何考えてるのよ、馬鹿!」

 

《血盟騎士団》本部を後にして、再びエギルの店の2階へと戻るとミトはカイに怒った。

 

「わざわざ決闘(デュエル)なんか受けて……私とアスナで説得するって言ったでしょ!」

 

「わ、悪い。なんて言うか、売り言葉に買い言葉でつい……」

 

「ついじゃないでしょ!」

 

「あーもう!落ち着けって!」

 

身体をポカポカと殴って来るミトを落ち着かせるつもりで抱きしめ、そのままベッドに腰掛ける。

 

「むぅ……」

 

文句が言い足りないのかミトは不機嫌な顔をしているも、おとなしくカイの腕の中で抱かれ、自身も抱き付く。

 

「何も勝算がないわけじゃない」

 

「そうなの?」

 

「俺のユニークスキル《業火刀》、アレは対人特化だって言っただろ?つまり、相手がプレイヤーなら俺の方に分がある。もっとも、それでヒースクリフの《神聖剣》を突破できるかは分からないけど、互角に渡り合うぐらいはできるはずだ。後は、経験とか勘で補えば…………」

 

「勝てる?」

 

「………と良いけど」

 

「そこは言い切りなさいよ」

 

そう言い、ミトは抱き付く力を強める。

 

「頑張ってよね」

 

「ああ、頑張る」

 

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